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スズメの子と過ごした3日間
4月26日 (水)
前の日曜日の朝、市場へ行った帰り道でスズメのヒナが道端に落ちているのを発見。
まだ裸ん坊のとても小さなスズメだった。
まだ巣立ちの練習とかできそうもなく、きっと巣から転げ落ちたのだろう。
朝から30度を超える気温と強烈な日差しに焼かれて、かなり衰弱している。
目はつむったままで、声も出さないが、お腹が膨らんだり凹んだりしていて、呼吸をしているから生きてはいるらしい。
急いで下宿の部屋へ連れて帰る。
まずは水分を取らせなくてはと、閉じているクチバシをこじ開けて、水に浸した箸の先をクチバシに当てる。
クチバシが動き、水を飲んでいるのがわかる。
立て続けになんども水を飲ませているうちにスズメの子は少し正気を取り戻してきたようで、目も開くようになった。
少し休ませてから、こんどは良く熟したマンゴーをとても小さく刻んだものを食べさせる。
自分からは食べようとしないので、またクチバシをこじ開けて、口の奥へとマンゴーを詰め込み、こんどはクチバシを閉じさせて呑み込ませる。

20年前にチェンマイにいた時も小鳥のヒナを助けたことがある。
あの時は、すぐに獣医のところへ連れて行って、エサなどについて助言を受けた。
あの小鳥はハイイロモリツバメという種類で、スズメよりも一回り大きかった。
今回はネットでスズメのヒナに食べさせるべきものを調べたら「青虫」が良いと書かれていた。
さっそく外へ青虫探しに出る。
タイは一年中夏で、年間を通じて虫には悩まされ続けているので、青虫くらいたくさんいるだろうと思ったのだけれど、いざ探してみるとちっとも見つからない。
日本だったらキャベツ畑とんへ行けば見つかるけれど、ピサヌロークの下宿周辺には野菜畑などまるでない。
桑の実があったので、一つ失敬している。

仕方なしに近所のペットショップへ行って店員に相談してみる。
勧められたのは九官鳥用のエサで、これを磨り潰してお湯に溶いて食べさせるといいと言われ、一袋購入。
それとミルウォームという幼虫。
これは生餌。

ミルウォーム
[ミルウォーム]

ミルウォームは20年前のハイイロモリツバメの時にもお世話になった。あの子はこのミルウォームを見ただけで、これでもかってくらいに黄色い口を大きく開いて食べさせろとねだっていた。
しかし、このスズメの子はミルウォームに全く関心を示さない。
青虫がダメなら、ミルウォームだっておんなじ幼虫だし、これを食べさせれば元気になるだろうと、ちょっとかわいそうだけれどクチバシを強引に開いて奥の方へ押し込む。
しかし、ミルウォームも生きているので果敢に脱出を試み、クチバシの隙間から逃げ出してしまう。
それにミルウォームを丸呑みするにはスズメが小さすぎるようだ。
ミルウォームを半分に切ってしまう。
こうすれば、ミルウォームも動きが止まってしまうのでクチバシの奥に放り込んでも逃げられず、スズメの子はそのまま呑み込んでくれる。
苦労して5匹ほど呑み込ませ、桑の実も少しちぎって呑み込ませる。

初日のスズメ
[まだあんまり元気がない]

こんなことをだいたい1時間おきくらいに夕方くらいまで繰り返していた。
そして、何度目だろうか、無理やり食べさせているうちに初めてフンをした。
そして小さな声だけれど、チッチと鳴き声を上げるようになった。
でも、まだぐったりしていて、起き上がることができずにいる。

ネズミを捕まえてきたネコ
[夜、下宿のネコ(ブラウニー)がネズミを捕まえて咥えていた]

翌朝、水を飲ませ、ミルウォームも強制的に食べさせる。
食べる量も、一度に10匹近く食べれるようになった。
クチバシをこじ開ける時、スズメが嫌がって口を閉じようとするのだけれど、心なしかその閉じようとする力が強くなっている気がする。
鳴き声もスズメらしくチュンチュンと鳴くようになってきた。
また元気になって来て、一生懸命起き上がろうとしている。
しかし、どうもまだ起き上がれず倒れてしまう。

スズメの子と桑の実

そのまま職場へ連れていき、ときどきエサを与え、フンをふき取る。
ミルウォームをちらつかせると、自分からクチバシを開くようになってきた。
開いた口の奥の方へ押し込まないと呑み込めないらしく、割りばしでつまんで入れるのは苦労した。
また、昼くらいになると、ミルウォームを一匹丸のまま食べられるようになった。
そして、10匹くらい食べると満足するのか、もう自分からはクチバシを開こうとはせず、また眠くなるのか目を閉じて眠ってしまったりする。

午後になると30分くらいの間隔で盛んにチュンチュンと鳴いてエサを催促するようになってきた。
もう十分元気を取り戻したと思った。
しかし、よく観察してみると、左足がダメになっているらしいことが判明。
左足はまったく大腿骨に当たるところからつま先まで全く動かない。
さわっても痛そうにしないし、骨折しているようにも見えないが、感覚がまるでなく神経が通っていないらしい。
どうやらそのせいで起き上がれないのだろう。
このまま放置していたら自然に治るようにも見えないし、しかるべき時期になったら獣医の診断を受けて、治せるようなら直してやりたいと思う。
もし、治らないとなったら、、、スズメは片足でも生きていけるのだろうか?
イヌやネコなら足が一本ダメになっても、もともと4つ足だから何とか生きていけるけど、鳥は足が二本なので、歩けなくなるだろう。
松葉づえとか車いすと言うわけには行かない。
フラミンゴなんて一本足で立っているけど、それは立っているだけ。
また、飛び立つときも片足ではジャンプ力にも限界があるだろう。

給餌
[エサを催促するようになった]

夕方くらいになるとチュンチュンとエサを催促する間隔が15分おきくらいにまで短くなってきた。
桑の実もミルウォームも夜までには全部食べ尽してしまった。

3日目、火曜日。
このスズメは寝坊助らしい。
朝は7時近くに起こすのだけれど、「あー死んじゃったか」と思わせるようにゴロリと横たわって目を閉じたまま全く動かない。
つまみ上げると、ようやく目を覚ましたのか、キョトンとした表情をする。
「さて、また1日このスズメの世話が始まる」とちょっと負担にも感じる。
可愛いのだけれど、ちょっと手間がかかりすぎる。
せめて自分でエサを食べてくれるくらいになってほしい。
ミルウォームは喜んで食べるけれど、それは私がミルウォームを一匹ずつつまんで口の奥に入れてやるからで、自分からミルウォームをついばもうとはしない。
私は出張も多いし、そう毎日オフィスへ連れて行くわけにもいかない。

職場のスタッフに「だれかスズメの面倒を見てくれる人を探してくれないか」と依頼をする。
が、なかなか簡単には見つかりそうもない。
15分間隔でのエサやりが続く。
食べるとフンをする。
そして、食べ終わると寝る。
初日と比べて、少し毛が生えてきているような感じだ。
最初は禿げ頭だったのに、茶色い毛が少し増えてきた。
お腹のあたりは全く毛がなくて、ちょっとグロテスクに見えるけど、きっとこれも数日のうちに毛が生えそろってくるのではないだろうか。
調べてみたら生まれて2週間後くらいでスズメは巣立ちをすると書かれてあったので、あと1週間か10日くらいで飛べるようになってくれるのではないかと期待する。
次の私の出張が10日後なのでなんとか間に合ってくれそう。

しかし、片足がダメで、起き上がれないのは問題。
枝とかなら片足でもとまってくれそうな気がする。
手の指にとまらせてみようとするが、握力がまだないためか、まったくダメ。
これも体力がついてくれば、枝に片足立ちができるようになってくれるのだろうか。
いまから10日後を目指してリハビリの特訓をさせていくべきかと考える。

ミルウォームばかり食べてデブになったらますます飛べなくなりそうなので、チンゲン菜もちぎって食べさせる。
このチンゲン菜は市場で買ってきたものなのだけれど、水洗いしたら2匹の青虫(たぶん蛾の幼虫)が出てきた。
その青虫はミルウォームの3倍くらいの大きさがあって、こんなの食べさせて大丈夫だろうか?
切り刻むのはちょっと嫌だなぁ、、と思いながら箸でつまんでスズメの前に持って行ったらクチバシを大きく開け、身体を振るわせてクレクレとねだる。
エイヤっとそのまま放り込んだら、丸呑みしてしまった。
続けてもう一匹も丸呑み。
大きいけどミルウォームより青虫の方が柔らかく、そして美味しいのだろう。

だんだん食べる量も増えてきて、次々にミルウォームを食べる。
食べると言っても、よく噛んで食べるわけではなく、丸呑み。
しかもミルウォームはまだ生きているので、大きく口を開けたとたんに、ノドの方から先に食べてミルウォームが這い出してきて、そのまま逃走を図ろうとする。
このスズメの腹の中で、ミルウォームたちはまだモゾモゾと動き回っているのだろう。

そして4日目
つまり今朝のことである。
寝坊助のスズメを起こす前に、自分の朝食の支度を先にすることにした。
今朝も日課のジョギングを夜明け前からしていたけれど、途中で雨になってしまい、下宿に戻った時にはびしょ濡れになっていた。
シャワーをして着替え、お茶を飲むために階下にある電気ポットへお湯をもらいに下りる際、部屋のドアを閉めずに下りてしまった。
お茶を手に持って部屋に戻り、そろそろスズメを起こそうかとスズメを入れている入れ物を置いたベッド横を見たらば、入れ物がない。
「あれ、へんだな」と近づいてみたらば、入れ物は床に落ち、スズメを包んで寝かせていた柔らかな布も床に広がっていた。
なにかの拍子に落っこちたのかな?
片足のスズメなので、仮に落ちても自分で歩いてどこかへ行くということは考えられない。
とりあえず周りを探していたら、ベッドの下からゴロゴロとノドを鳴らしながら下宿のネコ、ウォッカがすり寄ってきた。
「おまえやったか!」とウォッカの顔を見たが、なにも応えず嬉しそうにゴロゴロさせているだけ。
私の黒ネコも以前はよくアパートの屋上で小鳥を捕まえてきていた。
半殺しの状態で捕まえてきて、小鳥をおもちゃにして遊んでいるが、死んで動かなくなると、もう関心がないのか、そのまま放り出してしまっていた。
そんな経験があるので、部屋のどこかにスズメが放置されているのではないかと一生懸命探してみた。
しかし、見つからい。
まだ羽も毛も生えそろっていないけれど、スズメだってネコに襲われればバタバタして、羽や毛が抜け飛び散ると思うのだが、それらしきものもない。
ネコに噛まれれば血も流れるだろうけど、赤いものなどどこにも流れていない。
まさか、一夜のうちにスズメは大きくなり、飛べるようになって、どこかへ飛んで行ったのだろうか、ディズニーの漫画映画じゃあるまいし、そんなことはありえないだろう。
可能性として考えられるのは、ネコのウォッカがスズメの子をまるでスズメが青虫を食べる時のように丸呑みしてしまったのではないだろうか。
可能性としてはかなり高い。

ウォッカ
[ぜんぜん悪びれた表情も見せないウォッカ]

ウォッカは食いしん坊ネコだし、ふだんでも朝はとてもお腹を空かしている。
ネコが小鳥を捕まえてしまうのは自然の摂理だからウォッカが悪いわけではない。
私がもっと細心の注意をして、部屋のドアもしっかり閉めずネコの侵入を許してしまったのだから、責任は私にある。
だんだんかわいくなってきていたところなので、とても悔しくあきらめきれないけれど、その反面、「これで開放された」とも感じてしまっている。
スズメさん、ごめんなさい。

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ソンクラーン休暇にオランダ旅行(後編)
4月16日(日)
オランダでの3日目。
実質的に今日がオランダでの滞在最終日。
これまでの2日間は天気に恵まれてたのだけれど、今日はあいにくのどんよりと曇っている。

曇り空
[曇り空]

さて、既にこのブログにも書いたのだけれど、今回の旅行記事をブログに書いておこうと思ったら、「メインテナンス中」と表示されるトラブルに見舞われた。
朝早く目を覚ましてベッドから抜け出して一人ホステルのレセプション前でラップトップパソコンと睨めっこするが、どうにも埒が明かない。

この日も朝食をしっかり食べることができた。
しかし、学生たちのグループでも泊っているのか朝食会場は学生風でほぼ満席の盛況だった。

朝食に時間がかかりホステルを出たのは朝9時になってから。
雨は降っていないが、いつ降り出してもおかしくないような空模様。
一応折り畳み式の小さな傘やビニールのレインコートはカバンに入れてある。
雨が降られて一番困るのは靴。
いつもながら靴底がすり減って穴が空いている。
今の靴はまだ買って2ヶ月くらいしか履いていないはずなんだけど、もう穴が空いてきている。
以前は半年くらい履き続けられたはずなのに、靴の素材が悪くなっているのかもしれない。
新しい靴に買い替えるのも納得いかないので、エポキシ系の接着剤で追加のゴム底を貼り付け簡易修理をしてきた。
しかし、そのゴム底も既にすり減ってしまっている。
今回の旅行中も連日随分と歩き回っている。
すり減って当然かもしれない。

本日は本格的にチューリップを眺めたいと思っている。
オランダでチューリップを見るとしたらばキューケンホフ公園が有名。
ここも昔ツアーで行ったことがある。
とんでもなく広いチューリップのテーマパークのようなところだった。
この季節、オランダに旅行する人の多くがキューケンホフを目的地にしているのではないかと思う。
しかし、今回の私はキューケンホフ公園に行くつもりはない。
だいたい、入園料が高い。
テーマパークそのものに関心もない。
ただチューリップが見たいだけ。

それでもキューケンホフの周辺にはチューリップの栽培農家が多いらしいという情報から、キューケンホフ方向へ向かうバスに乗ることにした。
バスはハーレム駅前から乗れるので便利。
でもハーレムからのバスはキューケンホフ公園の正面には乗り入れてなく、1キロほど手前で降ろされた。
でも、そのバス停の前が私が見たいと思っていたようなチューリップ畑になっている。
前日と違って青空が見えないのはちょっと残念だけれど、ここの畑のチューリップ畑はまだ刈り取られることもなく、満開を保っている。
畑の区画ごとに黄色や赤など色分けもされている。

本格的チューリップ畑
[こんな景色が目の前に広がったら嬉しくなります]

バスから降りたのは私だけではなく、バスの乗客の多くがこのバス停で降りてキューケンホフへ向かって歩きはじめる。
そして、私と同じように目の前に現れたチューリップ畑を写真に収めている。
私もキューケンホフ公園の方角へ向かって歩くけれど、入り口には向かわず通過する。
入り口前は広い駐車場になっており、ひっきりなしに車が吸い込まれていくし、大型バスもたくさん並んで止まっている。

咲いた咲いた
[赤、白、黄色と思わずチューリップの歌が口に出てきます]

キューケンホフ公園を取り巻くように走っている道路に従って歩くと、キューケンホフ城とかLAM美術館が見えてきた。
これも素通りするが、この辺りは日本で言うところの雑木林のような木々が茂っているところで、林間に歩道もあり、歩いてみたかったけれど、ちょっと霧雨のような天気になってしまった。
歩道も土の道で、そこに穴の開いている靴では踏み込むのを思いとどまる以外選択肢がなかった。
ビニールのレインコートを着込み、傘をさして歩く。

四角い敷地のキューケンホフ公園の周囲のうち3辺を歩き、そのまま公園から離れて北東に伸びる道を歩く。
この道沿いもチューリップ畑やヒヤシンス畑が続いている。
まったくカラフル。
曇り空が恨めしいが、それでも十分に美しい。
アジア系のグループが写真を撮り合っている。
中国人でもタイ人でもなさそうで、しゃべっている言葉のイントネーションはフィリピンやインドネシアの方の発音に似ている。

ハロウィンのネコ
[またまたこのハロウィンのネコを連れてきました]

道の左手数百メートルほどのところに電車の線路があるようで、だいたい30分おきくらいに電車が通過していく。
ちょっと望遠を効かせてヒヤシンス畑の中を走る2階建て電車の写真を撮る。
折よく、左手と右手双方から電車がクロスするところの写真を撮れた。

スイセン畑と電車
[ヒヤシンスの向こう側、2階建て電車がすれ違っていく]

そのうちに霧雨はも止んだ。
このあたりの畑もチューリップやヒヤシンスの球根を採るための畑なんだろうけれど、観光施設としての花畑はキューケンホフ公園以外にもあった。
道沿いに現れたのはチューリップバーンという施設で、やはり入場料を取るが、柵で覆われた花畑は、道からでも丸見えになっている。
チューリップ畑の中にオブジェが配置されて、写真スポットを演出している。
入場料などはなから払う気がないので、入場料がいくらなのか確認していないけれど、園内にはたくさんの観光客が入っているのも見えた。

チューリップバーン
[タイの人たちが喜びそうなスポット]

チューリップ、ヒヤシンス以外にスイセンの畑もあった。
そのスイセン畑の向こう側に教会の尖塔が見え、集落になっているらしい。
もう十分にチューリップを見たし、そろそろどこかへ移動しようかと考えていたので、集落へ行けばバス乗り場があるのではないかと思った。

スイセン畑
[ここで作られた球根が世界中で花を咲かせるんだろう]

小さな集落かと思ったけれどなかなか大きな村で、名前をヒルレーゴムと言うらしい。
教会もあればスーパーマーケットもある。

ネコ
[通り沿いの家の窓辺でネコが寝てる]

今回はDEKAというスーパーばかりで、前回愛用したJumboというスーパーを見てこなかったが、この村にはJumboスーパーがあったので、さっそく4つで1ユーロのパンが無いかと店内へ入ってみる。
しかし、残念なことにここのJumboにもく4つで1ユーロのパンは売られていなかった。
オランダも物価の上昇が激しいので、こんなプロモーションなどなくなってしまったのかもしれない。
Jumboでパンは買えなかったけれど、まだカバンの中には食べきれていないパンやチーズがあるし、朝食会場から持ってきた果物も入っている。
時刻は1時近くになり、そろそろ昼食にしたいが、この村には適当に腰かけて休めるようなベンチがほとんどない。
教会横の庭にベンチがあるにはあったけれど、さっきの霧雨に濡れている。
さりとて、食堂に入る気もしない。
マクドナルドのハンバーガーはあったけれど、ハンバーガーなんか食べたくない。

雨に濡れる心配もなく、ベンチでパンを食べられるところがどこかと考えて、結論としてはスキポール空港が良いのではないかと言う結論に達した。
マクドナルドの前にあったバス停から空港行バスに乗る。

霧雨にけぶった田園風景の中をバスに揺られる。
こうして毎日オランダのバスに乗っていて気が付いたことは、ほとんど信号待ちに合うことがないということ。
どうやらバスが交差点に近づくと自動的に青信号になるようなシステムがオランダにはあるらしい。
これはバス利用者にとってとても便利だと思うし、バスの運行も時間に正確になる。

空港内のベンチでちょっと遅くなったランチを食べる。
ほんとうはチューリップ畑でピクニック風に食べたかった。
毎食おんなじモノ、3日目なのでそろそろ温かいものをテーブルで食べたくもなってくる。

ランチさえ食べてしまえば空港に用はなく、そのまま電車に乗ってアムステルダムへ行くことにした。
前回もアムステルダムの街は素通りしたままだった。

アムステルダム・スローテルデイクという駅で電車から降りる。
アムステルダム中央駅はもう一つ先なのでけれど、マップを見るとこの駅前から市電が出ていて、この市電に乗ればアムステルダムの旧市街を半円形に幾重にも取り囲んでいる運河沿の一番外側の道を走るらしい。
なので、これに乗ってアムステル川のあたりで降りて、そこから旧市街を散策してみることにした。

アムステルダムを走る市電は短い車体が何両も連なっていて、カーブなどをクネクネと走る姿はなんとなく白くて大きな芋虫のような印象を受ける。

市電
[アムステルダム市内には市バスはなく市電だけみたい]

フレーデリック公園と言う電停で降りて散策開始。
アムステル川にかかる跳ね橋を徒歩で渡る。
橋から見る景色は、鉛色の空の下、ちょっと薄暗くて、なんとなく晩秋を思わせる。
川岸には船がたくさん係留されており、荷物を運んだりする船もあるようだけれど、船を住居にしている人も多いみたいだ。
電気や水道などは岸から船に引きこんでいるようだけれど、下水の処理なんかはどうなっているのだろうか?

アムステル川
[アムステル川]

次にアムステル川を背骨としたら、あばら骨に相当する横に伸びる運河沿いを歩いてみる。
こちらには、船と言うより、完全に水上住宅のような家が立ち並んでいる。
ピサヌロークのナーン川沿いにも筏の家が並んでいるけれど、ピサヌロークの水上住宅の排水は、未処理のまま川へ流されている。
この街の至る所で目に付くのは、放置自転車。
それらの自転車はやたらとゴツイ鎖で運河沿いの手すりやポールに結ばれている。
こんなに自転車が氾濫して、放置自転車風に見えるけれど、日本とは事情が違うのかもしれない。

街を半円形に囲む運河
[なんか絵の構図になりそう]

あばら骨運河をいつくか越えながら、だんだんと中心部の方へ進んでいくと、レンブラント公園と言うのがあった。
レンブラントの銅像が立っているのだけれど、木にピンク色の花が咲いているのが目についた。
よく見たら八重桜。
オランダでもサクラは咲くんですね。

レンブラント公園
[サクラの向こうにレンブラント]

このあたりから観光客の密度がどんどんと濃くなってくる。
アムステルダムは美術館の多い街で、そうした美術館巡りをする人も多いはず。
私は美術館や博物館にそれほど興味を持っていないし、入場料も節約したいというタイプなのでどこにも入らない。

どこにも入らないけど、道に面した窓から覗いた美術館は一軒だけある。
"KattenKabinet"というネコに関する美術館。
窓から覗くと、壁にたくさんのポスター風のものが張り出してある。
記念品みたいなものや絵葉書なんかも売られているようだ。
世界中にはネコ好きが多いだろうし、ネコ好きは犬好きと比べてキ印付きのネコ好きが多いだろうから、こうした施設はお客さんを集めやすいのだろう。
私もキ印側だけれど、窓から覗き込んだ限りでは、是非中に入って見学してみたいという雰囲気ではなかったが、それでも見学者は結構入っているようだった。

ネコ美術館
[ネコ美術館のぞき見]

運河沿いに花市場と言うのもあった。
切り花も売られているけれど球根が目立った。
観光客で雑踏していて、なんとなくアメ横か仲見世のような雰囲気。
人の流れに身を任せて、運河沿いに並ぶ市場の前を歩いていたら、タイ語が聞こえてきた。
少人数のグループをガイドが引率して歩いているらしい。
韓国語や中国語はひっきりなしに聞こえて来るけれど、日本語は全然聞こえない。

花市場
[オランダは花なんですね]

アンネフランクの家の前にも行ってみる。
入場するつもりはないけれど、家の前には行列ができている。
ここの見学は事前にネット予約となっていたけれど、それでも行列を作って入場を待つ人が多いらしい。
この家のある運河沿いから少し回りこんだところにアンネフランクの銅像が立っていた。
痩せて髪の長いワンピースを着た少女の像だったけれど、なんとも寂しそうに見える。
日本だったら花が飾られたりしていそうだけれど、周囲には何もなくポツンと立っている。
写真を撮ったり、立ち止まったりする人も少ない。
寂しそうだし、寒そうなので、マフラーでも巻いてあげたくなる。

アンネフランクの像
[アンネフランクの銅像]

だいぶ中心部まで歩いてきて、ダム広場へ入った。
王宮や新教会があるアムステルダムの中心。
広場では中国語で話しかけられ、パンフレットを渡された。
パンフレットには「法輪功」と書かれている。
「日本人だよ」と言ったらば、英語のパンフレットも渡された。

ダム広場に面してバンコクにもあるけれど蝋人形で有名なマダムタッソー蝋人形館があった。
当然ながら蝋人形館には入らないし、王宮も見学しない。
広場をぐるりと歩くだけ。

ダム広場
[広場とかにはハトが集まりやすいみたい]

そのまま繁華街のようなところを歩いたり周辺の路地に入ったりする。
飲食店も多くてタイ・レストランなんかも目立った。
パッタイが25ユーロとかになって表看板に書き出されているのには驚いた。
1000バーツ近い金額。
中華料理の店やピザの店なんかも多くて、多国籍な食堂街と言う気がした。
まいどまいどパンとチーズばかりを口にしているけど、「オランダ料理」と銘打ったレストランは見かけなかった。
オランダ料理って、いったいどんなものがあるのか、食べてきていないのでちょっと本当がつかない。
鎖国の江戸時代にもオランダとは交易があったので、なんか料理が伝わっていてもおかしくないと思うのだけれど、思い当たらない。

5時半過ぎにアムステルダム中央駅へ到着。
これでオランダ観光は終了で、あとはハーレムのホステルへ戻るだけ。
ハーレム行きの電車を調べてみると、どうした訳か直通電車はなく、今回のアムステルダム巡りの振出し起点であったアムステルダム・スローテルデイク駅で乗り換えとなっている。
とりあえず、乗り換えでもなんでもいいやと空港方面行きの電車に飛び乗り、アムステルダム・スローテルデイクで下車。
しかし、アムステルダム・スローテルデイク駅の発着電車案内モニターを見てもハーレム行きの電車が表示されていない。
乗り場もどこだかわからないので駅員さんに尋ねてみた。
すると、「向こうに見える白いバスに乗れ」と案内される。
よく意味が分からず、駅前の大きな通りを渡って白いバスの方へ進んでみたらとんでもなく長い行列ができたいた。
どうやらハーレムへの電車は補修工事の関係で運休しており、代行バスが走っているらしい。
そのバスの利用者がずらりと並んで順番を待っているということらしい。
行列は長かったけれど、大型バスが次々にやって来てピストン輸送をしているので、それほど長く待たされることはなかった。

バスを待つ人
[代行バス]

バスの振り替え輸送などがあったりして、宿へ戻ったら7時半を過ぎていた。
ホステルのレセプションに「明日の朝は7時に出発するよ」と伝えたら、「朝食は7時半からだよ、でもなんか食べ物をパックしてあげようか」と申し出を受ける。
喜んで申し出を受け、ちょっと待っていたら大きな紙袋にパンやチーズ、リンゴやクラッカーのようなものを詰めて持ってきてくれた。
また部屋でシャワーを浴びて、冷えた体を温めてから裏の公園のベンチへ向かう。
公園の入り口でカモの親子に出会う。

カモの親子
[水辺が多いからカモや白鳥も多い]

最後の夕食はさっきもらった紙袋に詰めてもらった朝食用の食材。
つまり、いつもとおんなじパンとチーズ。
それとスーパーで買った格安の紙パック入り赤ワインも飲む。
このワインがやたらと軽いワインで、パックにはEUで生産された赤ワインだけをブレンドしたものだとは書いてあるが、アルコール度数の表示がされていない。
時刻は8時半を回っているけれど、まだまだ十分明るい。

8時半
[ちょっと遅めの夕食]

これでオランダでの3日間はお終い。
またドミトリーの部屋へ戻って早々に寝てしまう。

4月17日 (月)
とうとう帰る日。

ホステル前のバス停
[ホステル前からバスに乗る]

朝7時にホステルを出てハーレムを経由して空港へ向かう。
もうフリーパスは使えないのでクレジットカードを使ってバスに乗車する。
カードがスマートパスのように使えるのだから便利だ。
特に外国人旅行者にとって交通系スマートパスは決して便利じゃない。
その点でもオランダの公共交通機関は進んでいると思う。
※しかし、翌日クレジットカードのアプリから支出額をチェックしたところ、本来の運賃の約倍額が請求されていることが発覚。

スキポール空港には8時に到着し、チェックインもスムースだった。
出国審査も自動化されて、前回のように長く待たずに済んだ。
でも、空港内は大混雑。
物凄くたくさんの人がいる。
KLMのラウンジへ入れてもらったけれど、ここも座るところがないくらい人がいっぱいいる。
なんとか空席を見つけて、ハイネッケンビールをタップからグラスに注いで飲ませてもらう。
前回来た時はじめて生ビールをタップから注いだのだけれど、恐る恐るコックを引いたので、泡だらけになった苦い経験があったので、今回は思い切りよくコックを引いて、コックを戻した。
前回よりは上達したけれど、それでもグラスの半分は泡が占めていた。

生ビール
[少しは上達]

スペインの発泡酒カヴァもいただいた。
これ辛口で好きなんです。

カヴァ
[スペインの発泡葡萄酒]

食べるものは大した品ぞろえがなく、やっぱりパンとチーズとハム程度。
サラダもない。
果物はリンゴとバナナ。

帰りの飛行機もほぼ満席だった。
特に後方のキャビンはほとんど空席のないくらいぎっちり。
台湾の人と欧米人がほぼ半々くらい。

エコノミー
[後方キャビン]

ところが運よく私の座った3人掛けシートは私だけで、もともと私は通路側だったけれど、窓側まで席を占有できた。
これだとゴロ寝をしながら乗って行けるので、とっても快適だった。
他にも何席か私のようにラッキーな人がいたが、ちょっと他の人たちに悪いかなと言った気にもなった。

3席占有
[エコノミーのフルフラットシート]

今回の旅行で土産として持ち帰ったのは黒ネコがラベルに描かれているワイン。
これもスーパーで買ったものだけれど、チリワインだった。

黒ネコのワイン
[私もやっぱりキ印だ]

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ソンクラーン休暇にオランダ旅行(中編)
4月15日(土)
オランダでの2日目。
朝早く目を覚ましたけれど、同室者はまだみんな眠っているらしい。
6人部屋のベッドはすべてふさがり、2段ベッドで私の上には女性が寝ていた。
6時半過ぎには明るくなってきたので、一人でベッドを抜け出してレセプション前でメールのチェックを行う。
朝寝坊なのは、私の部屋のルームメイトだけではないらしく、ホステルの朝食も週末は朝8時半からのスタートだそうだ。
※平日は7時半から

この日私は北の方にあるホールンというところへ行き、保存鉄道のミニSLを見てきたいと予定していた。
SLは1日一本の運行らしく、ホールン発は10:40となっている。
ホールンまではホステル最寄駅から直通の電車があるらしいのだけれど、私の持っているフリーパスではホールンまで利用できないらしい。
その代わりアムステルダムからホールンまでバスの便が15分間隔で出ているとの情報を得ていた。

朝食の内容はシンプルで、チーズが2種類、スライスしたチーズだけれど1枚が巨大。
トーストなら2枚分くらいになりそう。
それにハムが数種類で、野菜はトマトとキュウリのみ。
温かいものはゆで卵だけ。
果物はリンゴ、オレンジ、バナナ、洋ナシ、キウイが丸ごと置いてある。
パンはスーパーでよく見かけるタイプのモノで、それでもずっしりとしていて美味しい。
コーヒーは自動コーヒーメーカーがあってフレッシュなものを飲ませてくれる。
バスの時間まであまり余裕がないので、大急ぎで目を白黒させながら食べる。
でもしっかりとたくさん食べる。

ギリギリでバスに乗り込むことができた。
バスは08:19発の便で、これに乗れば08:40にハーレムを出てアムステルダムへ行く電車に乗り継げる。
これでアムステルダムからバスに乗れば10時頃にはホールンに到着できそう。
しかし、乗り継ぎはそうは上手く行かなかった。
ハーレムの駅から乗ろうと思っていた08:40の電車はキャンセルになっていた。
さらに後続の電車は5分ほど遅れており、結局アムステルダム駅に着いたのは09:15頃になっていた。
それでも、ここから314番のバスに乗りさえすれば1時間ほどでホールンへ到着できるはずだった。
でも、また予定が狂った。
週末は314番のバスの半分が前日訪れたエダム止まりと言う。
まぁ、とにかく先に進まなくてはと、2日続けてエダムのと集落に立つこととなった。

アムステルダムのバス乗り場
[アムステルダムのバス乗り場は中央駅の裏側]

エダムでのバスの待ち合わせは15分ほどあり、その間にまたエダムの集落を少しだけ散歩。
結局ホールンに着いたのは10時半になっていた。

エダム
[二日連続のエダム散策]

今回の目的はSL列車に乗ることではなく、田園風景の中を走るミニSLを見たいというもの。
ここの保存鉄道のSL列車には昔ツアーで来て乗ったことがある。
乗ってしまうと窓から見える景色はSLでもバスでも大して差がない。

ホールン駅
[ホールン駅の跨線橋より]

SLの出発までわずか10分ほどしかなかったけれど、ホームへ入ることは遠慮して、駐車場の柵越しにSLを眺めた。
形はミニSLと呼ぶにふさわしく愛らしい形状だけれど、日本の小型SLと比較するとデカい。
もともとオランダの鉄道は新幹線サイズのレール幅だから、ミニと言ってもそんなに小さくない。
ホームへ入ればもっとよく見れるだろうし、迫力もありそうだけれど、お金も払わずのぞき見するからにはちょっと遠慮しなくてはと思ったから。
それに、本当に見たいのは田園の中を走っている姿。

SL列車出発
[出発進行]

SLが無事にホールンの駅を出発したのを見届けて、再びバスに乗り込む。
ホーンから北に10キロほどのところにアベケークというバス停があり、その辺は地図で見ると一面の田園地帯らしい。
そしてこの保存鉄道もこの辺りを走っている。
バスはSLが出発した後20分後の11時発だけれど、たぶんSLはのんびり走っているだろうから、きっと追いつき追い越せると判断した。
案の定、バスに乗って少しするとハイウェイと並行してSL列車が見えた。

アベケーク
[アベケーク]

アベケークというところは、ハイウェイのインターチェンジのようなところで周辺には何にもない。
予想通りの田園風景。
遠くにカラフルな色が見えるのはチューリップ畑だろうか。
こんなところを走るSLか見たかったのだけれど、SLが走ってくる線路はハイウェイを挟んだ反対側。
そちらの方へ回ってみたらば、広大な牧草地になっていて、チューリップなど全く見られない緑一色。
そうこうしているうちに遠くの方からSL列車がやってくるのが見えた。
機関車は後ろ向きに2軸客車を引っ張って近づいてくる。

バック運転
[ここはもともと駅だったらしいが汽車は通過していった]

ピカピカに磨き上げられすぎて、なんとなく古めかしいローカル線と言った雰囲気は全くないのだけれど、機関士や車掌はクラシカルな制服を着用していて、とても誇らしそうに見える。
そして大したスピードではないけれど、あれよあれよという間に目の前を通り過ぎて行ってしまった。

ピカピカの汽車
[ビデオに撮っておけばよかった]

次は午後にこの折り返し便がやってくるはずなので、それまで線路沿いに歩いて、あわよくば線路がチューリップ畑を走るところを見つけたいと思う。
線路に並行した田舎道をテクテクとまっすぐ歩く。
歩いても歩いても牧草地ばかり。
線路と並行して水路が走っている。
3キロほど歩いたところで黄色いチューリップが咲いている畑を見つけた。
しかし、残念ながら畑の中に立ち入らなくてはチューリップ畑の中を走るSLは見ることができない。

黄色いチューリップ
[黄色いチューリップ畑]

お昼時になっていたので、サイクリングロード沿いにあったベンチに腰掛けて昨晩の残りのバゲットパンとチーズをかじる。
白ワインの飲み残しもカバンに入っていたので、それも飲んでしまったら、まったくいい気分になってしまった。

ピクニック
[もう気分はピクニック]

更に1キロほど歩くと、赤いチューリップ畑があった。
こんどはチューリップ畑の向こう側に線路が伸びているので、構図としては理想的。
しかし、チューリップの花がまばらなのが残念。
まだ花が咲いていないのではなく、花だけが刈り取られている感じになっている。

赤いチューリップ畑
[花だけが刈り取られてちょっと無残]

もっと条件の良いところがあるのではないかと先へ先へと歩いてみる。
ピンク色のチューリップ畑もあったけれど、これまた残念ながら線路とは反対側に咲いている。

ピンクのチューリップ
[ピンクも線路と反対向き]

かなり歩いたところで、もう少しするとホールンへ戻るSL列車がやってくる時刻となったので、条件は今ひとつだったけれど、赤いチューリップ畑で妥協することにして、さっき歩いてきた道をもとへ戻ることにする。
時間がないので小走りに数キロほど走る。

しかし、なんたることか、さっきまでまばらに残っていたチューリップの花をさらに刈り取っている。
刈り取られた後には、なんにも残っていない。
うーむ、ちょっと畑へ入れさせてもらって、まだちょっと残っているチューリップの花越しに眺められるところへ行こうとしたら、作業をしている男性に追い払われてしまった。

チューリップ刈り取り中
[こんな機械で丸坊主にしていってしまう]

残念だが、チューリップはあきらめようとしたら、遠くから汽笛が聞こえてくる。
あぁ、もう時間だ。
仕方なく、刈り取られたチューリップ畑では絵にならないので、牧草地の中を走るところを眺めることにした。

牧草地の中のSL
[チューリップは映らなかったけど、なんとかSLの写真は撮れた]

こんどは機関車は前向きで客車を引っ張っている。
そして、こんどもあれよあれよという間に目の前を走り抜けていってしまった。
チューリップ畑ではないけれど、広々とした牧草地の中を走っていくSLはなかなか絵になっていた。
何と言っても、ちょっと風は冷たいけれど、空が青くてきれいなのがイイ。

走り去るSL
[ちょっと広角気味]

これで一応この日の目的は完了。
またアベケークのバス停まで延々と歩く。
途中はまた小走りに走ってみたりした。
カバン抱えて走っていたら、後ろから来た車から声をかけられた。
何と言われたのかよくわからなかったけれど「乗せてってやろうか」みたいなことを言われたのではないかと思う。
乗せてもらえればありがたいことはありがたいけど、言葉も通じずに乗るのはちょっと気詰まりなので、OK, Just Running, Thank youと適当に答える。

アムステルダムへ戻ってまだ4時前。
宿へ戻るにはまだ早すぎるし、フリーパスがあるので適当に電車に乗って隣町まで行ってみることにした。
乗り込んだ電車は急行のインターシティで、アルメールというところまで行くものだった。
このアルメールならフリーパスの利用範囲内なので、安心して乗って行ける。
車内の混雑度は大したことなく、日本の特急電車によく似ていた。
前回来た時にもインターシティーには乗ったけれど、そのときの電車は2階建てだったけれど、今回のは2階建てではない。

インターシティー
[日本の特急に似ている気がする]

アルメールというところは、これまで見てきたオランダの街とはだいぶ趣の違ったところだった。
これまで見てきたのが、どれも歴史を感じさせたり、おとぎ話の世界みたいだったけれど、ここアルメールはニュータウンと言った感じで、駅前は商店街となっており、大きなショーウィンドウにカラフルな商品が並んでいる。

アルメール駅前通り
[便利そうだけど面白みに欠ける町との印象]

少し奥まで行くと、広場になっていて青空市場のようなことをやっていたようなのだけれど、私が到着した時にはちょうど撤収作業の待っ最中だった。
魚や野菜などを売っていたようなのだけれど、イチゴを売っている露店もあり、そのイチゴはプラスチック製ではないかと思うくらい真っ赤な色をした大粒のモノだった。
最初ちょっと見た時はイチゴではなく、トマトを売っているのかと思ったくらいだ。

イチゴ
[こんなイチゴ今まで見たことない]

6時過ぎにホステルへ戻る。
こんどは駅近くにあるスーパー、やはりDEKAの店に入って買い物をする。
買ったものはパンとチーズ。
こんどのパンは丸っこくて大きく、色は茶色のモノをスライスしたもの。
やはりずっしりと思い。
タイのパンはフワフワで軽いものが多いから、食べても腹ごたえはないけど、こちらのパンは食べでがある。
チーズは白カビのチーズ。
やはり部屋へ戻ってシャワーをしてから、裏の公園へ行ってベンチに腰掛けてイワシの缶詰と一緒に食べる。


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