車もバイクも処分してしまい、バンコクでの足として残ったのは自転車だけとなった。
この自転車もいずれは日本に持ち帰ろうかと思うけれど、日本にも自転車はあり、持ち帰ってもあまり乗る機会もなさそうだし、持ち帰るのも大変そうなので、結論は先延ばしとしている。
自転車以外に処分しなくてはいけないのは家電製品類。
電子レンジ、電磁調理器、オーブントースター、扇風機に冷蔵庫。
いずれも10年以上使ってきており、中古品としても値段が付きそうにない。
[このオーブントースター100バーツです]
もらってくれる人がいたら、ただでもいいから差し上げたいところだけれど、もうお届けする足がない。
たぶん、アパートの前に並べておけば、持って行ってくれる人がいるだろうけど、そのまま廃品業者へ重量1キロ当たりいくらで売られてしまいそうで、それはこれまで愛用してきた家電を見捨ててしまいたくない。
せめて、安い金額でも買ってくれる人がいれば、家電たちも第二の人生をつかむチャンスがあるのではないかと考え、値段を貼り付ける。
アイロンなどは、程度が悪いので"FREE"とした。
これら家電は部屋の中に残していき、アパートの管理人に歩合ということで任せておくことにする。
[この扇風機も買って一年にならないけど100バーツ]
家電以外の家財道具や衣類は原則として日本へ持ち帰るつもりでいるけれど引っ越し業者を使わず、手荷物で持ち帰る予定。
それでも、とても一回で持ち帰れる分量ではない。
今後もバンコクへは何度も来ることになるだろうから、その都度持ち帰ることにする。
とりあえず東京ですぐ必要になるようなモノはない。
実際には、持ち帰っても押入れの奥に押し込まれて、そのまんまになってしまいそうなものばかり。
だったら、持ち帰らずにバンコクで廃棄してしまうべきかもしれないけど、性格的に捨てることができない。
世の中「断捨離」という言葉がはやっているけど、わかってはいるけど、それができない。
茶碗も洗面器も捨てられない。
[冷蔵庫もあります]
それでも、持ち帰ること自体が困難なものは家具類。
本棚やタンスなどは飛行機に載せられないし、業者に委託しても日本の自宅の押し入れに入らない。
家具屋で買って、いずれも綺麗に使ってきているので、15年過ぎても価値はありそう。
アパートのこの部屋へ次に入ってきてくれる人が使い続けてくれるだろう。
家具類でも、もともと日本から持ち込んだテーブルセットや座卓は郵送で発送済み。
[部屋の中は戦場のような・・]
この家財の仕訳と荷造りでタイ出国前日の3月31日は部屋にこもって作業に明け暮れた。
季節はタイで最も暑い初期に入っており、普段は使わないエアコンを回しながらの作業となる。
午前中の段階では途方に暮れてしまうほど散乱していた部屋の中も、なんとか夜には段ボール箱やスーツケースに押し込んだりして、仕分けが進み翌日の出発へのメドが立ち始める。
今回持ち帰る荷物は、預け荷物許容範囲ギリギリで2つと持ち込み手荷物。
合計すると50kgくらいになるはず。
今回持ち帰らない荷物はその倍くらいの量があり、これらアパート最上階の隅に置かせてもらう。
管理された物置でもないので、誰かに盗まれてしまうかもしれないけど、貴重品などはないし、こんなものでも「欲しい」と思う人がいるなら進呈したいぐらいに思っている。
[なんとかここまでたどり着く]
4月1日(月)、とうとうバンコクで2007年から暮らしてきたアパートを退去する日になった。
朝、目を覚まして、いままでと同じように朝のジョギングにでかける。
貯水池の周りを一周して、約5キロほどだけれど、途中にモスリムの人たちのコミュニティーがあり、このコミュニティーにはネコがたくさんいる。
その中でも、私に良くなついてくれるネコが一匹いる。
1年前はほんの子猫だったオスだけれど、もう立派な成猫となっているけれど、いまだに私が貯水池脇の道を走っていると民家から飛び出してきて足に絡まり付く。
このネコとももう会えないかもしれない。
完全な野良ではないし、私がいなくても路頭に迷うこともないだろう。
[ネコに会えるから朝のジョギングは楽しかった]
部屋の中はまだ完全には片付いていないけれど、簡単に掃除をする。
家電は箱が残っていたものは箱に入れて、キッチン横にまとめておく。
[こうしてみると持ち出していないものばかり]
冷蔵庫の中で電源を切ったら腐ってしまうような食品類は日本へ持ち帰る。
それ以外の乾物などは冷蔵庫の中に残し、電源コードを抜く。
アパートの管理人は昼前にならないと出勤してこないので、部屋のカギを手渡しできないから、カギはドアの内側、下駄箱の上に残していく。
ドアの施錠はしない。
[部屋のカギは下駄箱の上へ]
感傷的な気分にはあんまりならない。
どうせまたすぐにバンコクへ来るだろうし、その時にまたこの部屋で泊まらせてもらうくらいの気持ちでいる。
家電も売れてなければ、その滞在中にも使って簡単な調理ができそう。
お米や調味料、鍋などもキッチンの戸棚に残していく。
[後日回収予定の荷物は100kgほど]
アパートから空港へはタクシーで、11時過ぎには空港へ到着。
チェックインカウンターで荷物を預けると数キロオーバーしていたようだけれど、追加料金を求められることはなかった。
台北経由の便だけれど、台北での乗り継ぎは翌朝で、空港内で夜明かしする。
[うんざりするほどの大荷物を預ける]
成田には4月2日の午後に到着。
大荷物は空港から宅配便で自宅へ送る。
重量があることもあり、送料もずいぶんと嵩んだ。
今年は近年としてはサクラの開花が遅れているようで、今年はゆっくりと花見ができそうだ。