4月29日 木曜日
ソンクラーンが過ぎてから、ツアーもキャンセル続きで、やるべき仕事がほとんどなくなってしまった。
オフィスにいても仕方ないので、休みを取っているけれど、どこにも出かけられないのはつまらない。
今日は午後からでもカンペーンペットにあるプラルアン温泉に行って、久しぶりに入浴しようと思っていた。
一昨日の火曜日に温泉へ電話したら、大風呂以外は営業中とのことだったけれど、さっき電話したら、「たったいま閉園になった」という。
新型コロナの第3波が広がったので、その予防措置なのだろう。
世界遺産に指定されているスコータイなどの歴史公園も、閉鎖になっている。
前回も書いたけれど、頸椎のトラブルが再発したようで、右腕の調子が悪い。
温泉にでも浸かって、湯治しようと思っていたのに、できなくなってしまった。
温泉では、一昨年の暮れにネコと入浴して以来、ずっと入浴していない。
行こうと思えば、行ける距離だし、時間もあったけれど、ネコとの思い出がとても深くて、なかなか一人で行く気になれなかったけれど、こう右腕の具合が悪いと、早めに治しておきたいとの気持ちから、一人でも行く気になったのに残念だ。
下宿先の女主人が以前から「スシを作って食べさせてほしい」と言っていた。
女主人の想像しているスシがどんなものか分からないが、ピサヌロークで一般的にスシと呼ばれているものは、日本人的な感覚の寿司とはだいぶ異なっている。
だいたい酢飯を受け付けるかもわからないし、ピサヌロークではネタにする刺身も入手困難。
そもそも生の魚は食べられないと女主人も言っていた。
そこで、思案の末、サラダ巻きを作ってみることにした。
昨日から材料集め。
まず、昼休みにトップランド・プラザ地下に入っているスーパーを物色したけれど、海苔巻きを作るためのノリからして売っていない。
帰りがけに、通勤途中にあるeconというスーパーに立ち寄ったらノリはタイ人がスナック代わりに食べる味付け海苔しかない。
ワサビもない。
帰宅後、車を引っ張り出して、郊外のセントラルプラザへ行ってみる。
ここにはトップスも入っているので、期待したが、ノリもあるし、ワサビもあるが、値段も高い。
トップスでは粉のワサビとツナ缶詰だけを買う。
翌朝、最近見つけたセルフ式ガソリンスタンドに併設された業務用冷凍食品店へ行ってみた。
まだ朝8時と言う早い時間からオープンしているのは、業務用の店だからだろうか。
ここでは、ピサヌロークにあるニッポン食の食堂相手と思われる冷凍食材を販売している。
スシの材料も各種あるが、刺身はサーモンのみ。
他にサバ、イカ、タコなどと玉子焼き。
餃子やたこ焼きなども冷凍で売られている。
ここで、ノリとカニかまぼこを買う。
タイの人はカニかまぼこ好きが多く、よくブッフェのメニューにも入っているが、ブッフェのメニューは材料費を切り詰めているからか、安物で、マズイ。
そこで、カニかまぼこは、何種類かあるうちでも、比較的値段の高いものを選んだ。
最後にサニーレタスを少しばかり近所で買って、材料集め完了。
本当は「巻き簾」もほしかったけど、ピサヌロークでは入手できそうになかったし、ネットで検索したら、巻き簾なしでも海苔巻きを作ることは可能らしいので省略とした。
[ビニール袋に入った海苔はメーカー名も賞味期限も書かれてなかった]
ご飯を2合半炊く。
ご飯は日本米ではなく、ジャスミンライス2に対してもち米1の割合で炊いてある。
出来合いの寿司酢を混ぜ合わせる。
[団扇で扇がず卓上扇風機を利用]
玉子焼きを作る。
電気鍋ながらなんとなく厚焼き玉子らしく仕上げることに成功。
玉子は大玉2個使う。
キュウリを二本細切りにする。
タイのキュウリなので、ちょっと水っぽい感じ。
カニかまぼこは9本。
日本のカニカマに似た食感があり、満足できる水準。
ツナ缶のツナ・フレークはノンシュガー・マヨネーズ(キューピー)で和える。
タイのマヨネーズは大量の砂糖入りが一般的。
サニーレタスは適当に刻む。
[このほかにサニーレタスとツナフレークが別にあります]
ノリを広げ、ご飯を薄く載せていく。
手前に細切りキュウリ、続いて玉子焼きとカニかまぼこ。
上から刻んだサニーレタスを散らして、最後にマヨネーズで和えたツナフレークを伸ばす。
そして、ハイライトともいえる巻きに移る。
上手く巻いていけない。
やっぱり巻き簾がほしいところ。
ネットではサランラップやアルミホイルでも代用できるとあったけれど、どちらも持ち合わせがない。
なんかないかと見回したところ、厚手のビニール袋(お米のパック)を発見して代用とする。
よしよし、こんどは巻けるぞ。
しかし、全部ぐるりと巻いたのはイイのだけれど、お終いの部分のノリが上手くくっ付いてくれない。
ノリの糊代が狭すぎたのと、具を詰め過ぎたのが原因らしい。
二本目は、反省に基づいて糊代十分、ご飯はもっと薄く広げたので、だいぶいい感じに仕上がった。
その調子で、三本目、四本目と次々に完成していき、最後は残ったお米と具で、小さい海苔巻きを作った。
小さい海苔巻きのノリは半分のサイズで足りたので、残り半分は、最初の糊代が足りなかった失敗作の補修用に使ったら、一本目も型崩れしない海苔巻きができた。
[太さにバラツキが出た]
続きて包丁を入れていく。
向田邦子のエッセイで、子供の頃から海苔巻きの端っこが好きだったとあったので、端っこはどんな味だろうと、切って試食してみた。
確かにシャリ少な目で、具の比率が高くなるから、美味いのだろうけど、しかしシャリが足りないので、スカスカで切った後、すぐ型崩れしてしまう。
海苔巻きを一本切ると、包丁にご飯のネバネバがこびりついてしまうので、そのたびに包丁を水洗いする。
おかげで、まずまずサラダ巻きらしいものが出来上がった。
ワサビに関してだけれど、すべてサビ抜きで作った。
下宿の女主人がワサビを食べることができるかどうかわからなかったからである。
あとで、女主人に確認したところ、ワサビそのものが何なのか知らなかった。
[海苔巻きを切る前には包丁をよく研ぐべきと学んだ]
一応これで完成したけど、かなりのボリュームとなった。
タイのツナ缶は日本のツナ缶よりも大きめで、サラダ巻きだけでは使い切れず、ツナサンドウィッチも作ってみた。
味の方だけれど、なんとなく懐かしい味になった。
私はワサビをたっぷり付けて食べたのだけれど、昔むかし、大泉に住んでいたころ、近所のスーパー、マルエツでよくサラダ巻きを買って食べたものだった。
それを思い出して懐かしくなった。
[さらに盛りつけたけど、ちょっと不ぞろいですね]
女主人の感想は、「全部食べたよ」しか聞こえてこないので、口にあったのかどうかもよくわからないけど、とりあえず以前から言われ続けていた義理は果たせたことになった。
なお、ずっと長い間掃除が入らず、汚れ放題だった廊下と階段を、私が海苔巻きと格闘中に、オーナーの娘が、すごく適当で、いい加減にモップをかけていった。
本当は、女主人にサラダ巻きを贈呈する際に、廊下の不衛生さについて苦言を申し立てようと思っていたけど、苦言を言わずに済んだ。
[こちらは女主人に贈呈したサラダ巻き]
夕刻、なにか果物がほしいと思って、外へ自転車で出かけた。
今週に入って、屋外ではマスクの着用が義務化され、違反者には最大2万バーツの罰金を科すとなっている。
私はいままでほとんどマスクなしでやってきたけれど、罰金の額が大きいので、マスクを付けて自転車に乗った。
エカトサロット橋を渡る際、歩道でジョギングをしている人たちを何人も追い越した。
そして、そのジョギングの人たちはマスクを着用していない。
実は、私も朝のジョギングの時は、マスクは持っていてもきちんと着用していなかった。
マスクをしてジョギングをすると酸欠になって、とても苦しく走れたものではないと思っていたので、こうして日中堂々とマスクなしで走っている人を見て少し安心した。
駅近くの市場で果物を物色したけれど、今はマンゴーのシーズンなのでマンゴーは安くたくさん売られている。
マンゴーがあまりに安いので、他の果物が割高に感じてしまう程だ。
ドラゴンフルーツかソムオーでもと思っていたけれど、結局買わずに終わってしまった。
マンゴーは、先日から毎日のように食べ続けていて、部屋にもまだマンゴーが残っている。
これは火曜日に、近所を散歩していて、庭でマンゴーの収穫している光景をじっと眺めていたら、どっさりと採りたてのマンゴーをおすそ分けにあずかってしまったものである。
[どこの家にもマンゴーの木の1本や2本ある]
マンゴーは採りたてではまだ熟しておらず、固くて、酸っぱいだけである。
数日置けば、黄色く、甘く、軟らかくなると聞いた。
たぶん、食べごろは日曜日くらいでしょうと言われて、食べごろになるのを待っているところである。
でも、その際に一つだけ、すでに「もう熟してるよ」という実を一ついただいた。
それを食べてみたところ、びっくりするくらい甘かった。
もう少し酸味がある方が好みではあるけれど、これはこれでとても美味しかった。
ふつう、市場やスーパーで売っているのはガスで強制的に熟させたものだけれど、事前に時間かけて熟したものの方が、やっぱり美味しい。
[いただき物のマンゴー、食べごろになるまでまだ数日かかかるらしい]
自転車でワットチャンタワントクの前を通り過ぎた時、小型トラックの荷台にマンゴーを山積みして、売りに来ていた。
「もうマンゴーはいいや」と思っていたけれど、このマンゴーは天然成熟のように見えたので、売り子に確認するとそうだという。
キロで20バーツというから、妥当な値段。
適当に2つ選んでもらったら、18バーツになった。
帰宅して、食べてみたところ合格点をあげられる味だった。