9月8日 木曜日
オランダ時間の7時半、台北から14時間半飛び続けて、そしてバンコクを出てから26時間くらいかけてアムステルダムのスキポール空港に着陸。
通路側の席なので、窓から外の様子が良く見えないけれど、どうやら外は雨が降っているらしい。
今回は歩く旅行のつもりでいるけれど、雨が降られると足を奪われるので困る。
[雨のスキポール空港に到着]
スキポール空港は20年以上前に来たけれど、やっぱり大きな空港で、たくさんの飛行機が発着し、到着したゲートの関係から入国審査場まで延々と歩いていく途中で、次々と別の到着ゲートから出てきた人たちが合流してくる。
そして、入国審査場ではEUからの到着とEU以外からの到着で分けられており、EU以外からの審査場には長い列ができていた。
オランダに入国するのに手続きの書類とかはパスポート以外に何も提示を求められなかった。
コロナの関係の誓約書みたいなものを用意するよう案内にあったけれど、そんなものも求められなかった。
「どこいくの、何日いるの、オランダだけ?」と簡単な英語で、簡単な質問のみで入国印を受ける。
これからの予定は、ロッテルダムへ向かうこと。
翌日の夜の船でロッテルダムからイギリスに渡るつもりなので、今日明日はロッテルダム周辺をウロウロする予定。
宿はロッテルダムから川を渡った対岸にある古い要塞都市のブリーレに安い宿を予約してある。
で、ロッテルダムへどうやって行くかだけれど、空港からロッテルダムへは電車が直通している。
乗れば1時間くらいで着くらしいが、タイと違って公共交通機関の運賃は高い。
14ユーロほどするらしい。
バーツに換算したら500バーツくらいだろうか。
それに宿のあるブリーレはロッテルダムから地下鉄とバスを乗り継いだ先にあって、それも交通費が結構かかりそう。
このあたりのことは旅行前に調べておいてあって、ロッテルダム周辺なら南ホーランドのツーリスト・デイパスと言うのを使うと、地域内の交通機関が1日乗り放題らしい。
このパスが買えるところは、スキポール空港から一番近いところがライデンのようであり、そこまで電車で行くことにする。
電車の切符も事前にオランダ国鉄のアプリで買っておいた。
駅の自動券売機で切符を買うと1ユーロの発行手数料がかかるけれど、アプリを使って買えばカード決済で、しかも手数料も不要とのことであった。
スキポール空港からライデンまで6.50ユーロ也。
[アプリでの乗車券]
アプリの切符はQRコードになっており、これが表示されてる画面を改札機にかざすだけということだったけれど、いざ空港ターミナルの電車乗り場へ行ったらば改札機も改札口も見当たらない。
階段を下りたら電車のホームで、次々と電車が発着している。
私が乗ろうと思ったライデンに行く電車も、ススーっとやって来て、ピューっと出発していってしまった。
他にもパリ行きの新幹線とかも出入りしている。
改札をすり抜けて、電車に乗ったら罰金とも聞いていたので、もう一度ホームから階段を登って、あたりを見回し、二人組の警備員らしい体格が良い男性に聞いてみた。
そしたらば、「改札なんか降りるときにQRチェックするだけでイイんだぜ」と教えてくれた。
黄色と紺色の電車は2階建てで、なんだか昔の近鉄ビスタカーを思い出させる。
東京育ちの私は実際には乗ったこともないのだけれど、のりものの絵本に橋を渡るビスタカーの絵が出ていて、2階建て電車にあこがれたものだった。
[2階建て電車に子供のころあこがれた]
ライデンまではすぐで、乗って15分くらいで到着してしまった。
降りるときには簡単な改札機があって、みんなカードのようなものをかざしてピピーっと音をさせて通り抜けていった。
私おっかなびっくりスマホをかざしたらピピーと音がした。
バンコクや日本の自動改札のように、改札機のゲートが閉まるなんてこともない。
なので、駅への出入りはとってもスムースなようだ。
ツーリスト・デイパスは駅を出てすぐのところにある観光案内所内で売っているとのことだったので、そこへ向かう。
空港では感じなかったけれど、駅を降りて、街の真ん中に立ってみると、ヨーロッパだなぁと初めて感じた。
建物も、行きかう人の歩き方も。
そして、空気までも。
[LEINDENの文字がなんとなくハングル風だけど、よく見れば鍵のイメージらしい]
観光案内所はすぐわかり、ツーリスト・デイパスもクレジットカードですぐ買えた。
14.50ユーロ
カードで買えたというより、現金の取り扱いはしていないのだそうだ。
カードを持っていない人などどうするのだろう。
係の人はロッテルダムまで行くなら、駅前から45番のバスでハーグまで行って、そこから地下鉄に乗ればいいと教えてくれた。
[小雨が降ってもカサをささない人が多いようだ]
オランダで路線バスに乗るのは初めて。
乗り方は日本と同じで、乗降口のカードリーダーへ乗るときと降りるときにカードをかざすだけのようだけど、私が買ったパスは紙でできているので、こんな紙のカードでもかざして読み取れるのかと思った。
しかし、バスの運転手さんは、パスは見せるだけでなくリーダーへかざせとゼスチャーで指示した。
ピッ
不思議だけれど、紙のパスをリーダーは読み取ってしまった。
特殊なインクでも使っているのだろうか、発展途上国のタイにいると世界の進歩に着いて行けてないと感じた。
※後でパスを光にかざしてみたら、パスは極薄の電子回路を2枚の紙で挟み込んで作られていた。
[見た目はただの紙でできたツーリストデイパス]
綺麗な街並みから少し郊外に出たかなと思う間もなく、またどっとりした街並みに入っていき、そこがハーグらしい。
仕事で観光ツアーの途中で立ち寄っているはずだけど、印象が何も残っていない。
地下鉄と接続するというバスターミナルは、近代的でガラス張りの明るい建物だった。
建物全体が透明で綺麗ではあるけれど、なんとなく殺風景な印象も受ける。
ハーグの街も歩いてみたいけれど、まずはさっさと宿へ行って、荷物を置いてきたいのでそのまま地下鉄乗り場を探す。
地下鉄の乗り場は当然ながら地下にあるものと思って建物の周りをウロウロ探したが見つからない。
オランダ語なんてわからないけど、地下鉄乗り場など見りゃわかるだろうと甘く考えていた。
地下鉄乗り場は、地下ではなく空中にあった。
空中と言うか、建物の上から発着していた。
東京だって地下鉄銀座線は渋谷のバスターミナル上から発着しているから、地下鉄の乗り場が上にあっても不思議ではないし、探しているときに建物の上に電車のホームがあることにも気づいていた。
だが、その電車が地下鉄とは思わなかっただけである。
その電車は地下鉄と言うよりも路面電車と言った感じの小さい電車であった。
日本の路面電車とは少しイメージが違うが、最近日本でも導入され始めているライトレールといった感じのものだった。
地下鉄はハーグを出てしばらくは地上を走り、ロッテルダムの中心部で地下へもぐった。
私の宿のあるブリーレは地下鉄のスパイケニッセと言う駅でバスに乗り換えていくことになっている。
そこまでは途中で一回乗り換えるだけで行けるようなので、ロッテルダムの街はそのまま地下で素通りしてしまう。
スパイケニッセは東京郊外の私鉄沿線にある新興住宅地入り口の駅と言った感じで、ちょっと殺風景だけど近代的な駅であった。
バス乗り場も整然としており、日本のバスより大きな車体でピカピカのバスが発着している。
私の知っているヨーロッパは古い町並みで、バスや電車も古くて、日本の昭和40年代のような印象だったけれど、中心部の街並みは別として、乗り物に関しては全く変わってしまっている。
郊外の街並みも、あまりにもみんな整然としていてピカピカで、タイからやって来た私には違和感すら感じる。
ブリーレで宿をとったのは、先にも書いたけれど、宿泊料が安いこと、そして翌日乗るイギリス行きの港に比較的近いことが理由で、ブリーレがどんな街であるかなんて、宿の予約をするまで街の名前すら知らなかった。
しかし、いったん宿の予約をして、ブリーレについて調べてみると歴史的に重要な場所であることがわかってきて、ブリーレに興味が出てきた。
宗教改革など高校の世界史で習った出来事の舞台でもあったし、16世紀の終わりまで、オランダはスペインの植民地であり、そのスペインからの独立が宣言された場所がブリーレであった。
16世紀の終わりまでオランダがスペインの統治下にあったなんてことすら、高校時代に習っていたはずなのに記憶がおぼろになっている。
記憶にあるのは16世紀の終わりから17世紀にかけてオランダは貿易を通じて世界中に進出していたこと。
オランダ東インド会社、バタビア建設などなど。
江戸時代に日本が西洋へ開かれていた窓口もオランダだったり、タイでもアユタヤ時代にオランダは政商としてアユタヤ王朝に深く入り込んでいた。
ちょうどそのころ、オランダ本国はスペインとの80年戦争の渦中にあったなどということは、歴史年表とか見ればわかるはずなのに、まったく抜け落ちていた。
スパイケニッセの駅を出てバスは少し走るとすぐに田園地帯となった。
田んぼがないのは当然だけれど、畑として耕作されている感じでもなくて、牧場のようなところで、緑がきれい。
道もとてもコンディションが良くて、アスファルト舗装道路には凸凹もないし、補修工事の跡も見られないからまったく新しい道を走っているような気がする。
事実、新しい道なのかも知れない。
道路に沿って続く並木の木々はプラタナスだろうか、まだ樹齢が若いようだ。
[バスからの車窓]
オランダは自転車の国だとは知っていたけれど、自転車のための側道もしっかりしている。
車道脇におまけのように仕切られている自転車レーンではなく、専用のサイクリングロードが車道と並行して走っている。
また、バスも優先レーンが多いようで、交差点などでもバスが優先されているようだ。
なので、とっても快適にブリーレまで行くことができた。
ブリーレのバス停到着はちょうど12時。
スキポール空港に着いた時の雨はすっかり上がって、青空も広がり始めている。
<br />ブリーレのバス停は街の中ではなく、堀と城壁に囲まれたブリーレの街の堀の外側にあった。
堀を渡り城壁の入り口から見たブリーレは、物々しい響きのある要塞都市とは反対にアンデルセンのおとぎ話の絵本に出てきそうなロマンチックな街並みのようだ。
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[かわいらしい街の入り口]
ここでの宿はフレッチャーホテルと言って、旧市街の真ん中に位置しているらしく、街の‐メインストリートのような道を進む。
さっきバスが走ったアスファルト舗装の道と異なり、レンガと言うか石畳の道なので、キャリーバックを転がすとゴロゴロ、ガタガタと音を立てて振動する。
宿はすぐに見つかったけれど、ホテルと言うよりレストランになっている。
ちょうど昼食時なので、ランチ客がテーブルに着いている。
そんな中、キャリーバッグをゴロゴロ言わせながら、店内の奥でウエイトレスにホテルのレセプションはどこかと聞いたら、さらに店の奥を指さした。
どうやらホテルの利用者は、駐車場に面した裏口から入るべきであったようだ。
レセプションは裏口のすぐ近くにあった。
レセプションの係は黒人女性でまだチェックイン時間に早いという。
荷物だけ預かってもらって、そのまま外へ出る。
[宿泊者はこの建物裏側からホテルへ]
今日は一日乗り放題のパスがあるので、風車が並んだ風景が楽しめるというキンデルダイクへ行ってみようと思っていた。
またバスに乗って行くことになるので、バス停まで歩いていく途中にスーパーを見つけた。
JUMBOと書かれたスーパーなのだけれど、地下鉄の入り口みたいなものしか見当たらない。
やたらと広い駐車場はある。
そしてその地下鉄乗り場のようなところから人が買い物カートを押しながら出入りしている。
スーパーはすべて地下になっていた。
ここは城壁の外側で、たぶん景観維持指定の対象外だとは思うけど、仮に外であってもこうして景観維持をしているのかもしれない。
地下に入れば、タイや日本のスーパーとおんなじ。
タイで見かけないものは、カート置き場にワイヤレスQRコードリーダーのようなものがたくさん並べられていたこと。
買い物客の半分くらいはこのリーダーを持って売り場へ入っていく。
説明書きはオランダ語なので(オランダ語かどうかも不明)、英語に似た単語を拾いながら適当に想像してみると、陳列棚の商品の値段を確認したり、レジで使ったりするものらしい。
私は、リーダーを持たずに売り場へ向かう。
[タイの即席麺もタイの倍くらいの価格で多数売られている]
スーパーに入った理由は、昼ごはんの調達。
さっきも書いたけれど、宿の一階はレストランになっており、そこで食べるのが通常の旅行者であろうけれど、私は節約旅行を決心しているので、レストランでは食べない。
ランチの看板に15ユーロと書かれていても、それは私にとって安くない。
そこでスーパーで出来合いのお惣菜やサンドウィッチでも買えば安上がりだろうと安易に考えた。
しかし、安易だった。
お惣菜やサンドウィッチも安くない。
日本の海苔巻きみたいなものやチャーハンなんかでも7ユーロくらい。
なんか安く食べられるものはないかと店内を物色したらありました。
パンの特売コーナー。
パン4つで1ユーロとなっている。
これとネギ風味のバターを買う。
有人のレジでキャッシュで会計する。
合計 1.79ユーロ
2ユーロのコインを渡して、小さなコインのお釣りを受けとる。
タイパーツ換算して60バーツ少々。
このパン、バンコクで1個10バーツじゃ買えない。
バターも安い。
とたんに嬉しくなる。
このパンをそこらへんにいくらでもある緑の牧場で食べたらピクニックみたいで美味しいだろう。
でも、あんまり人目に付かないところがイイなと、スーパーから少し離れたところにある牧草地で食べようとしたけれど、牧草が雨が降っていたからなのか、濡れていて諦め、そのままバス停に向かう。
バス停はガラス張りのシェルターになっておりベンチもある。
ここでパンをかじる。
スーパーの安売りのパンだけど、スーパーの中にパン釜があって、そこで焼いているからなのか、バンコクのスーパーで売っているパンより美味しく感じる。
パンの外側がしっかり歯ごたえがあってカリカリで、中はふんわり。
食いちぎるときには、顎が疲れるくらい。
こういうパンが好きなのである。
クロワッサンもサクサクでポロポロと表皮がこぼれ落ちてしまうので困ってしまうくらい。
ネギ風味のバターを塗りつけ、飲み物はペットボトルに入った水。
[パンが旨い]
バスを待つ間にパン3つを食べてしまい満腹。
そろそろバスが来る時間と、残ったパンをカバンにしまい、胸ポケットに入れたフリーパスを取り出そうとしたら、ポケットにパスが入っていない。
財布を探したがない。
ズボンのポケットにもない。
ない、ない、ない、、、みつからない。
どこかに落としたらしい。
このところこの手のトラブルが多い。
先月はバンコクのフードコートでランチを食べた際にカバンをテーブルに置き忘れた。
お金やパスポートなど入ったカバンで、夕方までカバンの置き忘れに気が付かなかった。
気が付いた時には顔が真っ青になっていたことだろう。
だいたい、その時はなぜカバンが手元にないのかもよくわからないくらいだった。
カバンを探しにフードコートへ戻ったら、ランチを食べたテーブルの上に、私のカバンがそのまま乗っかっていた。
そして、今朝もライデンの観光案内所でフリーパスを買った際に、財布を落としてしまいそのまま立ち去ろうとしてしまった。
出口を出ようとしたときに係員に呼び止められて、床に落ちている財布に気が付いた。
クレジットカードや現地通貨が入っている財布で、これがないと悲惨なことになるところだった。
こうして困ったときに、救われているのは、私のネコが天国から私を守ってくれているからだろうと信じている。
なので、いつもネコには手を合わせて感謝をしている。
そして、またまたフリーパスを落としてしまった。
落としたものがフリーパスだから、大したことはないし、キンデルダイクを諦めて、ブリーレの街を歩き回ればよいだけのことだけど、フリーパス14.50ユーロの元を取れていないことが悔しい。
また手を合わせてネコにお願いする。
フリーパスを落とした場所として考えられるのは、先ほどの牧草地。
地面の状態とか確認するためにかがみこんだりしたし、フリーパスと同じく胸のポケットに入れていたスマホを出し入れしていた。
牧草地へ戻ってみたら「ありました」。
緑の牧草の上に、白いパスが光っていました。
またまた手を合わせてネコに感謝。
「ネコや、いつも守ってくれてありがとう」
出直しでバスに乗り、地下鉄に乗り換えて、再びキンデルダイクへ行くバスに乗り継ぐ。
こうしてオランダの地方都市の近郊を公共交通機関を利用して移動しているけど、とても快適で、乗り継ぎもスムース。
タイとはまるで違う。
日本だってこんなに便利じゃなかったと思う。
キンデルダイクには午後3時前に到着。
天気はますます良くなってきている。
キンデルダイクは水郷地帯と言った感じのところで、水路がたくさん走っている。
そんななかにオランダの観光ポスターでよく見かける風車が何台も並んでいる。
つまり絵のような景色。
[バスを降りてすぐ、脇道へ入った風景]
帆を張って回転している風車もある。
観光客が何組も歩いている。
自転車に乗ってやってくる観光客もいる。
水路には遊覧船が行き交っている。
みんな「これぞオランダ」といった景色を求めてやって来ているのだろうけれど、確かに風車はオランダの名物だけど、すでに過去の遺物でもあるわけで、こんな景色が見られるのもオランダではここだけなわけだから、オランダでも「珍しい」景色ともいえるわけだと思う。
[そのまま絵葉書になりそう]
ここはオランダの中でもキューケンホフのチューリップ畑に次ぐくらいの観光地で、たくさんの観光客を熱るているようだけれど、日本でもタイでもよく見られる観光客相手の店はあんまり目立たない。
見つけたのは巨大な木靴のオブジェを飾った小さな土産物屋が一軒だけ。
なので、風車がならぶ散歩道を歩いていても、観光地にやって来ていると言う気がしない。
並んだ風車のある光景が、作り物ではなく、そのまま景色にマッチしている。
多少の違和感を感じさせるのは、水路を行きかう遊覧船から聞こえてくる観光案内のマイクの声くらい。
[船での水郷巡りも気持ちよさそう]
天気に恵まれ、やっばりキンデルダイクへ来てよかった。
それにここは入場料を徴収されるわけでもないので、お金を節約旅行をしている私には最適である。
オランダへ以前来た時も風車は見てきているけど、ここには来ていない。
あの時はたった一基の大きな風車があって、その風車の中がレストランになっていた。
そこでカマスのような魚の美味しいグリルを食べさせてもらった記憶がある。
食べ物の記憶があっても、風車自体の記憶が薄いところを見ると、やっぱり風車はキンデルダイクに限るのかと思う。
[バンコクの水路とあまりにも違い過ぎる]
なかなか、良い景色の中で過ごさせてもらったけれど、散歩コースは距離にして1キロ半程度。
風車を眺めながらでも1時間とはかからない。
遊覧船乗り場まで歩いたところまででおしまい。
ひとりで旅していると、景色の良いところへ来ても、ほかにやることがなくなってしまうと、景色だけいつまでも眺め続けてもいられなくなる。
[こんな道をのんびり歩きました]
そろそろブリーレの宿へ戻っても良いかと思うけど、来た時と同じルートで戻るよりも、水上バスにも乗ってみたい。
キンデルダイク入り口近くに桟橋があり、その周辺には2階建てくらいの大きな客船が係留されている。
これらの客船は宿泊施設になっているようで、川を航行するクルーザーのようなものなのかもしれない。
地図を見るとこのあたりから入り組んだ水路をたどればライン川にもつながっているようだ。
桟橋からロッテルダム行きの水上バスは出ていないようで、対岸とを結ぶフェリーが発着しているだけだった。
水上バス乗り場はキンデルダイクの先にあるようで、そこまではバスで向かう。
住宅団地や分譲住宅が並ぶようなところで下車して、水上バス乗り場まで歩く。
ここでオランダに来て初めてのネコに出会う。
タイでよく見る斑のネコ。
タイから時間した固形のキャットフードを与えてみたら、お義理程度に少し口をつけただけだた。
[タイでもよく見るブチの雌猫]
ロッテルダムへ向かう水上バスは大きな船で、タイでもサムイ島などへ向かうスピードボートに似ている。
自動車は載せないが、自転車で乗り込んでくる人は多い。
水上バスで川沿いの景色を楽しめるかと思ったけれど、川沿いの景色はそれほど面白いものは見当たらなかった。
川を航行する運搬船や艀は多いけれど、なんとなくバンコクのチャオプラヤー川と似ていて、岸は倉庫などが並んでいる程度で殺風景。
ロッテルダムの市街地が近付き始めて、変わった形の建物や橋が出てきて、目を楽しませてくれるが、それもあっというまで終点に到着。
[水上バスの船内]
ここから地下鉄にすぐ乗れるようなのだけれど、路面電車にも乗ってみたいと思い、川にかかる大きな橋のたもとで、これから橋を渡ろうとする路面電車に乗り込んだ。
3両編成(もっと長いのも走っている)、連接車体のライトレール風の路面電車で、近代的過ぎてなんだか味気ないのだけれど、便利ではある。カードリーダーでバスをピっとやるだけ。
乗り心地も悪くない。
しかし、この路面電車ではブリーレへ行く起点となるスパイケニッセへは行けないので、途中で降りてバスに乗り換え地下鉄駅のあるところまで行く。
地下鉄にさえ乗れば、スパイケニッセへは簡単に行ける。
[昔のチンチン電車とは全然イメージが違う]
路面電車、バス、地下鉄、またバスと乗り継いでブリーレの街へ戻ってきた。
宿に入る前にもう一度JUMBOのスーパーで食材を仕入れる。
またパンコーナーへ行ったが、4つで1ユーロのパンは選べる種類が少なくなっていた。
ここで買ったもの
4つで1ユーロのパン
フランス風のバゲット
ブルーチーズ
イワシのトマト煮缶詰
紙パック入り赤ワイン(1リットル)
缶ビール(500cc)
以上、10.36ユーロ。
昼のバンも残っているし、明日の朝も食べられそう。
宿に着いたらもう7時過ぎ。
でもまだ外は明るい。
宿賃を52.50ユーロ払ってカギを受けとる。
予約をしたときはタイ・バーツで1,805バーツだった。
少し現地払いが割高かなと思ったが、2.50ユーロの市税が別にかかるのだそうだ。
部屋はシングルベッドが一台で、広さも三畳くらいしかないけれど、屋根裏部屋によくある窓があり、外が見える。
トイレはシャワーは共同だけれど、部屋を出てすぐのところにあるからそれほど不便でもない。
そして、安宿と言っても清潔で、快適。
この日は二万歩ほど歩いたことになっていた。
[こういう部屋は妙に落ち着く]
夜8時を過ぎてもまだ窓から明かりが差し込んでくるけれど、ベッドに腰かけて、昼と似たような夕食を食べる。
しかし、ブルーチーズと赤ワインがあるので、とっても贅沢をしている気持ちがする。
缶ビールも特売品で0.50ユーロとお値打ち価格だったけれど、ノド越し良くて旨い。
オランダ第一日目、満足度が高い1日だった。
[質素だけれど、美味しい夕食]
つづく