9月10日 (日)
快適に眠ることができ、目を覚ましたら大浴場へ下りて行く。
なんて幸せなんだろう。
こんな朝の時間から大浴場の浴槽には湯が張られている。
そして誰も先客はいない。
またも独占状態。
手足伸ばして、入浴ができる。
そのうちに若い学生さん風がやって来たが、彼は頭だけシャンプーして風呂には浸からずに出て行った。
このユースホステルには大浴場とは別にシャワールームもある。
シャンプーだけならシャワールームを使えば良さそうなものだが、ほんとうは入浴もするつもりで扉を開けたら、私が主みたいにして浴槽で大の字になっていたから遠慮してしまったのかもしれない。
[これがシングルルーム、ソファニに机、壁にはテレビもある]
以前、このユースホステルでは朝食のサービスもあったらしいけれど、コロナが始まってから朝食サービスは団体客だけになったようで、一般客は素泊まりしか受け付けていない。
私は機内食で手を付けなかったパンを食べて朝食の代わりとする。
レンジで温めたパンにバターを塗って食べる。
飲み物は水道の水。
今度からインスタントコーヒーを持って旅するべきかもしれない。
たとえインスタントでも水道水とパンよりずっとマシだろう。
今日のスケジュールは何も決まっていない。
どこか行きたいところなどない。
お金も使いたくない。
天気は良さそうだし、歩き回るのが一番。
さてどこへ歩くか。
Google Mapで札幌周辺の地図を眺めていて、藻岩山へ登ってみようと考えた。
ユースから歩いて行っても頂上まで3時間かからずに行けそう。
8時半に歩き始める。
針路は西にとる。
豊平川に架かる橋を渡る。
橋のたもとには鮭のオブジェがある。
季節になれば、この川を鮭が産卵のために遡上してくるのだろう。
なんどか札幌に来ているが、鮭の姿を見たことがない。
私は今日ずっと時間を持て余しているから、鮭は来るかと川面を眺めていても良いのだけれど、季節が違うから諦める。
[豊平川にかかる橋のたもとにサケのオブジェ]
豊平川を渡って中島公園へ入る。
札幌は近代的な都市計画によって作られた街だからか大規模な公園がある。
この中島公園も大きな池のある公園で、青空の下で緑が美しい。
緑は柳の葉。
植えられている木は柳が多い。
先月イギリスに行った時も柳が綺麗だった。
[柳の緑が美しい中島公園]
別に急いでいるわけでもないから、中島公園のベンチに座ったりしながらのんびり散策を楽しんでも良いはずなんだけれど、目的地を藻岩山と定めたので、中島公園内も通過するだけ。
ただ、ちょっと目に留まった建物があった。
「豊平館」という古い洋館。
ウエッジウッドのような色合いのしゃれた建物で、もともとはホテルだったらしい。
ホテルと言っても、一般客用ではなく開拓関係の迎賓館のような建物だったようだ。
明治時代の初期のころ、このような立派な洋館を立ててしまうというのは、北海道開拓へどれほど熱が入っていたかと言う証拠だともいえるけど、しかし、限られた予算をこのような一部の特権階級の人たち向けに使っているのも、鹿鳴館みたいで、なんとなく背伸びの方向を間違えているような気がする。
[豊平館、内部も見学できるようだ]
住宅地の中を歩き、市電の線路を2回渡って、市街の西側へやってくる。
もう山がすぐ近くに迫っている。
病院脇に登山口がある。
そこに登山ルートを示した地図があった。
ここから馬の背という峰に当たるところまで1.8km、さらにそこから1.1kmで藻岩山の山頂。
標高は531メートルとなっている。
1時間もあれば登れてしまえそう。
時刻は10時。
[藻岩山の登山マップ]
登山道は良く整備されている。
歩きやすい。
私の靴の底は薄いので、岩が露出していたりするところを歩くととても痛いのだけれど、土の道はならされていて、石もそれほど多くない。
歩いていると道の左手に道祖神のような石仏次々と現れてくる。
どれも置かれてから何十年も経過しているようなものばかり。
藻岩山が信仰の山と言う話は聞いたことないけど、それに近いようなものを感じさせる。
日曜日ということもありハイカーが多い。
既に登り切って下ってくる人も多い。
すれ違う時にもほとんどの人は「こんにちわ」と声をかけあう。
あんまりにすれ違う人が多いので、こんにちわの連発となる。
中には、声をかけても無言で過ぎて行く人もいる。
[登山というよりハイキング]
こちらは軽装だけれど、ハイカーの人たちはだいたいしっかりとした登山ルックをしている。
靴も登山靴で、ストックを手に持ち、ナップザックを背負っている。
それに対して、私は軽装なので、身軽で足取りは早い。
すれ違うだけでなく、登っているハイカーたちを後ろから次々と追い抜いていく。
しかし、そんな私のことを追い越していく人もある。
なんとジョギング、駆け足で山を登っている人もいる。
500メートルくらい、歩いて登るなら大してことはないけれど、走って登るとなると、相当心臓が丈夫でないとパンクしてしまうだろう。
ハイカーたちはほぼ100%カバンに鈴を付けて、チリンチリンと音をさせながら登っている。
これがクマ除けの鈴と言うものなんだろう。
しかし、こんなにハイカーが列をなして行き来していたら熊などとても出てきたりしないだろう。
馬の背という尾根のあたりまで来たら木々の間に札幌の街並みが見えた。
尾根伝いだから、ここからずっと展望が開けるのかなと期待したけれど、道は尾根の上より、西側に位置しているらしく、展望はほとんど開けなかった。
[チラリと札幌の街並みが見えた]
登山道沿いの道祖神風石仏には番号が振られていて、その番号はすでに30を越えた。
道の傾斜が急になり、木の根の露出も多くなって、少し喘ぎながら登るともう間もなく頂上へ到着。
ケーブルカーの駅もあり、駅の屋根上が展望台になっていた。
ここまで登ってくる間、ほとんどの人と「こんにちわ」と声を交わしてきたが、発音からもその登山者が日本人であることかわかった。
中に何人か西洋人もいたけれど、これは見ればわかる。
そしてアジア圏からの旅行者には出会わなかったように思ったのだけれど、頂上に来てみたら広東語なのか中国語の方言のような言葉が飛び交っている。
この人たちは、きっとケーブルカーでやって来たのだろう。
ここ藻岩山は夜景が美しいとされてて、夜は展望台が観光客で埋まるそうだから、ケーブルカーでやってくる人が多いのだろう。
時刻は11時。
登山所要時間は1時間と予定通り。
[標高531メートル]
展望台からは札幌の街並みが一望できた。
遠く石狩湾も見える。
石狩湾沿いには風力発電用の風車が並んでいる。
空は晴れて青い。
空気も薄く青い色がついている感じがする。
すべてが青いフィルターを通したような色に見える。
そして札幌の市街地はビルが多い。
つまりコンクリートだらけ。
コンクリートも青っぽく見える。
[天気に恵まれた]
展望台で一休みしながら次の目的地をどこにするか考える。
ここまで2時間半で来てしまったし、さてこれからどこへ行こう。
どこへ行くにしても、お金を使わなくて済むところがイイ。
こうした山へ登ってる分には、汗はかくけど、タダである。
スマホの地図を眺めて、札幌市の南東部に「羊が丘展望台」を発見。
今は街の西側から眺めているけど、東側からの眺めも広々として良さそうだ。
羊ヶ丘展望台へは行ったことがある。
団体ツアーを引率してだったけれど、クラーク博士の像がある場所だった。
距離にして10km前後。
やはり2時間半も歩けば到着できそうだ。
下山道は上りは別の市民スキー場側へと下りることにした。
こちらの道は先ほどの道と比べて、ハイカーが少ない。
ほとんど出会わない。
登山道は整備されていて、道に迷うことはなさそうだけれど、細い道の両側は熊笹に覆われている。
道はずっと下りと言うわけではなく、上りがしばらく続くようなところもある。
せっかく下ってきたのに、また登りとは、なんだかもったいないような気がするし、またひょっとしてどこかで道を間違えたかと不安なにったりもする。
[北海道での山登りには熊よけの鈴は必須らしい]
それでも沢の音が聞こえてきてからしばらく歩いたところでアスファルト舗装された駐車場に出た。
どうやらここが市民スキー場なんだろう。
いまはまだ雪の季節だから駐車場に止まっている車もほとんどない。
ここからはアスファルトの道を沢沿いに下る。
すぐに別荘地と言うか住宅が並ぶようになった。
やがて正面に車が行きかう国道が見えてきた。
時刻は正午を少し回ったところ。
そろそろお腹もすいてきた。
どこかで何か安く食べさせてくれる店はないかとGoogle Mapで調べてみたら、国道の交差点に「吉野家」がある。
俄かベジタリアンの私としては牛丼なんて食べたくないのだけれど、この吉野家の口コミを読んだら「アジフライ丼」など代わりメニューがあると書かれていた。
アジフライに心惹かれる。
タイにいるとアジフライなど食べるチャンスがほとんどない。
ウスタソースで千切りキャベツと一緒に食べたら旨そうだ。
黄色いカラシも付けてくれるだろうか?
ダンプカーが行きかう国道の丁字路に吉野家があった。
ファミレス風の作りの店。
自動ドアがスライドして開き、中に入るといきなりレジで「いらっしゃいませ、店内でお召し上がりですか」とパートの主婦のような女性に声をかけられる。
いやいや、ちょっと待ってほしい、店の外からアジフライはいくららなんだろうとメニューを探していたが、見つからずそりままもセに入ってしまった身に、「店内でお召し上がりですか」と聞かれても困るのである。
「ちょっと待って、メニューから選ばせてよ」と依頼をする。
変な客だと思われただろう。
だいたい吉野家へ食べに来る人はメニューなど見なくても注文できる常連さんが多いだろう。
私だって以前はそうだった。
でもメニューにアジフライは掲載されていなかった。
アジフライはなにかの期間限定メニューだっんだろうか、、、。
まぁ、アジフライでなくても牛肉以外なら許容範囲なんだけど、、。
「牛丼屋さんでこんなこと聞いて恐縮ですが、肉料理以外のメニューってありませんか?」と質問した。
一瞬間があって、
「これ牛肉も入っちゃうんですけど、ウナギも入っているウナ牛丼なんかもありますけど」と言われる。
いやいや、そうじゃないんだよね。
どうも食の世界で日本はまだまだ後進国なのかビーガン・メニューの浸透率が非常に低いようだ。
同じ吉野家でも台湾の吉野家ではビーガンなんてことがが一般化するだいぶ以前から植物由来メニューが充実していた。
結局、「すみませんでした」と頭を下げて吉野家をそのまま出てしまう。
もう一度Google Mapで検索。
こんどは「定食屋」として検索をかけてみた。
あった、国道沿いに1kmほど北上したところに「まるたま食堂」。
名前もイイじゃないですか。
口コミの評判も悪くない。
みんなが安くておいしいと書いている。
国道沿いに歩いて行って、このあたりと思われるところまで行ったのだけれど、見当たらない。
もう一度Mapを調べてみると、国道沿いではなく、すぐ裏にある道沿いにまるたま食堂はあることになっていた。
しかし、残念なことに店に暖簾はかかっていなかった。
日曜日はお休みなのかもしれない。
お休みなら仕方がない。
もう一度Google Mapの力を借りては「定食屋」を検索するが、ヒットしない。
このあたりには食堂が全く存在しないエリアのようだ。
しかたなく、国道を離れて東に延びている住宅街の中の道を歩く。
時刻は午後1時を過ぎる。
食べ物にありつける場所もわからずに歩くとますますお腹もすいてくる。
こうなったらコンビニで弁当でも買った食べるしかないかと思ったりしたが、住宅地を歩いててもコンビニさえ出てこない。
札幌と言うところは郊外の住宅街には商店や食堂がほとんど存在しない土地らしい。
特に地域ごとの商店街のようなところが見当たらない。
市内の中心部とかには繁華街もあるし街道沿いにもショッピングセンターのような施設があるようなんだけど。
午後1時、豊平川の手前でファミリーマートを発見。
コンビニ弁当でも仕方ないな、河川敷ででも食べようかと弁当陳列棚を覗いたが、弁当の種類が少ない。
そして、コスパの良さそうなものが見当たらない。
肉を乗せたような弁当とか、スパゲティとかばかり
ひとつだけ「幕ノ内弁当」があったけれど、とても小さな弁当で、おかずも寂しい。
手に取ってレジへ持って行こうかどうしようか悩んだ結果、この先に何かいい店があるかもしれないと、また弁当を陳列棚に戻してコンビニを出る。
豊平川を渡る。
橋の名前はミュンヘン橋。
札幌とミュンヘンは姉妹都市かなんかだったはず。
以前に札幌へ来たとき大通公園の奥にミュンヘンとの姉妹都市を記念するモニュメントを見た気がする。
ミュンヘンとは1972年の夏冬オリンピックが取り持つ縁なんだろう。
あのオリンピックからもう50年。
ミュンヘンにも札幌との友好を象徴するものがあるのだろうか。
札幌の片思いなんてことになってないだろうか。
[豊平川にかかるミュンヘン橋]
ミュンヘン橋を渡ると、大きな娯楽センターのような建物が見え、続いて大きなホームセンターのような建物が見えてきたが、どちらにも立ち寄らずそのまま道を直進していく。
道路標識を見るとこの先に地下鉄の駅があるらしい。
駅前なら何か定食屋でもありそうな気がする。
このあたりでは地下鉄と言っても高架を走っているようだ。
そして駅に近づいているはずなのに、道沿いにはほとんど商店が増えてこない。
これもダメかなと思っていたら、道の反対側にローカルムードが臭いほど漂っていそうな生鮮食品店があった。
スーパーと言うより八百屋と肉屋と魚屋が共同で店を張っている市場みたいな店。
ここにはコンビニよりマシな手作り風弁当がありそうな予感がする。
野菜や果物の値段が安い。
旅行中の野菜不足解消にキャベツでも買おうかと思ったが、一玉が大きすぎて食べきれそうにない。
ちょっと薄暗い店内を奥に進むと精肉売り場。
メンコロ弁当とか海苔弁とかないだろうかと見回したが肉ばかりなので素通り。
諦めムードで左手の鮮魚売り場へ回ったら、魚の切り身なんかと一緒にパック入りの握り寿司が売れ残っていた。
時刻は1時半。
見切り商品なのか680円の定価の上に50円引きのシールが貼ってある。
こういうの好きなんだな。
今日のランチは贅沢して寿司だ。
北海道来たんだから寿司を食べなくちゃ。
レジで会計すると、680円から50円引きして、630円。
しかし、これに消費税8%で680円。
なんだ、税別だったのか。
ぬか喜びをしてしまった。
このローカルな店を出て、交差点に差し掛かったら、左手側に「みよしの」があった。
これは札幌でチェーン展開しているカレーと餃子の店。
だいたい札幌に来るたびにお世話になる低価格の食堂。
うーむ、もう少し我慢すれば600円台でカレーと餃子のセットが食べれてたかもしれないと悔しく感じる。
さっき買った寿司は夕食用にして、そのまま「みよしの」に入ろうかとも思ったけれど、寿司が傷んでしまって食べられなくなってもいけないので交差点を直進する。
このあたりから起伏が多くなりはじめる。
ちょっと登ったところに児童公園があったので、そこのベンチに腰掛けてお寿司をいただくことにする。
このお寿司、買うときは値段しか見ていなかったけれど、内容は悪くない。
一貫が大きい。
シャリの上の刺身が大きく分厚い。
マグロのトロやイカなど大きすぎて、隣りの寿司に覆い被さって隠してしまっているくらいだ。
魚のバランスも良かった。
全部で10貫。
中でもホタテとボタンエビが甘くておいしかった。
お寿司だけでは満腹にならないからカップラーメンでも買おうかと思っていたけれど、お寿司だけでかなりなボリュームがあって買わなくてよかったと思う。
[この寿司はコスパも味も満足]
さらに歩くこと1時間。
ようやく羊ヶ丘の入り口に到達。
午前中の藻岩山と違って、ここは丘に過ぎないからどれほどの展望だろうか?
記憶の中のイメージは広々した緑の丘の上にクラーク博士の像が立っていると言ったもので、ここから札幌の眺望が開けていたという印象は残っていない。
でもまあ、せっかく来たんだからと入り口を入ろうとすると、有料道路の料金所のような建物があり、そこに「大人600円」と書いてある。
「?」
普通車600円の間違えではないかと思ったが、これは通行料を収受するのではなく、入場料がかかる施設らしい。
羊ヶ丘展望台が有料だったとは知らなかった。
600円も払ってクラークさんに会いに行きたいとは思わない。
せっかくここまで来たけど、羊ヶ丘には未練などない。
料金所の前で回れ右。
さっき歩いていた道をそのまま北進して福住方向へ歩く。
右手は有料の羊ヶ丘。
不心得者が入場料も払わず侵入することがないように延々とフェンスが続いている。
このフェンスと並行して背の高いポプラ並木が続いている。
[ポプラ並木の裏はフェンスが続く]
歩いて行く途中で「業務スーパー」を発見。
昨日は狸小路の業務スーパーへ行ったけど、営業しておらずタイへ持ち帰ろうと思っていたインスタントラーメンと納豆が買えなかった。
それがこんなところで出会えて感激。
早速店舗に入る。
品揃えはあんまり良くなく、味噌ラーメンはなく、塩と醤油の5食入りをそれぞれかごに入れる。
納豆も激安商品はタレとカラシなししかないので、ちょっと割高だけどおかめ納豆を3パック、そして絹ごし豆腐を1パック。
今夜の夕食は納豆と冷奴とする。
そう、ご飯が必要なのでパック入りのご飯も3パック入りを買うことにする。
明日の朝もこれで納豆ご飯が食べられる。
業務スーパーからは針路を西にとり、ユースホステルへ向かって歩く。
住宅街の中の道を歩いていると浴衣を着た若い女性を頻繁に見かけるようになる。
アジアからの観光客も日本に来て浴衣を着て歩きたがるが、こんな住宅地では考えられない。
彼女は日本人らしい。
そうして、浴衣だけでなく普段着を含めて、住宅街の道としては異常なくらい歩いている人の密度が濃くなってきた。
交通整理も出ている。
なにかイベントでもあるのかと思ったところで月寒神社禮祭と書かれたのぼりが見えてきた。
たこ焼きや綿飴などの屋台も並んでいる。
時刻は4時を回った。
あと1キロくらいでユースホステル。
ユースホステルへ帰ったら大浴場でお風呂に入ってそれから冷たいビールを飲みたい。
いや、たぶんビールだけでは飲み足らなくなり、何か他にも飲みたくなるはず。
そんなことを考えながら歩いていたら大きな酒屋があった。
スーパーマーケットのような作りの店だけど、中はお酒だらけ。
ここでウイスキーを仕入れる。
さらに缶入りのレモンサワーも買ってしまう。
レモンサワーなんて飲みつけてないけど、今日は良く歩いたし、汗もかいた。
なんか酸味の効いたものを身体が要求している。
計画通りユースに戻り、大浴場へ下りて行く。
先客はいなかったけれど、入浴中にあとから男性二人がやって来た。
二人とも私より一回りくらい年配。
北海道に旅行で来ているそうで、もう何泊もこのユースに泊まっているという。
館内でも若い人より年配者を見かける方が多いくらいだ。
[ユースのロビーに置かれたラックに「クロネコだより」、名前に惹かれる]
夕食も計画通り納豆ご飯と冷奴。
レモンサワーがやたら美味しく感じる。
缶ビールも2本飲んだら酔いが回ってきて、ウイスキーの口を切ることはなかった。
いい気分になっているところで、フロントでなんだか係員が一生懸命英語で説明しようとしている声が聞こえてきた。
どうやらチェックインしようとしている一人旅の韓国人女性に館内のルールについて説明しようとしているところらしい。
私の韓国語はすっかり錆ついてしまっているけど、少しは役に立つだろうと通訳を買って出た。
しかし、酔っているせいか韓国語とタイ語の単語がミックスになってしまったりする。
「飲み水はどこにあるのか」と質問されたので、キッチンへ案内し、「日本では水道の水をそのまま飲んでも大丈夫だ」と教えたけれど、怪訝そうな顔をしている。
習慣として水道水を飲むなんてことはないからだろう。
日本人だって最近は水を買って飲むのが常識になってきている。
「水道水が気になるのなら、コンロで沸かして飲めばいい」と案内したら納得したようだ。
[ハイサワーって旨いとはじめて知った]
寝る前にもう一度大浴場で入浴する。
今日は良く歩いた。
スマホの万歩計は26.1km、38,751歩と表示されていた。
[よく歩きました]
つづく