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北海道旅行第3日目(定山渓)
10月30日 火曜日

ホテルからの案内で、深夜の時間帯、午前1時から午前4時にかけて点検のため停電すると言われていた。
エレベーターもトイレの電気も消えて、非常灯だけになるとのことだった。
夜中にトイレに起きるものだから、気になっていた。
しかし、実際に電気が止まっていたのは、寝ぼけていたのではっきりしないけれど、実質30分もなかったのではないだろうか?
もっとも、タイで暮らしているのだから、停電なんて日常茶飯事。

7時前に起きだして本館下の大浴場へ向かう。
この本館下の大浴場も時間を区切って男女入れ替え制になっている。
この時間は谷に面した岩風呂風の露天風呂が男性用に解放されている。
岩風呂風露天風呂は、本館側に2か所あるが、気に入ったのは石の階段を下って入る側。
この岩風呂は、屋上の展望風呂よりも情緒がある。
自然の中にいる感じがする。
しかし、湯温はちょっとぬるい。

朝食会場も昨晩と同じプレミアムダイニング。
朝から海鮮丼があったり、パンも種類があったりと、豪華ではあるが、そとの景色が一般の食事会場と違って見えないのは少し残念。
小さく切ったサケの切り身は、すでに焼きあがって並べられているので、少し冷めてしまっているが、気の利くことに、隣に炭火のグリルがあり、温めなおすことができるようになっている。
少しくらい炭火で温めたからといって味が変わるものでもないだろうけれど、心なしか焼鮭がおいしい。
フルーツは昨晩同様に、グレープフルーツと冷凍のライチ。
リンゴでも置いてくれればイイのにと思う。
でも、リンゴは剥くのに手間がかかるし、剥けばすぐ色が変色してしまうので、難しいのだろうか。
タイならば人件費も安いので、その場でオムレツや目玉焼きを焼いてくれたりするので、リンゴでもあれば、その場で剥いてくれるサービスなど別けないだろう。

チェックアウトは11時なので、朝食後もまだのんびりしていられる。
部屋の窓から外を見ると、小雨が降ったり、雲が切れて晴れ間がのぞいたりと、はっきりしない天気。
外に出ているわけでなく、暖房の利いたホテルの中なので、外が寒いのか、それほどでもないのかよくわからないけど、見た限りでは、晴れ間がのぞいて、日が差してくると小春日和みたいに見える。
すぐわきから虹が立ち上っているのもうっすらとだけれど見える。

虹
[虹が見えた]

残り時間を利用して、本館と新館の2つの大浴場をはしごする。
もうほとんどの宿泊客がチェックアウトを済ませてしまったようで、どちらの浴場もガラガラであった。
空いててよかったのだけれど、そのうち清掃が始まってしまった。

定山渓温泉には2泊する予定になっている。
ただし、この定山渓ビューホテルから、今夜の宿、老舗旅館の「鹿の湯」へと移動する。
歩いても10分ほどの距離。
のんびり歩いても、昼前に鹿の湯に着いてしまった。
温泉旅館なので、チェックイン開始時刻は午後3時過ぎからとのことだけれど、2時半くらいには部屋の清掃が終わって入れるだろうとのことだった。
この待ち時間を利用して、郵便局へ郵便物の投函に出かける。
鹿の湯は、札幌から中山峠への国道から、谷へ下り、橋を渡ってすぐのところにあるのだけれど、その谷へ下る坂道には色が褪せかけたアジサイが咲いていた。
アジサイは初夏の花だと思っていたけれど、こんな晩秋の景色の中でも咲いているとは驚きだ。

アジサイ
[季節外れのような感じもするアジサイ]

郵便局から戻っても、まだ部屋へ入れるまで2時間近くある。
ロビーのソファーに腰かけて、パソコンに取り込んだビデオを見る。
20年くらい昔の是枝監督作品「ワンダフルライフ」。
「一番大切な思い出」を一つだけ選び、この瞬間を映像で再現された瞬間に、永遠の世界に旅立つというストーリーで、このような展開そのものは、なんとなく現実離れしたSFのようで、本来私が好きな展開ではないのだけれど、この映画だけは、気に入っている。
一人一人にインタビューを通じて、一番の思い出が何であったかへたどり着かせる。
それはまるで何世代もの時代にまたがるようなドキュメンタリーのような展開になっている。
見終わった後になって、登場人物たちと同じように、もし自分が今死んで、それまでで一番の思い出が何だっかと思い返すとしたら、何を選ぶだろうかと考えてしまうほどだ。

隣のソファーにはタイ語を話す初老の夫婦が腰かけては、立ち去り、レセプションから中国語なまりの英語で何か交渉している声が聞こえてきたりもした。

2時半になって部屋のカギを受け取る。
部屋は3階ということだったけれど、昔からの増築を続けてきた旅館らしく、建物の構造が大変複雑になっている。
エレベーターを降りて、非常階段側へ回り込み、脇にある通路を先に進んで、右に曲がった建物というわけで、案内板がなければとてもたどり着けそうにない。
部屋は和室の8畳間。
やはり谷に面した部屋であるが、木々に隠れて眺望の方はビューホテルに劣る。
座卓の上には何種類かの茶菓子も置いてあるが、安い料金での予約だったからか、仲居さんがお茶を入れに来てくれることはなく、急須もなく、自分で湯のみにティーパッグ放り込んでお湯を注ぐ。
しかし、決してサービスが悪いとも思わない。
仲居さんに来ていただいて、心付けにいくら包むか考えるより、セルフサービスの方が気楽である。
ただ、欲を言えば部屋にWiFiが入っていてほしかった。

ネットで妻の航空便をプリチェックインしておいたが、ただチェックインしただけではだめで、搭乗券をプリントしなくてはいけないらしい。
宿のレセプションでプリントのサービスをしてもらえるかと聞いたが、「やっていない」とのこと。
温泉旅館だから、ビジネスセンターみたいなものなどないのだろう。
そこで国道沿いのコンビニへ行ってみる。

さすがは日本のコンビニで、コピーマシンも超多機能で、USBからのプリントなど朝飯前のようだ。
こちらはコンビニにコピーサービスだってないような国から来ているので、初めての体験である。
それでも、操作方法は液晶画面で丁寧に説明が出てくるので、搭乗券も無事にプリントアウトできた。

宿への戻り道、ちょっと遠回りして、また日帰り温泉施設の方から、赤いつり橋の方を回ってみる。
途中の国道沿いで、風呂桶に入ったカッパの彫像が、打ち捨てられたような感じで置かれていた。
この定山渓温泉はカッパ伝説をもとにあちこちにカッパのオブジェが置かれて、観光客たちと記念写真に納まっていたりするが、何かの間違えで忘れられた存在のカッパもいるらしい。

忘れられたカッパ
[彼だけどうして陽が当たらないのだろう]

小雨が降る中、国道沿いの歩道では、アスファルトの隙間からコスモスが伸びで花を咲かせていた。
そろそろコスモスもおしまいのようで、なんとなく寂しげな姿に映った。
国道は交通量も多く、そのため拡幅工事をしているから、来年はこの歩道のコスモスも広げられて車道の下になってしまい、もう咲くことはないのだろうと思うと一層哀れに見えてくる。

コスモス
[国道沿いのコスモス]

日帰り温泉施設から赤いつり橋へ続く森の中の道では、傘を差した外国人観光客もいて、英語で道を尋ねられた。
まだ時刻は4時前だけれど、日没時刻が早いのか、それとも天気が小雨が降って雲が多く、薄暗いためか、谷へと降りていく小径は、なんだか晩秋を通り越して初冬のような雰囲気になっている。

豊平川上流
[初冬のような寒々とした谷]

宿に戻って大浴場へ降りていく。
この旅館の大浴場は、建物の一番下、谷に面したところにある。
1階まで下りて、さらに長い階段を降りると脱衣所があり、浴場はさらに階段を下ったところとなっているが、別に地下というわけではなく、大きなガラス窓からは谷の景色が見える。
露天風呂もちゃんとある。
露天風呂は数人入ればいっぱいになるくらいの大きさの四角い風呂であったが、湯温はちょうどよかった。
同じ露天内に腰かけて休憩できる木のベンチがあり、サウナのようにちゃんとバスタオルも敷かれているのはうれしいサービスだ。
ここは温泉プールはなく、時間区切りの大浴場の男女入れ替えもないようだ。
サウナはミストサウナという霧のようなものが噴射される部屋になっており、高温ではないが、しばらく入っていると飛沫で頭からびっしょり濡れてしまう。

お風呂は時間制の入れ替えになっていなかったけれど、夕食のバイキングはまるでクルーズ船の夕食のように2部制になっていた。
私たちの夕食開始時間は5時が指定されていた。
4階にある夕食のバイキング会場へも迷路のようにくねくねと建物の中の廊下を伝っていく。
夕食会場周辺には台湾からの観光ツアー客の団体だろうか集団でガイドの説明を受けていた。

会場はやはり宴会場のような作りで、窓のない四角い作り。
バイキングではあるが、昨晩のものより少し格落ちする感じのテーブル配置とディスプレイではあるが、しかし宿泊料金(1泊2食で6500円くらい)から考えたら、随分とコスパの高い内容で、海鮮ちらし寿司もあるし、鉄砲汁もある。
妻は甘えびが気に入ったようだ。
ソフトドリンクなどは無料のようだけれど、ビールやアルコールは有料。
エビはなかったけれど揚げたての天ぷら、コロッケなどの揚げ物もある。
味噌ラーメンだってセルフサービスで用意されている。
味噌ラーメンには七味唐辛子が欲しいところなのだが、会場のスタッフに所望したが、薬味はテーブルに用意されているものだけとのことであった。
そしてフルーツにはまたしてもグレープフルーツと冷凍のライチ。
定山渓温泉組合でフルーツ提供に関して取り決めでもしているのだろうか。
甘いものでは、お汁粉もあれば、甘酒もある。

甘えび
[はじめて食べるわけでもないだろうに、甘えびが気に入ったようだ]

夕食が終わってもまだ6時過ぎ。
部屋に戻ると、座卓が片付けられて、布団が敷いてある。
まだ寝るには早すぎるので、宿の案内物に目を通していたら、「湯巡り手形」というものをフロントで貸し出していて、この手形があると近隣の他の温泉宿の大浴場へも入れると書かれていた。
これは便利なものである。
泊まっている鹿の湯以外に、ミリオーネや瑞苑、定山渓ホテルの大浴場の利用ができるらしい。
早速フロントで「湯巡り手形」を借り出して温泉巡りに出発する。
なお、他館の大浴場を利用するにあたっては、宿泊している旅館の浴衣を着ていくことが条件らしい。
外はミゾレ交じりの天気で、浴衣に下駄、薄い丹前だけでは寒そうだけれど、お湯につかれば暖かくなるだろうと、宿で借りたビニール傘をさして出発。

湯巡り手形
[これが4館共通で使える湯巡り手形]

最初に向かったのが「定山渓万世閣ミリオーネ」。
この宿には20年ほど前に2度ほど泊まったことがある。
仕事上で付き合いのあったプリンスホテルの営業さんがこの温泉宿の支配人に転職されていたこともあって、一回は社員旅行だったんではないかと思う。
20年前のホテルだと、新しいとは言えないかもしれないけれど、この定山渓温泉では新しいホテルの部類に入るだろう。
国道沿いに建つ大きな四角いホテルで、館内もスッキリしており、温泉旅館というよりホテルといった感じである。
手形を見せると心得たもので「さぁどうぞ」とばかりに大浴場へ通される。
大浴場のなかは照明を少し落として、落ち着いた雰囲気を演出している。
サウナがあったのでまずはサウナに入って、冷え切った身体を暖める。
時刻は7時くらいで、宿泊客はみんな夕食タイムだからだろうか、入浴客はほとんどおらず、貸切みたいな感じになっている。
露天風呂も小さいながらある。
ホテル自体が高いところにあるので、温泉街を見下ろすような感じになっている。
内風呂は大きいのだけれど、特別特徴もなく、一通り各浴槽に沈んでは、這い上がりを繰り返して、ささっと入浴完了。
次の「定山渓グランドホテル瑞苑」に向かう。
この瑞苑は温泉街から少し離れたところで、国道沿いを傘さし、下駄をカラコロと鳴らしながら歩く。
暖まった身体がまた急速に冷えてくる。

瑞苑は初めての宿。
名前ならしても、なんとなく純和風旅館のようなイメージを持っていた。
さっそく、フロントで「すみません鹿の湯からお湯をもらいに来ました」と言って手形を差し出した。
しかし、フロントにいたのはトナカイ゜の着ぐるみを着た若い女性スタッフで、私が何しに来たのかわからない様子で一瞬きょとんとしていた。
そこで、もう一度「あのぉ、お湯をいただけますか」と声を掛けたら、どうやら中国人スタッフだったらしく、同じくらいの年齢で日本人の女性スタッフに助けを求めに行った。
うーむ、純和風と思ってたけど、なかなか意外な展開。
最初から、中国人スタッフだとわかっていたら、中国語で行ってあげればよかったかな、、
それにしても、クリスマスまでまだだいぶあるのに、どうしてトナカイの着ぐるみなんだろう。
ハロウィン用がないから代用で着込んだのかな、若い子でかわいく見えたけど。

しかし、どうも日本人女性も私の来意が理解できなかったらしい。
「えーとぉ、お湯ですかぁ、、ちょっと待っていただけますか」と奥へ引っ込んでいった。
やがて彼女らの上長らしい男性が現れ、手形を見ると「さあどうぞ、奥入ったところに下駄箱がありますから」と言う。
この「湯巡り手形」で瑞苑まで来る人は少ないから、スタッフに周知されていなかったのかもしれない。

大浴場はウナギの寝床のように細長く奥の深い作りになっている。
そして大浴場自体が2階に分かれていて、下の階には半露天風呂がある。
半露天風呂というのは、つまり建物の中にあるのだけれど、壁を取り払って、露天風呂のようにしてあるお風呂のようだ。
上の階にはサウナが2種類あった。
ひとつは「江戸蒸し風呂」という水蒸気のサウナということになっているが、あまり熱くはない。
蒸し風呂への入り口に扉はなく、間口1メートル四方くらいの穴が開いており、その穴をくぐり抜けたところが蒸し風呂になっている。
この穴を「石榴口」というのだと解説がしてある。
もう一つは乾燥式サウナであるが「低温サウナ」と書かれている。
なるほど、低温で寒暖計は41度を示している。
うーむ、41度とは、暑期のタイの外気温より低いんじゃないか?
サウナで暖まるつもりが、逆に寒く感じてきてしまった。

再び下の階の半露天風呂へ飛び込んで温めなおす。
そとはミゾレから雪に変わったようだ。

雪が降りだす
[まだ10月なのに、雪が本降りになってきた]

大粒のボタン雪が降る中、鹿の湯へと歩いて戻る。
まだ定山渓ホテルが残っているけど、これは明日お邪魔することにしよう。
下駄などふだん履き慣れていないものだから、下駄が濡れて、下駄の鏡の部分が滑る。
特に国道から温泉街へと下る石の階段では、一歩一歩慎重に足を運ばなければ転げてしまいそうだった。

恐怖の階段
[慣れない下駄ではこんな階段も一苦労]

瑞苑を出るときには大粒の雪だったけれど、温泉街の真ん中まで来ると、またミゾレに変わった。
やはり温泉街は暖かいのだろう。
身体が冷え切っているので、部屋へは戻らず、そのまま宿の大浴場へと向かう。
ミストサウナへ入っていたら、女性従業員が入ってきて、「少し温度が低くないですか?」と聞いてくる。
確かに、サウナとしては少し暑さが足りないけど、でも全裸でいるところへ女性従業員が入って来られるのにも驚いてしまった。
「温度調節しますので、しばらく使えなくなります」と言われて、「使用停止」の札がかけられた。

つづく

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