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札幌旅行 (宿なし編)
6月8日 土曜日
今日から5日間の休暇。
札幌へのご褒美旅行。
もっとも、仕事をやったから札幌へご招待とかと言うのではなく、
毎度せっせと中華航空ばかり浮気せずに乗り続けて、マイルがたまった無料航空券と言うだけのこと。

午後の飛行機なので、午前中はのんびり。
洗濯物にアイロンかけたり、床をぞうきんがけしたり。
11時前にアパートを出て、エアポートリンクのラムカムヘーンへバイクタクシーで向かう。
バイタクのライダーは昨晩は雨で道が冠水し、バイクの機関に水が入ってしまい調子が悪いと言っていたが、信号待ちのたんびにエンジンが止まってしまっていた。
雨とは関係なく、整備不良のような気もする。

ラムカムヘーンまで50バーツの請求を受ける。
前回乗ったときは40バーツだったぜと言うと、「先日値上げしたばかりなんだ」と言う。
本当だろうか、
バス代とかも値上がりしたし、バイタクも値上げしたのかもしれないが、物価上昇ほどに所得が伸びているようには思われない。

中華航空のカウンターは、いつもとても気持ちの良い対応をしてくれるのだが、今日はどうした訳か対応が良くない。
先日、中華航空から気になるメールが届いた。
来月の東京行きの予約をしているのだけれど、バンコクから台北までの予約便がキャンセルとなり、2時間半後の便へ変更となるとのことであった。
便のキャンセルや変更は構わないが、これでは台北での乗り継ぎに間に合わニいのではないか思っていた。
そこで、カウンターでそのことを質問したところ「大丈夫です、変更はバンコク-台北間だけです」という。
しかし、変更後のスケジュールだと台北到着時には成田行きの便は出た後で、どうやって乗り継げるのだろう。
「乗継便もスケジュール変更になるってことですか?」と続けて質問したら、すごく不機嫌になり、「ここはチェックインカウンターで、予約課に確認」するようにと言われる。
そして、搭乗券と荷物タッグをムキ出しのままカウンターへ置かれた。
ラウンジ券もなければ、乗り継ぎ案内もない。
当然ながらファーストトラックもない。

出国ゲートは満員のため、片側が閉鎖され、遠い方の出国審査場へ回された。
そこも当然大混雑の長蛇の列。
長いこと並ぶ羽目に。

しかし、ラウンジ券がなくても、ラウンジは搭乗券だけで快く入れてくれた。
中華航空のラウンジではバンコが一番いいと思う。
サラダもいつもきれいに整えられていると、アルコール類の充実も満足できる。
旗艦の台北はハードは良いのにソフト面がダメ。
学食レベルの最近は感じている。

トムヤムクンスープ
[いつもは朝早い時間に利用しているが、昼だとランチが並んでいる]

ネットでアパートに残してきたネコの様子を確認しようとしたが、つながらない。
よく考えてみたら、アパートを出るとき、部屋の主な電源を落としてきてしまったことを思い出した。
電源が落ちているので、部屋のパソコンも落ちてしまったらしい。
大失敗である。


機内食は軽食ということであったけれど、しっかりしたメニューが出た。
トムヤム風味のクオッティオ。
味の方はマイルドで少し物足りないくらいに感じたし、薬味がネギだけと言うのも寂しかったけど、それなりに美味しくいただけた。
トートマンプラーも付いていて、こちらはキュウリの入った点けタレも添えられていた。
この辺はビールとの相性が良く、台湾ビールとでも美味しくいただけた。

機内食はトムヤムヌードル
[機内食でもまたトムヤム、こんどはクオッティオ・トムヤム]

機内では映画を半分見る。
映画は「人形の眠る家」で事故で脳死状態になった少女を取り巻く人間模様を描いている。
脳死でも、電気的な刺激で、手が動いたりする。
その刺激をコントロールして、さまざまな所作をさせる。
脳死かどうかは、脳死判定をしなくてはならず、脳死と判断されれば生体移植のための臓器提供も可能になる。
かなり重たいテーマであったが、全部見終える前に台北へ着いてしまった。
続きはまた明日見ることにする。

人魚の眠る家
[映画「人魚の眠る家」の案内]

台北到着後、そのまま北投温泉の月光荘に向かう。
いつものお定まりコース。
私の知る限りでは、月光荘の宿泊料が台北では一番安いと思う。
しかも温泉付き。

しかし、月光荘に到着したら「満室だよ」と言われてしまう。
でも、この旅社は二時間とかの休憩料金も設定しているから、待てばそのうち出て行く人もあるだろうと考え、少し待たしてもらう。
高齢の女主人が松平健一主演の時代劇を見ていた。
去年よりも顔色は良く、元気そうに見える。
大正十三年生まれと言っていたから、もう相当なお歳。
女主人も、高齢のため、同じ話を何度も繰り返したりするが、言葉はしっかりしているし、昔のことはよく覚えている。
今回聞いた話だと、斗六の実家はトラックによる運送業をしていてだいぶ羽振りが良かったらしい。
それで京都の平安高等女学校へ通うことができたと言っていた。
学校を出てから教員をしていたそうだけれど、「台湾光復後に言葉の問題はなかったですか」と質問したが、「大丈夫ですよ」との答えだった。
私の質問の言葉の問題とは、北京語の問題はなかったかと言う意味だったけれど、すぐに北京語ができるようになったのだろうか?
今でも、女主人は息子たちとは台湾語で話していて、北京語を口にしていないように見受けられた。

空部屋ができるまで、先に入浴をさせてもらう。
毎度ながら強烈な泉質で、ちょっとでも目に入ると、沁みて痛いほどだ。
身体を洗う時も、身体に温泉の成分が残っていると、石鹸が全く泡立たないので、よく水を浴びてからでないと石鹸が使えない。
青湯と言われるお湯は、名前の通り、少し青みがかって濁っている。

青湯
[この青湯を引いている旅館は北投でも何軒もない]

風呂から上がっても、部屋が空く様子はない。
旅社の女中が「今晩はみんな泊まりの客だから、明日の昼まで部屋は出ないよ」という。
うーむ、そうか。
女主人が「台湾は連休だから、商売がいいよ」と言う。
あー、台湾は端午節で三連休であったか。
これじゃ、待っても無駄らしい。
女主人も、行き場のない私に付き合って起きててくれたようだけど、もう時刻は十時半を回っている。
これ以上迷惑もかけられないと、月光荘を出て夜道を歩き始める。

さて、どうするか。
月光荘で満室なら、他で空室をさがすのも見込みがないし、あてもない。
とりあえず、台北市内中心部へ行ってみよう。
久しぶりに深夜までやっている又一村の水餃子でも食べてみようか。

まだ電車が走っている時間だけれど、電車に乗らず、電車の線路、高架下を歩く。
高架下は公園のようになっていた歩きやすい。
木の幹にはセミの幼虫が羽化している最中で、あちこちの木の幹でセミが誕生し始めていた。
幅広で、緑かかったセミだからクマゼミの仲間であろうか。

セミの羽化
[台湾はもうセミの季節らしい]

温泉に入り、夜道を歩いていると、喉も乾く。
ペットボトルの水も残り少なくなってきた。
木瓜牛乳みたいなものでも飲みたくなる。
コンビニに入ればパック入りを売っているだろうけど、ジュース屋台で作りたてを飲みたいと思いながら歩いたが、公園になっている高架下に屋台など出ておらず、だんだんと歩くのが辛くなってくる。
時刻はもうじき午前零時。
そろそろ電車も終電の時刻。
もう、歩くのやめて、電車に乗っていこうか。

北投から4つ目の駅「明徳」から電車に乗る。
エアコンの効いた電車の硬いプラスチックのシートに座ったら、ほっとした。
それと、このまま歩いて行って、圓山大飯店前の基隆河を渡るのも気が進まなかった。
歩行者のことをほとんど考えていない設計だから、車にはねられたら大変である。

基隆河を渡ってすぐに電車を降りてまた歩き始める。
深夜でも、台北は治安がいいので、安心して歩ける。
車もマナーよく走っている。
30年前の台北だと、深夜歩いていたら、次々にタクシーが寄ってきて、うるさかったが、いまはそんなこともない。
中山北路を南に下り、日本人相手の飲食店街を貫けていく。
ここではまだやり手婆さんも健在のようで、何人かに声をかけられる。

又一村は前回来た時と比べて、1割ほど値上がりしていたが、それでも台北の中心にあって、良心的な価格だと思う。
水餃子一個が5.5元。
ニラの水餃子を15個注文。
午前1時でも、まだお客が来る。
若い学生グループが盛大に食べている。
日本人も来るし、ビールを飲んでいる人も、水商売風の女性連れもいる。

又一村
[ガラガラに燃えるけど、お客を避けて写してるだけです]

ここの餃子の皮は肉厚だけれども、私はそれが好きだ。
餡より皮が好きなのである。
ニラ水餃子は、具はニラと豚ひき肉だけのようで、ニラの味が強い。
ニンニクは入っていない。

ニラの水餃子
[大粒なので15個でもかなりのボリューム]

台北駅前からバスで空港へ戻る。
高速道路に入る前に、あちこち回って時間がかかり、空港に着いたのはもう午前3時近かった。
空港内は発着する飛行機がほとんどなくてがらんとしている。
出国審査場も誰もいない。
免税店とかも閉まっている。

この空港内で朝まで仮眠とさせてもらう。
ちゃんと寝るのに良さそうな安楽椅子もあり、無料なのと併せて考えれば十分快適。
ただし、毛布などはなく、エアコンが効きすぎて少し寒すぎた。

空港の安楽椅子
[ここで暫しの仮眠をとりました]

・・・続く・・・

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