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ヒメカブトムシ
10月21日 日曜日

朝、事務所まで自転車で向かっていると、ナーン川沿いの道に何か茶色いものが落ちている。
カナブンがひっくり返ってもがいている様だ。
こんなところにいたらそのうち車かバイクに轢かれて潰されてしまう。
拾い上げてやると、カナブンではなくヒメカブトムシであった。

タイのヒメカブトムシは日本のカブトムシと比べるとかなり小さい。
カナブンを一回り大きくしたくらいの大きさしかない。
カブトムシのシンボルである角もかわいそうなくらい小さく細い。

そんなカブトムシだけれど、バンコクの日本人で欲しがっている人がいたことを思いだした。
ひとまず、自転車でピサヌロークの事務所まで連れて行き、カブトムシはたぶん何時間もひっくり返ってもがいていただろうから、体力も使い果たし、空腹で弱っているだろうと思い、何か食べ物を与えてやろうと考える。
事務所の近くで切り身のパイナップルを売っている屋台があることを思い出し、パイナップルの芯を少し分けてもらう。

ヒメカブトムシ1

カブトムシはパイナップルの芯にしがみ付いて夢中で食べ始めた。
バンコクの日本人にカブトムシを捕まえたけど入用かと確認すると、「欲しい」とのこと。
ちょうど午後の特急でバンコクへ向かうので、明日にはカブトムシをプレゼントできそうだ。

午後3時前の特急はほぼ満席。
前回利用したときも満席近かったし、ピサヌロークとバンコクの間の列車は乗車率が高いようだ。
もう少し運転本数を増やしても良いだろうにと思う。

昼食時間帯を過ぎているので、車内での食事のサービスはなく、茶菓子だけ。
走り出してすぐに外は雨になったようだ。
エアコンが効きすぎて寒いくらい。
カブトムシは相変わらずパイナップルの芯にしがみ付いている。
時間がたってパイナップルが発酵しはじめたようで、カブトムシを入れたビニール袋から甘酸っぱい臭気が漏れてくる。

ヒメカブトムシ2

夜8時前にバンコク中央駅に到着。

<hr>

オフィスへ行く道すがら、果物の屋台を探す。
またフルーツの切り屑でももらって、カブトムシにあてがうつもりであったが、まったく屋台が見当たらない。
あぁ、そうだった。
バンコクでは毎週月曜日は屋台の出店が禁止されているんだった。
でもまぁ、オフィスへ行けば、スタッフたちが朝食をデスクで食べているだろうし、中にはカットフルーツを持ってきているスタッフもいることだろうと思った。
しかし、オフィスのスタッフを一通り見回したけれど、カットフルーツを食べているスタッフは一人もいなかった。
カブトムシも、一日くらい食べなくても大丈夫だろうけど、バンコクまで連れてこられて、腹を空かせていてはかわいそう。

別のフロアーへ回ったら、メロンを食べているスタッフがいたので、メロンの皮を別けてもらってカブトムシにあてがう。
それにしても、カブトムシは食べてばっかりの虫だ。
そして、ときどき茶色い小便を飛ばす。

ヒメカブトムシ3

オフィス内で、カブトムシは珍しがられた。
女子スタッフの中には気持ち悪がるものもいた。
バンコクではカブトムシを見たこともない人もいるらしい。

カブトムシはなんとなくネコに似ているような気がする。
気に入らないと、シューシューと威嚇してくると、手足を伸ばしきって寝てたりする。
そして鋭い爪でしがみ付かれると結構痛い。

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| 日常 | 03:10 PM | comments (0) | trackback (0) |

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