2月20日 水曜日
近況報告だけしておきます。
先月、日本へ一時帰国して以来、ピサヌロークとバンコクの往復している毎日です。
別に毎日行ったり来たりしているわけではないけど、毎週のようには往復しています。
車での往復が中心なのは、ネコを連れているため。
短期間なら飛行機もありです。
[ときどき飛行機で往復します]
それ以外にチェンマイへも二度ほど行きました。
チェンマイは随分と変わってしまって、昔のチェンマイが恋しくなってしまいます。
でも、ナコンピンコンドの前では、昔と同じようにタイ式のニンニクが効いたフライドチキンの露店が出ていました。
恰幅のいい女店主はおらず、その女店主にそっくりな娘さんが立ってました。
ナコンピンコンドでは、息子と同じ年だったノートのお母さんに会いました。
ノートは学校は出たけれど、就職先がなく、友人と道端でコーヒーを売っているそうです。
[以前は昼には店じまいしてたけど、5時過ぎも営業するようになったようだ]
お気に入りのレモンツリーは相変わらず繁盛していましたが、お客さんは中国人観光客が半分以上を占めていました。
昔からの従業員は一人しか見当たりませんでした。
[ここの空芯菜を天ぷらにしたヤムがお気に入り]
今週に入って、2月19日が元宵節。
日本で言うところの小正月で、旧正月明け最初の満月の日でした。
ピサヌロークの街中は古い華僑が多いので、同じ日がタイで仏教の祭日であるマカブチャー(万仏節)よりも元宵節の飾りつけの方が派手でした。
前夜祭ともいえる18日には、ピサヌロークの事務所があるガソリンスタンドのオーナーが、中国式に祭壇を作り、お供え物をして、盛大に爆竹を爆ぜました。
また、景気づけに太鼓や銅鑼も派手に打ち鳴らされて、随分とにぎやかでした。
[盛大な爆竹 ガソリンスタンドは火気厳禁ではなかったっけ?]
夜になると、近所の中国廟前の通りは封鎖されて、通りいっぱいに円卓が並べられて、大宴会が開催されていました。
みんな華僑の人たちなんでしょうけれど、中国語は一切聞こえず、みんな大声でタイ語を話していました。
中国に彼らのルーツをたどるとしたら、何世代もさかのぼることになるのでしょう。
[ハデハデな中国廟前の露天大夜総会]
路地では銀幕を張って野外映画が上映されていました。
30年以上昔、バンコクの中華街の路地でも野外映画を上映していたのを覚えています。
なんだか、懐かしい光景に出会いました。
[上映されているのは中国映画らしいのですが、観客はほとんどいません]
19日、元宵節の当日です。
朝、エカトサロット橋を渡ってすぐの公園へ行ったら、たくさんのランタンが飾られていました。
中国風のランタンです。
どれも巨大で、龍や中国の仙人、天女といったハリボテが並んでいます。
[公園内に並ぶ巨大な人形ランタン]
たくさん並んで、これらのコンテストもあるとのことなのですが、どのハリボテも顔がマンガ的です。
なんか、中国伝統とかとは別世界の顔が並んでいます。
そういえば、タイのお寺の仏像のお顔もマンガ的なお顔が多いようだし、タイでは威厳のある顔より、親しみやすい顔が人気なのでしょう。
[この龍の顔はなんとなくタイのナーガに似ています]
午後からはフェスティバルの山車行列が事務所の前のバロムタイロカナート通りを行進しました。
チェンマイのロイクラトンや花祭りなどでもそうでしたが、タイのお祭りでは、こうした山車によるパレードが付き物のようです。
[ランタンフェスタィバルの山車パレード]
私は巨大なハリボテのランタンが「ねぶた」のように引きずり回されるのかと思っていましたが、昼間ということもあり、ハリボテは目立たず、真っ赤なチャイナドレスを着た人たちの廟列と、トラックの荷台をハデハデに飾りつけ、コスプレのような衣装とメイクの女性が乗り込んものが続きます。
中国式の龍や獅子舞も出てきましたが、踊っているところは私は見ることができませんでした。
[なんとなく仮装行列のような感じ]
[パレードには美人を乗せた山車が定番]
[中国獅子舞、大きな口をパクパクさせるだけで、踊ってません]
夜8時過ぎになって、ランタンが展示されている公園へ行ってみたら、周辺はすごい人で埋まっていました。
しかし、公園の周りは警察官が囲んで、中へ入れないようです。
[会場前は黒山の人だかり]
観客が押し寄せてランタンが壊れるのを防ぐためかと思ったのですが、警官に「入れないのか」と聞いたところ、どうやら王族でもちょうど来ているようで、一般人の立ち入りは制限しているのだとか。
「もうすぐ解除になるよ」と言われて、しばらく待っていると、遠くで象牙色の大型高級車の車列がパトカーに前後を囲まれて、走り去っていきました。
それとともに、入場規制が解除され、人波がどっと動き始めました。
[中国情緒とは少し違う気がしますけど、楽しそうではあります]
ランタンはやはり夜、ハリボテに灯をともすから良いのでしょう。
昼間とは、だいぶ印象が違います。
でも、マンガ的な部分は、よりいっそう強調されてしまうようです。
[ますますマンガ的です]
そして今日2月20日。
爆竹が残っているのでしょうか、まだどこかからときどき爆竹が爆ぜる音が聞こえてきたりします。
しかし、もう普段と変わらないようで、中国廟の前も閑散として静かです。
昼休みに散髪をしようと思っていました。
今年になってまだ一度も髪にハサミ(電動バリカン)を入れていないので、髪が長くなり、うっとうしい。
このところの日中の最高気温は35℃を大幅にオーバーしています。
ナーン川沿いに床屋があったことを思い出して、自転車をこぎました。
しかし、床屋の前には「30分ほどで戻る」と張り紙がされて、閉まっていました。
しからば、先に昼食を食べようと、床屋の少し先にある「パッタイ」と書かれた小さな食堂に入りました。
小さくて、かわいい店です。
[注意しないと見過ごしてしまいそうな小さな店]
パッタイ・タマダー(パッタイ並)と注文し、出てきたパッタイはなかなか綺麗に盛り付けられています。
味も甘ったるかったり、やたらと脂ぎっているわけでもなく、おいしい。
これは、正解だったなと感じられるものでした。
ピサヌロークにいても、いつも昼食に入る店はほとんど決まっていて、ほとんど新規開拓などしたことがありません。
値段の安さとボリュームが信条。
それに、肉類はなければない方がいいという志向なので、食べ物もだいたい決まってきます。
でも、たまには知らない食堂に飛び込んでみるのも悪くなさそうです。
[盛り付けもきれい、黒い皿もスマートです]
で、お会計すると、これがなんと30バーツ!
この内容で、この価格なら破格です。
なんか、これからしばしば通うことになりそうな予感。
[店内は可愛らしい感じ]
パッタイを食べ終えて、床屋の前へ戻ると、張り紙はまだ張ったままでした。