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トップランドホテル体験宿泊
5月21日 (金)
ピサヌローク市内のトップランドホテルに泊まる。
このホテルには以前にも仕事で宿泊したことがあるし、ブッフェのレストランなどはプライベートで何度も利用してきている。
ほんとうは、この日からしばらく休暇を取っており、先月コロナ感染拡大で断念したタオ島行きを再度計画していた。
前回までの例から考えて、だいたい一か月もすれば、コロナ感染も落ち着いてくるだろうと思っていたのだけれど、今回の第三波はちょっとシツコイようで、なかなか感染者数が減らない。
ピサヌロークなど地方は抑え込みができていて、どんどんと規制も解除されているけれど、バンコク周辺があんまり改善されていない。
タイの世の中はバンコク中心に回っているので、地方が平穏でもバンコクに問題があれば、移動自粛などなかなか解除してもらえない。

Topland Hotel
[トップランドホテル]

そんなわけで、せっかくの休暇も遊びに出られないので、近場のトップランドホテルへ避暑に出かけることにした。
午後3時前にホテルへチェックイン。
今回もオンラインサイトのAgodaで予約して、700バーツ程度の料金。
朝食は含まれていない。
ここでの滞在中は、プールで泳ぐこと、お風呂に入ること、気持ちの良い空調で涼むことが目的。

このホテルではお手頃価格のブッフェが気に入っていたのだけれど、ブッフェは先月くらいから提供していないことは知っているので、また電気鍋や食材を持ち込んでの自炊を計画。

しかし、当てが外れたのはプール。
なんとプールの営業を中止しているとのこと。
ここのプールも建物の4階にありながら、椰子の木が茂り、人口の岩の間から滝のように水が流れ落ちてくるようなリゾート感のあるプール。
実はまだ泳いだことがなかったので、是非泳いでみたいと思っていたので、とても残念。

ホテルのプール
[椰子の木に囲まれたトロピカルなプール]

プールへの扉は南京錠でロックされたチェーンが巻き付けられていた。
プール自体は、水も流れており、このロックさえ解除してくれたら泳げそうなのだけれど、これは経費節減目的ではなく、スタッフの人員不足が原因なのではないかと思える。

施錠されたプール
[施錠された扉の向こうではハトがプールで遊んでいる]

先日宿泊したインペリアルホテルでは、プールは利用できたけれど、ホテル内のエアコンは午後4時まで停止していた。
このトップランドは日中でもエアコンが止まることはなく、部屋の中は快適。
部屋は16階建ての建物の11階の部屋となっている。
部屋の窓からは、ピサヌロークの街の北側が見える。
こちら側にはワットヤイが眼下に見えて、また周辺に高い建物がないので見晴らしがよい。
バンコクと違って、ピサヌロークでは10階以上の建物がほとんどない。
私の下宿の部屋も3階だし、オフィスも2階、つまり普段から部屋の窓から眺望を得られる機会と言うのがほとんどない。
それに、大きな窓があるのも嬉しい。

11階の部屋
[11階の部屋でも眺望が効く]

古いホテルで、家具調度品もどっしりとはしているけれど、年季が入ってちょっとお疲れ気味。
それでも、掃除はしっかりしているようだったけれど、便器の横にゴキブリが一匹死んでいた。
たぶん、部屋の中に強力な殺虫剤を撒いた後、そのままにしていたのだろう。

ゴキブリの死骸
[便器の横でゴキブリが死んでいた]

部屋からの眺めや快適なエアコンで涼めるだけではなく、バスルームではふんだんに熱いお湯が出るのも嬉しい。
これもインペリアルホテルでは、経費節減目的なのかボイラーの火を入れてないようで、ぬるい湯がチョロチョロとしか出てこなかった。
この点でもトップランドに軍配が上がる。
さっそく、おおきなバスタブにたっぷりとお湯を張って入浴。
お湯の色も茶色くない。
バスタブも大きい。
プールが使えないので、午後の時間はたっぷりお風呂で過ごそうと、風呂につかりながら文庫本を読む。
そのうちに手の指先も汗をかき始め、文庫本のページがじっとりと湿っぽくなってくる。

大きなバスタブ
[湯量も多いのでバスタブに湯を張るのも容易]

十分満足したところで、風呂から上がってみるとメールがたくさん溜まっている。
私は休暇を取っているが、他のスタッフは仕事をしているので、メールが届くのは当然。
しかも、私は休暇を理由に本日行われたテレミーティングも欠席している。
テレミーティングだから、ホテルの部屋からでも参加できないわけではなかったけれど、内容が気乗りしないものだったこともあり、欠席通知を出しておいた。
が、届いたメールを見ると、ミーティングはどうも後味の悪い結果になっていたようで、スタッフのイライラが伝わってくるような内容だった。
メールでは埒があかず、結局スタッフと電話で話すことになったのだけれど、こちらは湯上りで、服も着ないまま。
簡単に電話で済ませるつもりが、長電話となってしまった。
延々と1時間以上も電話していたために、身体がすっかり冷えてしまった。
そして、窓の外はすっかり夕景色となっている。

夕景
[ワットヤイの仏塔がライトアップされている]

ホテルの2階にあるブッフェレストランは営業していないけれど、その代わりホテルの正面で模擬店を並べて、ブッフェで提供していたような料理を販売している。
Street Foodと名付けているのだけれど、値段から言うとStreet Foodと大差ないくらいの手ごろな価格になっているけれど、Street Food = 屋台料理と言うイメージからすると、なんかもったいない気もする。
高級食材などを使っているわけでもないけど、一応はホテルのレストランの提供している料理なのに、どうしてこんなネーミングにしたのだろうか。
お客さんがたくさん買いに来て、大繁盛とまでは行かないようだけれど、飲食部門のスタッフは総出で参加しているのようだ。

ストリートフード
[ホテル前でテイクアウトの料理を販売]

ホテルから外へ出て、ワットヤイへ行ってみる。
寺院東側のアタロット仏と中央のクメール風仏塔には照明が当たりライトアップされて、夜空に浮かび上がっている。
チンナラート仏は礼拝堂の扉が閉じられており、見学できない。
ここも以前は夜9時くらいまで拝観できていたと思うけれど、いまはライトアップされてもまるで参拝者を見かけない。
いや、それもそのはずで、どうもこのお寺の門は、7時には閉門してしまうようで、お寺の回廊を一周して、そろそろホテルへ戻ろうとしたらば、どこの門も閉められてしまっており、境内から外へ出るのに、駐車場側を大回りして歩かなければならなかった。

アタロット仏
[アタロット仏と仏塔のライトアップ]

<hr>

5月22日 (土)
夜明けとともに起き出す。
外はまだ暗い。
朝のジョギングに出かけようと思ったのだけれど、靴下を持ってくるのを忘れてしまっていた。
靴下なしでジョギングしたら、足にマメができそうだし、靴のサイズが合わず走りにくそう。
仕方ないので、ジョギングではなく散歩に出ることにした。

夜明け
[部屋からみた夜明けのピサヌローク]

ワットヤイ横の市場の前では、オレンジ色の袈裟を着た僧侶が托鉢していた。
市場の正面には托鉢用の食べ物セットや切り花などが売られており、そこでセットを買って喜捨をしている市民が並んでいる。
この僧侶たちは、すでに周辺をぐるりと回った帰りなのだろうか?
それとも、この市場の前で、喜捨に訪れる市民を待っているだけなのだろうか?
私がときどき買い物に行く南市場では、朝市の時間に托鉢僧が、定位置について喜捨を受けている。
ワットヤイ前からナーン川沿い川上方向へ歩く。
ピサヌローク名物クイティアオ・ホイカーの店もまだ店開きしていない。
クイティアオなどは朝食に丁度良さそうなので、朝早くから営業していても良さそうだけど、ここに並んでいるホイカーの店は、主に観光客向けだから、お昼前後しか営業しないみたいだ。

托鉢僧
[ワットヤイ横の市場にて]

ヨーディアホテル、ドラゴンリバーアベニューホテルと続き、ここで対岸へ渡る新しい橋をかけていた。
もう橋の方は八部方完成しているようなのだけれど、ここに橋を架ける必要性をあんまり感じられない。
ワットヤイ近くには国道のナレースワン橋があるし、橋のたもとは住宅街で、道は細く、交通量も少ない。
対岸もナレースワン廟があるくらい。

このナーン川沿いはジョギングコースにもなっているようで、歩いているとジョギングをしている人とすれ違ったり、追い抜かれたりする。
土手に沿って、整備された遊歩道も続いている。
途中で、白い猫に出会う。

白い猫
[ナーン川沿いの散策中に出会ったネコ]

この遊歩道はずっと続いているのかと思ったけれど、ワット ポーティヤーンというお寺までで、その先には柵があり、門は閉まってて、進めなくなっている。
ワット ポーティヤーンも大きなお寺で、川側に突き出した部分には棺桶のように物がたくさん並び、その棺桶には何やら願い事のようなものを書き込んだカラフルなステッカーがたくさん貼りつけてある。
これらが一体どんないわれを持っているのか、知りたいとは思うけれど、説明などなさそうだ。
それにタイ語で説明があったとしても、まず読んで理解することはできないだろう。
ステッカーに書き込まれた「願い事のようなもの」さえ、実際にはなんて書いてあるのか読めないのだから。

棺桶に願い事?
[色鮮やかなステッカーが貼られた棺桶]

ワット ポーティヤーンでは、托鉢を終えて、集まった食べ物を分別して、僧侶たちが朝食の支度していた。

僧侶の朝食
[托鉢で集めた食べ物を盛り付けて朝食]

川沿いの道はこの寺で行き止まりになっていたので、この寺の境内を突っ切って、裏口から外に出ようと思った。
このお寺、600年の仏像があるとのことで、それらしき仏像を見かけたけれど、黒い仏像で、目だけが白いので、ちょっと異様な印象を受けた。

で、裏口の門は閉ざされていたのだけれど、その門に続く塀は、昔の城壁をそのまま利用したもののようで、比較的簡単によじ登ることができた。
この古い城壁を乗り越えて、外へ出ようとしたのだけれど、飛び降りる際に、右腕を木の枝にぶつけてしまった。
ちょっと皮膚が裂けて、血が出てきた。
このところケガが多い。

寺院の裏口は住宅地で、静かな環境。
ホテルからまっすぐ北に延びる道路へ向かって歩いていたら、こんどは茶色い猫に出会った。
胸のあたりの毛が刈り取られており、たぶん獣医さんのところで、何らかの治療でも受けたのだろうとは思われるが、首輪はしていない。
そして、ちょっと撫でてやったら、あとを付いてきて離れない。
飼いネコではないのだろうか?

2匹目のネコ
[胸のあたりの毛を刈り取ったのがわかる]

住宅地を抜けると、官庁の出先機関が広々とした庭を持って並んでいる。
学校もある。
そして、ホテル方向へまっすぐ続くエカトサロット通りへ出た。
まっすぐな道は、街に迷うこともないのだけれど、歩いていてあんまりおもしろくない。
距離にして2.5キロほど、車の修理屋、美容院、食堂、雑貨屋とどれもあんまり繁盛していなさそうだけど、店は続いている。

こいのぼり
[散策途中で鯉のぼりを発見 今は5月だけと、猛暑の最中]

約2時間ほどの散歩をして、ホテルにもどり、また風呂にたっぷりお湯を入れて入浴する。
トップランドホテルの滞在は、プールに入ることができなかったのは残念だったけれど、暑い風呂に入れたし、部屋からの眺めも良かったので、それなりに満足できるものであった。

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カメラを修理
5月11日から15日にかけて、バンコクのアパートに退避していた。
3日前にインペリアル・ホテルの階段から落ちて、背中と後頭部を痛めており、身体の自由があまり効かない。
ピサヌロークの下宿部屋は、とても暑いし、ベッドに横になっているだけでも、暑さのために苦痛である。
会社からは経費節減のため、一週間の無給休暇を要請されているので、仕事に出かける必要もない。
ということで、バンコクまで行ってしまえば、バンコクのアパートは風通しが良いので、ベッドで安静にしていても苦しくない。

無給扱いなので、バンコクへ行くにしても旅費を節約しなくてはならず、超格安の移動手段である鈍行列車に乗っていく。
朝6時過ぎの各駅停車で8時間の長旅である。
硬いシートとエアコンがなく、開け放った窓からは埃を浴び続けながらの汽車旅は快適とは言えないけれど、片道69バーツと言う運賃は魅力である。

ピサヌロークを出発する前に、駅近くの朝市でパートンコーと豆乳を買って列車に乗り込もうと考えていた。
この朝市のパートンコーはカリッとしていて、旨い。
旨いので、人気もあるようだ。
並ばなくては買えない。
でも、並んだけれど、なかなか順番が回ってこない。
15分経過。
そうこうしているうちに、そろそろ列車の出発時間が迫ってきてしまったので、パートンコーを断念。
パートンコーの代わりに、出来合いのカイチアオ弁当を20バーツで買って駅に走る。

カイチアオ弁当とは、玉子焼き乗せご飯のことで、玉子焼きには、カニカマもどきの切れ端やワケギが少し入っていて、ちょっとナンプラーで味付けしているだけの寂しい弁当である。
この玉子焼き以外に、なんの副菜も付いていない。
20バーツなら高くないけど、寂しい内容であった。

列車に飛び乗ってすぐに出発。
乗車率は20%程度だろうか、コロナの影響でピサヌロークとバンコクを結ぶ列車も、普段なら10往復位あったものが、3往復だけまでに減っている。
それでも、乗客は少ないまま。

カイチアオ弁当以外に、大福もちを持ってきている。
この大福もちは、本日インペリアルホテルに宿泊していた際に、茹でた小豆を餡子にして、作ったもの。
カイチアオ弁当は朝食として、そして大福もちは昼食用ということにした。
もともと食べ物など持参しなくても、いつもなら車内の通路を何人もの売り子が食べ物や飲み物を売りに行き交っているのだけれど、このコロナで売り子たちも販売自粛しているのではないかと懸念していた。
タイの長距離を走る急行列車などには、食堂車も付いていたのだけれど、去年のコロナ集団発生以来、食堂車は営業していないらしい。
それにバンコクなどでは、飲食店などの店内での食事も禁止されているそうだから、列車の中での飲食が可能かどうかも心配のタネだった。
しかし、列車の中の車内販売は健在であった。
ガパオライスやカオニャオ・ムーピンなど、ちゃんと売りに来ている。
つまり朝市で慌てて買わなくても良かったわけだ。

製造から半世紀以上が過ぎている古い客車で、窓枠がゆがんで、窓の開閉がスムースにできなかったりして、窓が開きっぱなしになっていたり、アルミ製の鎧戸が閉まったまま開かないものもあるけれど、窓からは風と共に、ディーゼル機関車の煤煙、車輪からの鉄粉、巻きあがる土埃なとで、コロナの対策でなくても、マスクが必須の状態になっている。
マスクをしていても、目に入る埃とかで、目が痛む。
ハンドタオルを車両の隅にある洗面台で、濡らして顔を拭くと少しは楽になる。

ナコンサワンを過ぎると、線路の複線化工事が行われていて、ますます埃っぽくなってくる。
少しでも顔に浴びる埃を避けるために、ボックスシートで進行方向逆向きに座る。
複線化工事が完了したら、列車の運行本数ももっと増えるのだろうか?
ピサヌロークとバンコクの間に、通常なら10往復も列車が設定されているけれど、半分がピサヌロークを深夜に発着する夜行列車で、あまり便利とは言えない。
日中のもっと利用しやすい時間帯に、列車を増やしてもらいたいものだ。

今回のバンコク行きの目的は、バンコクで静養することにあるし、ピサヌロークの病院では、あまりしっかり診断してもらえなかったので、もしトラブルが出てきた場合、バンコクのしっかりした病院へ駈け込めるだろうという目論見もあった。
さらに、カメラの修理もできたらばやってみたいと思っていた。
カメラと言うのは、妻が結婚するずっと前、使っていたというキャノンの一眼レフカメラのことで、もちろんフィルム式カメラ。
3年前に電池を交換したらば、まだシャッターが切れたので、台湾の馬租島旅行や北海道旅行に持って行ったことがある。
しかし、写真の出来はピンボケで、全体に靄がかかったようになっていて、満足できるものではなく、それ以来使っていなかった。
しかし、冷蔵庫の中にまだ未使用のフィルムが2本あったので、なにか撮影しておかないともったいないかと思って、2か月ほど前にまたこのカメラを出してきたのである。
それなのに、こんどはシャッターが切れなくなっている。
故障らしい。
昔の一眼レフは精密機械なので、変にいじくったら致命傷になりかねず、修理屋に持ち込むことにした。
調べてみたらば、ピサヌロークにも古いカメラの修理屋が一軒あり、そこへ1週間ほど入院させてみた。
しかし、結論としては壊れた箇所の交換部品がないので修理ができないとのことだった。

ピサヌロークのカメラ修理屋
[ピサヌロークの修理屋店内]

ピサヌロークでダメでも、バンコクならカメラの修理屋もたくさんあるだろうから、バンコクへ行ったときに修理を依頼してみようと考えていたわけだ。
ネットから得た情報だと、バンコクではMBKにカメラを扱っている店が集中しているらしい。

ピサヌロークからの列車は、バンコクに近づいてくると遅れ始めた。
停車駅ではなさそうなところで、止まったりしている。
チトラダ宮殿を通り過ぎ、次が終点バンコク駅と言ったところで、ヨマラート交差点にある大きな踏切手前で、また停車した。
MBKならバンコク駅よりもこの辺の方が近そうだと思い、踏切手前で停車している列車から、線路脇に飛び降りる。

MBKへ近そうだとは思ったものの、実際に歩いてみたら30分以上も時間がかかった。
それにやっぱりバンコクは車の排気ガスやゴミの悪臭で、空気が悪いようだ。
マスクは必須だけど、マスクを付けて歩くと、暑く、蒸すし、息苦しい、バンコクは歩くのにあまり適していないみたいだ。

MBKに入るのは何年ぶりだろうか、10年くらいになるかもしれない。
以前の記憶だと、通路にも出店があったりして、人も多く、ゴチャゴチャと混みあっていた印象があるけれど、これもやっぱりコロナの影響なのか、通路にもほとんど人がいない。
両脇の店も、ヒマそうにしている。
依然と変わらないのは、いまだに堂々と偽ブランド品を販売していること。

カメラ店は建物の上の階にあり、携帯電話などと一緒にカメラの店が何軒も並んでいる。
しかし、フィルム式のカメラは、どうも取り扱っていないらしい。
何軒か聞いて回ったところである店から、「メガプラザなら修理できるかも」と教えてもらった。
最初、そのメガプラザはMBKの中にある店の名前かと思ったのだけれど、メガプラザとはヤワラートの先、インド人街近くにあるショッピングセンターであるらしい。

地図で調べて、73番のバスに乗ってメガプラザを目指す。
途中、バンコクのチャイナタウンを通り抜ける。
一方通行の大通には、いつもの通り車が多かったけれど、道の両脇の中華レストランは、店内営業が禁止されており、店頭でテイクアウトを細々と売っているだけで、歩道を行き交う人の数は随分と少なくなっていた。

メガプラザ
[日本人はほとんど来なさそうなショッピングセンター]

メガプラザは、オタク向けデパートのような大きな建物であった。
建物内には、アニメのフィギュアを並べた店がやたらと目立つ。
なんか場違いなところへ来た感じもするのだけれど、カメラの店は5階に集まっており、狭い通路にびっしりと古いカメラを並べた店がある。
「修理できる」と言う店を発見。
年配の職人は、カメラを少し触っただけで、どこの部品がダメなのか、すぐに分かったらしく、シャッターボタンの動きを伝えるクランクの部分が折れていると断言した。
このカメラのパーツはもともとプラスチック製なので、ここが良く壊れるらしい。
「金属製のパーツに交換するから、1週間後に1,500バーツ持ってきな」という。
直らなかったら、金はいらないし、なんならこのカメラを1,500バーツで下取りするよともいう。
しかし、週末にはピサヌロークへ戻っているので、金曜日までにできないかと聞いたら、あっさりと「金曜の5時半に来な」と言う。

アモン・カメラ
[メガプラザ5階のアモンカメラ]
 
さて、これでこのカメラの修理は上手くいくのであろうか?
まぁ、仮に修理できなければ、1,500バーツで引き取ってくれるという。
カメラマニアでもない私に、こんな古いフィルム式一眼レフなど、お荷物なのだけれど、捨ててしまうのが可哀そうに感じて、修理する気になったまで。
もし、下取りしてもらって、どんな形であろうと、このカメラが何らかの形で再利用されるなら、それはそれでいいやと思った。

カメラの修理を待つ数日間、徹底的にバンコクのアパートのベッドに寝ころんでいた。
バンコクもピサヌロークと同じくらい気温が高いけれど、ここの部屋は風通しも良く、しかも西日に焼かれることもないので快適。
冷蔵庫の中には、冷凍しておいた食材もまだ残っている。

金曜、夕方にバイクでメガプラザへ出向く。
カメラの修理は終わっていた。
シャッターを押せば、カシャっと音がする。
シャッターは治ったらしい。
しかし、修理職人は「レンズが白濁している」という。
レンズを除くと、レンズの内側の部分が、曇りガラスのように白っぽくなっている。
長い間使わずに放置していたので、レンズの中の空気がむ淀み、微少な埃などがレンズ上に沈殿したものらしい。

シャッターが下りるようになったカメラ
[古いカメラがたくさん並んでる]

この白濁を掃除するとなると、レンズを分解して、薬品に長期間漬けるなど大変な作業になるらしい。
これも代金は1,500バーツだそうだけれど、店主は「中古のレンズを買った方がイイ」という。
ここでは同じ型の中古レンズが1,500バーツだけど、日本でなら500バーツくらいで手に入るという。

なるほど、日本でなら500バーツの中古レンズが、バンコクへ来ると1,500バーツになるのか。
それにしても、この修理屋のおやじは何でもかんでも、1,500バーツと値付けするみたいだ。

でも、日本でなら500バーツで買えるとしても、まだ当面は日本へ帰れそうもない。
当面は白濁したままのレンズで我慢することに決めた。

5月15日、ピサヌロークへ戻る列車はバンコクの出発時間が、朝7時と早い。
帰りはエアコン付きの快速列車。
切符代は300バーツ以上と、ちょっと高いけれど、窓からの埃攻めにあわないで済む。
この7時の快速列車はチェンマイ行きで、もともとはエアコン付きの車両など連結されていなかった。
しかし、他の列車の運行本数が減って、余剰の車両がたくさんあるので、他の列車からエアコン付きの車両を借りてきて連結しているのだろう。
2等車ではあるけど、もともとは寝台車の車両。
寝台を座席の組みなおしてあるので、シートの幅はゆったりしているけれど、シートは向かい合わせで、リクライニングもしない。
もし、向かい側に誰かほかの人が座ったりすると、気詰まりになりそうな構造。

エアコン付き二等車
[寝台車を昼の列車に流用]

暑い季節でもあり、切符代は高くてもエアコン付きの車両は人気があるのだろう。
乗車率は50%を超えている。
でも、運のよいことに、私の向かい側はピサヌロークに到着するまで、だれも来なかった。

エアコン付きは、埃が吹き付けることもなく良かったのだけれど、タイの常としてエアコンが強烈すぎる。
半そでシャツしか着ていなかったので、車内が寒くて、風邪を引きそうになる。
他の乗客たちは、ヤッケやジャンパーなどを着込んでいる。
しかし、足元はサンダル。

日本製の車両
[30年以上前に日立で作られた客車でした]

ピサヌロークに戻ってから、中古レンズをネットで検索してみる。
店の親父は500バーツくらいであると言っていたけれど、ネットに出展されているレンズはどれも数千円以上する。
ヘタしたら店の親父の言い値である1,500バーツの方が安いくらいだ。
たぶん、オヤジなど業者間で取引するレートと言うのは、我々外部にはわからないように存在するのかもしれない。

また、レンズの曇りを除去する簡単な方法はないかとネットで検索するが、特殊な用具が必要だったりして、どうも素人の手におえるものではなさそうだ。
それに、レンズを洗浄する特殊な液体もどうやって入手したらよいか分からない。

そこで、再びピサヌローク市内の修理屋にレンズを持ち込んでみた。
今回はパーツの交換も必要ないはずだから、ピサヌロークでもできそうな気がしていた。
そして、修理屋の兄さんは「600バーツ、明日取りに来て」と簡単にいう。
なんだ、すぐできるのか。
それに500バーツとは、バンコクよりずっと安い。

ピサヌロークの修理屋
[J. Camera Service]

翌日、修理屋に行くと、「白濁は半分しか落ちなかった、だから半額の300バーツでいいよ」という。
半分しか綺麗になっていないというのは、おもしろくない。
なんか他に方法はないかと聞いたら、「同じタイプのレンズがあるから、内部のレンズを交換してみるか」という。

内部レンズの交換ということで、また翌日来るように言われたが、翌日になって、まだ交換できていないから、もう1日待つように言われる。

そして、3日目。
内部のレンズは交換されて、レンズを覗いても白濁はほとんど感じられなくなった。
さて、これで実際にフィルムを装填して、写真を撮ってみたらば、どんな感じになるのだろうか。
ファインダー越しに覗いた感じも以前とはだいぶ違って、くっきりしている。

さて、ではいったいどんな被写体にカメラを向けてみようか。
もし、まだネコが生きていてくれたら、絶対に被写体第一号はネコになっていたはず。

ファインダー越し
[ファインダー越しに覗いてみる]


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インペリアルホテル体験宿泊
5月8日から9日にかけて、ピサヌローク市内のインペリアルホテルに宿泊してきた。
以前はアマリン・ラグーン・ホテルと呼ばれていたホテルで、ピサヌロークのような内陸にあるのに、ラグーンとは変な名前を付けたものだと感じていた。
もともと知名度の高いホテルだったようだけど、私が初めてこのホテルのことを知ったのは、20年近く前、ラビットスクーターつながりで八王子に住むアチャオ氏がタイ旅行をしたときに、わざわざこのホテルに泊まるためにピサヌロークへ立ち寄られたと聞いた時だったと思う。
たしか秋篠宮殿下がご滞在になられたホテルであったらしい。
しかし、その時は町の中心部からも少し離れているし、特別豪華でもなさそうなので、大して気にも留めていなかった。
それからだいぶ時間も流れて、私がピサヌロークで仕事を始めてから、ピサヌロークで推薦できるホテルを調べていた時に、ホテルの内部を含めて見学させてもらった。
結論から言うと、ホテルのプールはリゾート感があってよかったけれど、ホテルの客室は古く、暗く、メンテナンスが今一つで、市内では同レベルとされるトップランドホテルと比べると、立地の面で大きく水をあけられている感じがした。
ここは大きなコンベンションホールなどがあり、客層は外国時観光客よりもタイ人のセミナー向けとの印象が強かった。

そんなインペリアルホテルだけれど、長引く新型コロナウイルスの影響で、大苦戦中らしく、大胆な値引き価格を提示し始めた。
一泊当たり700バーツを切る金額でネット販売している。
せっかくの機会なので、モノは試しとこの機会に体験宿泊してみることにした。
調べてみたら500バーツ台から予約できるようであったけれど、せっかく宿泊するのならシャワーだけの部屋ではなく、バスタブのある部屋に泊まって、ゆっくり熱いお風呂に入ってみたいと、プレミア・デラックスというタイプの部屋を抑えた。
料金は様々な特典や割引を組み合わせて650バーツ。
朝食は付けていない。

宿泊当日、車に水着や自炊用の電気鍋、パンなどを積み込んで出発。
ここの滞在中のお目当ては、暑い風呂への入浴以外に、リゾート風のプールで泳ぐこと、そして小豆を煮ること。
ホテルと小豆を煮るのと、何ら関係がなさそうだけれど、下宿の部屋でコトコトと長時間煮ると、部屋に湿気と熱が充満してしまうので、換気もできて、エアコンも効くホテルで小豆を煮たいと思っていた。

天気は青空で、太陽光線がやたらと強い。
気温も35度を越えていそうな、真夏全開。

ホテル入口
[ホテルの入り口前]

ホテルのゲート前は、ちょっと凹凸のある白い壁で、なんとなく南ヨーロッパの雰囲気がある。
この手の演出はリゾート系のインペリアルホテルに共通しているのかもしれない。
滞在への期待が膨らんでくる。

チェックインに際して、電気の節約のためか、ロビーの照明を落としていて、とても暗く、営業していないのではないかと思ったほどだ。
特に外があまりに眩かったので、目が慣れずに余計に暗く感じたのかもしれない。
レセプションには女性スタッフが1名いて、簡単にチェックインの手続きを済ませてくれた。
割り振られた部屋番号は215号室。
やっぱり節電のために、午後4時まで館内ではエアコンを停めているそうだが、室内の照明やエレベーターは動いているとのこと。
まだ時刻は2時半で、4時までしばらく時間があるけれど、その間はプールで泳いでいればいいだけのこと。

しかし、時間節約のため小豆の下茹でをしておこうと思ったら、電気鍋の電源ケーブルを持ってくるのを忘れてしまった。

また、ノートパソコンのアダプタープラグを電源に差し込もうとしたら、コンセントがアース対応の3P仕様になっていない。
つまり古いタイプのコンセントしかない。
このホテルは一昨年、インペリアルホテルになる際に、リノベーションをしたということで、床なども簡易フローリングになったりしていたけれど、コンセントや洗面台回り、風呂などはそのまま手つかずだったようなのがちょっと残念。

旧式のコンセント
[旧式の電源コンセントしかない]

しかし、電気鍋の電源ケーブルがないと小豆を茹でられないので、急遽下宿に取りに戻ることにする。
また、3Pプラグからの変換プラグをレセプションで借りようとしたが、レセプションには変換プラグの予備が無いようであった。
やっぱり外国からのお客が少ない証拠なのだろうか。

ホテルの入り口から続く長いアプローチには両脇にいろいろな種類の木が植えられている。
椰子の木もあれば、ホウガンノキもある。
しかし、見慣れない緑色の実を付けた木もある。
実の大きさは野球のボールくらい。
地面に落ちた身にはアリがたかっているので、果肉は甘いのかもしれない。
拾い上げて、レセプションの女性に、この実の名前を尋ねるが知らないとのこと。
でも食べられない実なのだそうだ。
食べられるような実だったら、彼女も実の名前を知っていたかもしれない。

緑の実
[名前のわからない緑色の実]

電源ケーブルを取りに帰ったりしているうちに、さっきまであんなに晴れていたのに、ちょっと雲行きが怪しくなってきた。
雨でも降ってきそうな感じ。
急いで小豆の下茹でを済ませてしまう。

プール
[リゾート風の大きなプール]

さて、簡単に小豆を下茹でして、灰汁を抜いたので、プールでひと泳ぎしてくることにする。
海を含めてプールでも、泳ぐなんてことはこの一年間全くしていなかったような気がする。
新型コロナウイルスで海に何か行ってられなかったし、ネコが死んでしまって、一人でどこかへ出枯れようと言う気にもならなくなってしまっていた。
ネコと一緒にバンコクに住んでいた時は、しばしばプラチュアップキリカンやサッタヒープへ海水浴に出かけたものだった。
それと頸椎の手術をするまでは、毎週土曜日の午前中は泰日スタジアムの50メートルプールで2キロ近く泳いでいたものだ。

プールサイドのデッキチェアに着替えや文庫本を置こうとするより早くプールの係員がデッキチェアのマットを仕舞い、パラソルをたたみ始めてしまった。
「デッキチェアを使いたいんだけど」と係員に声をかけたが、雨が降りだすからダメだと断られる。
着替えとかは、プール併設のバーカウンターにでも置くようにと指示される。

バーカウンターはプールサイドと同じ高さに設置されており、プールに入ったままバーで飲み物が飲めるという昔流行したスタイル。
バーの内側はもちろん水は入ってこないが、水面より1メートル以上低くなって、バーテンダーが立ってサーブできるような仕組みになっている。
もっとも、全然お客がいないのでバーは空っぽ。

プール
[バーカウンターの内側からプールを眺める]

プールで泳ぎ始めてしばらくするとポツリ、ポツリと雨が降りだしてきた。
それでも、たいした降りではない。
平泳ぎにクロールでしばらくプール内を行ったり来たりしていたが、しばらく泳いでいなかったので、呼吸が上手く着いてこない。
端から端までたいした距離でもないのに、泳ぐと息が弾んでしまう。
また、右肩が痺れる。
しばらく泳いで、プールサイドで休憩しようかとも思ったが、デッキチェアのマットはないし、小雨も降っているので、そのまま水面に仰向けになって浮かんでみたりする。

電源ケーブルを忘れて下宿に取りに戻るようにロスタイムがなければ、青空の下でもっとリゾートを楽しめたのにと残念に思う。

プールで1時間ほど過ごしていたら、若い男性がプールに泳ぎに来た。
引き締まった体で、筋肉も逞しそうに見える。
そして力強く抜き手を掻きながらプールを泳ぐ。
狭いプールではないけれど、競技用のプールではないので、こちらが水面に仰向けになって浮かんでいたり、適当にフラフラと泳いでいると邪魔になりそうな気がしたので、そろそろプールから上がって、次のお楽しみ、入浴タイムに移ろうかと考え始める。

プールサイドのシャワーからは水がチョロチョロとしか出ない。
水圧が低いようだ。
適当に水を浴びて、着替えを取りにバーカウンターへの階段を降りようとしたとき、「えっ、なんで」って感じで、足を滑らせてしまった。
そして、階段に背中と後頭部を打ち付けながら、バーカウンターの床まで落ちてしまった。
意識はしっかりしているけれど、なかなか立ち上がることができない、
しばらく床に臥せっていたけれど、こうしていても仕方ないので、痛みを堪えながら起き上がり、シャツと短パンを履いて、部屋へ引き上げることにした。

歩くと、一歩一歩の振動が響いて、背中から内臓にかけて痛む。
打っていないはずの胸も息をするたびに肋骨が痛む感じだ。
後頭部には巨大なたん瘤ができているのがわかる。

部屋に戻って、バスルームの大きな鏡に背中を写してみたら、背骨に沿って背中の皮が剥けている。

背中の打撲と擦過傷
[短パンのゴムのあたりでメタボを感じさせる]

悪運強く、痛みはあるけれど、大事には至っていないようで、ホテル滞在の目的を遂行を優先させる。

下茹でをした小豆を本茹でする。
小豆1パック500グラムに対して、水を1.5リットル。
さらにココナッツ・シュガーを小豆の半量、250グラムぐらい入れて煮込み始める。
塩もほんのひとつまみほど放り込む。

全開小豆を茹でたのは1年以上前だった気がする。
あれは確かカンペーンペットとウタイタニ県の県境にあるドーク・ラック・リゾートだった気がする。
ここもネコとの思い出の残っている宿泊先だった。

小豆を茹でる
[バスルームで小豆を茹でる]

小豆を茹でるのはちょっと時間のかかる作業なので、その間に入浴をしてしまうことにする。
宿泊客が少なそうなので、お湯の栓をひねってもなかなか熱い湯が出てこないだろうとは覚悟していた。
もったいないようだけど、お湯の栓を全開にして5分ぐらい放置する。
蛇口から出てくるお湯の温度は40℃くらいだろうか、熱くはないが、もう少しすればもっと熱い湯が出て、浴槽を満たしてくれるだろうと期待をして、バスタブに湯を貯め始める。

赤いお湯
[赤っぽい色の湯]

しかし、湯が少しずつ貯まり始めて、残念だったのは、湯の色が赤っぽいこと。
サビだろうか、それとももともとこのあたりの水道水は赤い水なのだろうか、途中まで貯めたけれど、ちょっと気になるので、栓を抜いて流してしまい、改めてもう一度湯を貯めることにした。

2度目もまだ赤い色をしていたけれど、前回よりかは色が薄くなっている。
でも、湯の温度は上がっていない。
蛇口からの温度は40℃くらいで、バスタブに張った湯の温度は、温水プール並み。
タイの人たちは、お風呂に入る習慣がないし、熱いシャワーを浴びることがないから、タイ人向けの宿屋では、シャワーは小型の電気温水器によるものが一般的で、お湯は熱くない。
下宿の部屋のシャワーもおんなじだけど、下宿で西向きの我が部屋は、午後になると太陽光線に焼かれて壁が高熱となり、その熱が水道にも伝わって、水シャワーのはずがお湯になってしまうほどである。
しかし、ここでは水シャワーはちゃんと水であり、お湯シャワーはぬるま湯である。
待っていても仕方ないので、ぬるいお湯に浸かって入浴を済ませる。

背中や肘などは転倒した際に擦れて血がにじんでいる。
消毒でもしておきたいところだけれど、ホテルのレセプションに言うと、ちょっと大事になってしまいそうで気が引ける。
頭も打っているし、内臓とかも心配なので、明日あたり病院に行ってみようかとも思うが、今はホテルでの滞在を楽しむことが優先されるので、痛みは我慢することにしておく。
消毒に関しては、部屋の横がエレベーターとなっており、そのエレベーターの横に消毒用のアルコールが置かれていたことを思い出し、手のひらにアルコールジェルを受けて部屋に戻って患部に塗布する。
塗るときには、ピリリと痺れるけど、この痺れ方が消毒に効果ありそうだとも思う。

肘の擦過傷
[肘の擦過傷]

入浴中に茹であがった小豆をプラスチックのパックに詰める。
茹で加減も甘さの具合も丁度よい。
ほんのりとココナツの香もする。
そして、夕食には先ほどまで小豆を茹でていた電気鍋でスパゲティーを茹でて食べる。
皿などを持参しなかったので、茹であがったスパゲティーは電気鍋を器代わりにして、豪快に食べる。
持参して冷蔵庫で冷やしておいたビールも飲む。

ビールと夕食
[夕食のスパゲティ]

熱い湯には浸かれなかったけれど、ぬるくても一応は久々の入浴をすることができ、ビールがうまい。
部屋の中は冷房が効いているのだけれど、ゆっぱりビールを飲むときは、たっぷり汗をかき、それをさっばに流したところで飲みたいものだけれど、汗もかかず、冷房だけ効いた状態なのが雰囲気的に残念。

食後、やっぱり熱い風呂に入りたいので、お湯を熱くしてもらうようレセプションへ回ってみたけれど、誰もいなかった。

レセプション前のレストランも電気が消えたまま。
ロビーのわきの棚にはカップ麺なども並べているが、スタッフはいない。

ラウンジ
[人気のないロビーラウンジ]

しばらくすると退勤しようとしているメイドさんが通りかかったので、声をかけてお湯のことを依頼する。
メイドさんはエンジニアを行かせるから部屋で待つようにと言って、またもと来た奥の方へ消えていった。

言われた通り、部屋で少し待っていたら、ドアがノックされてエンジニアがやって来た。
もっと熱い湯を出してほしいと伝えたところ、ボイラーのガスを調節するので、1時間ほど時間がかかるという。

その間、部屋でこれも持ち込んだウイスキーをチビチビやる。
マカランというスコッチで、何年か前に飛行機の中の免税販売で買っておいたもの。
いつか飲もうと思って置いておいたが、なかなかいつかにふさわしそうな日が巡ってくることなく、このまま飲まずじまいになってしまいそうなので、封を切ることにした。

マカランウイスキー
[マカランウイスキー、熟成が進んで、とてもまろやかで深みのある味]

始めは椅子に座ってチビチビやっていたのだけれど、座った姿勢だと背中の痛みが絶えられにくなってきて、ベッドにひっくり返って、チビチビを続ける。
先日借りた「キャパになりたかったカメラマン」という文庫を読む。
平易な文章で読みやすいけれど、ベトナム戦争中の従軍中の思い出が中心なのだけれど、深みのないストーリーなので、読み進んでいくと少し退屈してくる。
取材クルーの仲間内の話ばかりで、戦場となったベトナムについてや、被写体としてとらえる兵士や難民が被写体以上の対象としては描かれていないのが深みを感じさせない原因と思われる。

さて、時間も1時間以上が経過したので、お湯の状態を確認してみる。
お湯の蛇口を全開にして、しばらく待つと、さっきよりもだいぶ熱いお湯が出てくる感じだ。
さっそくバスタブにお湯を張ってみる。
もともと、風呂は熱いのが好きなので、合格点とは言えないけれど、ちょっとぬるめで、のんびり入っているにはちょうどよさそうな湯加減にはなっている、

こうして、風呂に入ったり、風呂から出で、エアコンの効いた部屋のベッドで伸びたりするのがしたかったのだ。
もっと、熱くなってほしいけれど、650バーツとゲストハウスの宿泊料なみの料金で、あんまり贅沢を言うべきではないだろう。

本当は、湯上りにもう一本ビールを飲みたいところだったけれど、ビールは一本しか持ち込んでいないので、こちらも我慢。

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窓辺
[夜中にだいぶ雨が降ったようで、窓からの景色がしっとりしている]

翌朝、ホテルの隣には大きな市立公園がある。
普段から朝のジョギングを心がけているので、今朝は隣の市立公園内を走ってみることにする。
背中の痛みは一晩でだいぶ収まり、曲げたり、力を入れたりしなければ、どうってことないほどまでに回復している。
のんびりとジョギングするくらいなら、大丈夫そうだ。

この市立公園の名前を知らない。
調べれば、地図にもしっかり出ているし、名前など簡単に探せるのだけれど、どうもいくつもの名前があるようで、どれが本当の名前なのかよくわからない。
正面の国道沿いの入り口には国王在位60周年記念なんとか公園と書いてあるし、GoogleMapでさえ、同じ公園内でクリックする場所によって違い名前を表示したりする。
なので、面倒ただから市立公園とだけ記憶しておくことにする。

奥行きのある大きな公園で、手前と奥に2つの大きな池があり、その池を取り囲むようにジョギングコースやサイクリングコースが作られ、コース沿いには何か所ものトイレがある。
日曜日の朝ということもあるのか、たくさんの人たちがジョギングをしている。
広場で運動をしている人もいるけれど、若い人の姿はほとんど見かけない。
ほとんどが中年以上。
このあたりでは、若い人たちはあんまり健康に関心がないのだろうか。
バンコクとピサヌロークを比べると、若い人たちの容姿がまるで違うことにすぐ気が付く
バンコクの人たちは、着ているものが洗練されているだけではなく、スタイルのいい人が多い。
一方、ピサヌロークは、これがおんなじタイ人かと疑ってしまうほどだ。
田舎なので、着ているものが野暮ったいのは、当然としても、スタイルが違う。
ちょっと病的な肥満タイプが多い。
バンコクの人たちは日本人と変わらないか、むしろ日本人よりスタイルの良い人が多いくらいなのに、ピサヌロークは、まるでミクロネシアやポリネシアの島民かと思えるような、肥満形。
ここで運動している人には、そんな体形の人は見られないから、きっとピサヌロークでは若い人たちの食生活と運動不足が、体形に影響を与えているのではないかと思われる。
下宿の姉妹たちも、その典型。
そういえば、ピサヌロークの洋服屋にはオーバーサイズ専門の店がたくさんあるが、こんな店などバンコクでは見たことがない。

市立公園
[公園の池のある島には大きな遊行仏が立っているのが見える]

公園を2周ほどしてホテルへ戻る。
ホテルのレストランではどんな朝食が提供されているのだろうか、朝食代は150バーツのセットメニューと言っていたから、料金的にもそんなに高くなく、内容が良ければホテルの朝食を食べようかと思っていたのだけれど、朝食時間帯と言うのに、レストランは昨晩同様に真っ暗のままで、朝食のメニューなども掲示されていなかった。

レストラン
[朝のレストラン]

運動をしてたっぷり汗をかいたので、朝風呂を楽しもうと思ったのだけれど、昨晩熱くしてもらったお湯は再びゆるくなってしまっていた。
簡単にシャワーを浴びて、持ち込んだ食パンに昨日作った小豆を煮詰めて餡子にしたものを載せて食べる。
甘さ控えめのアンパンみたいで美味しい。
ピサヌロークでもアンパンはコンビニなどで普通に売っていて、手軽に食べられるのだけれど、アンパンに限らず、どのパンもパン生地に砂糖が大量に入っていて、やたらと甘い。
私はパン生地の甘いパンはあんまり好きではない。

プールは午前10時から使えるということなので、チェックアウトをする前にもうひと泳ぎだけしておく。

昼前にチェックアウトを済ませて、行きつけのピサヌウェート病院に立ち寄って診察を受ける。
この病院、保険も効くし、オフィスにも近いので気軽に利用できるのが良いのだけれど、バンコクの病院と比べると、やっぱり田舎の病院と言うか、いま一つな感じは否めない。
診察に当たる医師も、面倒くさそうに問診だけで、皮が剥けて血がにじんでいる患部の治療をするわけでもなく、「痛いよう
だから痛み止めを出しておきましょう」と言った程度で、こちらが後頭部を打ったと言っても、関心を示さない。
会計の窓口ではスタッフの子供がマスクも付けずに遊んでいる。
しかし、診療費はバンコクの病院と変わらないくらい高額の請求となっている。
「痛みは数日間続くでしょうね」と言っていたけれど、薬は2週間分も処方されていた。

治療費請求
[治療費3,756バーツ也]

次からはちょっと遠いけどピサヌローク市内のバンコク病院に行ってみるかな。

インペリアルホテル、長期滞在の破格料金もあるようなので、日取りの調整付けて1週間くらいホテル生活してみるのも悪くなさそうに思えるな。
大量に茹でた小豆の一部は、その後餡子にして、大福もちを作り下宿の婆さんに進呈した。
食感や味覚的にも大福もちならタイ人でも食べやすそうな気がした。
でも、田舎のタイ人にはもっと甘ったるい味の方が良かったかも。

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| 日常 | 12:26 PM | comments (0) | trackback (0) |
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