2月20日 (火曜日)、優泰も帰ってしまって、お母ちゃんと二人になった。
私のタイでの滞在もあと二週間を切った。
車とバイクの処分だけれど、車の方は安ければ買ってくれる中古車屋はたくさんあるようだ。
しかし、バイクはなかなか買い手が見つかりそうにない。
いざとなったら、バイクはそのままバンコクに置いてい事も考えた。
いずれにしても、タイ滞在もお終いが近いので、タイ生活のスタートだったチェンマイへ車で出かけてみることにした。
チェンマイまでは遠いので途中で一泊し、21日にランパーン県メーモ火力発電所のガーデンで少し遊ぶ。
ここはブアトーンと呼ばれる黄色い花が毎年乾期の初めころに咲いて、丘を黄色く染めるので人気があるのだけれど、今の季節はキバナワタモドキが黄色い大きな花を咲かせていて見事だ。
黄色と言うか、レモン色に近い。
タイ北部で乾期の間中よく見かけるけど、青空の下で黄色い花を見上げるとちょっと感動的。
[タイ語ではスパンニガーと言ったかな]
チェンマイでの宿はYMCAにとる。
20年以上前にチェンマイで暮らし始めた頃、このYMCAで三カ月ほどタイ語を習っていた。
そのころはどのタイ語のクラスも盛況だったけれど、いまはもうタイ語の教室はないのか並んでいるパンフレットはタイの子供たちへの語学教室ばかりになっている。
YMCA自体もずいぶんと寂れた感じになってしまった。
[ナコンピンコンドが見える]
夕食はレモンツリーで食べる。
この店は依然とあまり変わってはいないようだけど、以前と比べると少し活気がなくなったようだ。
以前のチェンマイではちょっとおしゃれな食堂として有名だったけれど、今のチェンマイにはおしゃれな店が乱立していて、レモンツリーはむしろ古い店に成り下がってしまった。
それに近所にあってかつて若者を集めていたカドスアンケオ・ショッピングセンターも閉店してしまっていて、通りを歩く人も減った感じだ。
それでも料理の味は確かで、今回も空芯菜天ぷらのヤムとイカの肉詰め赤カレー煮込みをいただく。
[空芯菜天ぷらのヤムはここが一番おいしい]
2月22日 (木曜日)、チェンマイで暮らしていた時に優泰が通っていた学校CMISへ立ち寄ってみる。
以前はエアコンもない教室で、施設もタイの公立学校と変わらない感じの学校だったけれど、今では随分とお金持ち学校のような感じになっている。
学校の生徒たちの送迎をしていた赤いソンテオもいなくなっている。
それに以前なら自由に校内へ入れたのに、セキュリティーがとても厳しくなっている。
[CMISの正門前、校内は撮影禁止]
お母ちゃんは、優泰が学校で引き起こしてくれるトラブルなどで、なんども学校へ呼び出されたり、進級が危ぶまれて心配したりと、学校に関してとても思い入れの強いものがあり、この再訪はひときわ感慨深いものだったようだ。
事務室に行って、来訪の趣旨を伝えて、校内を案内してもらう。
当時校長をされていたスパンポーン先生もすでに学校を去り、20年前のことを覚えていそうな先生は一人しかいないとのことだった。
食堂や図書館などはとても近代的なビルになっていたけれど、優泰が一年生当時に入っていた教室は昔のままのように思われた。
[以前はここに赤いソンテオが並んで生徒たちを待っていた]
昼食にはドイツ料理のブッフェに行く。
この店は二回目だけれど、在住の外国人にも、土地のタイ人にも人気のある店で、平日の昼にも関わらず満席の大盛況。
エアコンこそないけれど、料理の味付けはいいし、値段も手ごろ。
ドイツ料理だから豚肉を使ったものが多いけれど、ちゃんとビーガンと表示されているメニューもあるし、野菜類も新鮮。
こんな店はバンコクではお目にかかったことがない。
ピサヌロークでは望むべくもない。
[チェンマイのドイツ料理]
2月23日 (金曜日)、チェンマイからバンコクへ戻る途中、カンペーンペット県のプラルアン温泉に泊まる。
このプラルアン温泉、ネコとの思い出がたくさんありすぎて、ネコが逝ってしまってから温泉に入る気にずっとなれないでいた。
その温泉もこの数年間で浴室もリノベーションされて明るくなっている。
しかし、大浴場はコロナからずっと閉鎖されたまま。
温泉の宿泊棟は木造のバンガロー。
以前は人気が高くて、予約しないと泊まれなかったけれど、いまは利用者が少ないのか、その晩は私たち以外誰も宿泊していなかった。
[プラルアン温泉でもキバナワタモドキが咲いていた]
夕食にはメーピン川沿いの食堂へ行く。
ここもネコと来たことのある食堂。
大きな店だけれど、お客は私たち以外にはなく、店の女主人は友達を集めて店内でカラオケをやって楽しそうにしていた。
2月24日 (土)、朝、温泉施設内の足湯に腰掛けていたら、近所に住んでいると思われる幼い兄妹がやって来て話しかけてくる。
特に小学校低学年と思われる妹の方は好奇心が強いのか色々と質問してくる。
中国人かと聞くので、日本人だと答える。
日本語で何かしゃべってみてという。
昨晩は何を食べたのか聞いてくるので、メーピン川近くの食堂でヤムタクライとチャーハンを食べたと答えたら、どうしてムーガタを食べなかったんだと聞いてくる。
ムーガタは美味しいのに、私はムーガタがとっても食べたいという。
この子にとって、タイの焼肉、ムーガタがすごいご馳走に感じているらしい。
タイ中にムーガタを食べさせる食堂はたくさんあり、どこも家族連れに人気。
私たちも優泰が小さかった頃によく食べに行った。
だいたいがバイキング式の食べ放題。
温泉施設では食堂もなくなってしまったので、
ちょっと遅くなったけれど朝食はカンペーンペット市内の食堂へ入る。
カンペーンペット・ヌードルというか、カンペーンペット名物のヌードルを食べさせる店に入る。
自家製麺の店で、麺だけ買いに来る客もいる。
名物のカンペーンペット・ヌードルは汁なしのトムヤムで、砕いたピーナッツがたっぷり入ってて香ばしいのだけれど、砂糖もたっぷり入っていてかなり甘かった。
タイのヌードルは甘いのが一般的だけど、ここのは特に甘かった。
[スコータイヌードルをもっと甘くした感じ]
チャイナートをまわってバンコクへ帰着。
これが最後のドライブということになるのかな。
17年も乗り続けてきて、感慨深い。
この車のおかげでたくさんの思い出もできた。
明日から売却の手続きに入らなくては。