2021,07,09, Friday
以前にも書いたけれど、妻が持っていたフィルム式一眼レフカメラが故障して、シャッターが切れなくなっていた。
その修理のためにバンコクのメガプラザというところまで持ち込んで部品交換を受けた。 [カメラを修理]のブログ 中古からの再生品だけどレンズも交換して、ファインダー越しに見ても被写体がだいぶスッキリしているのがわかる。 ネコが生きていたら、シャッター第一号のモデルになってほしかった。 結局、一枚目はネコの祭壇を被写体に選んだ。 [部屋の壁にネコの遺影とネコの御膳] 最初のシャッターはフィルムを十分に巻いてから押さなかったため、端の方が感光してしまっている。 続いてカメラを向けたのは、部屋から見えるワット・チャン・タワントク。 ネコはここの焼き場で火葬してもらった。 [金色に輝くお堂は写真映えがする] フィルムは数年前に日本で買っておいた27枚撮りで、ずっと冷蔵庫の中に保管してきていた。 タイでもまだフィルムを売っていたりするけれど、値段も高いし、それに高温なので保管状態も気になる。 フィルムカメラは、シャッターを押しても、それがどんな感じに写っているのかわからない。 しかも、フィルムも現像もプリントもお金がかかる。 プロのカメラマンなら、自分が押したシャッターの写真の出来具合など、想像が付くのだろうけれど、 私にはさっぱりイメージがつかめない。 小さなファインダーから覗いて、ピントを合わせるのだって大変な作業。 もともと目が悪いこともあって、くっきり見えない。 露光やシャッタースピードも本来ならきちんと設定すべきところだけれど、このキヤノンAE-1というカメラは、 当時最先端のプログラムを内蔵してて、自動設定してくれるらしい。 いまなら当然のことなのだろうけど、当時は画期的だったらしい。 しかしまだピント合わせを自動化するオートフォーカス機能は開発されていなかった頃のモデルである。 ということで、根がケチなこともあり、シャッター一枚一枚にも本気になる。 本気になっても、技量が伴っていないのだからどうしようもないけれど、スマホと違って、「ここは」と思うところ以外では、カメラを向けない。 しかも、カメラも重いので、そうそう持ち歩いたりしない。 だからますますシャッターを押す機会が減って、フィルムのマス目が進まない。 [ナーン川沿いの火焔樹の木] 雨期入り宣言直後は、まだ暑期の盛りで、強烈な日差しに火焔樹のオレンジが映えている。 ここでシャッターを押して、そのままスマホでも写真を撮ってみる。 [スマホで撮影した同じ火焔樹] スマホにはさまざまなプログラムが入っていて、ピントだけではなく、色の補正とか、手ぶれ補正とか、全部やってくれてるから、構図さえ決めれば、素人でもプロの技術が使えてしまうのだろう。 雨の降る中、ダンサイ村のピーターコン祭りでも、コロナでなかなか現れてくれないピーを被写体にしてシャッターを切った。 [ピーターコン祭りで登場したハリボテのオバケ] 動きのある被写体を狙うのは、とても難しい。 ピントを合わせているうちに被写体はどこかへ行ってしまう。 その点では風景を映すのは、ちゃんと構えることができる。 [バンコクのアパートから見えた朝焼け] バンコクへ戻っていた時、朝目が覚めたら、ちょっと怖いくらいの朝焼けが見えたので、シャッターを切ってみる。 雨期入りして、空に雲が多くなっていて、その雲が朝日に反射してエビ茶色に光っている。 そんなこんなで、ようやく27枚撮りフィルムを約二か月かがかりで撮り切ったのが7月4日。 翌5日の午後にフィルムを現像に出す。 以前、ピサヌロークではフィルムの現像はできないからバンコクへ持って行くしかないと写真屋に言われたことがあったが、今回レンズの修理をしてくれた修理屋によると、ピサヌロークでも現像が可能とのことで、市内の写真屋を訪ねてみたけれど、どこもフィルムを売っている店はあっても、現像はやっていないという。 いったい、フィルムを買った人が現像する時はどうするのだろう。 それにショーケースに入ったフィルムのパッケージも色あせているから、いったい何年前のモノかもわからない。 もういちど修理屋へ行って、現像できる店を教えてもらう。 修理屋は地図まで描いて説明してくれた。 フイルムを現像できる店はPhoto Plusという店舗で、鉄道線路を越えた先にあった。 店内は写真屋といったイメージではなかったけれど、フィルムを専門にやっているという。 店の奥の方に、むかしタイの写真屋でよく見かけた同時プリントの巨大な機械が置かれている。 これが現役かどうかわからないけれど、店の女性に「DPEで」と言ったけれど通じなかった。 タイ語で同時プリントを何というのかわからない。 料金は現像が150バーツだけど、いまはフェースブックのシェアキャンペーンで100バーツとのこと。 プリントは一枚3バーツらしい。 夕方5時ごろに現像が完了するので、それから焼き付ける写真を選べと言う。 こちらとしては、同時プリントの発想なので、出来の良し悪しに関係なく、全部プリントしてほしいのだけれど、その辺の意思疎通ができない。 27枚撮りでも、実際に何枚の写真かは現像してみないとわからないという。 どうやら、料金は前払いらしく、何枚プリントするか分からないから、金額が確定できないと言っているらしい。 現像が終わったら通信アプリのLineで知らせるというので、ひとまず引き上げる。 焼き付ける写真が決まったら、プリントには1時間とかからないという。 そして、6時少し前にLineでメッセージが届いた。 なんと、ただ現像してくれただけではなく、デジタル処理した画像データまでダウンロードできるようになっている。 なるほど、そういえば店のスタッフは、「現像の終わったネガフィルムは必要か?」と質問してきた。 「ネガが必要なら1週間以内に取りに来ないと処分してしまいます」とも付け加えられた。 写真を現像に出して、ネガが不要なわけないのに、なんでこんな当たり前の質問をするのだろうと思っていたけれど、 どうやらデジタル化してフィルムは不要と言う人も多いのだろう。 時代は変わったものだ。 [画像を選んでダウンロードすることもできる] あらためてすべて写真に焼いてもらうように伝えて、店に受け取りに行く。 写真の出来具合だけれど、このブログに貼り付けている通りで、下手な写真ばかりである。 でも、プリントされた写真の感じから、なんとなく印画紙に焼き付けプリントしたものではなく、デジタル処理したものをプリンターで印刷したみたいだった。 色合いも、デジタルで補正されたような印象がある。 またいつか機会があれば、バンコクにでもネガを持って行って、ちゃんと印画紙に焼き付けてもらってみようと思う。 |
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