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ピサヌロークからの一時帰国
毎度の一時帰国。
今回は、滞在しているピサヌロークからの一時帰国です。

9月28日 金曜日
ピサヌローク市内で仕事を終えてゲストハウスへ戻って荷造り。
荷物は特別何もないのでキャリーバッグの中はスカスカ。
土産も買っていない。
気がかりなのは、ネコのこと。
先週バンコクへ数日行っていた際に、ピサヌロークにネコを残していった。
ゲストハウスの人には、くれぐれも不在中のネコの世話をよろしくとお願いしていったのだが、バンコクから戻ってみると、エサの皿は空っぽ。
トイレはウンチだらけ、ほとんど何もしてもらえてなかった様子。
涙が出た。

そんなことがあったので、今度は数日前から、毎日ゲストハウスにネコをよろしくと頼んできた。
今回は、一時帰国と合わせて、帰りにバンコクで数日仕事をしてからピサヌロークに戻る予定なので、ネコの留守番も長丁場となる。

ピサヌロークからは国際線の飛行機など発着していないので、いったんバンコクに出ることになる。
そのバンコクまでは汽車で向かう。
夜汽車なので、ピサヌロークを夜出れば、翌朝未明にはバンコクに到着できる。
いつもの中華航空で、バンコク発が朝早いから、この夜汽車を使う方法は便利だと思われる。

汽車の出発時間は夜10時過ぎ。
ナーン川沿いの「空飛ぶ空心菜」の店で、ナマズのフレークを使ったヤムとビールで夕食とする。
この季節、オフシーズンらしく、外国人観光客の姿は見かけない。
タイ人の小グループがちらほら程度。
値段も良心的で、味も良いのだけれど、シーズン・オフには勝てないようだ。
観光客がいないので、空心菜が空を舞うこともなかった。

ナマズフレーク
[ヤムプラドゥックフー]

夜10時にピサヌローク駅に入る。
この時間帯にバンコクへ向かう夜汽車は何本かある。
しかし、ほとんどが寝台専用列車ばかりで、3等の座席車が付いているのは、この10時過ぎの快速列車だけ。
ホームには夜汽車を待つ人たちのシルエットが抒情的雰囲気を醸し出している。

夜汽車
[ほぼ定刻に汽車はやってきた]

ほとんどのバンコク行き夜行列車はチェンマイから来ているのだけれど、この列車は途中のデンチャイという町が始発。
そのためか、観光客向けではなく、3等の座席車中心の編成で、2両だけエアコン付きの寝台車が付いている。

タイの客車としては比較的新しい車両だけれど、でも車齢は30年くらいになるのではないかと思う。
ベッドにも少しガタが来ているし、読書灯は点灯しない。
つまりメンテナンスが悪い。

ぼったんトイレ
[トイレは水洗ながら"ぽったん"トイレ]

ぐっすりと眠れる環境ではないけれど、ウトウトはできると、足を伸ばして横になることができるのは助かる。
どうせ明日は1日中飛行機の中だから、寝不足なら飛行機の中で居眠りをすればよいだけ。

9月29日 土曜日
ウトウトしているうちに、午前3時になった。
終点まで乗らずに、ドンムアンで降りる予定にしている。
ドンムアンの到着予定時間は午前4時。
車内はまだみんな寝静まっている。
いびきも聞こえる。

20分ほど遅れてドンムアン到着。
中華航空の発着はスワナプーム空港だけれど、ドンムアンで下車するのが便利であることに先日気が付いた。
ドンムアン空港とスワナプーム空港の間には、無料のシャトルバスが早朝から深夜まで運行している。
これを利用させてもらえば、タダでしかも乗り換えなし。

シャトルバス時刻表
[バスは午前5時から深夜12時まで運行]

午前5時始発のバスの時間まで30分ほど間があった。
バスに乗り込もうとしたら、背後から声をかけられた。
バスに乗るには航空券のチェックがあるようなのだが、その係員の対応が、なんだか朝から人を不快にさせるような「めんどくせーなー」感をメラメラと放出していた。

タイは良い国だけれど、こういうスタッフが空港とか外国人が接するような場所に時々いるアンバランスがある。

バスは中国製の路線バスタイプで、新しい車だけれど、エンジン音がやたらとうるさい。
乗客はタイ人が数人と、西洋人とタイ人女性のカップル。
みんなウトウト状態。

シャトルバス
[イスがプラスチックなのでしばらく座っているとお尻が痛くなる]

1時間とかからずにスワナプーム空港到着。
さっさと搭乗手続きを済ませてしまう。
いつも希望の座席は8Dを予約していたのだけれど、今回は希望道理の席が取れずに、少し後方の27D。
やはり、足元の広い席で、不便はないけれど、いつもの席に未練がある。
チェックインに際して席の変更が可能か申し出ようかと思ったが、安いエコノミーの客のために煩わせては申し訳ないと思いあきらめる。

一時帰国に際して、このところ為替レートがタイバーツに有利になっているため、地下の両替所で22万円ばかり追加で両替をする。1万円が2,900バーツの勘定。

出国審査に際して、前回手持ちのプレミアレーン利用券が新しいものに切り替わっていることを知ったのだが、古い利用券がまだ何枚か手持ちで残っているから、それが使えないだろうかと、係員に提示してみた。
「これはもう使えません」の一言で、利用券は紙くずになってしまった。
こんなもの後生大事に持っていないで、さっさと使ってしまうべきだった。

ラウンジで朝食をごちそうになって、いざゲートへ。
まだファイナルコールには早いと思ったけれど、ゲート前には誰も並んでおらず、みんな乗り込んでしまっているようだ。
毎度ギリギリが多いけれど、今回はまだ時間前と思ったのにローディングブレリッジを進んで機内に入ってみると、なんともガラガラ。
搭乗率は20~30%くらいだろうか。
空席ばかりで、私の好きな8Dも一列丸々空いている。
いったいどうしたことだろう。
私の指定された27Dも一列丸々空いている。

機内では、映画、「アンナと王様」を見る。
英語で、日本語の吹き替えも字幕もないので、聞き取れないところも多いけれど、ときどきタイ語のセリフになるが、そのタイ語が、特にイントネーションがヘタクソ過ぎて、英語よりも何言っているのかわからない。

昔みた「王様と私」の映画は、ユルブリンナーがモンクット王役でミュージカル仕立てだった。
ブロードウェイのミュージカルは渡辺謙さんが主演しているそうだが、当然ながら見たことはない。
この映画は、中国系の二枚目俳優がモンクット王になっている。
この映画、タイの国王を侮辱しているとか何とかで、タイでの上映が禁止されている。
たぶん、そんなこともあって、タイ人の俳優は、もしこの映画に出演したら「王室に対する不敬罪」で咎められるのではないかと出演を辞退したのではないかと勝手に想像している。

時代考証に力を入れた作品とのことであったけれど、タイ語以上になんだか可笑しなところがあった。
まず最初、アンナがバンコクに上陸して、雑踏の中を人力車で駆け抜けるシーンがある。
しかし、時代はモンクット王の治世、1868年以前のはず。
人力車は、1868年に始まる明治時代に日本で発明された乗り物なので、この時代にバンコクの街を人力車が走り回っているのは不自然だ。
しかも、バンコクに初めて馬車が走れるような、道路が作られたのも、モンクット王の次の世代、チュラロンコン王の時代のはず。

まぁ、英語がよく聞き取れないから、重箱の隅をつつきながらケチを付けつつ鑑賞させてもらう。

アンナと王様
[アンナと王様のシーン]

ラウンジで担仔麺をすすって、成田行きのゲートへ。
日本行の中華航空はいつも桃園空港の第二ターミナルから出発と思っていたが、第一ターミナルにあるA7ゲートとなっていた。
今度は希望通り8Dの席なのは良いが、こちらの飛行機も、空席が目立ち、半分も埋まっていないのだろうか。
いつもなら台湾から日本へ向かう観光客の団体でいっぱいのはずなのに、台湾人観光客の姿がほとんど見受けられない。

台北から成田までは、音楽プログラムの日本ゴールドを聴く。
1970年代から昨年までの永遠のヒット曲を集めた、、、ということになっているので、1970年代のキャンディーズが出てくることを期待して聴き続けたが、最後まで登場しなかった。
1970年代としてはフィンガーファイブくらいだったかな。

成田に着陸後、ゲートにはまだ別の飛行機が止まったままとのことで、なかなか外に出してもらなかった。

台北からの飛行機の機内に台湾人観光客の姿が少なかっただけでなく、成田空港の入国審査場も、いつもは外国人の長い列ができているのに、こちらもガラガラであった。
台風や地震などで、日本への観光旅行が敬遠されているのだろうか。
東京駅行きのバスに乗り込んだのは夜8時になってしまった。
大型台風が近づいているとのことで、雨かと思っていたが、傘をさすことなく帰宅することができた。

9月30日は、優泰を呼び出し、弟を誘い、妻の還暦祝いと称して、所沢にあっておいしいと評判のイタリア料理の店に行く。
昼からビールやワインやグラッパを飲んだためいい気分になってしまった。
その夜半に台風襲来。

翌朝は、周囲が落ち葉だらけになっていたので、竹ぼうきを使って掃除をする。
蚊に刺されて、そして手には大きなマメができてしまった。

小平霊園では、台風で大きな木が何本も倒れていた。
幹から裂かれるように痛々しい姿を見せいる松の大木もあった。
墓石に倒れこんだ木もあった。

台風で折れた松
[ぽっきりと]

夕方から銭湯に行く。

夕焼け
[台風一過、銭湯帰りに富士山のシルエット]

10月2日、夕食にお寿司屋へ行ってお寿司を食べる。
ふだん、お寿司なんて食べたいとも思っていないが、やっぱりタイの寿司とは全く違っておいしい。

日本滞在中、ラビットスクーターに少し乗ることができた。
遠くへは出かけなかったけれど、ちゃんと動くことを確認できてうれしかった。
もう一台のラビットスクーターは要整備としたまま、もう何年も放置してしまっているので、なんとか復活させたいけれど、なかなか時間の余裕がない。

10月3日、中華航空でバンコクに戻る。
アパートに着いたのは午前2時過ぎ。

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