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ソンクラーン休暇にオランダ旅行(中編)
4月15日(土)
オランダでの2日目。
朝早く目を覚ましたけれど、同室者はまだみんな眠っているらしい。
6人部屋のベッドはすべてふさがり、2段ベッドで私の上には女性が寝ていた。
6時半過ぎには明るくなってきたので、一人でベッドを抜け出してレセプション前でメールのチェックを行う。
朝寝坊なのは、私の部屋のルームメイトだけではないらしく、ホステルの朝食も週末は朝8時半からのスタートだそうだ。
※平日は7時半から

この日私は北の方にあるホールンというところへ行き、保存鉄道のミニSLを見てきたいと予定していた。
SLは1日一本の運行らしく、ホールン発は10:40となっている。
ホールンまではホステル最寄駅から直通の電車があるらしいのだけれど、私の持っているフリーパスではホールンまで利用できないらしい。
その代わりアムステルダムからホールンまでバスの便が15分間隔で出ているとの情報を得ていた。

朝食の内容はシンプルで、チーズが2種類、スライスしたチーズだけれど1枚が巨大。
トーストなら2枚分くらいになりそう。
それにハムが数種類で、野菜はトマトとキュウリのみ。
温かいものはゆで卵だけ。
果物はリンゴ、オレンジ、バナナ、洋ナシ、キウイが丸ごと置いてある。
パンはスーパーでよく見かけるタイプのモノで、それでもずっしりとしていて美味しい。
コーヒーは自動コーヒーメーカーがあってフレッシュなものを飲ませてくれる。
バスの時間まであまり余裕がないので、大急ぎで目を白黒させながら食べる。
でもしっかりとたくさん食べる。

ギリギリでバスに乗り込むことができた。
バスは08:19発の便で、これに乗れば08:40にハーレムを出てアムステルダムへ行く電車に乗り継げる。
これでアムステルダムからバスに乗れば10時頃にはホールンに到着できそう。
しかし、乗り継ぎはそうは上手く行かなかった。
ハーレムの駅から乗ろうと思っていた08:40の電車はキャンセルになっていた。
さらに後続の電車は5分ほど遅れており、結局アムステルダム駅に着いたのは09:15頃になっていた。
それでも、ここから314番のバスに乗りさえすれば1時間ほどでホールンへ到着できるはずだった。
でも、また予定が狂った。
週末は314番のバスの半分が前日訪れたエダム止まりと言う。
まぁ、とにかく先に進まなくてはと、2日続けてエダムのと集落に立つこととなった。

アムステルダムのバス乗り場
[アムステルダムのバス乗り場は中央駅の裏側]

エダムでのバスの待ち合わせは15分ほどあり、その間にまたエダムの集落を少しだけ散歩。
結局ホールンに着いたのは10時半になっていた。

エダム
[二日連続のエダム散策]

今回の目的はSL列車に乗ることではなく、田園風景の中を走るミニSLを見たいというもの。
ここの保存鉄道のSL列車には昔ツアーで来て乗ったことがある。
乗ってしまうと窓から見える景色はSLでもバスでも大して差がない。

ホールン駅
[ホールン駅の跨線橋より]

SLの出発までわずか10分ほどしかなかったけれど、ホームへ入ることは遠慮して、駐車場の柵越しにSLを眺めた。
形はミニSLと呼ぶにふさわしく愛らしい形状だけれど、日本の小型SLと比較するとデカい。
もともとオランダの鉄道は新幹線サイズのレール幅だから、ミニと言ってもそんなに小さくない。
ホームへ入ればもっとよく見れるだろうし、迫力もありそうだけれど、お金も払わずのぞき見するからにはちょっと遠慮しなくてはと思ったから。
それに、本当に見たいのは田園の中を走っている姿。

SL列車出発
[出発進行]

SLが無事にホールンの駅を出発したのを見届けて、再びバスに乗り込む。
ホーンから北に10キロほどのところにアベケークというバス停があり、その辺は地図で見ると一面の田園地帯らしい。
そしてこの保存鉄道もこの辺りを走っている。
バスはSLが出発した後20分後の11時発だけれど、たぶんSLはのんびり走っているだろうから、きっと追いつき追い越せると判断した。
案の定、バスに乗って少しするとハイウェイと並行してSL列車が見えた。

アベケーク
[アベケーク]

アベケークというところは、ハイウェイのインターチェンジのようなところで周辺には何にもない。
予想通りの田園風景。
遠くにカラフルな色が見えるのはチューリップ畑だろうか。
こんなところを走るSLか見たかったのだけれど、SLが走ってくる線路はハイウェイを挟んだ反対側。
そちらの方へ回ってみたらば、広大な牧草地になっていて、チューリップなど全く見られない緑一色。
そうこうしているうちに遠くの方からSL列車がやってくるのが見えた。
機関車は後ろ向きに2軸客車を引っ張って近づいてくる。

バック運転
[ここはもともと駅だったらしいが汽車は通過していった]

ピカピカに磨き上げられすぎて、なんとなく古めかしいローカル線と言った雰囲気は全くないのだけれど、機関士や車掌はクラシカルな制服を着用していて、とても誇らしそうに見える。
そして大したスピードではないけれど、あれよあれよという間に目の前を通り過ぎて行ってしまった。

ピカピカの汽車
[ビデオに撮っておけばよかった]

次は午後にこの折り返し便がやってくるはずなので、それまで線路沿いに歩いて、あわよくば線路がチューリップ畑を走るところを見つけたいと思う。
線路に並行した田舎道をテクテクとまっすぐ歩く。
歩いても歩いても牧草地ばかり。
線路と並行して水路が走っている。
3キロほど歩いたところで黄色いチューリップが咲いている畑を見つけた。
しかし、残念ながら畑の中に立ち入らなくてはチューリップ畑の中を走るSLは見ることができない。

黄色いチューリップ
[黄色いチューリップ畑]

お昼時になっていたので、サイクリングロード沿いにあったベンチに腰掛けて昨晩の残りのバゲットパンとチーズをかじる。
白ワインの飲み残しもカバンに入っていたので、それも飲んでしまったら、まったくいい気分になってしまった。

ピクニック
[もう気分はピクニック]

更に1キロほど歩くと、赤いチューリップ畑があった。
こんどはチューリップ畑の向こう側に線路が伸びているので、構図としては理想的。
しかし、チューリップの花がまばらなのが残念。
まだ花が咲いていないのではなく、花だけが刈り取られている感じになっている。

赤いチューリップ畑
[花だけが刈り取られてちょっと無残]

もっと条件の良いところがあるのではないかと先へ先へと歩いてみる。
ピンク色のチューリップ畑もあったけれど、これまた残念ながら線路とは反対側に咲いている。

ピンクのチューリップ
[ピンクも線路と反対向き]

かなり歩いたところで、もう少しするとホールンへ戻るSL列車がやってくる時刻となったので、条件は今ひとつだったけれど、赤いチューリップ畑で妥協することにして、さっき歩いてきた道をもとへ戻ることにする。
時間がないので小走りに数キロほど走る。

しかし、なんたることか、さっきまでまばらに残っていたチューリップの花をさらに刈り取っている。
刈り取られた後には、なんにも残っていない。
うーむ、ちょっと畑へ入れさせてもらって、まだちょっと残っているチューリップの花越しに眺められるところへ行こうとしたら、作業をしている男性に追い払われてしまった。

チューリップ刈り取り中
[こんな機械で丸坊主にしていってしまう]

残念だが、チューリップはあきらめようとしたら、遠くから汽笛が聞こえてくる。
あぁ、もう時間だ。
仕方なく、刈り取られたチューリップ畑では絵にならないので、牧草地の中を走るところを眺めることにした。

牧草地の中のSL
[チューリップは映らなかったけど、なんとかSLの写真は撮れた]

こんどは機関車は前向きで客車を引っ張っている。
そして、こんどもあれよあれよという間に目の前を走り抜けていってしまった。
チューリップ畑ではないけれど、広々とした牧草地の中を走っていくSLはなかなか絵になっていた。
何と言っても、ちょっと風は冷たいけれど、空が青くてきれいなのがイイ。

走り去るSL
[ちょっと広角気味]

これで一応この日の目的は完了。
またアベケークのバス停まで延々と歩く。
途中はまた小走りに走ってみたりした。
カバン抱えて走っていたら、後ろから来た車から声をかけられた。
何と言われたのかよくわからなかったけれど「乗せてってやろうか」みたいなことを言われたのではないかと思う。
乗せてもらえればありがたいことはありがたいけど、言葉も通じずに乗るのはちょっと気詰まりなので、OK, Just Running, Thank youと適当に答える。

アムステルダムへ戻ってまだ4時前。
宿へ戻るにはまだ早すぎるし、フリーパスがあるので適当に電車に乗って隣町まで行ってみることにした。
乗り込んだ電車は急行のインターシティで、アルメールというところまで行くものだった。
このアルメールならフリーパスの利用範囲内なので、安心して乗って行ける。
車内の混雑度は大したことなく、日本の特急電車によく似ていた。
前回来た時にもインターシティーには乗ったけれど、そのときの電車は2階建てだったけれど、今回のは2階建てではない。

インターシティー
[日本の特急に似ている気がする]

アルメールというところは、これまで見てきたオランダの街とはだいぶ趣の違ったところだった。
これまで見てきたのが、どれも歴史を感じさせたり、おとぎ話の世界みたいだったけれど、ここアルメールはニュータウンと言った感じで、駅前は商店街となっており、大きなショーウィンドウにカラフルな商品が並んでいる。

アルメール駅前通り
[便利そうだけど面白みに欠ける町との印象]

少し奥まで行くと、広場になっていて青空市場のようなことをやっていたようなのだけれど、私が到着した時にはちょうど撤収作業の待っ最中だった。
魚や野菜などを売っていたようなのだけれど、イチゴを売っている露店もあり、そのイチゴはプラスチック製ではないかと思うくらい真っ赤な色をした大粒のモノだった。
最初ちょっと見た時はイチゴではなく、トマトを売っているのかと思ったくらいだ。

イチゴ
[こんなイチゴ今まで見たことない]

6時過ぎにホステルへ戻る。
こんどは駅近くにあるスーパー、やはりDEKAの店に入って買い物をする。
買ったものはパンとチーズ。
こんどのパンは丸っこくて大きく、色は茶色のモノをスライスしたもの。
やはりずっしりと思い。
タイのパンはフワフワで軽いものが多いから、食べても腹ごたえはないけど、こちらのパンは食べでがある。
チーズは白カビのチーズ。
やはり部屋へ戻ってシャワーをしてから、裏の公園へ行ってベンチに腰掛けてイワシの缶詰と一緒に食べる。


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ソンクラーン休暇にオランダ旅行(前編)
4月13日(木)~18日(火)にかけてオランダへ旅行してきました。
昨年の9月に引き続いての2度目のオランダ。
特別今行かなくてはならない理由などないけど、いまなら行けそうだと思ったので年末から飛行機だけは予約しておいた。
その後、飛行機の切符は随分と値上がりしてきているから、その点からはイイときに切符を買っておけたと思っている。
13日からタイはソンクラーン、タイの正月休みとなっている。
バンコクを出発する飛行機はお昼の便なので、午前中は特に用事がないので、会社のオンライン中継番組を引き受けることにして、スワナプーム空港から45分間ほど中継をする。
日本のお正月前後でもよく成田空港からニュースの中継で「お正月休みを海外で過ごそうという人たちで空港の搭乗手続きカウンターは混みあっています」みたいなことを放送しているので、その感じのノリで進めようと思ったけれど、バンコクの空港の場合、タイ人旅行者だけでなく、外国人旅行者の姿の方が多くみられた。
ターミナルの建物の中にもソンクラーン関連の飾り付けが目を引いた。

今回利用する航空会社はいつもの通りの中華航空で台北経由。
以前なら台北からアムステルダムへ向かう飛行機はバンコク経由で飛んでいたのだけれど、飛行機の足が長くなり、数年前から台北からアムステルダムまでノンストップで飛ぶようになった。
それがロシアのウクライナ侵攻で、シベリア上空の飛行ができなくなって、現在は南回りの迂回ルートとなっている。
そんなこともあってバンコクからアムステルダムまでは約24時間もかかって移動することになっている。
短い休み期間で、移動時間が長くて馬鹿らしいと思われるかもしれないけれど、旅をするのは目的地に到着するまでも旅の重要な要素だと思っているので、別に気にもしていない。

出発前に立ち寄ったラウンジでもタイ正月ということで、タイのお正月向けのお菓子が用意されていた。
ココナツゼリーで作った花模様のお菓子。
作るのには手間がかかったんだろうなと想像されるけど、残念ながら手を伸ばす人はほとんどいないようだった。
味の方は、甘いココナツゼリーで、中にココナツの果肉が入っていた。

ココナッツゼリー
[手に取る人が少なかったのは、このゼリーが大きすぎるからじゃないだろうか]

バンコクから台北までの区間はプレミアムエコノミーの席を用意してもらった。
そして前の席の背もたれに付いているモニターで映画を見た。
「異動辞令は音楽隊」いうタイトルで、刑事がパワハラで音楽隊へ移動させられるといったストーリー。
主演は阿部寛。
しかし、どうもこの中華航空の映画を選定している人は阿部寛に相当肩入れしているような気がする。
映画のラインナップはだいたい3か月くらいで入れ替わっているようだけど、まいど阿部寛が配役に入ってる映画がエントリーしている気がする。

プレミアムエコノミー
[台北まではエコノミーでもプレエコに座れる]

台北の空港で数時間の乗継待ちを経て、夜10時過ぎの飛行機に乗る。
こちらもほぼ満席。
そして正真正銘のエコノミークラス。
アムステルダムまで14時間半も飛び続けていて、エコノミーと言うのはなかなか厳しいものがあるけど、運のよいことにほぼ満席の機内にあって、隣の席は空席となっている。
ひじ掛けをあげさせてもらって、隣の席の方へ足を伸ばさせてもらえば、先ほどのプレミアムエコノミーよりも快適に眠れそう。

バンコクからずっと食べ続けているので、ほとんど空腹を覚えないけど、機内食が配られれば一応食べてしまう。
パンなどは袋に入れてお持ち帰り。
オランダ滞在中の食費を倹約するのに役立てさせてもらう。

飛行ルートは台湾から南西に飛んで、海南島から雲南省、ミャンマー北部からインドへと飛んでいるところで、眠り込んでしまう。
途中何度も目を覚まし、イランのカスピ海上空起き出すが、まだ周りはみんな眠っており、機内の照明も暗くなっている。

飛行ルート
[遠回りルート]

私のように目が覚めてしまっている人もいるらしく、ときどき窓際の人が少しブラインドを開けようとすると、外から光が入ってくる。
しかし、客室乗務員が飛んできて、すぐにブラインドを閉めさせられていた。

全くお腹が空かないまま朝食を配膳される。
やっぱりパンは食べずに袋の中にキープする。
「ビール」を注文したら、「朝食ですよ」と言われたが、「朝のビールが旨いんだよ」と言ったらば、ちゃんとビールを運んできてくれた。
機内の乾燥した空気と、エコノミークラスの座席で眠っただるさの中で飲むビールはやっぱり美味しい。

ヨーロッパ時間で朝7時半過ぎ、スキポール空港に到着。
ここで入国する人は少ないのか、乗り継ぎの案内ばかりが目立ち、入国審査場までは随分と歩かされた。
スマホの天気予報ではあんまり天気が良くないらしいと表示されていたけれど、ガラス張りのターミナル建物から外を見ると快晴。
旅行中はやはり天気に左右されるから天気が晴れていると嬉しくなる。

スキポール空港
[青空のアムステルダム到着]

ここで入国する人が少ないからか入国審査もほとんど並ばず、荷物も待たされることなくすぐに出てきた。

これからの滞在予定は、13日は風車を見に行き、14日はホーン保存鉄道を見に行き、15日はチューリップを見に行くつもりにしている。
ベースとなる宿はハーレム郊外にあるステイオッケーというホステルで、どうやらオランダのユースホステルに相当するらしい。
泊るのはそのドミトリー部屋。

滞在中の足は「アムステルダム・リージョン・トラベルチケット」を利用するつもりになっている。
このチケットはアムステルダム周辺の電車やバスに自由に乗り降りできるフリーパスのようなもので、3日券が40.50ユーロで売られているとの情報を得ていた。
さっそく、その切符を買おうと捜しまわるが、最初に見つけたのはバス乗り場近くの移動販売車で、残念ながら販売開始時刻は午前9時からとなっていて、まだ少し時間がある。
鉄道の切符売り場でも尋ねてみたらば、「売っている」と言うので早速購入。
このパスはアムステルダム周辺で使えるとなってはいるものの、具体的にはどこまでの範囲で使えるのか漠然としてよくわからない。
マップももらったけど、有名観光地へ行くには何番のバスが便利みたいな表示で、細かさに欠ける。

しかし、空港からハーレムまでは300番のバスで向かえることはマップに表示されていたので、赤い連接バスに乗ってハーレムへ向かう。

ハーレムの駅前から宿までは2番のバスに乗ればよいらしいことは調べがついていた。
しかし、そのバスにこのフリーパスが使えるのかどうかがわからない。
宿の近くにある鉄道駅までなら使えることはわかっていたので、バスがダメなら鉄道でという手もあるけど、バスに乗ってみなければOKかどうかわからない。

ハーレム駅前
[半年前にも来たハーレムの駅前、なんか懐かしく感じる]

2番のバスまで20分ばかり駅前のバスを待って乗り込んだ。
パスを乗降リーダーにかざしたら「ピッ」とOKサインの音がした。
ところがこれが大失敗。
バスはハーレムの街中を南に向かって走っている。
宿はハーレムの北側で、まるで逆方向。
私は2番のバスはハーレム駅が起終点で、何も考えずに乗りこめば宿の前まで乗せていってくれると思っていたが、どうやらハーレム駅は2番バスのルート上にある中間ポイントで、私は逆方向のバスに乗ってしまったらしい。
運河沿いでバスを降りる。
この運河は前回来た時に散策した覚えがある。
なのでなんとなく歩いていけば駅にたどり着けると思った。
そして、歩き始めてすぐに、いま降りたバス停とは逆方向に2番のバスが通過していった。
あぁ、あれに乗れば宿まで行けたはずだったんだと自分の失敗が悔しく感じる。

運河沿い
[ハーレムの運河沿い、ここも前回歩いたとこ]

ハーレムの路地裏を歩いて駅まで戻ってくる。
そしてまた2番バス、それも北向きのバスを20分ほど待つ。

宿には10時半ころに到着。
まだ入室はできないということだったけれど、荷物は預かってもらえた。
宿はバス停の真ん前。
もともとは学校だったという建物に増築したホステルで、宿の周辺は公園になっていて、環境は静かでいい場所だけれど、商店などは一切ない。

身軽になったところで、さっそく風車見学に出発。
この辺りではザーンセスカンスの風車が有名と聞いているので、そこまでこんどは電車を使って行ってみる。
宿から最寄りの鉄道駅、サントプートまでは直線距離にして1キロほど。
車だと大きく迂回しなくてはならないけど、さすが自転車王国のオランダだけあって、宿の前から駅の方まで田園の中をまっすぐにサイクリングロードがある。
もちろん、走ってくる自転車に注意すれば徒歩でも問題なさそう。
日本でだったら水郷地帯とでも呼ぶのがふさわしいくらい水と緑に透明感があって美しい景色。
なんとなく青いサングラスでもかけているのではないかと思うほど、光が透明感の高い青色をしている。
そう、北海道でみた光の色によく似ている。
タイではこんな透明感のある青い光など見たことがない気がする。
空には白い雲がポカリ、ポカリと浮かんでいて、たぶんオランダではどこにでもあって珍しくもない、名もなき風景みたいなところだけれど、あんまりにキレイなんで、はるばる来ただけの甲斐があったななんて早々と感じてしまう。

光が青い
[駅への近道]

電車に乗りこんだけれど、ザーンセスカンスへは行かないらしく、途中で一回乗り換えをする。

そして降り立ったのがザーンダムという駅。
なんとなく駅前からして観光地っぽくて、観光客らしい姿を多く目にする。
中国系の観光客もあちこちで記念写真を撮っている。
緑色のヘンテコな形の大きな建物なんかもあって、インスタスポットなんかにもなっているようだ。
が、しかし周辺を見回しても風車なんて全然見当たらない。
ザーンセスカンスには20年以上前に来たことがあり、風車がずらりと並んでいた記憶がある。
そして、今目の前に見えているような大きな建物なんかなくて全くの田園地帯みたいなところだった。
おかしいなぁと思って地図を確認したら、私はザーンセスカンスとザーンダムを勘違いしていたようだ。
風車のあるザーンダムなら2つ手前の駅で降りるべきであった。
また電車で戻るのも面白くないので、ザーンセスカンスまでバスに乗っていくことにした。
フリーパスがあると、行き先を間違えたりしても乗り降り自由なので、乗り間違えさえ楽しく感じる。

ザーンダムの駅前
[ヘンテコなビル]

ザーンセスカンスは観光地であった。
風車そのものも昔からあるものではなく、観光用に移築してきたものだということは知っていたけれど、ここまで観光地になっているとはちょっと驚いた。
観光客相手の土産物屋がずらりと並び、風車はそれぞれが博物館となっている。
ただ救われるのは、風車の中に入ったりしなければ入場料を徴収されることもない。
土産物店も別に何も買わなくても、一昔前の東南アジアの土産物店のように鍵かけられて売り場から解放してもらえないなんてこともない。

サーンセスカンス
[オランダは観光向きの国なんだろな]

土産物で売られているメインはチーズと木靴のようだ。
木靴は履くためと言うより、インテリアとして飾るための土産だろうけど、チーズは食用で、あまりにチーズを売る土産物屋が多いせいか、あたり一帯にチーズの臭いが立ち込めている。
運河で仕切られた区画を抜けるには土産物屋を通らなくては行けない構造もあったりして、不本意ながら土産店に入る。
観光客がたくさんいてチーズの試食をしたりしている。
売り子の女性たちもオランダの伝統衣装を身に着けている。

ザーンセスカンス
[作りものなんだろうけどメルヘンだよな]

ここは本当に作られた観光名所で、風車の並ぶ風景だけでなく、運河の対岸に並ぶ家並もまるでおとぎ話の世界かテーマパークのように見える。
出来過ぎとも思えるけど、観光客が写真を撮るには「これぞオランダ‼」と言った感じになるのだろう。
それに青空の下で回る風車と言うのは、観光目的で作られた風景であっても、やっぱり美しい。
5ユーロほどの入場料を払ってまで風車の中に入ってみたいとは思わないけれど、こんな景色の中を散策するのはミーハーだと思うけど楽しい。

風車小屋の博物館
[風車小屋内部は有料で公開されている]

そんな風車小屋の一つの前に、白黒のネコを発見。
近づいても逃げないので、カバンの中からキャットフードを取り出して与えてみると、夢中で食べる。

白黒猫
[風車小屋の飼いネコだろうか]

どうやらお腹を空かせていたらしい。
首輪をつけていないが、この辺りでは野良猫なんていないだろうから、誰かの飼いネコなんだろうけど、どこのネコさんなのか気になる。
気温は13℃くらいで日差しはあるけど、風が少し強くてちょっと肌寒い。
ネコを抱き寄せると少し暖かいし、ネコも暖かく感じているらしい。

風車とネコ
[絵葉書になりそう]

ネコと言えば、もうひとつネコの風車小屋があった。
別にネコがいるわけでもないけど、風車小屋の名前が"De Kat"というもので、ここは昔の絵の具を作って売っている小屋らしい。
この小屋の説明板に描かれたネコのマークが黒猫であることも好ましかった。

De Kat
[ネコと言う名の絵具工房]

運河の水は別に清く澄んでいるわけではない。
よく見れば濁っていて、悪臭こそ漂ってはいないものの、タイの運河と大差ないように感じるのだけれど、水面に空や木立が写り込んでいて、きれいに見える。
そんな運河べりのベンチに座って昼食にした。
昼食と言っても、機内食で食べずに袋に詰めて来たパンなど。
オランダまで来て、こんなもの食べているなんてみみっちいとも思えるけれど、こんなものを食べていても、景色がいいので美味しく感じられる。

運河沿いでランチ
[運河の水面は鏡のようだ]

ザーンセスカンスからは電車とバスを乗り継いでエダムへ行った。
エダムに関しては何の下調べもしていないし、予備知識もないけれど、エダムと言ったらチーズの名前にもなっていることくらいは知っている。
そんな程度だけれど、午後にやってきたエダムも絵のように美しいところだった。
運河にかかる吊り橋の先は、やっぱりおとぎ話に出てきそうな家並が続いている。
ザーンセスカンスのような観光地観光地はしていないけれど、観光的要素のたくさんある街並みで、かといって土産物屋が並ぶような厭らしさもない。
集落の中心には礼拝堂があって、青空を突き抜けるように高い塔がそびえている。

エダムの礼拝堂
[100年も200年も前からおんなじ景色なんじゃないだろうか]

土産物屋が皆無と言うわけではない。
エダムチーズで有名なだけあって、チーズ博物館とかチーズ工房のようなところもあるけれど、街の中に調和していて、土産物屋独特のハデハデ感はあまり感じずにすむ。
集落自体は小さくて10分も歩くと家並が途切れて牧場が広がっている。
今日は天気が良くて本当に良かった。

チーズ工房
[エダムチーズの製造直売土産物屋]

ここエダムでもネコを発見。
集落の中の庭付きのお家で、ポツポツとタンポポが黄色い花を咲かせている芝生の上でネコが昼寝をしていた。
ニャーオと呼びかけても耳一つ動かすことなく熟睡している。

日向ぼっこ
[このネコ、幸せなんだろな]

エダムの隣町フォーレンダムも観光要素があるようにマップに記されていたのだけれど、エダムから乗り込んだバスはフォーレンダムには立ち寄らずにまっすぐアムステルダムへ向かってしまった。
まぁ、それはそれで好として、そろそろ宿のチェックイン時間も過ぎたことだし、早く宿へ向かってドミトリーのベッドを確保しておきたい。

アムステルダムからは宿最寄りのサントプートまで直通の電車があった。
電車はちょっと混んでて座ることができなかった。

ベッドを確保し、シャワーを浴びて夕食に出かける。
といってもレストランへ入るわけではない。
スーパーマーケットへ向かう。
このホステルでは施設内での持ち込み飲食物を飲み食いすることは禁止されている。
その点、自炊ができるイギリスのユースホステルは良かった。

ステイオーケー
[夏時間ということもあるが、日が暮れるのが遅い]

スーパーマーケットはホステル裏の公園を突き抜けたところにあった。
Dekaという名前のスーパーで、一通りの品ぞろえがあったけれど、前回よく利用して気に入ったJumboと比べると、4つで1ユーロで買えるパンが無いなど、ちょっと見劣りする。
3つで1ユーロのパンと書かれた台にはパンは一つも残っていなかった。
ここで買い込んだのは、バゲットパン、ブルーチーズ、キャベツそして白ワイン。
これで6.87ユーロ。
タイバーツにして250バーツほど。
ワインが一本ついて250バーツは格安と言える。
これらを持ってホステル裏のベンチに腰かけて夕餉とする。
おかずにはタイから持ち込んだイワシの缶詰もある。
キャベツの葉にイワシを包んで口に放り込む。
ワインをグビリとラッパ飲みする。
バゲットパンを噛みちぎる。
ブルーチーズをかじる。
またワインをあおる。
時刻は夜8時近くなっているけれどまだまだ明るい。
寒いことは寒いのだけれど、こうしてベンチで食べる夕食。
嫌いじゃない。
レストランに一人で入っても、なんとなく場違いな雰囲気を感じるし、10ユーロくらいの予算じゃ中華料理屋でチャーハンだって食べられない。
それより旨いバゲットパン、チーズとワインなどタイで食べたいと飲みたいと思っていたもの楽しめるんだから、寒くても嬉しくなる。

部屋に戻ってもまだ同室者は誰も戻ってきていなかった。
まだ外は明るかったけれど、時刻は夜9時。
ちょっと疲れていたのでさっさと電気を消して寝てしまう。

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