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蘭英旅行 その6
9月12日 月曜日

本日の予定はウィンダミアより鉄道でハルへ出て、そして再びオランダへ戻る夜のフェリーに乗ること。
こちらに来るときは、鉄道員のストなどで随分と時間がかかってしまった。
そのロスタイムも、予定外の寄り道をしたりして楽しかったので、結果オーライ。
しかし、本日は船の時間があるので、あんまりスケジュールが乱れてほしくない。

曇り空
[天気は曇り、霧雨も]

朝6時過ぎに起床。
今回の旅行のために買った靴の底がすり減って穴が開いてしまった。
もともと安い靴ばかり履いているので、靴の消耗が激しい。
だいたい4か月で履きつぶすのだけれど、今回はまだ1か月しかたっていない。
いつもはLEOと言うブランドの靴を買っていたが、4か月でダメになってしまうのでも早すぎると思ったので、今回はMashareと言うブランドの靴にしてみた。
スタイルも値段もおんなじで、半年くらい持てばよいなと思っていたのだけれど、買うときに靴屋の店員が、「この靴は底が薄いよ」と忠告してくれていた。
それを素直に聞かず、「なぁに、そんなことはないだろう」と楽観していたが、忠告は真実だったようだ。

靴底に穴
[靴底に穴が開くと、雨が大敵となる]

朝食にはパンとニンジン。
また、汽車の中で食べようと即席麺も茹でる。
これは汁気を切って焼きそば風する。
もともとカレー風味なので、弁当にも適していそうだ。
これにバターを絡めて癒着防止とする。

朝8時にユースホステルを出発。
ちょっと小雨交じりで、雲が垂れ込んでいる。
傘をさすほどではない。
昨日から何度か歩いた道を下っていく。
その途中で、三毛猫発見。
ちょっと大柄のネコで、ペンションのような建物の庭にいた。
ネコも私に気づいて、尻尾をおったてて近付いてきた。
私の経験からしてネコが尻尾を立てて近付いてくるのは、ネコが嬉しかったりワクワクしているときに見られる姿態だと思っている。
「おぅ、おぅ、なんか変な奴がやって来たぞ、ちょっとかまってやるか」みたいなことをネコは考えているのかもしれない。

イギリスの三毛猫
[ネコに出会うとうれしい]

すり寄ってくるのだけれど、庭の周囲には網が張り廻られれていて、ネコはこちらまで出てこれない。
私もネコへ手を伸ばすことができない。
ネコは金網に身体をスリスリしている。
そこへ私は網目から指を突っ込んで、ネコに触れてみる。
毛並みの良いネコだ。
イギリスではネコが外へ出ることを禁止しているのだろうか。
ネコの安全のためには、良いことと思うけど、ネコも完全な人間の管理下に置かれて、退屈しているのではないかと思う。

金網越し
[金網越しにスリスリ]

月曜日ということもあり、学校へ向かう生徒の姿を見かける。
制服を着用しているが、私立の学校なのだろうか、制服も明るい色でデザインもあか抜けている。
歩いている生徒もいるけれど、自転車の生徒もいた。

ウインダミアの街まで1時間ほどで到着。
どこにも立ち寄らずまっすぐ駅に向かう。
ここから乗る電車は09:56発のランカスター行きなので、まだしばらく時間がある。
駅のベンチに腰掛けて待つ。

ウィンダミア駅
[いかにもローカル線の終着駅]

ウィンダミアの駅は片面のホームが一つあるだけ。
そして、側線が一本引き込まれているけれど、現在は使われていないのか、レールとしての役割を果たせそうにないくらい朽ちている。
いや、これはもともと側線でもレールでもなく、ただのイミテーションなのかもしれない。

ウインダミアへ来るときは、ストの影響か、乗れなかった電車にやっと乗ることができる。
これから乗る電車は、ちゃんと走ってくれるようで、ホームには電車を待つ人の姿が多くなってきた。
ほとんどが観光客のような恰好をしている。
そして、折り返しとなる電車がホームへ入ってきた。
ローカル線の電車とは思えないほどスマートな電車だ。
3両編成で、ピカピカの車体。
30年前に乗った時の古いレールバスのような面影はどこにもない。

新型車両
[新型のディーゼルカー]

車内も明るく、清潔感があり、特急列車かと思うほどだ。
ホームにたくさんの人がいたので、乗り切れるだろうかと思ったけれど、いざ乗り込んでみたら、車内は空席が目立ち、ゆったりと車窓を楽しめる環境となっていた。
緑の丘が続く中を快調に走る。
ディーゼルカー特有のエンジン音や振動もほとんど感じない。
さらにオクセンホルム・レイクディストリクトから本線に入ると、スピードも上がり、窓の外の景色が飛ぶように流れていく。

車内の様子
[ローカル線の車内とは思えないほどスタイリッシュ]

再び川を渡り、中世風でシックな街並みが見えたところで、ランカスターに到着。
ものの30分少々で来れてしまった。
ここでの乗り継ぎ時間は14分ほどで、こんどはリーズ行きの電車へ乗る。
どんよりとした天気のもとランカスターの街をもう少し歩いてみたい気もするけれど、跨線橋を渡って、駅のはずれのホームへ回る。

ランカスター
[この橋からの眺めが印象的だった]

リーズ行きの電車はしばらくさっき走ってきた本線と並行して北上する。
そして、さっきの電車では止まらなかったカーントフォースという駅に止まった。
すぐ横の本線側にはホームがないみたいなので、この駅はこのローカル線専用なのかもしれない。
ちょうど熱海の先にある伊東線の来宮駅とその横を通過する東海道線のような関係なのかもしれない。
このイギリスの来宮駅にはたくさんの古い車両が集められていた。
もう廃車済みと思われる機関車や客車がたくさん係留されていた。
チョコレート色した、ぼってりとした機関車が並んでいて、なんだか鉄道博物館みたいな雰囲気だった。

古い機関車
[私の印象に残っているのは、以前はこんな機関車ばかりだった]

来るときにも乗った路線で、ヨークシャームーアの丘の連なりの中をのんびりと走っていく。
2度目なので、ちょっと車窓の景色も飽きてきてしまったので、持参のカレー風味焼きそば弁当もどきを食べることにする。
電車の窓は開けられない構造で、こんな車内で食べ始めたらカレーの臭いが車内に充満してしまうのではないかと気を使ってしまう。
即席麺を2つで作ったもので、少し朝にも食べてきたのだけれど、ちょっとボリュームがありすぎたようで、食べ終わると胃もたれを感じる。

ヨークシャームーア
[曇よりした天気と適度な揺れは眠気を誘う]

居眠りなんかもする。
別に窓から見えるのが牧場ばかりで、羊を数えていたわけではないけれど、単調な景色の中を揺られていると眠気がやってくる。

リーズでまた乗り換え。
こんどもハル行きに16分の乗り継ぎ時間と好接続。
その16分の待ち時間の間にも、リーズの駅を発着する電車の多いことには驚いた。
次々に入ってきては、出発していく。
よく見てみると、長いホームを3つくらいに分割して使っている。
つまりホーム前方、中ほど、後方と、一本のホームに3種類の電車が並んでいる。
鉄道駅と言うよりバスターミナルのような運営をしているようだ。

リーズ発着電車電光掲示
[リーズ駅の発着案内、過密ダイヤだ、、そして喪中]

リーズからハルまでの電車も空席が多かった。
電車に乗り込んでから去年までタイに住んでいて、ピサヌロークへ何度も来てくれていたMさんへLINEメッセージを送ってみた。
ちょうど、会社のメールをチェックしていたらロンドン支店のスタッフが一斉発信したメールがあり、そのスタッフの名前がMさんと同姓同名(漢字は違う)だったので、思い出してメッセージを送った。
Mさんはタイに来るまでイギリスとオランダにいたそうで、たまたま私が若いころに仕事で出入りしていた銀行本店に勤務されていらしたので、とても親しみを感じていた。
そのMさんからすぐに返信が来て、Mさんもロンドンからアムステルダムへ転勤となるとき、ハルからロッテルダムまでフェリーで行ったそうだ。
また、ちょうどご主人がいまロンドンへ出張するところなんだそうで、ニアミス。
それから、Mさんへ私がオランダではハーレムに宿をとっていることを伝えところ、ハーレムではクラフトビールを飲みに行くように勧められた。

さて、約一時間の乗車でハルが近付いてきた。
ハンパー川が迫ってきて、大きな吊り橋が見える。
30年前にイギリスへのスケッチ旅行の企画をして、同行してきたはずなのだから、そのとき廻ったイギリスの田舎町、名前を憶えているものもあれば、思い出せないものもある。
一昨日分のブログにも書いたけれど、あのときもハルに来ていたような気がする。
その時、画家の先生から、色鉛筆で書かれたスケッチをプレゼントされた。
その絵は、どうもこのハンパー川にかかる吊り橋によく似ていた気がする。
あの絵は、今どうなっているのだろうか、それもよくわからなくなってしまった。
こんど東京へ帰ったら、探してみたいと思う。

ハンパー川の吊り橋
[ハンパー川の吊り橋]

午後2時、ハルに到着。
ウィンダミアを出発して4時間で到着できた。
今夜の船が出る港まで、歩くと遠いのだけれど、それでもまだ時間がたっぷりある。
イギリスに来て、イギリスの名物と言われるものをまだ口にしていない。
パブにも入っていなければ、ギネスのビールだって飲んでいない。
しかし、なんにもないというのも寂しいので、フィッシュ&チップスを食べてみることにする。
昼に焼きそば弁当を食べて、胃もたれを感じているので、揚げ物を食べたいという気分ではないけれど、食べておきたいと言う気はする。
バンコクでもフィッシュ&チップスを食べされる店は多い。
白身魚のフライなんて、どこでも食べられるものなのだろう。
しかし、バンコクのはタラではなく、淡水魚ドーリーと呼ばれるナマズの一種が使われていることが多い。
この魚も美味しいのだけれど、やっぱりタラを食べたい。
タイではタラは高級魚。

イギリス滞在3日目になるわけだけれど、イギリス名物とか庶民の食べ物などと言われている割には、町中でフィッシュチップスをあんまり見た記憶がない。
レストランに入ればメニューにあるのかもしれないが、私のイメージにあるのは、立ち売りのフィッシュチップスで、簡単な包装紙か何かにフレンチフライト一緒に包んだもの。

ハルの鉄道駅で、Google Mapを使ってフィッシュ&チップスの店を検索してみる。
すると、駅の南東側に数軒あるらしい。
私はこの手の軽飲食店はフランチャイズでチェーン展開しているのだろうと思ったけれど、ハルに関してGoogle Mapで表示されるフィッシュ&チップスの店はほとんど小さな個人商店のような店ばかりのようだ。

駅北側の一角は旧市街と言った感じで、重厚で威厳のある建物が並んでいたり、銅像や彫刻があったりしたが、南側はちょっと場末感がある。
なんとなく活気がない裏町のような感じも受けたが、そこを過ぎると今度は公団住宅のようなアパートが並んでいる。
アパート群の中は静かで、生活感はあるけれど、歩いていてワクワクは感じない。

アパート群のはずれで一軒のフィッシュ&チップスの店を発見。
これが1店舗目。
まずこの店の価格をチェックする。
スモールと言うのが3.60ポンドと表示されている。
タイバーツ換算で150バーツほど。
私の財布には安くない。
とりあえず、さらに先に歩いていくと、こんどは下町の商店街と言った感じの場所に出くわす。
下町と言っても、東京の下町ではなく、移民街みたいな感じの下町で、歩いている人もアングロサクソンが多数派ではなく、アラブ系やアフリカ系、アジア系の肌の色をした人の比率が増してくる。
言い方は悪いが、低所得者の生活圏と言った感じで、私の財布にも優しそうではないかと期待がかかる。
ここでも、フィッシュ&チップスの店を見つけたけれど、残念ながら私が期待したほどの価格ではなかった。

フィッシュチップス屋
[イギリスの物価が高いんではなく、私が発展途上国から来ただけなんだな]

せっかく来たのだし、船の中で食べる食料を調達しようとスーパーへ入ってみる。
アラビア系のスーパーらしく、店内はアラブやインド系の食品が並んでいる。
これは面白いぞと、陳列棚を覗きながら奥へ入っていったらば、警備員に捕まった。
このスーパーではカバンを店内へ持ち込むことは禁止されているそうだ。
カバンは入り口に預けるようにと言われる。
私はキャリーバックを引っ張っていたので、目に留まったのだろう。
しかし、荷物を預けてまで見物をしようとは思わないので、そのままスーパーを出てしまう。
次にまたスーパーを見つけた。
アイスランドと言う名前のスーパーで、ここではキャリーバッグのお咎めはなかったけれど、売っているものは冷凍食品ばかり。
ユースホステルへ泊まるならレンジが使えるので冷凍食品を買っておきたいけれど、今夜はフェリーなのでレンジはなく、ここもちょっと眺めただけで退散する。

ハルの下町
[移民の多い下町のようなところ]

小さなミニスーパーと言った感じの個人経営的な店も並んでいる。
ミニスーパーと言うより昔ながらの食料品店と言った感じ。
そんな店先にプラムが売られていた。
3つで1ポンド。
こちらに来てから果物など食べる機会がなかった。
いや、果物とか高いので、贅沢に感じて買うのを避けてきたが、こうして商店の店先に並んでいるのを見ていたら生唾が出てきて、買うことにした。
まだポンドは財布に残っている。
ちょっとくらいの贅沢で、価値はその何倍もあるだろう幸福感を得られそうだ。
狭い店内には雑多なものが売られており、その中にキャベツもあった。
そうだ、カット野菜より、丸のままのキャベツの方がお得なはずと思い、小さなキャベツもひとつ購入。
これが0.65ポンド。

キャベツとプラム
[これは船に乗船後に撮影したもの]

結局フィッシュ&チップスは公団アパートのはずれにあった店で買うことにした。
注文の仕方がよく解らなかったが、塩コショウとチリを少し振りかけてもらい、紙に包んでもらった。
私がテイクアウトの順番待ちをしている間にも、何人かが買いに来ていたので、このあたりでは人気の店なのかもしれない。
このフィッシュ&チップスは旧市街まで行って、そこのベンチにでも腰かけて食べることにした。

店を出て歩き始めるとちょうど学校の下校時刻なのか、たくさんの低学年くらいの子供たちが保護者と歩いていた。
アフリカ系の子供たちが多いようだ。
アジア系も少しいる。
制服ではなく、色遣いはカラフルな服装をしているが、雑多な色遣いで、いかにも庶民階級と言った感じ。
このあたりでも登下校は保護者の付き添いが必要ということは、家庭の主婦たちは日本のようにパートに出たりしにくいのではないかと思うが、うまく両立できるようなシステムがイギリスには定着しているのかもしれない。
さっきのフィッシュ&チップスの店でも、働いているのは主婦のパートみたいな女性たちだったし、スーパーのレジ係もそうだった。

旧市街ビクトリア女王像前広場
[キャリーバッグの上の包みがフィッシュ&チップス]

午後4時前、ビクトリア女王の銅像がある広場まで来て、そこでフィッシュ&チップスの包みを開いてみる。
ミニとなっていたけれど、入っていたのは巨大な白身魚のフライとフレンチフライ。
包まれ方も無造作で、いかにも大衆向けのB級メニューと言った感じ。
それを重厚で威厳ある建物に囲まれたビクトリア女王のお膝元でかじる。
旨いかって言われれば、まずくないとしか答えられないが、たぶん空腹だったなら、胃袋が喜んだことだろう。
そして、ボリュームがあるので、半分だけ食べて、残りは船に乗ってから夕食として食べることにした。

フィッシュ&チップス
[見た目からしてB級感がいっぱい]

30年前に立ち寄ったのがハルだったかどうか、まだ思い出せないが、その時に街の中でホコ天のようなところがあり、観光客がたくさんいて、蚤の市みたいなものがあったり、コーヒー屋はエスプレッソを入れるのにシューっと盛大に蒸気を噴き上げていたのを思い出すが、そんな感じのところは、今回ちっとも見かけなかったので、あれはハルではなかったのかもしれない。
そう、もう少し北にあるスカボローだったんではないかと思われてきた。
でも、スカボローに吊り橋なんかあったかな、記憶が混乱しているようだ。

古い教会
[旧市街にあった古くて大きな教会]

さて、ハルの街自体はもうこの程度として港へ向かって歩き始めるが、途中に大きなスーパーがあったことを覚えているので、そこへ寄って買い物をしていくことにした。

スーパーの名前はLiDL。
ここはオランダのJUMBOと似たような大型スーパー。
郊外にあるので広い駐車場がある。
別にわざわざ郊外の大型スーパーに来なければ買えないようなものを買うわけではなく、とにかく安く胃袋を満足させればよいだけのことだけれども、こうして異国に来てスーパーへ入るというのはワクワクする。
ワクワクはするけど、でも別に何も買うようなものはない。
このLiDLで買ったものは、3.99ポンドのスペイン産の赤ワインと0.79ポンドのTiger Loafと名前の付いた丸くて固いパン。

スーパーLiDL
[イギリスのスーパーはデカデカの看板広告を出さないようだ]

キャベツもあるしパンもある、赤ワインもあるので、今夜の夕食はこれでOK。
ビールも買おうかと思ったけれど、来るときに船内の免税店を覗いたらビールがとても安く売られていたので、ビールは船内の免税店で買うことにした。

スーパーから港までは徒歩で約一時間。
来るときと同じように刑務所の横を通り過ぎる。
5時半にフェリーターミナル到着。
出港は夜8時半なのでまだ時間もたっぷりあるけれど、乗船手続きを済ませて船に乗り込む。
こんどの船室は10階となっていた。
出国審査などなく、パスポートすらチェックされることなくそのまま乗船。
なお、形だけのイミグレーションの隅でで往路と同様に空いたペットボトルに飲料水を詰めさせてもらう。

フェリーターミナル
[歩いて、歩いて、目的地に着くと、達成感を感じる]

今夜の船室も2段ベッドの二人部屋だけれども、先客はまだ来ていない。
さっさと下段のベッドを占領させてもらうが、上の段のベッドは壁の方に収納されたままになっているから、見た目はシングルルームのような感じになる。
熱いシャワーを浴びさせてもらい、真っ白いバスタオルで身体を拭く。
タイの安宿ばかり泊まっているので、熱いシャワーを浴びただけで幸せになれる。
タオルが白いなんて、感動もの。
畏れ多くて、きれいにたたまれたバスタオルを使ってよいものかと躊躇したくらいだ。

最後尾のデッキへ出てみる。
ロッテルダムの港では周辺に何隻もの貨物船が見られたけれど、ハルのこの港にはこのフェリーしか係留されていないようだ。
港のすぐ横に、風力発電で使われると思われる巨大なプロペラが並んでいるのが見える。
羽の長さがゆうに100メートルはありそうだ。
こんな巨大なものを海岸沿いへ無数に設置して、いったいどれくらいの電力を得ているのだろうか。
遠くにハンパー川にかかる吊り橋が見える。

風力発電のプロペラ
[こんな巨大なものをどうやって組み立てるのだろう]

今夜のルームメイトはどんな人だろうか、いや、そもそも同室者は来るのだろうか。
同室者が来てしまってからでは、狭い船室内で一人勝手に食事をとりにくくなるだろうから、船室に戻ってパンとキャベツの夕食とする。
ワインも飲む。
食べ残していたフィッシュ&チップスも食べる。
ポテトが冷えてしまって、少しぐしゃっとした感じになっているけど、それはそれで美味しくいただく。
港まで歩いたので、さっきよりはお腹もすいてきており、何よりワインを飲みながらだから、この手のものが美味しく感じる。
丸のまんま買ったキャベツは、葉っぱを1枚1枚剥がしながらかじる。
見た目は緑色をして、春キャベツのような柔らかそうなキャベツだと思ったが、葉を剥がすときも、途中で千切れるようなことがないくらいしっかりしたキャベツで、味も濃い。
つまり、日本やタイのキャベツよりずっと青臭く感じる、
生のブロッコリーの芯を齧ったら、こんな感じの味がするんではないかと思える。
青臭くて、ちょっとほろ苦いのも、食べ慣れてくると、美味しく感じる。
こうして丸かじりも良いけど、炒めたり、茹でたりしたら、甘みが出てもっと美味しくなりそうな気がする。

7時半、そろそろ日没時刻と思い再び甲板へ出てみる。
果たして低く垂れこめていた雲が赤紫色に染まっている。
まだ出港まで1時間ほどある。
船内のバーではだいぶ盛況を呈しているようだ。
デッキにも飲み物を手にした人を見かける。

夕焼け
[私も何か飲みたいところだが、持ち込み飲料は禁止らしい]

本日は出港準備が早めにできたのか、8時過ぎには出港した。
まだ西の空には赤みが残っている。
北半球もこのあたりまで来ると、日の出も日没ものんびりしているようだ。
タイでは夕焼けだと思ったらすぐに真っ暗になってしまうし、朝日が昇ると思ったら、すぐ強烈な日差しがさしてくる。

ハル出港
[まだ空に赤みが残っている中、静かに出港]

さて、同室者はどうなっているだろうかと船室へ戻ってみたが、誰もいない。
帰りの船も一人で船室を独占できるようだ。
どうもシステム的によくわからないのだが、もともと相部屋制ではなく、個室扱いなのだろうか?
それとも、乗船客が多くなかったので、一部屋割り振られたのだろうか。
どちらにしても、一人部屋と言うのは同室者に気兼ねしなくて済むので楽で良い。

免税店へビールを買いに行く。
ふつう免税店では高級洋酒が中心で、あまりビールなんて売られてないようだけど、ここではビールがたくさん売られている。
一番安いのはフォスターで、次がサンミゲル。
どうもイギリスらしさがあまり感じないラインナップだけど、フォスターは一昨日から飲んでおり、常温で飲んでも旨かったので気に入っていた。
パイント缶の24本入りで24ポンドと安い。
しかし、24本など免税範囲と言うものがないのだろうかと不思議に思ったが、免税店の壁に免税範囲についての張り紙があった。
それによると、この航路の場合、アルコール度数22%以上のものなら4リットルまでとなっている。日本は洋酒3本までだから、大差はない。
しかし、アルコール22%以下なら9リットルとなっている。
どんな酒が22%以下のアルコールなのか見当もつかないが、ただワインやビールはまた別枠がある。
ワインなら18リットル。
ビンに換算したら20本以上になる。
とても手荷物の範囲じゃない。
たぶん、フェリーなので車で来る人がまとめ買いをするのだろう。
さらにビールに至っては42リットルまでとなっている。
ビア樽でも売っているのかと思ってしまう。
私は一番安いフォスター24缶入りを買おうとレジに並んだら、男性店員から「もうひとケース買ったら割引になって、44ポンドだよ」とささやかれたけれど、48本ものビールなんて買っても持ち歩けない。

軽いビールなので水代わりに飲もうと思っていたのだけれど、お金を払ってもその場ではビールを渡してもらえなかった。
領収書だけ渡されて、明日の朝ビールを受け取りに来るようにとのこと。
今晩はビールを思いっきり飲もうと思っていたが、泡と消えてしまった。

夜の航海
[船は夜の航海でも手足伸ばして寝ていけるのがうれしい]

さて、明日は再びオランダ。
早めに就寝することにした。

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