7月5日(金)~6日(土)
今年もピーターコン祭りに行ってきました。
以前と比べて、村祭りから観光客相手のイベントにシフトしてきている感があるけれど、致し方ないことなのだろう。
[ピーターコンに扮してみました]
初日の5日は、下見的な目的でルーイ県のダンサイ村へ自分で車を運転して向かう。
バンコクからとピサヌロークからもスタッフを一人ずつ連れていく。
去年のピーターコン・ツアーで、いくつもの問題点があることを確認していたので、それを今回の下見である程度潰しておきたいと思っている。
問題点とは、いずれも小さな山奥の村に、たくさんの観光客がこの時だけ集まってくるわけだから、受け入れ態勢が問題になる。
食事場所、トイレ、駐車場。
さらには、イベント会場やスケジュールなど、、。
ピサヌロークからダンサイまで150キロ、2時間半ほどのドライブ。
しかも、ほとんどが山道の連続。
ダンサイ村でまず入手したかったのは、ピーターコン祭りのプログラム。
ダンサイ村に到着して、昨年のメイン会場だった学校へ行ってみたが、今年は学校でのイベントは組まれていないのか、ステージもなにもセットされていなかった。
当然、イベントの事務局などもない。
ただ、学校の前の通り、ここは昨年は歩行者天国となり、山車が出たりやピー(オバケ)たちが練り歩いていたりしていた場所なのだが、ステージが作られていた。
そのステージの設営作業を監督している女性に、イベントの事務局の場所を尋ねたところ、ピーターコン博物館にあるとのことで、そちらへ向かう。
しかし、イベントの事務局で得られた情報は、大したものではなかった。
プログラムもタイ語で書かれたものだけ。
昨年は「国際仮面舞踊ショー」として、韓国の河回村などから参加していたが、今年は近隣国からだけで、しかも小規模な参加のようである。
メイン会場と言うもの特になく、会場を分散させているというのも、盛り上がりに欠けてしまう原因となりそうな気がする。
初日は大きなパレードとかもなく、祭り自体もなんとなくボンヤリした感じがする。
しかし、明日は午前10時より村のメインストリートでピーターコン・パレードが行われることだけは確認できた。
実際に、このパレードが見られれば、あとは儀式やコンテストなどは、あんまり興味の対象ではない。
トイレは、仮設トイレなどの対策はとられていないようで、祭りの期間中、商店や民家もトイレを使わせてくれることになっているというが、タイ人ならいざ知らず、日本人が地元の民家でトイレを借りるというのは、ハードルが高そうだ。
使えそうなトイレは、村の市場近くにある有料トイレ(3バーツ)と博物館がある寺院内のトイレくらい。
食事場所として、こんなダンサイ村にも日本食の店があることを先日ネットで見つけた。
さっそくそこへ調査と称して行ってみる。
店は国道脇の路地を奥に入ったところで、ちょっとわかりにくい。
しかも、普通の民家の軒先にテーブルを並べたような簡易食堂。
名前は「くまモン亭」。
うーむ、いかにもパクリのタイ人気質が漂ってきそう。
[普通の民家の軒先での営業です]
しかし、意外なことにオーナーは初老の日本人男性であった。
脱サラで、山奥の田舎暮らしが性に合っているとかで、こんなところに住み着いているのだとか。
できますものは、
カツ丼、親子丼、うどん、カレーライス、焼き魚、スパゲティなど。
タイの日本食屋によくあるラーメンとか寿司はなさそうである。
[どれも100バーツ前後とお手頃価格です]
さっそく注文したのは、カツ丼。
ピサヌロークのタイ人スタッフにカツ丼を食べさせてみたいと思っていたからである。
私は、カツ丼が大好きである。
甘辛、ちょっと濃いめのタレが染みた、カツのコロモと玉子の絡み具合など、想像しただけでよだれが出そうである。
値段は90バーツ。
[くまモンの認定を受けているお店だとのこと]
出てきたカツ丼は、味噌汁やサラダなどとセットになっていて、丼などの器も陶器、安直なタイのなんちゃって日本食屋よりしっかりしている。
それに、ボリュームも日本のカツ丼とほぼ同じレベル。
大いに期待して箸をつけたのだが、残念ながら、味は期待値が高かったせいか、がっかりものであった。
[見かけは美味しそうなカツ丼です]
全体に薄味、いや全然味付けがされていない。
出汁も聞いていない。カツを卵とじで煮込む際に、水だけしか入れてなかったのではないかと思われるような味。
この卵とじのカツ丼にトンカツ・ソースをかけて食べることになった。
ソースカツ丼のような感じだけれど、水っぽい。
せっかく、タイ人スタッフにカツ丼の旨さを経験させたかったけど、裏目に出てしまったようだ。
この食堂にはたくさんのネコたちがいた。
生後ほどない仔猫もいたりして、ネコたちにとっては楽しい環境らしい。
ネコを追いかけて写真を撮るのも楽しい。
[つぎつぎにネコがやってくる]
ネコと遊んでいるうちに、雨が降り出してきた。
明日の本番で、雨になったら雨宿りする場所も確保しなくては、、、。
やはり、手っ取り早くこの食堂を紹介しておくのが無難かもしれない。
そんなことを考えていたら店のオーナーがコーヒーをごちそうしてくれた。
タイで飲むコーヒーとしては、まずまずの味で、日本のファミレスと同じくらいのレベルだから、たぶんこの村で一番おいしいコーヒーなんだろう。
[まだ若そうに見えるけど、仔猫の親だそうな]
雨がやんで、ふたたびメインストリートを歩く。
まだまだピーも観光客も少ない。
ピーターコンのお面を貸し出して写真を撮らせるサービスがあった。
お面の頭の部分には"CP"としっかりスポンサーのロゴが描かれている。
なるほど、SNS好きのタイ人たちは、喜んでこの仮面かぶって写真を撮り合ってSNSにアップするだろう。
スポンサーとしては、労せずして広告効果が得られるのだろう。
[CPはタイの畜産会社]
ピサヌロークからダンサイ村へ向かう道の沿道で塩を売っているのが気になっていたので、帰り道で立ち寄ってみる。
塩を売っている老婆に、この辺りに塩井戸があるのかと尋ねたら、少し戻ったところから川沿いに入ったところだと教えてくれた。
山奥の村で、車で乗り入れていくと、村の人たちの視線を感じてしまうほどだ。
塩井戸の場所がよくわからず、ウロウロして、なんとか塩井戸の立て看板を見つけたけれど、塩井戸らしいものが見当たらず、あきらめて帰ることにした。
しかし、ちょっと未練があり、近くの民家の人に聞いてみた。
「大きなタマリンドの木があるところだよ」と教えてくれたので、その場所へ行ったが、やはりさっきの立て看板のところであった。
こりゃダメかと思い引き返そうとしたら、先ほどの人がバイクで追いかけてきて、井戸の場所を教えくくれた。
雑草が生い茂る原っぱの中に、湧水が湧いているところがあり、そこが塩井戸なのだそうだ。
今の季節は、雨や川からの水が入り込んだり、塩分が薄くなっているが、1月から5月にかけて塩をこの井戸から汲んだ塩水で作っているそうだ。
村の人にとっては神聖な場所らしく、井戸の周りでは脱帽で裸足にならなくてはならないそうだ。
[この女性が親切に案内してくれた]
帰り道で、最初に道を尋ねた老婆から塩を一袋買う。
20バーツ。
塩が入ったビニール袋の中にはアリも一匹入っているのが見えた。
[水牛が遊ぶのどかな山里]
翌、7月6日。
ツアー客を引率して大型バスでダンサイ村へ向かう。
昨日と打って変わって、村全体がはじけている。
観光客がごまんと繰り出し、ピーもウヨウヨ。
ダンサイ村に到着した時がまさにパレードの出発のタイミングとぶつかり、メインストリートは人で埋め尽くされている。
パレードの先頭の方は、整然とした山車と着飾った人たちの行進だけであまり面白くない。
[ピーターコン祭りのパレード]
ピーもあまりいないのだけれど、後ろの方になると、だんだんピーの含有率も高くなり、ピーのスタイルとかも過激になってくる。
良く知られたピーターコンのお面を被ったピーだけではなく、ハリボテや水牛、泥人形と入り乱れている。
これらのピーとの記念写真を撮ろうとする観光客も入れ乱れて、パレードはほとんど前進することなく、ただの大騒ぎになっている。
[メキシカン?]
それと踊るピーもたくさんいるので、巨大なスピーカーをいくつもトラックの荷台に積んだサウンドカーもやってくる。
これがうるさいのなんのって、鼓膜どころか、肺に響いてくるほどの音量でディスコ風の音楽を掻き立てている。
[ピーターコンらしいピーターコン]
さて、このピーターコンのお祭り騒ぎ。
日本人の体力では、数時間もはしゃいだらへばってしまいそうなところ、彼らは疲れなど知らないらしい。
中には、酔いつぶれているピーもいたりはするが、みんな陽気なピーばかり。
でも、こちらはそろそろ歩き疲れてきたので、やっぱりこの手のお祭りは半日も参加すれば十分なんだろう。
[こうしたノリは日本ではあまりないんじゃないかな]
お昼ご飯は村の中で見つけたタイラーメンのバミーを食べさせる店に入った。
もうお昼時も過ぎた時間だったけれど、店内は満席で、一人だったので何とか相席で潜り込むことができた。
バミーはちょっと茹で過ぎであったけれど、食にありつけただけで幸運。
[タイのワンタンメン]
この祭りに出ている屋台は、圧倒的に食べものや飲み物が多く、続いて村人たち相手の生活必需品、そして土産物といったものが多く、私も土産にステッカーを1枚買った。
ただし、ピーターコンとは関係のないステッカーである。
[気に入ったの゛早速マイカーに貼ってみました]