4月30日~5月1日にかけてプラチュアップキリカンへネコとドライブしてきました。
現在一番気に入っているタイの街がプラチュアップで、バンコクから300キロほどと距離的にもなんとか週末利用で往復できる距離にある。
それに変に観光地化していないけど、風光明媚で、街並みも良い。
本来ならば夜明けとともに出発したいと思っていた。
今日からタイは3連休で、渋滞が予想されるのだが、朝一番に出社しなくてはならない事情があって、ネコと同伴出社。
一時間ほどで解放されて、8時にはオフィスを出る。
バンコク市内は渋滞がなかったけれど、ラマ2世道路は交通量が多く、しばしば数珠つなぎのノロノロ運転となる。
連休なので行楽地へ向かう車が多い。
タイは車が増えたし、そして週末に行楽へ出かけられる人口も増えた。
ペッチャカセム通りに入っても、相変わらず交通量が多い。
太陽も高いところに昇ってきて、強烈な日差しで目がチカチカするし、ハンドル前のダッシュボードは目玉焼きができるのではないかと思うくらい熱くなっている。
エアコンがダメなわけではない。
吹き出し口からは涼しい風が出ているのに、車内の温度全体を下げるにはパワー不足のようだ。
チャアムやフアヒンを迂回するバイパスも道路工事区間があって渋滞。
[ゴールデンシャワーと鳳凰木]
プランブリ、クイブリと南下を続けて、午後1時にプラチュアップキリカンに入る。
まずは宿探し。
ネコと泊まれそうな宿は街道沿いにバンガロー式のモーテルがいくつもあるのは知っているが、市街から離れた街道沿いより市内に近いところに宿を取りたい。
しかし、市内だとバンガロー風の宿は期待できない。
安い宿だと旅社かゲストハウス、駐車場があって、ネコと泊まれるかは期待薄。
鉄道線路を越えて数百メートルほどのところに手頃なリゾートと名の付くモーテルを発見。
バンガローと言うより、テント小屋のような形をしている。
値段も400バーツと手頃。
エアコンも温水シャワーもある。
建物の構造上、天井が斜めに下がってきているので、壁際へ寄ると頭や肩がぶつかってしまう。
[ベッドの上にはバスタオルのスワン]
ランチには前回来た時に食べて感動したピザをまた食べようと思っていたのだが、そのイタリアレストランへ行ったら営業していなかった。
しかたなくそのままマナオベイへ向かい、ビーチパラソルが差しかけてあるデッキチェアーを借りて、そこでランチにすることにした。
タイのビーチには、こうしたデッキチェアーを並べて食事をさせるところが多い。
ここマナオベイではデッキチェアーの使用料は10バーツと格安であった。
注文した料理はソムタムとイカのバジル炒め載せライス。
タイの人たちがビーチで食べたくなる人気料理はソムタムとガイヤーンのようだ。
どこのビーチに行っても、ほとんどの人がこれらイサーン料理を食べている。
しかし、タイ東北部のイサーン地方には海などないはずなのに、どうして海辺ではイサーン料理と言うのが定着したのだろうか?
会社のタイ人スタッフに質問したことがあるが、納得できる回答は得られなかった。
彼女たちの見解だと、「海辺で食べると美味しいから」と言うのが共通意見だった。
[ソムタムとイカのバジル炒めライス、席料コミデ80バーツ也]
私が海で泳いでいる間、ネコはパラソルの下に置いたカゴの中に入れて、留守番係。
自由に砂浜を散歩させてあげたい気もするが、ビーチでは食べ残しの料理を得ようと犬たちもウロウロしているので、ネコを自由にさせておくわけにはいかない。
私が海から上がっている間だけケージから出してやる。
しかし、リードは付けたままで遠くへは行けない。
[メタボ気味の腹もネコにとってはクッション]
午前中はとてつもなく強い日差しに閉口したが、午後になったら空一面が雲に覆われてしまった。
また、干潮時刻と重なり、泳ぐためには随分と砂浜を歩かなくてはならない。
そうしてたどり着いた海も、今一つ透明感がない。
去年は雨季の最中に来たような気がするが、海水は透明度が高く、サンゴや魚がたくさん見れたのに、今日はまるでだめだ。
なんだかちょっとがっかり。
宿に戻って一休みしてから、プラチュアップの海岸通りに出た。
プラチュアップの気に入っているところの一つとして、海岸線に並行して道路があり、タイの他のビーチのようにホテルが立て込んで、ビーチへ自由に出入りできない環境ではないことだ。
2キロくらいある長い海岸線に沿って通りはあり、中央部分に沖へ突き出した桟橋が伸びている。
夕刻だからなのか、道路とビーチの間の遊歩道のようなところに屋店街が出現している。
衣類や雑貨を売るテントや、料理の屋台など、、
車をガラス山の麓にある駐車場に止める。
駐車場周辺にはたくさんのサルたちが「誰かエサをくれないものか」とモノほしそうな顔をしてたむろしている。
ネコを入れたカゴをぶら下げて夜店の並ぶ海岸を歩く。
昨年の段階で体重が6キロを越えているネコなので、こうして手にぶら下げて歩くと随分と重い。
プラチュアップキリカンの街のビーチもなかなか良さそうなのだけれど、泳いでいる人を見かけない。
もう日没だからなのだろうか?
マナオベイのようにパラソルやデッキチェアも見かけない。
しかし、小さな漁船はたくさん沖に係留されている。
[ネコと夕闇が迫る海岸]
なんだか、スコールでも来そうな空模様になってきた。
ガラス山の向こう側では稲妻が光ったりしている。
せっかく店開きをした衣類を売るテントも「雨に濡れたら一大事」とばかりに、大急ぎで店じまいの準備を始めている。
[海岸中央の桟橋からガラス山方向、夜店の明かりが延びている]
桟橋周辺は食べ物の屋台が多い。
観光客もいるが、地元の人が中心で、食べ物の金額もローカルプライス。
イカを焼いたり、貝を茹でたり、屋台街ではあるが、椅子テーブルを用意しているところは少なく、歩きながらの立ち食いか、お持ち帰りスタイルが多いようだ。
カバブの屋台があったので、カバブを一つもらうことにした。
私の働く会社の少し先にナナと言う中東系の人が多く集まるエリアがあり、そこでは盛大にカバブが焼かれているが、それと比べるとミニサイズのカバブである。
削ぎ取った肉に、野菜とタレを混ぜ、小麦粉の生地で包んで出来上がり。
35バーツで、まずまずのボリューム。
桟橋に腰かけ、海岸線を眺めながら、こんなカバブと一緒にビールでも飲んだら最高だろうなぁと思ったが、そんなことをしている人は誰もいない。
[カバブ、なかなか旨いです]
しかし、雨が降り出してきた。
スコールのようだ。
大急ぎで車に戻り、昼に営業していなかったイタリアンレストランへ行く。
こんどはちゃんと営業しており、既に先客が何組かテーブルを囲んでいた。
注文したのは「マルガリータピザ」。
いつもなら絶対にビールを飲むところだが、車なのでビールは諦めてコーラを注文する。
細身の缶コーラからグラスに黒い液体をシュワシュワと注ぎ入れると、なんだか情けないような気持ちになってくる。
缶コーラは缶のままで飲むべきなのだろう。
それにレストランでは、瓶入りのコーラで出してほしい。
内容量は少なくなるが、レギュラーサイズのコーラは他の缶コーラなどより美味しく感じる。
[マルガリータピザとコーラ]
薄い生地がパリパリで、ピザは前回同様に美味しかった。
スキンヘッドのご主人は不在のようで、ピザの窯の前にはタイ人の奥さんが立って火の加減を見ていた。
店内の客も、土曜日の夜だし、西洋人たちが集まってワイワイやっているのだろうと想像していたが、西洋人はタイの若い女性とのカップルだけで、あとはなんだか中国人グループのように見えた。
宿への帰り道、CJと言うコンビニで缶ビールとホントーンと言うスピリッツを買う。
缶ビールはシンハなのだが、冷蔵庫前の値段を確認すると、シンハ34バーツ、リオ34バーツ、チャーン37バーツとなっている。
いったいいつからシンハはチャーンより安くなったのだろうか?
宿の部屋には窓がない。そのため夜寝るときに、エアコンを弱めにして使ったのだが、それでも私には涼しすぎるようで、肌掛けをかぶって寝た。
夜中に、ネコもエアコンが寒いのか、私のかぶっている肌掛けの中に潜り込んできた。
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[宿の名前はダーンタワン]
[よく見るとなぜか鯉のぼり、もうじき子供の日だからか?]
[宿の駐車場で黒猫を発見]
翌朝、目を覚ますと同時に宿を飛び出してジョギングに出る。
宿の前の通りをまっすぐ右に1キロ少々走ると、海が見えてくる。
海岸線まででたら、ビーチ沿いに桟橋まで走る。
[こんな街角からの眺めもプラチュアップの魅力]
[朝の海岸]
プラチュアップキリカンの家並はまだまだ木造の町屋が多い。
それも朽ち果てたような木造家屋ではなく、ちゃんと手入れされているので、街に落ち着きを感じさせる。
帰り道で朝食用にパートンコーを買う。
ここのパートンコーはちょっと変わっていて、中国風に細長い油條にそっくりなのがある。
普通のパートンコーはひとつ1バーツで、長くて大きいのは2つで5バーツだそうだ。
中国系の人口の多いバンコクで見かけずに、プラチュアップキリカンでは油條があるなど不思議だが、なんとなくビルマ(ミャンマー)の国境が近いからのような気もする。
去年ビルマ(ミャンマー)へ行ったときに、やはり中国式に長い油條を朝食に食べた。
このプラチュアップから車で30分も走ればビルマ国境である。
しかし、私がビルマで食べた油條は油切れが悪く、ベタ付いていたが、ここのはパリッと軽く揚がっていた。
[プラチュアップのパートンコー]
宿の近くに踏切のそばに国境行の乗り合いバンの発着所があった。
国境行だからであろうか、ビルマ語でも書かれている。
[国境行は2時間に1本の運行のようだ]
この国境行乗り場の隣に、水着や衣類などを売る店があったのだが、その店の前のマネキンがわかっていた。
水着は下しか着用しておらず、上はトップレス。
しかもベンチに背を丸めて座っているのもある。
ふつう、マネキンたちは背筋を伸ばして、モデル然としているのに、、、
こんな姿で、購買意欲をそそるものなのだろうか?
もっとも、人目を惹くことは確かかもしれない。
[トップレスのマネキンたち]
午前中にマナオベイへ行き、ひと泳ぎする。
今日は良く晴れているので、海の中も明るくて、良く見えるのではないかと期待してしまう。
[マナオベイのモニュメント]
ビーチにはたくさんの海水浴客が来ている。
デッキチェアやパラソルももう先客で埋まってしまっているようだ。
ここに来ているタイの人たちは、ほとんど水着を着用していない。
みんな短パンにTシャツのままで海に入っている。
ここは軍の施設だから、肌を露出してはいけないというルールがあるのだろうか?
前回サッタヒープへ会社のスタッフたちと遊びに行った際に、「水着で泳いではいけない」と憲兵に警告を受けた。
それまでサッタヒープがすごく気に入っていたのに、シャツを着なくては泳げないことを知って、魅力がうせてしまった。
ここでも水着で泳いでいる人はいないが、監視している憲兵もいないようだ。
[マナオベイビーチ]
日差しが強いので海の中は明るかったが、透明度はそれほど高くない。
視界は1メートル程度、そのため海中は良く見えない。
海底の砂の色なのだろうが、潜ってもベージュ色の世界が広がっているだけだ。
とりあえず、泳ぐことだけでも楽しもうと、遠浅の浜から沖へ進んで泳ぐ。
泳いでいると、すぐ目の前を何匹もの魚が並行して泳いだり、横切ったりする。
手を延ばせば届くくらいのところに魚がいるのだが、捕まえようとすると俊敏に逃げてしまう。
魚を追いかけまわしたりして、しばらく遊んでいたら、肩から背中にかけてヒリヒリしてきた。
どうも強烈な日差しで日焼けをし始めているようだ。
昼には海から上がり、5バーツを払ってシャワーを浴びて、撤収することにする。
プラチュアップキリカンの町に戻り、昼食場所を探す。
[プラチュアップキリカン市内のビーチロード]
強烈な日差しの下、プラチュアップの街はまるで午睡に時間に入ってしまったかのように静かだ。
朝ジョギングしたときには営業していた中華まんの店も閉まっている。
ワンタン麺が食べたいとしばらく街中を流しながら探したが、それらしい店は見つけられず、ありきたりの食堂に入る。
[本日のメニュー]
本日のメニューと言うのが掲示されていて、タイ文字を一文字ずつ確認しながら読んでみて、首を傾げた。
メニューのトップに書かれている料理は「カーウパット・ミアノーイ」とある。
カーウパットはチャーハンのこと、でミアノーイとは「お妾さん」のことである。
「お妾さんチャーハン」とはいったいどんなものなのだろうか?
お妾さんから受けるイメージに「料理上手」というものを私は持ち合わせていない。
さては、本妻の怨念のこもったチャーハンだろうか、、
店主にこれは何かと質問したら、具だくさんのチャーハンとのこと。
[これがお妾さんチャーハン]
豚肉の揚げたものが載せられてあり、カシューナッツと唐辛子の刻んだものが添えてある。
うーん、スタミナは付きそうだ。
たしかにお妾さんのところへ行く前に食べるのにちょうど良さそうだと勝手に納得する。
味の方も悪くなかった。
この食堂でもネコを飼っていた。
店の主人は先日飼っていた金色のネコが家出して帰ってこないんだと嘆いていた。
ネコの家出を嘆くのは世界共通のようだ。
子猫の時から育てて、6か月目だったそうである。
家出ネコ以外にも、犬やネコを飼っているらしく、奥から一匹のネコを連れてきた。
[カゴの中で目を光らせているのがウチのネコ]
午後2時にプラチュアップキリカンを出発。
国道の脇でパイナップルの切り売りを買う。
20バーツで、ちょっと高い気もしたが、以前プラチュアップで食べたパイナップルがものすごくおいしかったので、今回も期待したのだが、残念ながら味はバンコクのモノと変わらなかった。
帰り道も、ペッチャブリあたりから渋滞とノロノロ運転となり、バンコクまで6時間以上、つまり往路よりも時間がかかって到着。
暑かったこともあるが、疲れた。
昔はエアコンもろくに効かないビートルで1日に1200キロも走ったりしてたのに、たかだか300キロでダウンしてしまうなんて、随分と体力が落ちてしまったものだ。
これではチェンマイへドライブするのも無理かもしれない。
翌日、会社へ出社しタイ人スタッフに「カーウパット・ミアノーイ(お妾さんチャーハン)って知ってるか?」と質問したら、聞いたことがないという。
しかし、「たぶんお肉とかいっぱい入っているイメージかな」とのこと。なぜそんなイメージかと聞いたら、「だってお妾さんだから贅沢させるんでしょ」だって。
タイの人のお妾さんに対する印象は日本人とはだいぶ違うようだ。