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2017年最後の一時帰国(後編)
12月15日 金曜日

カオマンガイを食べさせてやろうと思って、バンコクからカオマンガイ炊き込みご飯の素のようなものを買ってきた。
ひとつ30バーツほどなので、同じようなガパオライスの素などと比べると倍ぐらい高い。
一時帰国前に、アパートで実際どんなものか試しに作ってみたが、正直なところこの金額でこの味だったら、外で食べたほうが断然お得と言った内容だった。
カオマンガイの素に入ってる内容は、炊き込み用の鶏脂、粉末のスープの素、タレの3袋。
鶏肉は入っていないし、パクチーもない。
当然お米は別。

バンコクではわざわざ作って食べるようなものではなかったが、東京では事情が異なる。
喜んでもらえるかもしれないとの思いで、カオマンガイの素以外にも、東京では手に入りにくいパクチーやタイ米なども買い込んで行った。

朝から商店街へ出かけて鶏の胸肉を買う。
タイの鶏肉と比べるとサイズが小さいような気がした。
息子は蒸し鶏より、揚げた鶏の方が好きなので、タイ風のフライドチキンの代わりに鶏カツを探してみる。
しかし、鶏カツは総菜売り場に並んでいなかった。
胸肉の蒸し鶏を食べさせるか、それともトンカツで代用するか迷う。
レジで「鶏カツはないのでょうか」と聞いてみると、まだ午前中でそれほど忙しくなかった時間帯だったのか、レジの女性は「ちょっと確認してきます」と言って奥の方へ走って行った。
そして戻ってきたらば「あと10分くらいで揚がるそうですが待てますか」という。
もちろん異存はない。
このスーパー、以前は商店街の中のお肉屋さんだったが、先年スーパーに変わった。
屋号はそのままで、スーパーの商品協力や経営支援は全日食チェーンが行っているようで、シャッターが閉まったままの店が多いこの商店街では、ちょっと目立った存在になっている。

さて、出来上がったカオマンガイだが、家族からは「美味しい」という声もなかったが、食べ残されるという憂き目にもあわず、東京でのカオマンガイとしてはこんなもんかと言った感じだった。
我が家族にとっては、カオマンガイといったらば、チェンマイのラチャマンガラ通りにあったガウマーイというカオマンガイ専門の大衆食堂の思い出が強い。
味もスタッフもとてもよく、気に入っており、ムーサテというカレーソースの串焼き肉も出していた。
この夏にチェンマイへ行った時に探してみたが、店はなくなっていた。

妻は午後に隣町の田無にあるクリニックへ行くというので、ラビットスクーターに二人乗りして行く。
田無など、もう長いこと行った記憶がない。
記憶に残っているのは、小学生の頃のことで、田無の西友ストアへ友達と自転車で遠足のおやつを買いに行ったことだ。
おやつの予算は200円までと決められていて、お菓子売り場で随分と迷いながら、少しでもコストパフォーマンスの良さそうなお菓子を探した記憶がある。
当時はまだコストパフォーマンスなんて言葉も聞かれなかったが、当時からこの辺の金銭感覚のセコサは身についていた。

その田無の駅前も随分と大きく変わっていた。
おおきな複合ビルを中心に、小ぎれいな街になっていた。
ただし、それは駅真ん前のほんの一角だけで、あとは昔とあんまり変わっていないようだった。

私にはもう一つ目的があった。
100円ショップで「アクリルパウダー」と「アクリルリキッド」を買い求めること。
つい先日、バイクのカウルを補修するため、接着剤などを日本で買ってこようと考え、どんな接着剤があるかをネットで調べていたら、「プラリペア」という製品がアクリルを溶かして接合する接着剤があることを知った。
もうこれは接着剤と言うよりも、プラスチックの溶接のようなもので、さすが日本は最先端だと感心していたのだが、さらに調べていくと、同じような性能を持つ製品が100円ショップでも売られているという。
正直なところ「プラリペア」はバイクのカウル補修用としては少し予算オーバーだった。
それが100円ショップでも買えるとなったら、これはすごいことだ。
日本の100円ショップは世界に誇るべき発展をしている。

しかし、どこの100円ショップにもあるわけではなく、シルクとかワッツという系列の100円ショップだけのようで、ダイソーなど大手は扱っていないそうだ。
さらに100円ショップで売っている製品は接着剤としてではなく、「スカスカルプチュア」という若い女性のネイル加工用の製品として売られているらしい。
この100円ショップ、実はさっき買い物に行ったスーパーの2階にも出店しているのだが、そこを探したときには、見つけられなかった。
その系列店のシルクが田無のそれも妻がこれから行くクリニックのすぐちかくにあることを確認していた。

結果は、田無のシルクにも置いていなかった。
売り切れと言うよりも、たぶんこのあたりの住民構成で、若い女性の比率が高くないから、取り扱いをしていないのではないかと想像された。

夕方から銭湯に行く。
銭湯まではちょっと距離があり、そのずっと手前に、歩いても行ける距離のところにスーパー銭湯「お風呂の王様」があり、妻はそちらを勧めるのだが、私はスーパー銭湯なんかよりも、昔ながらの銭湯の情緒が気に入っている。
銭湯の中は常連さんばかりで、みんな顔見知りのようで、部外者の私はそんな中に入れないのだけれど、それでもなんとなくいいのである。

ラビットスクーターで銭湯へ向かう途中、バックミラーに夕焼けが映っていた。
後ろを振り返ってみたら、オレンジ色の空に富士山がシルエットとなり、そこへ夕日が沈んでいくところだった。

富士に沈む夕日
[オレンジ色の夕焼け空だけでも美しいのに、富士山まで見れて贅沢な景色]

銭湯はまだそんなに混んでいなかった。
お湯はかなり熱くて、長くは浸かっていられない。
私以外の常連衆もやはり熱く感じるのか、湯船に浸かっている人はほとんどいない。
以前から、ここの銭湯の湯は熱めにだったけれど、今日は特別に熱いようだ。
台湾の温泉なら、熱くてのぼせたらば、そのへんにひっくり返って休んだりするのだが、日本では寝転がっている人もいない。

<hr>

12月16日 土曜日

フィットネスクラブヘ行くという妻を「スクーターで送るよ」と呼び止めたのだが、肝心のラビットスクーターのエンジンがかからない。
昨日はちゃんと走ってくれたし、スイッチを入れればスターターも回るのにどうしたのだろうか?
待ちきれなくなった妻はバスに乗って行ってしまい、私も気兼ねなくラビットのご機嫌取りができるようになった。
エンジンがかからなかった原因は、点火プラグからの火花が小さすぎたことのようだ。
プラグが悪いのか、流れる電圧が低いのかわからないけど、バッテリーを少し充電してやったら、何事もなかったようにエンジンは回り始めた。
スターターが回るのに、プラグの火花が小さいなんて、コイルでも悪いのだろうか?

息子と妻の靴の補修を頼まれている。
どちらも靴の裏が剥がれ始めている。
それを接着剤でくっ付けるだけの作業。
ただ、妻の靴は靴底がすり減ったりしていて、ウレタンも傷んでいたから、濡れたところなど歩いたら水がしみ込んできそうになっていた。

本日も100円ショップめぐりをしてスカルプチュアを探す。
保谷にも100円ショップシルクがあるらしいので行ってみたが、やはりスカルプチュアは売っていなかった。
やはり都内でないとダメなんだろうか。

スカルプチュア以外にも探し物があり、胡椒を挽くためのペパーミルを買いたかった。
バンコクのスーパーでも売ってはいるけれど、輸入品なのか、数百バーツもしてとても高い。
粒胡椒はたくさんあり、挽きたての胡椒をふんだんに使いたいのだけれど、今使っているペパーミルが古くなり、あんまり挽けなくなっている。
以前はダイソーでも見かけたような気がするが、あるのはゴマスリだけで胡椒用が見当たらない。
スカルプチュアと併せて、100円ショップを覗くたびに探したが見つからなかった。

100円ショップの商品ではないが、「業務スーパー」へも探し物に行った。
前回、業務スーパーで買ったピーナッツバターが美味しかったので、また買いたかったのである。
ピーナッツの粒入りで、甘さは控えめ。
インド製らしいが、気に入ってしまった。
しかし、これもまた見つからない。
ピーナッツバターそのものが売っていない。
あるのはピーナッツクリームだけ。
しかもホイップタイプなんて書いてある。
こっちは、バターナイフが曲がりそうなくらい硬いピーナッツバターを探しているのに、軟弱なものしか見つからない。
業務スーパーも100円ショップと同じで、商品の入れ替わりが激しいようだ。

どこへいっても探し物見つからずで、結局買ったものと言ったら、土産用のカップ焼きそばを2種類。
会社で「焼きそば研究会」と称して、日本で珍種のカップ焼きそばを見つけたら買ってきて交換し合うというどうでもよい遊びなのだが、今回も2種類の珍種を発見して購入した。
ひとつは「一平ちゃん・オーロラソース」。
ケチャップとマヨネーズのうまいうまいミックスとある。
一平シリーズはからしマヨネーズが定番だけれど、ケチャップを加えて、オーロラとネーミングしたらしい。
しかし、どうしてケチャップとマヨネーズでオーロラソースなのだろうか?
ケチャップとマヨネーズでサザンアイランドソースなら馴染みもあるのだけれど。

一平ちゃんオーロラソース
[一平ちゃんシリーズでも辛子マヨネーズ以外もあることを発見]

そしてもう一つは、「ajito ism ピザ味まぜそば」。
マルちゃんや北海道限定の「やきそば弁当」の東洋水産の製品で、焼きそば弁当では定番の粉末スープは含まれていないし、「やきそば」との表記もない。
なので焼きそば研究会の対象外のようにも思われたが、もともとカップの焼きそばそのものが、麺をお湯で戻すだけで、フライパンで焼くわけではないのに、「焼きそば」を名乗ってる方がおかしいはずだから、正直に「汁なしまぜそば」を名乗っているこの製品を研究会の対象から外す道理はないという判断をした。

ajito ismカップ麺
[ajito ismピザ味まぜそば、、、湯きり式カップ麺の進化といってよいのか、次々に新(珍)種が登場]

夕刻、息子が帰ってきて「はい、これだろ」と言って、ピンク色のケバいパッケージをふたつ持ってきた。
「そう、わっ、えっ、どこで売ってた?」
パッケージにはスカルプチュア酔うクリルパウターとアクリルリキッドと書かれている。
「ドンキホーテで売ってたから買ってきたよ」と言う。
うーむ、灯台下暗し。

しかし、あとで近所のドンキホーテで調べてみたら、2つ合わせて1700円くらいの金額になっていた。
息子には感謝するのだが、事の始まりは安い補修材料を探していたはずで、やはり世の中なかなか思ったようにはいかないものだ。

<hr>

12月17日 日曜日

朝一番に大急ぎで小平霊園へ行って今年最後の墓参りをすませる。
そして朝食を食べ終える。

朝の小平霊園
[小平霊園の冬の朝]

本日は朝9時過ぎから階段掃除の日と言うことになっている。
この棟の住人は、年齢層が高く、私などはまだ若い方に入るので、張り切って階段掃除をさせてもらう。
水を流して、デッキブラシでこするだけの作業で、正味30分もかからずに終了。
5階建てで、エレベーターはない。
昭和40年代半ばの完成当時から住んでいる人も多く、当時働き盛りだった人たちも高齢者となっているのは当然で、上の方の階に住んでいる人たちは階段の上り下りが大変だといっているらしい。
空き室が売りに出ているケースも上の方の買いが多く、また、売値も買いが一つ上がるごとに100万円くらいずつ安くなっているようだ。
建て替えなどの話が出ても、分譲住宅であり、全員の合意を取り付けるのは簡単なことではないだろう。

10時半前には成田空港へ向けて出発する。
今日は天気も良くて、これなら飛行機から富士山が見えそうだ。
富士山を機窓から眺められると、なんだかとても得した気分になれる。

12時半過ぎには成田空港へ到着して、チェックインを済ませる。
帰りは、ちょっとだけ贅沢をしてビジネスクラスの切符を買った。
マイレージのアップグレードでなく、お金出してビジネスに乗ることはめったにないのだけれど、ちょうど今回の航空券を買うタイミングで、バンコク発の航空券は値段の安いプロモーションが出ていなかった。
それに対して、東京発の航空券は、もともと安いのに、さらに2割引きのキャンペーンを実施していた。
結果として、バンコクからのエコノミーと東京からのビジネスがほぼ同じ金額になっていた。
もちろん、東京発のエコノミーはもっと安いが、せっかくなのでビジネスでの予約を取った。

空港のラウンジでまずはキリンの一番搾りをビールサーバーから頂戴する。
瓶のビールが好きで、飲食店でも生ビールより瓶ビールを好むのだけれど、ビールサーバーを自分で操作する楽しみは、瓶ビールに勝る。
操作するといっても、別にグラスを載せてボタンを押すだけのことだが、グラスが斜めになって、まずは冷え冷えのビールがそっと注がれながら、グラスの傾斜が無くなっていき、最後に泡だけが白く載せられる。
これを見るのが楽しみになっている。
後ろのタンクにはビールと泡が別々に保存されているのかと興味も湧いてくる。

ビール以外に、紹興酒もいただく。
中華航空なので、ちゃんと台湾の紹興酒も置いてある。
紹興酒をコーヒーカップに注いでから、係の人に「これをレンジで温めてくれませんか」とお願いする。
係の人は紹興酒を燗付けするということを知らないようで、最初ちょっと驚いたような顔をしていたが、人肌くらいの温かさにして運んできてくれた。
この紹興酒にシュウマイをツマミにして食べると、なんとも美味しい。
係の人は、「紹興酒って、そのままでも飲めるんですね、よくお料理に入れると美味しいなんて聞くけど」と言っていた。
私は紹興酒のお燗をもう一杯つけてもらった。

紹興酒
[私が二杯も飲んだので、紹興酒のボトルの減りが早い]

いつもはカップヌードルもいただくところだけれど、今回は機内の食事も楽しみなので、あんまり食べ過ぎないようにと、おにぎりをいただくことにした。
コンビニで売っているようなおにぎりで、私は「タラコ」をお願いしたのだけれど、持ってきてくれたのは「明太子」であった。
まぁ、明太子もタラコも兄弟のようなものだけれど、私は塩味を利かせて、香ばしく焼いたタラコの方が好きだ。
そのおにぎりのパッケージを眺めていたら「機内でお召し上がりください」と書いているではないか。
これはどうしたものか、今はまだ食べてはだめで、飛行機に乗ってから食べよと言うことなのだろうか。
ふたたび係の人を呼び止めて、ラウンジ内で食べても良いのかと質問する。
結論として、「ラウンジ内で食べてください」とのことであった。
どうやら機内で軽食用に配布しているおにぎりをラウンジに流用しているため、パッケージにそのような記載が残ってしまっただけのようである。
缶飲料などもよく見たら「機内でお飲みください」などと書かれているのだろうか。

台北行の飛行機は従来のジャンボではなく、777型機。
ジャンボだったら、いつもの2階席を期待して、わざわざビジネスクラスの切符など買わないのだけれど、2階席がないこともビジネスを買う動機のひとつになっていた。
座席は最新のフルフラット式で、一人掛けのシート。
随分と機能的にできているし、贅沢な作りになっている。
しかし、私みたいな独り者は良いが、カップルでの利用には、機内で話をしたりするのに不便そうだ。
私の席は最前列の10Kというシートで富士山の見える右舷側。
しかし、この窓側の席はシートと窓の間にはテーブルのようなスペースがあり、窓から下界を眺めにくい構造になっている。
窓の外を見ようとしたら、中腰になって、テーブルの上に腕をついて、首をのばさなくてはならない。
このシート、機能的で便利ではあるが、すべてシートに座ったまま操作できるように仕掛けられており、起き上がって窓から外を眺めるのには適していないようだ。

窓との間にテーブル
[タッチパネルで便利だけど、窓から下界を眺めるにはテーブルが邪魔]

東京湾上空
[多摩川河口付近上空より羽田空港や都内一円が見渡せる]

東京湾上空を飛び、箱根の山に近づいたあたりから下界は雲に覆われ始めた。
これでは苦心して窓から外を眺めていても、富士山を見過ごしてしまうかもしれない。
が、やはり富士山は日本一の山で、雲の上に頂上をのぞかせている姿が前方に見えてきた。
まだ、雪に覆われてはいるほどではないが、雪も少し見える。
樹海に囲まれた雄大な裾野から聳える姿こそ見れなかったけれど、頂上だけでも富士山が見られたので、満足満足。

樹海ならず雲海から頭を出した富士山
[樹海ならず雲海から頭を出した富士山]

窓にへばりついている間に、他の乗客たちは既に機内食を食べ始めていた。
私の所にも待ち構えていたかのように機内食が運ばれてきた。
事前に和食をお願いしていたので、懐石風の機内食で、魚はカマスの焼きものであった。
料理はおいしかったが、お味噌汁はインスタントなのか、お椀の底に溶け切らない味噌の塊が残っていた。

和風の機内食
[ごはんのお代わりが可能なのか興味があり、確認したかったが、既に満腹状態で断念]

食後は、せっかくのフルフラットシートなので、めいっぱい昼寝をすることにした。
パネルに触れるだけでシートが動いてフラットになり、あとは毛布をかぶるだけ。
フルフラットととは言うものの、なんとなく若干足の方が少し低く、頭の方が高くて、斜めになっているような気がする。
そして、もともとがシートであり、ベッドのようになっても、寝返りできるほどの幅はない。
さらに足の方は窄まっていて、足先をそろえてテーブルの下の隙間に差し込むような設計になっているので、寝姿としては「キヲツケ」をした格好と言うことになる。
横になれるのはうれしいけど、やっぱりなにか中途半端な気がする。

台北は小雨が降っていた。
すでに日が暮れて、水たまりに光が反射しているのが見える。
雨の中、つものように乗り継ぎ時間に南崁へ散歩に行くのも面倒な気がする。
しかし、乗り継ぎの飛行機まで5時間もあり、やはり時間がもったいない。
それに、前回台湾へ来た時に、発泡スチロールで冷凍餃子を買って帰ったのが成功したので、今回も冷凍餃子にトライしようと、前回使った発泡スチロールを加工して組み立て式に改良してたものを携えてきた。

雨の桃園空港
[桃園空港に到着]

ターミナルの外へ出ると、運のいいことに雨は上がっていた。
三重客運と言う緑色の路線バスに乗り込んで南崁へ。

南崁でも歩くルートは毎回決まっている。
剣道教室のある路地を抜け、警察署前のロータリーから東に歩き、貨物の引き込み線の跡を越えて進んで、四つ辻を右に曲がって戻って来る。
その曲がって少し先に市場があって、ここで台湾うどん玉とワンタンを買い求めるのがいつものルート。
もうこのうどん玉を売っているおばさんとは顔見知りになっている。
そして、うどん玉を売っている手前の白い犬も相変わらず。
目が良く見えないらしく、プラケースの中でおとなしく座っている。

台湾うどんなどを売る市場の店
[この店の手作り風うどんがおいしい]

盲目の白犬
[目の悪い白い犬 マスコットとしてはいまひとつ愛想がありません]

冷凍餃子はカールフールで買う。
ここのカールフールはあんまり大きな店ではなく、商品の揃えも今一つなのか、私は冷凍餃子以外に日本で買い忘れた煎り胡麻も飼いたかったのだが、取り扱っていなかった。
黒ゴマはあったのだが、白ごまを金色になるまで炒ったような胡麻は売っていなかった。
餃子はお徳用袋を3種類も飼ってしまった。
買ったのは良いが、買いすぎて発泡スチロールのケースに入りきらず、苦肉の策として段ボール箱をばらして、発泡スチロールケースの補完とする。
これでバンコクまで保冷が効くのか心配になってしまう。

最後に、焼き餃子チェーンの八方雲集鍋貼で明日の弁当用に焼き餃子を15個買い求める。
前回ライバルチェーンの四海龍遊で焼き餃子を食べた時は、従来の1個5元から、5.5元に値上がりしていたが、八方雲集鍋貼では価格を据え置いているらしい。
15個焼いてもらって75元。
私のランチ予算としてはちょっとオーバーだけど、台湾の鍋貼餃子も食べたいし、明日の朝の弁当の用意も省ける。
問題は、この餃子けっこう匂うのである。
台湾の餃子だからニンニクが入っているわけではないだろうけど、でも臭う。
手持ちのビニール袋を何重にも包んで防臭に努める。

八方雲集鍋貼店
[焼き立てをパックしてもらったけど、食べるのは明日]

空港に戻って、夜11時発の飛行機を待つ。
ラウンジのラインに今回はちゃんとパイナップルがあったので、ごっそりと皿に盛り付けて、美味しい台湾のパイナップルをむしゃむしゃ食べる。
緑色で固いグアバもバリバリ食べる。
本当は柔らかく熟したグアバが香りも良く、甘く、好きなのだが、長いこと食べていない。
台湾でもタイでも、グアバと言ったら緑の堅いものしかない。

パイナップルの酸味が胃を刺激したのか、少し食欲が出て、麺類コーナーで担仔麺を注文する。
タアミーとかタンツーメンとか呼ばれて、台南名物とされるシンプルな汁麺で、日本人にも人気が高い。
こちらの麺類コーナーは自動注文票発行機などなく、サンプルを見ながら口頭で注文する形式になっている。
その担仔麺のサンプルに添えられた英語表記には"Don Don Noodle"となっていた。
ドンドン麺とは面白い名前が付いているものだと思った。
なんとなく椀子ソバみたいなものを想像してしまう。

担仔麺
[ドンドンヌードルこと台南名物担仔麺]

バンコクまでの飛行機もビジネスクラスだけど、こちらは機材がエアバスでシートも従来の二人並び席で、フルフラットにはならない。
しかし、隣は空席だし、1Aという最前方のシートで足元も広く、開放感はこちらの方が上のようにも感じる。
できれば肘掛けなんかも外して、横になってしまいたいくらいだ。

機内食は東京からの便とは異なり、ちょっと格落ち。
ひとつのお皿にライスも鮭の西京焼きも一緒に盛り付けられている。
味噌汁も付かない。
そして箸もないのでフォークとスプーンで食べる。
なんかもう食べなくてもいいような気分になっている。

鮭の西京焼きメニュー
[このレベルだとエコノミーと大差がないようにも思われる]

バンコク到着は午前2時。
優先入国のファーストトラック利用券ももらったけれど、入国審査場が空いていたので、一般の入国審査を抜ける。
荷物が出てくるまで、いつもの通りしばらく待たされる。
アパートにもどったのは午前3時になっていた。

おしまい

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2017年最後の一時帰国(前編)
12月13日 水曜日

本日よりまた一時帰国。
日本へ帰っても今回はどこかへ一泊旅行しようという予定もないし、誰かと会うような約束もない。
さりとて、帰宅してのんびりできるような性格でもない。

12月に入って、バンコクでも昼の時間が短くなってきていることを感じる。
夕方は6時には暗くなるし、夜が明けて、明るくなるのも6時過ぎ。
いつものワンパターンで、朝の中華航空に乗るのに、6時半前にアパートを出るが、まだ空は紫色。

ネコはまた今日から留守番です
[ネコはまた今日から留守番です]

今月に入って、アパート前のソイ入り口で大掛かりな工事が始まった。
またセメント工場でも増築してるのかと思っていたが、工事現場の前に掲げてある掲示板を見たら、地下鉄の駅を作っているらしい。
オレンジラインという地下鉄が、タイ文化センターからミンブリの方へ伸びるようなのだが、そのなかの一つの駅らしい。
しかし、工事は始まったけれど、完成まではまだかなり時間がかかることだろう。
それに、バンコクの都心に乗り入れるわけではなく、郊外を結ぶだけで、完成しても私にとってあんまり利用価値が高くなさそうに思える。
バンコクの都心部には地下鉄の新線計画があるようにも聞こえてこないし、プラレールのような短い3両編成の電車では朝夕のラッシュはさばき切れていない。

地下鉄駅工事
[掲示板には工期は5年と書かれているが、はたしていつ完成するのやら]

しばらく改装工事で閉まっていたバンコク空港の中華航空ラウンジが再開していた。
以前よりも仕切りの壁などが無くなってすっきりしたように見える。
しかし、以前はあった麺類の注文はできなくなってしまっていた。
サンドウィッチや飲茶などはあるが、麺類はタイのカップラーメンが置かれているだけで、サービスダウンに思われる。
麺類に代わってお粥になったかなと思われた茶碗は、白いご飯の上に豚挽き肉が載ったもので、お粥でもなかった。

それでもラウンジでのんびりしてたらファイナルコールになってしまっていた。
中華航空は大体いつもコンコースのはずれが搭乗口なので、ラウンジからでも結構歩かなくてはならず、小走りでゲートに向かう。

私の席はエコノミークラスの8Dというシートで、前が壁で足元が広い。
それに、搭乗率は7~8割くらいのようだけど、私の横一列は空席なので、かなり快適。
機内食は豚か鶏かと言うことなので、鶏を注文したら、タイ風に生姜で炒めたチキンがメインだった。
メインは乗るたびにメニューが変わるようだが、サイドメニューはいつも同じで、ソムタムのようなサラダが付いてくる。
味はマイルドで、辛さよりも甘酸っぱさ強調されている。
このソムタムはバンコク線だから提供されていて、シンガポールやクアラルンプールなど他の東南アジア線では提供されていないのだろうか?
私はバンコク線しか乗ったことがないので、どうもよくわからない。

バンコク-台北間の機内食
[前回乗ったノックスクートの機内食とは全然違う]

機内では映画も見た。
山田洋次監督の「家族はつらい2」。
高齢者の運転免許返上を筋にした物語だったけれど、「男はつらいよ」のような哀愁はほとんど感じなかった。
老人を主人公にしていても社会問題がテーマというよりも、コメディーのように感じた。
それと橋爪功さん、小林稔侍さんが、このような老人役を演じるようになっていることに驚く。
日本を離れて暮らして、テレビなども見る機会がないので、知っている俳優さんを最近の映像で見ると、まったく浦島太郎の心境になってしまう。

台北での乗り継ぎでもラウンジで食べる。
台北のラウンジでは、麺類コーナーが健在で、定番の牛肉麺をはじめ何種類かの台湾ヌードルが揃ている。
前回は炸醤麺を食べたが、今回はもう炸醤麺がメニューから消えている。
炸醤麺は好きなのでなくなったのは残念だけど、代わりに肉燥麺を注文。
麺類コーナーの自動注文票発行機には肉燥麺のことを「台湾風甘辛ミートソース麺」と日本語で説明書きがしてあった。

麺類自動注文機
[食べたい麺類のボタンにタッチすると食券が出てくる お金は入れなくてもOK]

もちろん、出てきた肉燥麺はスパゲティーボロネーズとはだいぶ違う、豚肉ソボロ載せ汁なし麺で、キュウリの千切りを付いていて、味は炸醤麺に近い感じで、嫌いな味ではない。
ビールとの相性も良い。

肉燥麺
[これが肉燥麺だけど、前回食べた炸醤麺との違いがよくわからない]

台北から成田までも、バンコクからと同じ8Dと言うシート番号で、しかもやはり隣は空席になっているので居住環境はすこぶる良い。
こんどは機内音楽チャンネルから「日本ゴールド」というちょっと古い歌謡曲を集めた番組を聴く。
イヤホンを差し込んですぐに聞こえてきたのがキャンディーズの歌声だったのは感動的だったのだけれど、歌は「暑中お見舞い申し上げます」で、前回9月の終わりに乗った時と同じ番組内容だった。
しかも、前回の段階でも夏をテーマにした歌の特集で、もう秋の特集でも良いくらいなのにと感じていたのに、この12月になっても夏のテーマと言うのは、北半球を飛んでいるのに違和感を感じてしまう。
12月なんだからクリスマスをテーマにした歌特集でも良かったのに、、そうそう、さっきのラウンジでのBGMはクリスマス特集で、松任谷由実の「恋人はサンタクロース」も流れていた。
でもやっぱりキャンディーズが機内で聴けるのはうれしい。

機内食は豚肉の薄切りライスで、なんとなく中華風豚丼のようなメニューであった。
座席のテーブルをふたつ使って食べられるので、隣の人に肘が当たったりすることもなく、エコノミーの食事でも、大満足できてしまう。

テーブルをふたつ使う
[エコノミーの機内食でもテーブルをふたつ使って広々食べると、良い感じに見えるかな]

成田に着陸して、機外に出たら、12月でターミナルの中は暖房が効いているのだろうけれども、やはり肌寒く感じた。
台湾からの観光客は着たきり雀の私と違って、早くも防寒着などを着込んで、入国審査場へ急いでいた。

都内までは東京シャトルのバス。
いままでとルートが変わったのか、湾岸道路ではなく、京葉道路経由であった。
京葉道の方が高速代が安いからなのか、湾岸道が渋滞しているからなのか、理由はわからないけれど、東京駅までは1時間ほどで走ってくれた。

家に着いたのは夜の9時半。
今夜は流星群が見えるということだったので、親子3人で夜の滝山グランドまで散歩して、星空を眺めてみる。
しかし、冬の夜空とはいえ、東京郊外では、満天の星空と言うわけではなく、かろうじてオリオン座が見える程度で、しばらく上を見上げていたが、結局流れ星は一つも見られなかった。

<hr>

12月14日 木曜日

午前中に自転車に乗って墓参り。
小平霊園までの途中に「天丼てんや」がある。
つい先日のウェブニュースに来年からワンコインでは天丼が食べられなくなるような、つまり値上げするような記事を読んでいた。
私がまだ20代だったころ、新宿西口の地下道を昼時に歩く機会があると、しばしば「天丼てんや」で500円の天丼を食べたものだ。
500円で揚げたての天ぷらが食べられるのは、当時随分と感動したものだった。
立ち食いソバの「天玉そば」が420円であっても、天丼とはボリュームが違うし、それに海老天の有無の差も大きかった。
牛丼は値上げしたり、値下げしたり、販売中止になったりと、随分と目まぐるしいけど、30年近くも500円を維持していたとは、すごいことだと思う。
今回滞在中に食べようかと思っていたが、個人的にデフレが進行している身分としては、500円=150バーツと言った金銭感覚から、食べそびれてしまった。

小平霊園から花小金井の住友銀行まで水道道路。
この道は遊歩道兼サイクリングロードになっていて、小学校の時に友人数人とこの水道道路を自転車で走って、ユネスコ村まで往復したことがある。
そのときも持たせてもらった弁当のおかずは、揚げ餃子だった記憶がある。
たぶん、前の晩あたりに食べ残した餃子を油で揚げたものだったのだろうけれど、友人たちと分け合って、随分と好評だったことを覚えている。

水道道路はまだ秋の景色
[武蔵野の面影をたどる散歩道としては最高です]

その水道道路に古い民家を集めた施設があり、ちょっと立ち寄ってみる。
小平周辺には「〇〇新田」と名の付く地名が多く、江戸時代に新田開発が盛んに行われていたそうなのだが、私が子供のころを思い出しても、ここ武蔵野台地では田んぼなど見たことがない。
畑や雑木林はまだまだたくさんあった。
田んぼは、東村山の八国山あたりまで行かなくては、見られなかった。

移築された古い民家
[東久留米にも以前は柳窪あたりにこんな民家が残っていた 今でもあるかは確認していない]

風が少し強くて、寒いけれども、よく晴れていて日差しは暖かかった。
12月の半ばなのにまだモミジが真っ赤な葉っぱを落とさずにいる姿が見られた。

青空にモミジ
[風は冷たいけど、鮮やかな紅葉が見られて嬉しい]

お地蔵さん
[道端のお地蔵さんも小春日を背中に受けてます]

夜、父親と会って近所のファミリーレストラン「ロイヤルホスト」に入る。
高校を卒業して以来、ファミレスなどまず入ったことはない。
洋風メニュー以外に、和風のものもあり、「冬の御馳走膳」と言うものを注文。
メニューの写真には大きな鯛の切り身が載ったご飯や海老と帆立が写っていたが、実際に出てきたものは、写真よりも二回りくらい小さいようだ。
それに鯛も焼いてから時間でも経っているのか、すこしパサパサしていた。
やっぱり、ファミレスとはこんなもんだったのだろうか。

父は先日、父の兄弟たち全員が揃う機会があったと言うようなことを話した。
しかし、私は父の兄弟が何人いるのかさえ、実はよく知らない。
父と母は私が小学校の時に離婚しており、それから8年前に母が他界するまで父とはほとんど没交渉であった。
昭和10年生まれの父も、82歳。
私は父のことをほんとんど何も知らない。

子供のころの記憶では、父は魚なら骨まで炙って食べてしまえような人だった。
肉より魚だったはずだけれども、父が注文したものは「黒毛和牛ステーキ」だった。
ハイボールも2杯飲んでいた。
ウイスキーはダルマや角瓶が棚にあったように昔の記憶にある。

ファミレスの支払いは10,000円ほどだったけれど、私がカードで払う。
食事代を私が出すなんてのは、たぶん初めてのことのように思える。

つづく


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秋の一時帰国メモ
9月30日から一時帰国してきました。
毎度あまりにもマンネリな行程で、ここに書いても前回分をコピペするだけになりそうだし、携帯電話で写真を撮る気にもならず、実際ほとんど写真を撮っていない。
今思えば、写真に残しておいても良かったかなと思う場面もいくつかあったように思われ、これはただ私が不精だったための言い訳に過ぎないように思えてくる。

もう一時帰国してから三週間も過ぎてしまい、記憶も曖昧になり始めているけど、思いつくままにメモのように書き残してみる。

出発の二週間くらい前から、右側の肩甲骨あたりに痛みを感じるようになっていた。
ふだん肩こりなどのない体質で、何時間でもパソコンと睨めっこしても、なんともなかったものだが、今回はひどい肩こりのような症状になった。
肩の筋肉がゴリゴリと固まってしまっているのがわかる。
寝てても、痛いし、オフィスのエアコンの風が当たると、とても苦しい。
出発前に、筋肉痛の軟膏を薬局で買って塗ってみると、少し症状が緩和される感じだ。

そんな状態のまま、いつもの朝早い中華航空に乗って、台北経由で成田へ。
バンコクの中華航空のラウンジはまだ改装工事中とかで、CIPラウンジへまわされる。
ここで朝食を食べさせてもらったわけだが、前回利用したとき以上にサービスのレベルが落ちいてる。

機内では映画を見る。
「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど」と言う日本人と台湾人のカップルのお話。
特別映画にしなければならないような内容ではなく、フェースブックで知り合った日台の男女が、軽いノリで日本と台湾を行き来しながら、ママに日本へ嫁ぐことを了解させてパッピーエンドと言うもの。
実話が元になっていると言うことらしいのですが、こんな軽いノリで結婚してしまって大丈夫なんだろうかと他人事ながら気になってしまったというのが私の感想です。
でも、こんなストーリーで映画ができてしまうというのは、現在の日本と台湾の国民レベルで良好な関係にあるということなのだろうかとも思えた。

機内で見た映画
[映画のタイトルがやたらと長いけど、ストーリーはそれほど複雑ではなく、わかりやすい]

台北の空港での乗り継ぎ時間を利用してラウンジで昼食を食べる。
ここまでの機内で機内食も食べているので、空腹と言うわけではないけれど、立ち寄ったからにはヤハリ何か食べておきたいと言うケチな発想。
ここのラウンジでは駅のホームにある立ち食い蕎麦のようなカウンターで麺類を提供している。
麺類も台湾の屋台で提供していそうなラインナップで、特に「牛肉麺」が一番人気で、ほとんどの人が牛肉麺を注文している。
ここの牛肉麺が特別に美味しいかどうかは私にはわからないが、たぶん立ち食い蕎麦屋で「天ぷらそば」を注文する人が多いのと同じ感覚ではないかと思う。
その麺類カウンターのメニューに「炸醤麺」があるのを発見。
炸醤麺は大好きなので早速注文。
味の方は、平均点と言ったところだったが、ボリュームはかなりのもので、立ち食い蕎麦の二倍くらいはありそうだった。

炸醤麺
[炸醤麺、欲が深いので飲茶とビールもいただく]

台北から成田までの機内では、イヤホンで「東洋金曲」を聴く。
1970年代からの日本の歌謡曲を集めたものなのだが、2時間近いプログラムの中にはキャンディーズも一曲入っていた。
入っていた曲は「暑中お見舞い申し上げます」
夏らしい歌謡曲を集めたということで紹介されていたが、9月末なので少し違和感があったが、キャンディーズ解散からもうじき40年になるのに、こうして聴くことができるとはうれしい限り、もう一回聴きたいと思っても、機内の音楽プログラムに早送りや巻き戻し機能はなく、また二時間待たなくてはならない。
辛抱強く待っていたが、もう少しというところで成田に着陸してプログラムは終了してしまった。

10月1日(日曜日)
母の眠る小平霊園では毎年10月1日に「献花式」と言うのを行っている。
母が逝ってもうすぐ8年となるが、その間に献花式に参加したことは一度もなく、今回は上手く日程があったので、弟と2人で献花式に臨んだ。
天気にも恵まれて、たくさんの人が午後2時からの献花式に参列していた。
ただ、献花式そのものは、静かな音楽が流され、霊園管理者のスピーチの後に、参列者が献花するだけの内容で、宗教的な色合いもなく、淡々と進められ、献花が終わった人から解散と言うものであった。
線香を供えたい人は献花式の後でと言うことで、それも混雑防止のため、一人三本までという決まりらしい。
私たちも延々と順番を待ち、黄色と白の菊の花を献花台に供えて、ほんの少し手を合わせて解散となった。
弟の車で送ってもらい、夕食時にまた会うことに約束して分かれる。

彼岸花
[昨年の秋に一時帰国したときは彼岸花が満開だったが、今年はこの一輪しか見かけなかった]

献花式がさっさと終わってしまったが、まだ日も高く時間があるので、裏の草むしりをする。
夏の間中、雑草の生えるがままに放置されていたので、すごいことになっている。
春先に花壇を作ったりしていたはずが、跡形もなくなっている。
ノウゼンなどは伸び放題で、まるで蔦のように壁面に張り付いている。
もともとは白い花を咲かせて楽しませてくれていたのが、知らないうちに、誰かに刈り取られてしまった。
しかし、その地下茎は生きていたらしく、まるで猿かに合戦で、サルに潰されたカニのお母さんから子カニたちが出てくるように、刈り取られたノウゼン周辺から新たなノウゼンが伸び始めた。
ちゃんと、きちんと伸びるように棒で支えてやれば、また綺麗に花を付けてくれるだろうけれども、無秩序に伸び始めてしまっては雑草と同じ。
しかも、建物の壁面を這い登ってきてしまうようでは、かわいそうだけど駆除の対象で、引っこ抜くしかない。
が、ノウゼンの地下茎はずいぶんと深いようで、抜いたつもりでも根が残ってしまう。

ノウゼンを初め、ドクダミなど手当たり次第に引っこ抜いて集めたところ、ちょっとした小山ができてしまった。これをゴミとして出したいところだが、ゴミの処分も有料と言うことだし、当面そのまま放置しておくこととする。

夕方、バスを乗り継いで弟と待ち合わせている新青梅街道沿いにある中華料理屋へ向かう。
「山城」と言う名前の四川料理の店で、私たちが子供のころから時々自転車に乗って食べに行っていた。
田無と言う田舎町にあって、なかなか本格的な料理を出す店で、高級感のある大きな店であったが、バブルのころにファミレスに変わってしまっていた。
それでも、そのファミレスの駐車場の一角に、簡易建築のラーメン屋のようにして山城は残っていたようで、現在はファミレスも回転寿司のチェーン店になっていたが、やはり駐車場の一角で四川料理を出していた。

子供のころ、家族三人で来たときと同じように、餃子やチンジャオロース青椒牛肉糸、紅焼蝦仁、麻婆豆腐などを注文、母が好んで飲んでいた紹興酒も注文するが、角瓶はなく中国の丸瓶しかなくなっていた。
料理の味付けは、昔のままのようだったが、盛り付けは少し寂しくなっているようにも感じた。
弟を含めて四人で食べた勘定は、ラーメン屋の中華料理ではなく、いっぱしの中華料理屋の金額となった。
それでも、まずまず繁盛しているようなので、いつかまた以前のような店に戻ってくれるのではないかと期待をしたい。
帰りはタクシーを呼んで帰る。

10月2日(月曜日)
網戸の張替えをする。
何年も網戸を張り替えていないので、ところどころ穴が開いてしまっていたりする。
日曜大工センターで網戸用の網と網を押さえるゴムを買おうと思ったのだが、日曜大工センターの売り場でいざ買おうとしたら網を押さえるゴムには何種類がサイズがあることをはじめて知り、はてさて我が家の網戸にはどのサイズだろうかと迷って、再び家に戻る。
家に戻る途中、商店街を抜けると、一、二年ほど前だったかに店じまいしてしまったたこ焼き屋が開いていた。
営業再開したのかと期待をして覗いたが、以前とは別の経営者になったようだ。
以前ここのたこ焼きは、一般的なたこ焼きとはずいぶんと違って、タコがほとんど入っていないタコなしたこ焼きだったが、とにかく子供の駄菓子のような値段であった。
ここで育った私にはとても懐かしいたこ焼きだったので、営業再開かとぬか喜びしたが、どうやらかつてのタコなしたこ焼きではなく、ちゃんとタコの入ったたこ焼きなのか、値段のほうも駄菓子のレベルではなく、一皿500円ほどとなっていた。

ゴムのサイズを確認して、出直して、網戸の張替えを行う。
難しい作業ではないけれど、何枚もの網戸となると結構時間もかかる。
途中で網が足りなくなったりしてまたしても日曜大工センターへ走る。
バンコクのアパートの網戸もネコが引っかいたりして穴だらけになっているので、そっちの方も近いうちに張替えをしなくてはと思う。

夕方からは大泉の家の管理をしてくださっているSさんと居酒屋で一献する予定になっている。
待ち合わせは東久留米の駅。
そこまでのんびり歩いていく。
小学校一年生まで住んでいた第五都営住宅の跡地では、保育施設の建設が始まっていた。
もうずいぶんと昔に都営住宅は更地となり、立ち入り禁止の柵まで立てられていたのだが、再開発はずっと行われないままだったけれども、とうとう保育施設を建設することになったようだ。
更地になっていても、二軒続きの木造家屋が坂道に並んでいた当時の雰囲気は、段々畑のような更地から彷彿とされたのだが、いまはすっかり掘り起こされ、坂道になっていたことさえ嘘のような光景になってしまった。

前回まではSさんが仕事帰りでも立ち寄りやすい保谷駅北口にある居酒屋を利用していたのだが、Sさんによると、その居酒屋は店じまいしてしまったと言うことらしい。
一時は居酒屋ブームであちこちにチェーンの居酒屋が乱立していたけれど、ブームは去ったと言うことなのだろうか。
6時から東久留米駅前の居酒屋で、話を弾ませて、ビールや熱燗をクイクイとやる。
なお、居酒屋のアルバイト店員さんは若い女の子であったが、私が「熱燗の銘柄は何?」と聞いてもきょとんとしていた。
中国人のバイトではないようなのだが、どうやら「熱燗」と言う日本語そのものを知らないのか、それとも現代の若者の世界では「熱燗」という酒の飲み方が廃れてしまっているのか、彼女は熱燗を知らないらしかった。
質問したはずのこちらかに熱燗について説明した後、出てきた二合徳利もどうやら電子レンジで温めたものをそのまま持ってきたようで、徳利の上のほうは熱くなっているのに、腹のほうは温いままであった。
熱燗をつけるという文化も絶滅の危機に瀕しているらしい。

10月3日(火曜日)
妻は初台にある病院へ週二回通っている。
それも初台にある病院を二軒はしごしているので一日仕事になっている。
わざわざ自宅から遠い初台まで行かなくても良さそうなものなのだが、意見をしてもろくな結果にならないだろうことはわかりきっている。
そこで、初台までラビットスクーターで二人乗りしていけば、半日で回りきれるかと考え、朝の渋滞も解消された9時ころに自宅を出る。
初台まで一時間もあれば着けるだろうけど、心配なのは途中でコンコしてしまわないかと言うこと。
とにかくもう50年もたっている老朽スクーターであり、しかも整備をしていないので、いつ動かなくなっても不思議はない。
走り始めてしばらくすると、エンジンの吹き上がりが鈍くなってきた。
どうもまた燃料系統が目詰まりを起こして充分なガソリンがエンジンへ届かなくなっているようだ。
だましだまし走ってきたが、青梅街道は高円寺あたりでとうとうエンジンは停止してしまった。
歩道へ乗り上げて、燃料パイプにポンプで空気を吹き込んで目詰まりを押し出す。
パイプから押し出された目詰まりの原因はまた燃料タンクに流れ込んでいるだけだから、いずれまた同じトラブルに見舞われるだろうけど、当面はこれで回避。

妻が病院で診察を受けている間に私は甲州街道沿いの銀行を2軒ほど回る。
幡ヶ谷駅周辺には、エスニカルな食堂が何軒もあった。
これは幡ヶ谷駅だけでなく、都内のどこの駅前でもそうなのかもしれないが、タイ料理やインド料理などラーメン屋と同じくらいたくさんある感じだ。
それほどエスニカルな料理が日本で市民権を得始めているのだろうか?
元祖棒餃子なんて書かれた看板もある。
ちょっと立ち寄って摘んでみたいところだが、一人だけ先に昼食を食べてしまうと言うのも気が引けたので、病院前の公園へ戻って、鳩を眺めながら時間を潰す。

夕食は自宅で食べる。
秋刀魚を焼き、スーパーで買ってきたコロッケをつまむ。
コロッケは好物であるが、揚げ物の油が気になるので、摂取は控えるようにしている。
それにバンコクではコロッケが一般家庭向け庶民の味方的な惣菜に含まれていない。

10月4日(水曜日)
もうバンコクへ戻る日となってしまった。
朝一番に自転車に乗って墓参りを済ませる。
依然として右肩が痛い。
日本で風呂に入れば治るのではないかと期待をしていたが、ちっとも良くなったような感じはない。
それに今回は銭湯に行く機会を逸していた。

成田発午後2時半の台北行きジャンボジェット。
どうやら、このジャンボも今回が最後の乗り収めのようである。
来月からのスケジュールから成田線の使用機材としてジャンボが消えてしまっている。
次に中華航空を利用する予定は12月だから、もうこのジャンボに乗る機会もなくなってしまうということらしい。
ジャンボは私が小学校一年生のときに日本航空で飛び始め、クラスで大きなジャンボの絵を描いて教室の後ろに貼りだしていた。
そのときのクラスメートがたぶん機体に"JAPAN AIR LINES"とでも黒いクレヨンで書き込んでいたのを、この子は英語が書ける!と驚嘆した思い出がある。小学一年の私はABCすら知らなかったので、その驚きは今でも覚えているほどだ。
その後、ジャンボも幾世代かを経て、今回搭乗する400形は私が社会人になったころに搭乗した。
初めてこの400形に乗ったとき、トイレでびっくりした。
従来は水洗式と言うか、使用後の便器の中をあんまり綺麗な色ではない水がぐるぐると回って、汚物を洗い流していたが、この機材は初めチョロチョロっと水が出たかと思ったら、ものすごい勢いで空気ごと汚物を吸引してしまう。トイレのドアの隙間からも空気が流れ込んでくるのを感じたほどだった。

ジャンボ
[中華航空のジャンボ、747-400型 これが乗り収めかな]

このジャンボが消えてしまうと、格安エコノミー航空券でジャンボ二階席にあるビジネスクラスのシートに座れるチャンスも消えてしまう。この味を覚えてしまってからと言うもの、成田からの帰り便は絶対に午後2時半の便と決めていたし、座席の指定も早々に済ませていた。それがこれからはできなくなってしまうと言うのはなんとも残念なことである。

広々二階席
[安い航空券代でこのシートに座れるのも今回が最後かも]

座席横の収納スペース
[二階席の良いところは座席横の収納スペース、わざわざ席を立たなくても荷物の出し入れができる]

白身魚の甘酢炒め
[シートはビジネスクラスだけど、機内食はエコノミーです 白身魚の甘酢炒め]

午後2時発の飛行機だと、台北の乗り継ぎ゜時間が4~5時間ある。
これも私にとって楽しみな時間で、台湾に入国して南崁の街をうろつくことができる。
このまたの市場でうどん玉やワンタン、水餃子などのパックを買うのを楽しみにしている。
今夜は中秋節、お月見の日である。
台湾の夜空は雲が多かったが、ときどき丸いお月様が顔を出したくれたりした。
生憎、市場のお目当ての店は営業していなかった。
中秋節なので休んだのか、早仕舞いをしてしまったらしい。
うどん玉を買って帰りたかったが、あきらめるしかない。
カールフールも覗いてみたが、これと言って買って帰りたくなるようなものはなかった。
日本の食品がたくさん売られているが、当然日本より割高で、わざわざ日本からの帰りに台湾で買い込むようなものではなかった。
バンコクでも最近顕著なのだが、台湾のスーパーでも韓国製のインスタントラーメンが幅を利かせ始めている。以前なら「辛ラーメン」くらいであったのに、今では陳列棚を独占するくらいの勢いで増殖している。
韓国のラーメンなど、ボリュームがあるのが取り柄で、あまり美味しいと感じないのは私だけだろうか?
そうそう、インスタントラーメンと言えば、成田空港のラウンジにミニカップヌードルが置かれていたが、今回行ったら、「カップラーメンもありますので係員にお申し付けください」みたいな事が書かれていた。
そして、その通り申しつけたところ、ちゃんとお湯を注いだカップヌードルが運ばれてきた。
これはサービスの向上と考えるべきか、お湯を入れないカップヌードルを日本土産に持ち帰えられるのを防止するためか、はてさてどちらだろうか。

南崁の街を歩いていてやたらと目に付いたのは、家の前でバーベキューをしている人たちであった。
台湾でも庶民街へ行くと、今でも家の前にテーブルを出して家族で夕食を囲んでいる光景を見かけるが、それが今夜はどの家庭もバーベキューをしているのである。
肉やイカ、トウモロコシなど焼いて楽しんでいる。
日本ならばお団子をお供えするところだが、台湾ではバーベキューらしい。
しかし、中華料理でもないバーベキューがもともと中秋節の行事の一つとは考えられないので、そのことを台湾に帰省しているスタッフに問い合わせてみたら、もともとそういう風習とのこと。

中秋節
[中秋の名月、台湾の人たちはバーベーキューをするらしい]

LINE
[台湾出身のスタッフに問い合わせたらこんなメッセージが来ました]

後日、どうにも腑に落ちないので職場の香港出身のスタッフに聞いたら、香港でも中秋節はバーベキューだそうで、どうしてバーベキューになったのかという質問に対しては、「たぶん家族みんなが月夜の下、外に出て食事をするのに、バーベキューが都合よかったからではないか」という回答だった。

台北の空港へ戻って、搭乗までラウンジでまたまた飲食。
もう麺類など食べたくなかったが、パイナップルは思いっきり食べたいと思っていた。
台湾のパイナップルは美味しい。
バンコクでもパイナップルは美味しいが、皮をむき、種をえぐるのが面倒なのでめったに買って食べることがない。
しかし、どうしたことかブッフェのラインにパイナップルは用意されていなかった。
あるのはオレンジと青いグアバだけ。
パイナップルがないのは残念だけど、オレンジを山ほど皿に盛ってムシャムシャと食べた。

お菓子のコーナーに鳳梨酥(パイナップルケーキ)があった。
普通の鳳梨酥と比べるとかなり小さい。
私が食べる程度にはちょうど良い。
その鳳梨酥はまたちょっと変わっていてチョコレートでコートされたものなんかもある。
カロリーが気になるものの、コニャックと一緒に頂戴する。

パイナップルケーキ
[小さなパイナップルケーキ3点盛り 奥にはオレンジの食べかすの山]

バンコクでの入国審査は比較的並ぶ時間も短く、午前2時前にはネコの待つアパートにたどり着くことができた。

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