2018年12月28日 金曜日
ピサヌロークでの通勤途上で気になっていた店があった。
スパンガラヤー橋のすぐ近くで、看板の名前が「ピッツァ・プリンセス」となっている。
ネット上での評価ではピサヌロークで一番おいしいピザともある。
ピザそのものはそれほど食べたいとも思っていないが、なんとなく気になる。
ピザは一律179バーツともある。
ピザとしては高くはないけど、物価の安いピサヌロークで179バーツは安い部類に入るとは言えない。
[外観はこんな感じ、毎朝前を通ってて気になっていました]
そう、私の食費から考えたらば、ちょっと高いので入るのが今まで躊躇われていた。
しかし、物は試し。
どんなピザが食べられるか確認してみたかった。
夜帰宅途中に自転車で立ち寄る。
店内だけでなく、店の外のテーブルにもお客が付いている。
見回したところお客さんは西洋人ばかり。
旅行者と言った感じではなく、長期滞在者のようである。
[屋外のテーブルにもお客さん]
店内に入ると、真ん中がカウンターバーになっていて、ビールをラッパ飲みしている中年男性グループ、もちろん西洋人がいる。
左手にはビリヤード台が置かれて大きなスペースをとっており、その横の椅子にも西洋人とその子供だるうか、ハーフっぽい小学3年生くらいの子供がいる。
そして、入り口寄りにはダイニングテーブルがあり、タイ人女性グループが談笑している。
年齢は30代後半から50歳くらいまでで、化粧の感じから、西洋人男性の配偶者っぽいイメージがある。
地元のタイ人女性とは、化粧も服装も、身のこなしも違っている。
話している言葉はタイ語。
[なんとなくアメリカの田舎町に来たみたいな雰囲気]
普通のレストランのように4人掛けや2人掛けのテーブル席はない。
ないわけではないけど、テーブルをみんなくっつけて、大きなテーブルみたいにしてあり、そこへみんな相席になるようだ。
他に少し離れて、ちょっと小太りでまだ若い西洋人男性とタイ人女性の二人連れもテーブルに着いている。
私はタイ人女性グループと、ちょっと小太りの西洋人男性の間の席に着いた。
[彼女たちもアメリカで見かける東洋人みたいな感じがします]
ここのお客さんたちはみんな顔見知りらしく、誰か入ってくると挨拶を交わしている。
私は新参者なので、誰も声をかけてこない。
声をかけて来たのは、店のマダムのような女性で、注文を取りに来た。
メニューはピザなどの西洋風のものが半分とタイ料理が半分となっている。
隣のタイ人女性グループはタイ料理を食べている。
西洋人とタイ人の二人連れはタコスを食べている。
私は玉ねぎとピーマンとサラミのピザにビールを一本注文した。
店内でWiFiを提供しているようだけれど、接続の仕方が解らないので、小太りの西洋人にどうやったらいいかスマホを見せて聞いてみた。
「あぁ、ニホンジンですかぁ、パスワード知らないですね、店の人に聞いてみてください」と日本語で言われてしまった。
彼はどうも以前に日本に住んでいたことがあるようだ。
現在はピサヌロークにあるナレースワン大学で英語を教えていると言っていた。
ビリヤード台の奥には大きなカナダ国旗が壁に掛けられている。
ハーフの子供がビリヤード台で遊んでいる。
まだ、球を突くには背が小さすぎるが、背伸びしながら遊んでいる。
壁はこの店独自のビリヤードのルールが掲示されていた。
[タイ人もビリヤードが好きだけど、ここではタイのイメージは薄いみたいだ]
タイ人女性のグループはやはり西洋人の亭主持ちのようで、その亭主はまた同じようにタイ人女性を配偶者に持つ男性ばかりで屋外のテーブルに集まって談笑している。
時々、亭主の方が女房側のテーブルにやってきて、二言三言会話を交わしたりしている。
ビールは注文してすぐに出てきたが、ピザはなかなかやってこない。
タイでビールを注文すると氷の入ったバケツを持って来てくれるのが普通で、ビールは氷を入れて飲むものと相場が決まっているが、ここでは氷ビールを飲んでいる人は見かけない。
その代わりグラスはちゃんと冷えている。
[出てくるビールはバドでもクアーズでもなくローカルビール]
いいかげんビールも飲み終わる頃になってようやくピザが届いた。
隣の英語教師もピザを注文して待っていたようだ。
どんな窯でピザを焼いているのかわからないけれど、薄い生地はカリッと焼けていて、なかなかいい焼き上がり。
でもタバスコもチリオイルやオレガノなんかは置いていないようだ。
チリソースはあるが、やっぱりタバスコかチリオイルがほしいところだ。
[ピザはタイ人好みのフニャフニャではなく、パリパリでカリカリ]
英語教師とタイ人女性とは、恋人同士にはまだなっていない感じで、教え子なのだろうか?
女性の方はあんまり英語教師に関心がないのかスマホをいじってばかり。
英語教師が積極的に会話を試みているけれど、ちゃんと聞いていないみたいだ。
で、179バーツのビザだけど、美味しいことは美味しかった。
タイのピザでよくあるようなコテコテとしてモノではなく、シンプルだし、大きさも丁度よい。
金額に見合った内容だとも思った。
居心地が良い店かと言うと、私にとっては必ずしも居心地が良いというものではなかった。
[私も玉突きでもできれば、もう少し雰囲気になじめたかもしれない]
この店は何らかの縁あってピサヌロークと言うアジアの田舎町に住み着くことになった西洋人たちのたまり場、彼らのためのサロンのような役割を果たしているのだろう。
そういう場所へ英語もろくに話せない日本人がノコノコと一人で入って行ってピザを食べるなんて、もともと違和感があるわけで、仕方ないだろう。
別に歓迎されていないわけではなく、100%純潔のアグロサクソンと言った感じの若いオーナーも親しく声をかけてピザの味を尋ねて来たし、私が日本人とわかってか、片言の日本語で声をかけて来た体格の良い中年男性もいた。
彼は日本で温泉を掘るビジネスをしていたという。
[西洋人は国が違っても、肌の色が同じなら、連帯感も強いみたいだが、アジア人はまだまだ国に縛られているな]
つまり居心地に関するものは、私の英語力のなさに起因しているようだ。
[次回は英会話を学ぶくらいの気持ちでピザを食べに行ってみようかな]