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ソンクラーン休暇にオランダ旅行(前編)
4月13日(木)~18日(火)にかけてオランダへ旅行してきました。
昨年の9月に引き続いての2度目のオランダ。
特別今行かなくてはならない理由などないけど、いまなら行けそうだと思ったので年末から飛行機だけは予約しておいた。
その後、飛行機の切符は随分と値上がりしてきているから、その点からはイイときに切符を買っておけたと思っている。
13日からタイはソンクラーン、タイの正月休みとなっている。
バンコクを出発する飛行機はお昼の便なので、午前中は特に用事がないので、会社のオンライン中継番組を引き受けることにして、スワナプーム空港から45分間ほど中継をする。
日本のお正月前後でもよく成田空港からニュースの中継で「お正月休みを海外で過ごそうという人たちで空港の搭乗手続きカウンターは混みあっています」みたいなことを放送しているので、その感じのノリで進めようと思ったけれど、バンコクの空港の場合、タイ人旅行者だけでなく、外国人旅行者の姿の方が多くみられた。
ターミナルの建物の中にもソンクラーン関連の飾り付けが目を引いた。

今回利用する航空会社はいつもの通りの中華航空で台北経由。
以前なら台北からアムステルダムへ向かう飛行機はバンコク経由で飛んでいたのだけれど、飛行機の足が長くなり、数年前から台北からアムステルダムまでノンストップで飛ぶようになった。
それがロシアのウクライナ侵攻で、シベリア上空の飛行ができなくなって、現在は南回りの迂回ルートとなっている。
そんなこともあってバンコクからアムステルダムまでは約24時間もかかって移動することになっている。
短い休み期間で、移動時間が長くて馬鹿らしいと思われるかもしれないけれど、旅をするのは目的地に到着するまでも旅の重要な要素だと思っているので、別に気にもしていない。

出発前に立ち寄ったラウンジでもタイ正月ということで、タイのお正月向けのお菓子が用意されていた。
ココナツゼリーで作った花模様のお菓子。
作るのには手間がかかったんだろうなと想像されるけど、残念ながら手を伸ばす人はほとんどいないようだった。
味の方は、甘いココナツゼリーで、中にココナツの果肉が入っていた。

ココナッツゼリー
[手に取る人が少なかったのは、このゼリーが大きすぎるからじゃないだろうか]

バンコクから台北までの区間はプレミアムエコノミーの席を用意してもらった。
そして前の席の背もたれに付いているモニターで映画を見た。
「異動辞令は音楽隊」いうタイトルで、刑事がパワハラで音楽隊へ移動させられるといったストーリー。
主演は阿部寛。
しかし、どうもこの中華航空の映画を選定している人は阿部寛に相当肩入れしているような気がする。
映画のラインナップはだいたい3か月くらいで入れ替わっているようだけど、まいど阿部寛が配役に入ってる映画がエントリーしている気がする。

プレミアムエコノミー
[台北まではエコノミーでもプレエコに座れる]

台北の空港で数時間の乗継待ちを経て、夜10時過ぎの飛行機に乗る。
こちらもほぼ満席。
そして正真正銘のエコノミークラス。
アムステルダムまで14時間半も飛び続けていて、エコノミーと言うのはなかなか厳しいものがあるけど、運のよいことにほぼ満席の機内にあって、隣の席は空席となっている。
ひじ掛けをあげさせてもらって、隣の席の方へ足を伸ばさせてもらえば、先ほどのプレミアムエコノミーよりも快適に眠れそう。

バンコクからずっと食べ続けているので、ほとんど空腹を覚えないけど、機内食が配られれば一応食べてしまう。
パンなどは袋に入れてお持ち帰り。
オランダ滞在中の食費を倹約するのに役立てさせてもらう。

飛行ルートは台湾から南西に飛んで、海南島から雲南省、ミャンマー北部からインドへと飛んでいるところで、眠り込んでしまう。
途中何度も目を覚まし、イランのカスピ海上空起き出すが、まだ周りはみんな眠っており、機内の照明も暗くなっている。

飛行ルート
[遠回りルート]

私のように目が覚めてしまっている人もいるらしく、ときどき窓際の人が少しブラインドを開けようとすると、外から光が入ってくる。
しかし、客室乗務員が飛んできて、すぐにブラインドを閉めさせられていた。

全くお腹が空かないまま朝食を配膳される。
やっぱりパンは食べずに袋の中にキープする。
「ビール」を注文したら、「朝食ですよ」と言われたが、「朝のビールが旨いんだよ」と言ったらば、ちゃんとビールを運んできてくれた。
機内の乾燥した空気と、エコノミークラスの座席で眠っただるさの中で飲むビールはやっぱり美味しい。

ヨーロッパ時間で朝7時半過ぎ、スキポール空港に到着。
ここで入国する人は少ないのか、乗り継ぎの案内ばかりが目立ち、入国審査場までは随分と歩かされた。
スマホの天気予報ではあんまり天気が良くないらしいと表示されていたけれど、ガラス張りのターミナル建物から外を見ると快晴。
旅行中はやはり天気に左右されるから天気が晴れていると嬉しくなる。

スキポール空港
[青空のアムステルダム到着]

ここで入国する人が少ないからか入国審査もほとんど並ばず、荷物も待たされることなくすぐに出てきた。

これからの滞在予定は、13日は風車を見に行き、14日はホーン保存鉄道を見に行き、15日はチューリップを見に行くつもりにしている。
ベースとなる宿はハーレム郊外にあるステイオッケーというホステルで、どうやらオランダのユースホステルに相当するらしい。
泊るのはそのドミトリー部屋。

滞在中の足は「アムステルダム・リージョン・トラベルチケット」を利用するつもりになっている。
このチケットはアムステルダム周辺の電車やバスに自由に乗り降りできるフリーパスのようなもので、3日券が40.50ユーロで売られているとの情報を得ていた。
さっそく、その切符を買おうと捜しまわるが、最初に見つけたのはバス乗り場近くの移動販売車で、残念ながら販売開始時刻は午前9時からとなっていて、まだ少し時間がある。
鉄道の切符売り場でも尋ねてみたらば、「売っている」と言うので早速購入。
このパスはアムステルダム周辺で使えるとなってはいるものの、具体的にはどこまでの範囲で使えるのか漠然としてよくわからない。
マップももらったけど、有名観光地へ行くには何番のバスが便利みたいな表示で、細かさに欠ける。

しかし、空港からハーレムまでは300番のバスで向かえることはマップに表示されていたので、赤い連接バスに乗ってハーレムへ向かう。

ハーレムの駅前から宿までは2番のバスに乗ればよいらしいことは調べがついていた。
しかし、そのバスにこのフリーパスが使えるのかどうかがわからない。
宿の近くにある鉄道駅までなら使えることはわかっていたので、バスがダメなら鉄道でという手もあるけど、バスに乗ってみなければOKかどうかわからない。

ハーレム駅前
[半年前にも来たハーレムの駅前、なんか懐かしく感じる]

2番のバスまで20分ばかり駅前のバスを待って乗り込んだ。
パスを乗降リーダーにかざしたら「ピッ」とOKサインの音がした。
ところがこれが大失敗。
バスはハーレムの街中を南に向かって走っている。
宿はハーレムの北側で、まるで逆方向。
私は2番のバスはハーレム駅が起終点で、何も考えずに乗りこめば宿の前まで乗せていってくれると思っていたが、どうやらハーレム駅は2番バスのルート上にある中間ポイントで、私は逆方向のバスに乗ってしまったらしい。
運河沿いでバスを降りる。
この運河は前回来た時に散策した覚えがある。
なのでなんとなく歩いていけば駅にたどり着けると思った。
そして、歩き始めてすぐに、いま降りたバス停とは逆方向に2番のバスが通過していった。
あぁ、あれに乗れば宿まで行けたはずだったんだと自分の失敗が悔しく感じる。

運河沿い
[ハーレムの運河沿い、ここも前回歩いたとこ]

ハーレムの路地裏を歩いて駅まで戻ってくる。
そしてまた2番バス、それも北向きのバスを20分ほど待つ。

宿には10時半ころに到着。
まだ入室はできないということだったけれど、荷物は預かってもらえた。
宿はバス停の真ん前。
もともとは学校だったという建物に増築したホステルで、宿の周辺は公園になっていて、環境は静かでいい場所だけれど、商店などは一切ない。

身軽になったところで、さっそく風車見学に出発。
この辺りではザーンセスカンスの風車が有名と聞いているので、そこまでこんどは電車を使って行ってみる。
宿から最寄りの鉄道駅、サントプートまでは直線距離にして1キロほど。
車だと大きく迂回しなくてはならないけど、さすが自転車王国のオランダだけあって、宿の前から駅の方まで田園の中をまっすぐにサイクリングロードがある。
もちろん、走ってくる自転車に注意すれば徒歩でも問題なさそう。
日本でだったら水郷地帯とでも呼ぶのがふさわしいくらい水と緑に透明感があって美しい景色。
なんとなく青いサングラスでもかけているのではないかと思うほど、光が透明感の高い青色をしている。
そう、北海道でみた光の色によく似ている。
タイではこんな透明感のある青い光など見たことがない気がする。
空には白い雲がポカリ、ポカリと浮かんでいて、たぶんオランダではどこにでもあって珍しくもない、名もなき風景みたいなところだけれど、あんまりにキレイなんで、はるばる来ただけの甲斐があったななんて早々と感じてしまう。

光が青い
[駅への近道]

電車に乗りこんだけれど、ザーンセスカンスへは行かないらしく、途中で一回乗り換えをする。

そして降り立ったのがザーンダムという駅。
なんとなく駅前からして観光地っぽくて、観光客らしい姿を多く目にする。
中国系の観光客もあちこちで記念写真を撮っている。
緑色のヘンテコな形の大きな建物なんかもあって、インスタスポットなんかにもなっているようだ。
が、しかし周辺を見回しても風車なんて全然見当たらない。
ザーンセスカンスには20年以上前に来たことがあり、風車がずらりと並んでいた記憶がある。
そして、今目の前に見えているような大きな建物なんかなくて全くの田園地帯みたいなところだった。
おかしいなぁと思って地図を確認したら、私はザーンセスカンスとザーンダムを勘違いしていたようだ。
風車のあるザーンダムなら2つ手前の駅で降りるべきであった。
また電車で戻るのも面白くないので、ザーンセスカンスまでバスに乗っていくことにした。
フリーパスがあると、行き先を間違えたりしても乗り降り自由なので、乗り間違えさえ楽しく感じる。

ザーンダムの駅前
[ヘンテコなビル]

ザーンセスカンスは観光地であった。
風車そのものも昔からあるものではなく、観光用に移築してきたものだということは知っていたけれど、ここまで観光地になっているとはちょっと驚いた。
観光客相手の土産物屋がずらりと並び、風車はそれぞれが博物館となっている。
ただ救われるのは、風車の中に入ったりしなければ入場料を徴収されることもない。
土産物店も別に何も買わなくても、一昔前の東南アジアの土産物店のように鍵かけられて売り場から解放してもらえないなんてこともない。

サーンセスカンス
[オランダは観光向きの国なんだろな]

土産物で売られているメインはチーズと木靴のようだ。
木靴は履くためと言うより、インテリアとして飾るための土産だろうけど、チーズは食用で、あまりにチーズを売る土産物屋が多いせいか、あたり一帯にチーズの臭いが立ち込めている。
運河で仕切られた区画を抜けるには土産物屋を通らなくては行けない構造もあったりして、不本意ながら土産店に入る。
観光客がたくさんいてチーズの試食をしたりしている。
売り子の女性たちもオランダの伝統衣装を身に着けている。

ザーンセスカンス
[作りものなんだろうけどメルヘンだよな]

ここは本当に作られた観光名所で、風車の並ぶ風景だけでなく、運河の対岸に並ぶ家並もまるでおとぎ話の世界かテーマパークのように見える。
出来過ぎとも思えるけど、観光客が写真を撮るには「これぞオランダ‼」と言った感じになるのだろう。
それに青空の下で回る風車と言うのは、観光目的で作られた風景であっても、やっぱり美しい。
5ユーロほどの入場料を払ってまで風車の中に入ってみたいとは思わないけれど、こんな景色の中を散策するのはミーハーだと思うけど楽しい。

風車小屋の博物館
[風車小屋内部は有料で公開されている]

そんな風車小屋の一つの前に、白黒のネコを発見。
近づいても逃げないので、カバンの中からキャットフードを取り出して与えてみると、夢中で食べる。

白黒猫
[風車小屋の飼いネコだろうか]

どうやらお腹を空かせていたらしい。
首輪をつけていないが、この辺りでは野良猫なんていないだろうから、誰かの飼いネコなんだろうけど、どこのネコさんなのか気になる。
気温は13℃くらいで日差しはあるけど、風が少し強くてちょっと肌寒い。
ネコを抱き寄せると少し暖かいし、ネコも暖かく感じているらしい。

風車とネコ
[絵葉書になりそう]

ネコと言えば、もうひとつネコの風車小屋があった。
別にネコがいるわけでもないけど、風車小屋の名前が"De Kat"というもので、ここは昔の絵の具を作って売っている小屋らしい。
この小屋の説明板に描かれたネコのマークが黒猫であることも好ましかった。

De Kat
[ネコと言う名の絵具工房]

運河の水は別に清く澄んでいるわけではない。
よく見れば濁っていて、悪臭こそ漂ってはいないものの、タイの運河と大差ないように感じるのだけれど、水面に空や木立が写り込んでいて、きれいに見える。
そんな運河べりのベンチに座って昼食にした。
昼食と言っても、機内食で食べずに袋に詰めて来たパンなど。
オランダまで来て、こんなもの食べているなんてみみっちいとも思えるけれど、こんなものを食べていても、景色がいいので美味しく感じられる。

運河沿いでランチ
[運河の水面は鏡のようだ]

ザーンセスカンスからは電車とバスを乗り継いでエダムへ行った。
エダムに関しては何の下調べもしていないし、予備知識もないけれど、エダムと言ったらチーズの名前にもなっていることくらいは知っている。
そんな程度だけれど、午後にやってきたエダムも絵のように美しいところだった。
運河にかかる吊り橋の先は、やっぱりおとぎ話に出てきそうな家並が続いている。
ザーンセスカンスのような観光地観光地はしていないけれど、観光的要素のたくさんある街並みで、かといって土産物屋が並ぶような厭らしさもない。
集落の中心には礼拝堂があって、青空を突き抜けるように高い塔がそびえている。

エダムの礼拝堂
[100年も200年も前からおんなじ景色なんじゃないだろうか]

土産物屋が皆無と言うわけではない。
エダムチーズで有名なだけあって、チーズ博物館とかチーズ工房のようなところもあるけれど、街の中に調和していて、土産物屋独特のハデハデ感はあまり感じずにすむ。
集落自体は小さくて10分も歩くと家並が途切れて牧場が広がっている。
今日は天気が良くて本当に良かった。

チーズ工房
[エダムチーズの製造直売土産物屋]

ここエダムでもネコを発見。
集落の中の庭付きのお家で、ポツポツとタンポポが黄色い花を咲かせている芝生の上でネコが昼寝をしていた。
ニャーオと呼びかけても耳一つ動かすことなく熟睡している。

日向ぼっこ
[このネコ、幸せなんだろな]

エダムの隣町フォーレンダムも観光要素があるようにマップに記されていたのだけれど、エダムから乗り込んだバスはフォーレンダムには立ち寄らずにまっすぐアムステルダムへ向かってしまった。
まぁ、それはそれで好として、そろそろ宿のチェックイン時間も過ぎたことだし、早く宿へ向かってドミトリーのベッドを確保しておきたい。

アムステルダムからは宿最寄りのサントプートまで直通の電車があった。
電車はちょっと混んでて座ることができなかった。

ベッドを確保し、シャワーを浴びて夕食に出かける。
といってもレストランへ入るわけではない。
スーパーマーケットへ向かう。
このホステルでは施設内での持ち込み飲食物を飲み食いすることは禁止されている。
その点、自炊ができるイギリスのユースホステルは良かった。

ステイオーケー
[夏時間ということもあるが、日が暮れるのが遅い]

スーパーマーケットはホステル裏の公園を突き抜けたところにあった。
Dekaという名前のスーパーで、一通りの品ぞろえがあったけれど、前回よく利用して気に入ったJumboと比べると、4つで1ユーロで買えるパンが無いなど、ちょっと見劣りする。
3つで1ユーロのパンと書かれた台にはパンは一つも残っていなかった。
ここで買い込んだのは、バゲットパン、ブルーチーズ、キャベツそして白ワイン。
これで6.87ユーロ。
タイバーツにして250バーツほど。
ワインが一本ついて250バーツは格安と言える。
これらを持ってホステル裏のベンチに腰かけて夕餉とする。
おかずにはタイから持ち込んだイワシの缶詰もある。
キャベツの葉にイワシを包んで口に放り込む。
ワインをグビリとラッパ飲みする。
バゲットパンを噛みちぎる。
ブルーチーズをかじる。
またワインをあおる。
時刻は夜8時近くなっているけれどまだまだ明るい。
寒いことは寒いのだけれど、こうしてベンチで食べる夕食。
嫌いじゃない。
レストランに一人で入っても、なんとなく場違いな雰囲気を感じるし、10ユーロくらいの予算じゃ中華料理屋でチャーハンだって食べられない。
それより旨いバゲットパン、チーズとワインなどタイで食べたいと飲みたいと思っていたもの楽しめるんだから、寒くても嬉しくなる。

部屋に戻ってもまだ同室者は誰も戻ってきていなかった。
まだ外は明るかったけれど、時刻は夜9時。
ちょっと疲れていたのでさっさと電気を消して寝てしまう。

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ビエンチャン、ショートトリップ
3月18日 (土)
コンケーンでの仕事が午前中で終わり、時間ができたのでタイ-ラオス友好橋を渡ってビエンチャンへ行ってみた。
昨年末にも行ったばかりだけれど、一人で友好橋を渡ってラオスへ渡るのは30年ぶりくらいじゃないかと思う。

国道2号線を北上し、午後1時にノンカーイにある国境に到着。
夕方には戻ってくるつもりで車は道端に路上駐車。
ちゃんと国境を渡る人向けに有料駐車場もいくつもあるけれど、数時間のことだし、それに路駐している車も道端にずらりと並んでいる。
有料駐車場代は1日100バーツ。

パスポートにタイ出国のスタンプが押されて、国境の橋を渡るバスを待つ。
バス代は週末追加料金5バーツが加算されて35バーツ也。
距離にして2キロあるかないかくらいの距離だから、ちょっと割高。
年末に利用した鉄道は確か20バーツだったと記憶しているけれど、便が少なくて利用しづらい。

国境の橋の下を流れるメコン川の色は少し青みがかっている。
もともとは茶い色だったと思うけど、最近は青く見えていることが多い。
乾期ということもあるけど水量も減っている。

国境の橋
[メコン川、左がタイで右がラオス]

バスに乗り込んでいるのはほとんどが地元の人。
商売人だろうか、慣れた感じでキョロキョロすることなくバスに乗っている。
満員の乗客を乗せたバスがラオス側に到着して、ラオスの入国審査を受ける。
バスから降りた人の大半はパスポートではなくボーダーパスと言うものを持っていて、入国審査も簡略化されている。

私はパスポートを使うので入国カードへの記載も求められる。
事前にバスに乗るときにでも配ってくれれば、手間が省けるのだけれど、そういうサービス精神はなさそうだ。
しかし、入国審査にも20バーツがかかる。
これは週末・時間外サービス料金だそうだ。
飛行機で到着する人にもこんな風にして集金しているのだろうか。

ラオスの入国スタンプをもらって、先に進むと両替所があったけれど素通り。
数時間の滞在とほとんどお金も使わないし、ビエンチャンだけならタイバーツでもそのまま使える。
だいたいラオス通貨1万キップが20バーツくらいのようだ。
さっきのラオス入国審査での請求が1万キップか20バーツと言われた。

タクシーの客引きを無視してバス停へ進む。
クリーム色と緑のボディーをしたバスはなんとなく都バスを連想させる。
メーカーはいすゞ製で、JICAの援助みたいなことが書かれている。
午前中にコンケーンでお会いした方は、もとJICAの所長さんで、「むかしのJICAでは現地に赴いたら、まず現地の人の友達を作れと教えられたものだ」と言われていた。
しかし、それが最近は現地の人との交わりをあまり持とうとしておらず、また援助をしてやるんだという意識が先に立ってしまっているともぼやかれていた。

ビエンチャン市内行きのバス
[色の塗り分けが都バスによく似てる]

バスに乗り込んだのが午後1時半。
まずは順調と思ったのだけれど、乗り込んだのはいいけれどなかなか走りださない。
一応はエアコン付きのバスなのだけれど、エアコンの効きが悪い。
暑さを我慢すること20分。
ようやくバスは走り出した。
ビエンチャン市内タラート・サーオのバスターミナルまで12,000キップ。
タイバーツだと30バーツだそうだ。
タイ語とラオス語はよく似た言葉で、もともとがおんなじ語源らしいのだけれど、数字の数え方が異なっているようだ。
12000も、タイ語だと「ヌンムーン・ソンパン」と言い、日本語に直訳すると、1万・2千となる。
タイ語では、10万や100万の単位を表す単語もある。
これに対してラオス語では12000を、「シプソーン・パン」と発音していた。
日本語で直訳すると12・千。
つまり、万の単位の単語を使わない。
ラオス語について知識がないので、万や10万といった単位の単語がないのか、ただあまり使わないだけなのかわからないけど、千の単位を使うというのは、お金の単位としては理解しやすくて便利だ。
とにかくラオスの通貨では単位が大きくなりすぎて、ほとんど1000キップ以下のものがないから、シプソーン・パン・キップのところをパンキップが通貨単位として理解すれば、桁の多さが気にならなくなる。
なお、ラオスの旧国名は「ラーン・シャーン」で、意味は「100万のゾウ」ということになる。
つまり、100万の単位もちゃんとラオス語には昔からあるわけで、きっと万や10万を表す単語もあるのだろう。

ビエンチャンへの道は片側二車線の道路なのだけれど、道路の状況はタイと比べると格段に劣る。
走っている車は韓国車と中国車が目立ち、日本車もよく見かけるけど、タイのように圧倒的多数派と言うわけではないようだ。
高級車乗用車は日本車、コンパクトカーは韓国車、そして軽トラみたいな車は中国車とマーケットが分かれているようにも感じられる。
そして、運転マナーもタイより劣るようだ。

30年前はほとんど車は走っていなかった。
当時国境からビエンチャン市内まで利用したタクシーは大型のベンツだった。
しかも、そうとうの年代物で、丸みを帯びたダルマのような車だったことを覚えている。
いまは、道には車やバイクがあふれている。

2時半近くにビエンチャン市内に到着。
まだ昼食を食べていなかったので、ビエンチャンへ行ったら食べたいと思っていたバゲット・サンドウィッチを食べることにした。
路地奥に入ったところにあるPVOという食堂に入る。
ネットで調べた有名店だそうで、こじゃれててきれいな食堂だった。
ベトナム料理屋ということになっているようで、メニューもタイでよく見るベトナム料理が並んでいた。
しかし、やっぱり看板料理はバゲットのサンドウィッチで、カオチーと呼ばれている。
ネットで調べるとベトナム風にバインミーと紹介されているものが多かったけれど、バインミーはベトナム語であるから、ラオスならカオチーと紹介すべきかとも思う。
しかし、ラオス語のカオチーと言うのも厄介で、タイの東北部で食べられているカオチーというものもある。これは五平餅と言うか焼きおにぎりのようなモノで、私の好物でもある。
そしてラオスでもよく屋台で売られている。
カオチーの意味はカオがご飯で、チーが焼く。
なので焼きおにぎりがカオチーなのはよくわかるが、バゲットがカオチーなのは、パンも「ご飯」と同一視して、しかも窯で焼くからカオチーと言うことらしい。
ラオスでは米食もパンもカオらしい。
ヌードルもやっぱりカオで、汁そばのことをカオピヤクと呼んでる。
ピヤクはタイ語風に理解すれば、「濡れている」という意味に当たる。

PVO食堂
[路地奥だけど人気の店らしい]

で、ここのカオチー・サンドウィッチだけれど、確かに美味しかった。
パクチーをはじめとしたハーブ類がたくさん入っておりラオスらしさを感じさせる。
ラオスの人は豚肉などを入れたり、フランス風にパテを挟んだりするのが人気のようだけれど、私は肉を食べたくないので卵を入れてもらった。
テーブルには激辛の唐辛子ペーストもあり、これもトッピングと塗りたくった。
刺激的な味で、ビールがひときわ旨くなる。
私はラオスビールのプレミアと一緒にいただいたけれど、メニューにはビールがなかったで、最初はビールを出さない店かと思った。
他のテーブルでもビールを飲んでいる人はいなかった。
しかし、ウエイターにビールを頼んだら、愛想よく持ってきてくれた。
グラスにはタイと同じように氷が入っていた。
カオチーのサンドウィッチも美味しいけれど、ラオスはやっぱりビールがうまい。
さっき国境から乗ってきたバスの沿道に見えた道端の看板広告などもラオスビールのものが多数派だった。
アルコール飲料の宣伝が禁止されているタイから来て、こんなにビールの宣伝広告ばかり見せられたら、ビールが飲みたくなって仕方がなくなりそう。

カオチーのサンドウィッチとラオスビール
[サンドウィッチのサイズがやたらと大きい]

フルサイズのサンドウィッチと大瓶のビールで95バーツだった。
大満足。
サンドウィッチはメニューに3万キップみたいに提示されていたから、これで60バーツなんだろう。
そして、95-60=35だから、ビールは35バーツということになる。
タイのコンビニで買う缶ビールよりも安い!
ラオスはいい国だ!

満腹となり、食堂を出てメコン川の川岸へ向かって歩いてみる。
ツアーでなんども立ち寄っているメコン対岸のシーチェンマイを眺めてみたかった。
いつもはシーチェンマイの側からビエンチャンを眺めてきたけれど、今度はビエンチャン川から眺めてみようとの算段。

メコンの川岸近くにある公園に銅像が立っている。
いまから200年前、ビエンチャンを繁栄させ、そしたビエンチャン王国最後の王となったアヌウォンの銅像。
タイでアヌウォンは「裏切者」「侵略者」として悪名高いが、ラオスにしてみれば英雄なのである。
この王の生涯は、タイによって翻弄され続けていた。
子供のころはタイで人質として過ごし、成人してからはタイのために戦争に参加し、タイの推挙でビエンチャン王になり、善政を布いてラオスを発展させた。
そして、ビエンチャン王国をタイから独立させるために挙兵したが、結局タイに負けて、捕らわれて死んでしまう。
タイではこの挙兵の部分が、タイへの侵略者として誇張されており、このアヌウォンを反撃した女傑スラナリーは今でもタイの英雄として映画やドラマとなっているようだ。

アヌウォンの銅像
[アヌウォン王はメコン川の方向、つまりタイ側を向いて立っている]

20年前、長男と二人でビエンチャンへ来たときに泊まったホテルがランシャンホテル。
戦前からある古いホテルで、高級ホテルというよりもただの古めかしいホテルに成り下がっていたけれど、もともとはラオスを代表するホテルで、バンコクのオリエンタル、サイゴンのマジェスティック、ヤンゴンのストランドなどと並ぶインドシナにある著名なホテルだった。
そんなホテルに私が以前泊まったのは、1にも2にも値段が安かったから。
そして、朝食のブッフェが美味しかったから。
そんなランシャンホテルへ今から10年ちょっと前に家族3人で泊まろうと予約したことがあった。
ビエンチャンにある旅行会社へ全額前払いで代金も払い込んでいたのだけれど、いざホテルへ到着してみると予約が入っていなかった。
予約が入っていないどころか、ホテルのスタッフによればホテルは全面改装中で宿泊そのものの受付をしていないという。
スタッフを通じて予約を入れた旅行会社へ連絡してもらい、1時間ほど待たされて旅行会社のスタッフがやって来た。
「工事中だから泊まれない」と言う。
まったく、ぜんぜん責任感がないと言うか、怒っても埒のあきそうにない相手だった。
「クレジットカード払いだから返金はできない」との理由で、
その代わりおんなじくらいの金額のホテルに部屋を用意するからと言われて、スタッフは引き上げて行った。
待つこと1時間ほどで、ランシャンホテルのスタッフを通じて「別のホテルの用意ができた」とのメッセージを受け取る。
その代替ホテルの場所を教えてもらい、とぼとぼと向かったのだけれど、ランシャンホテルとは全然レベルの違うバックパッカー向けのゲストハウスだった。

そのランシャンホテルも改装が終わって、少しは高級ホテルらしくなっていたそうなのだけれど、その後ビエンチャンに来て泊まる用事もなく、どんなホテルになっていたかはよくわからないが、今回そのランシャンホテルを見てみようと行ってみた。

ランシャンホテルは再び改装中だった。
単なる改装と言うよりも、立て替え作業の真っ最中の様であった。

ランシャンホテル跡地
[ランシャンホテルは建て替え工事の真っさなかだった]

メコン川の対岸にシーチェンマイが小さく見える。
シーチェンマイからビエンチャンを眺めるときはいつも一国の首都だというのに、ビエンチャンには大きな建物もほとんどなくて、全くの田舎町だなと感じていた。
今回は反対にビエンチェン側からシーチェンマイを眺めたらば、「シーチェンマイなんてまったくなんにもない所だな」と感じた。
よく目を凝らしてみると昼食でときどき利用するマヨン食堂の赤い屋根らしきものが見えたり、大きなナーガの像がある公園がかすんで見える。

メコン対岸のシーチェンマイ
[霞んでいるのはたぶんPM2.5の影響]

ビエンチャン市内のスーパーに入ってラオスビールの缶ビール6本パックを買う。
これは土産用。
ラオスビールにはいろいろな種類があるのだけれど、買ったのはさっき飲んだプレミアムという種類の500cc。
あと一本だけ黒ビール風も買ってみる。
これは冷蔵庫で冷やされていたもので、歩きながら飲むつもり。

スーパーで買ったビール代として200バーツを出したら、お釣りとして12,000キップが返ってきた。

黒ビールはギネスなんかと比べるとライトな感じだけれど、そのぶん飲みやすい。
コクが深いので、歩きながらゴクゴクと喉に流し込むよりも、どこかに座って飲みたくなるが、座る場所もないので、歩き続けながら飲み干す。

そろそろ国境へ戻るバス乗り場へ向かう時刻と思い歩いていたらタートダムと呼ばれる古い仏塔が左手に見える交差点に出た。
この交差点を渡ったところには古い屋敷を改装したラオス料理のレストランがある。
この景色、見覚えがある。
はじめてラオスへ来た時に宿泊した宿が、この交差点に面して建っていた。
この宿に入ったとき従業員がフランスパンを刻んだものを丼に入れ、スライスチーズと一緒に食べていたのにショックを受けた。
フランスパンを千切って丼に入れ箸で食べているのにも驚いたが、きっと中国系だったのだろう。
それより驚いたのは、当時タイではデパートの食品売り場で輸入品として売られているくらいだったスライスチーズをこんな宿の従業員が何食わぬ顔で食べていることだった。
当時はまだラオスは鎖国に近い国で、タイよりもソ連の方が近いと感じさせる国情だった。

タートダム
[奥に見えるのがタートダム、左手の囲いがかつて泊まった宿の跡]

その宿はすでに取り壊されて更地になっていた。
また、交差点の反対側にあったラオス料理のレストランは当時と変わっていないようだった。
ここでもショックを受けたのは、レストランの入り口に物乞いの少女が二人しゃがみ込んでいたこと。
貧しいながら、貧富の差がなく、平等な社会と宣伝されていた共産圏で物乞いの少女がすがるように手を伸ばしてくる。
物乞いだけでなく、身体も売りそうな感じであった。

ラオス料理レストラン
[この店は今も変わらずラオス料理の高級店らしい]

バスターミナルのあるのはタラートサーオと言うところで、ビエンチャンの中心。
もともとは朝市の開かれていた場所で、むかしは建物などなく、露天でゴザに野菜や魚、雑貨などを並べて売っていたのを見た記憶がある。
今は大きなショッピング・コンプレックスのような建物になって大通りに面して立っている。
大通りの先の方には凱旋門、反対側には大統領官邸が見えるラオス切っての道幅の広いメインストリートなのだろうけど、このショッピング・コンプレックスは田舎臭いデパートの様だった。
むかしの市場がそのまま大きな建物に入ったような印象。


凱旋門
[差し詰めビエンチャンのシャンゼリゼ通りか]

バスターミナルはこの建物の裏側にあった。
バスターミナルと呼ぶにもおこがましいような建設途中で放棄されたビルのような建築物の下がバスの発着所になっている。
むかしはコンクリートの構造物などなくて、露天であって、そこを発着するバスと言うのが、日本やタイで目にするバスのイメージを大きく裏切るもので、古いダンプカーであった。
ダンプカー改造してバスに仕立てたのではなく、ダンプカーそのままをバスとして使っているというものであった。
砂利を載せる荷台に乗客はよじ登って乗り込んでいた。
屋根があるわけではなく、当時の悪路で揺られるのは相当大変なことだったろうと想像される。
しかし、冒険心をそそられてルアンプラバーンまでダンプカーに乗ってみたかったけれど、当時は外国人が地元の人に交じって乗せてもらえるものではなく、私は双発の飛行機でルアンプラバーンまで飛んでしまった。
ビエンチャンの空港も空港と言うより、飛行機待合所と言った感じだった。
格納庫の前には何十年前のものかと思われる複葉機さえ並んでいた。

バスターミナル
[現在は市内バスとタイ行きの国際バスだけが発着しているようだ]

バスターミナル横の屋台で、バゲットパンを買う。
5本入って25バーツとのこと。
しかし、このパンを後でタイに戻ったから食べてみたけど、昼に食べたのと比べて全然美味しくなかった。

ビエンチャンから国境の橋までのバス代として、さっきビールを買ったときの釣銭とてもらった12,000キップで支払う。
今回のラオスで使った最初で最後の現地通貨。


ラオス側からタイ側へ戻るバス、こんどは週末の追加料金がかかっておらずバス代は30バーツだけだった。

メコン川
[夕闇迫るメコンを渡ってタイへ戻る]

18:30 夕暮れですっかり暗くなったタイ側へ到着。
数時間のラオス旅行だったけど、なかなか濃い時間だった。


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3年ぶりの台湾
12月20日 火曜日
ほぼ3年ぶりで台湾に入国する。
9月以来、乗り継ぎで台北の空港には何度も降り立っているし、空港での夜明かしもしているけれど、入国までするのは今回が初めて。
成田からバンコクへの帰り、前回11月に利用した成田発が夕方で、夜遅く台北に到着、そして翌朝早くにバンコクへ向かうという切符が値段的に割高となっていた。
そのため、今回は少しでも割安の午後2時半成田発の便で予約し、乗り継ぎも午後の便としたので、台北での乗り継ぎ時間が18時間くらいになった。
これだけ乗り継ぎ時間があると、いままでのようにラウンジで過ごしているだけと言うのはあまりにもったいない。
そこで空港から外へ出て、どこかの安宿に1泊すると言うプランを考えた。
以前ならこうした場合、台北郊外の北投温泉にある格安な月光荘旅社に宿泊してきていたのだけれど、月光荘はこの3年の間で廃業してしまったらしい。
天然温泉もあって、安いので、とても気に入っていたのだけれど残念。
コロナのこともあるけど、ここの女主人は90歳を超える年齢だったりしたので、限界だったのかもしれない。
宿は台北の桃園空港からも比較的近い中壢にあるDukeホテルと言うところを予約した。
agodaを使って950バーツほどで予約できたので、現在の台湾の検疫事情からバストイレ付きの個室にしか宿泊が認められないという条件の中では最低価格帯に属している。

成田からの飛行機は、出発が少し遅れて、3時過ぎに飛び立った。
コロナ前もよく利用していた便で、この便で台北へ到着しても、バンコク行きの最終便に十分に間に合ったので、とても気に入っていた。
成田発夕方の便でも最終便に接続していたのだけれど、午後の便だと乗り継ぎ時間を利用して台湾に短時間入国し、南崁の街で台湾食材の買い物をすることができた。
しかし現在はバンコク行きの最終便には間に合わない。
あと、もう一つ午後の便で気に入っていたのは、航路の関係で右舷側に富士山が望めること。
今回の座席は、翼の上に位置していて、下界を眺めるには今一つではあったけれど、それでも白く雪をいただいた富士山を見下ろすことができた。

富士山
[何度も見ているのに、いつも写真に撮ってしまう]

機内食はハンバーグ。
ソースは照り焼き風。
機内はほぼ満席で、乗客のほとんどが台湾から日本へ観光旅行に来た帰り客。
日本人らしい姿はあまり見かけない。
機内食の盛り付けは、なんとなく日本風に仕立ててあり、それなりにきれい。
すでに飛行機に乗る前にラウンジでシコタマ飲んで、食べ物もいただいていたので、空腹ということもなかったけれど、それでも美味しくいただいた。

ハンバーグ
[照り焼きはあんまり好きではない]

成田のラウンジは、前回11月に来た時はまだ再開しておらず、チェックインカウンターで1500円分の食事券をもらっただけだったけれど、ようやくラウンジがー再開していてうれしい。
今回、バンコクでもラウンジは再開していた。
しかし、成田は再開したと言っても、食べ物は限定的。
サンドウィッチと焼きそばくらいしかなかった。
カップラーメンも、おにぎりもなかった。
私がここで一番気に入っていた稲荷寿司や海苔巻きも並んでいなかった。
飲み物の方は、以前同様に充実しており、それでシコタマ飲むことができた。

生ビールサーバー
[生ビールが飲めてウイスキーは18年もの]

台北に到着し、入国審査場へ向かう。
入国カードに代わって、事前に入国に必要な情報をインターネットで登録してある。
登録だけで、登録完了済みの画像とか受付番号みたいなものはなかった。
入国審査場は台湾人用と外国人用に分かれている。
機内に乗っているのが台湾の人ばかりだったので、外国人用の入国審査レーンは空いているだろうと期待していたのだけれど、期待は外れた。
私の乗ってきた便は台湾人ばかりだったけれど、他の便は外国人も多かったようで、特にシンガポールのパスポートを持った家族連れがたくさんいた。

入国審査を受けたところで、コロナの簡易検査キット(ATK)を受けとる。
キットが入った小箱を渡されるだけで、別にその場でチェックをしなければならないということでもないようだ。
健康関する質問などもなかった。
しかし、豚肉に関するチェックはとても厳しいようだった。

台湾の検疫セット
[このセットが無料とは嬉しい]

税関検査も素通りで、中壢へ向かうためにバス乗り場へ進む。
数年前に開業した空港鉄道も中壢方面へ伸びることになっているが、現在のところは中壢中心部まであとちょっとのところが終点となっている。
その終点からだってホテルまで歩けない距離ではないのだけれど、空港鉄道はバスと比べて少し割高な感じがするので、いままで台北の市内へ行くときも空港鉄道ではなくバスをもっぱら利用してきた。
そして、調べてみたら空港から中壢へ行く直通バスもあるのだけれど、直通バスよりも、途中の台湾新幹線の桃園駅までシャトルバスを利用し、そこでまた中壢市内へのバスに乗り継ぐのが料金的に安いことがわかった。
新幹線駅までのシャトルバスは緑色のバスで、頻繁に発着していたのを見た記憶がある。

しかし、バス乗り場まで来てみると、バスなどまるで見当たらない。
以前は台北をはじめあちこちへ向かうバスが、いろいろなバス会社によって運行されており、すごくにぎやかだったのに、一台もバスの姿が見られない。
いったいどうしてしまったのだろう。
バスの運行路線を見てみたが、新幹線の桃園駅まで行くルートもなくなっていた。
それでは仕方がないので、シャトルバスを諦めて、新幹線の桃園駅までは空港鉄道を利用していくことにする。
バス乗り場と鉄道乗り場はターミナルの端と端にあり、ずいぶんと歩かなくてはならない。

その空港鉄道はまだ真新しい車両であったけれど、台北市内と空港を結ぶ列車は快適そうな座席を配していたけれど、私が乗り込んだ台北市内とは反対方向へ向かう電車は、新しい車体だけどプラスチックのような硬いロングシートなので、やっぱりバスの方が良かったと思う。

中壢のホテルにチェックインしたのは、夜9時近くになってしまっていた。
Dukeホテルは日本で言うところのビジネスホテルだけれど、部屋はそれほど狭くない。
アメニティーも充実しているし、バスタブもある。
ベッド横にはコンドームまで用意されていたので、ラブホテルにもなっているのかもしれない。
それは良いのだけれど、部屋の中がタバコ臭いのにはちょっと閉口した。

アメニティーキット
[歯ブラシや髭剃りなど一式揃っている]

成田空港の遺失物係へ電話をかけたりしてから、夜店を冷かしに出る。
宿から15分くらい中原大学の前あたりが夜市になっているらしい。
ちっとも空腹ではないけれど、せっかく台湾に来たのだから、巷の食べ物を食べておきたい。
食べたい候補は2つあって、ひとつは「臭臭鍋」で、もう一つは「小籠包」。

中原大学前の夜市は、台北市内の観光夜市と比べると規模がずっと小さい。
扱っているのは食べ物ばかり。
小籠包の屋台はその夜市の中心部にあり、屋号が「御冠園」となっており、買い求める人の行列が伸びている。
蒸籠に鼎泰豊の小籠包と比べるとずっつ大き目、一般的な肉まんの半分くらいの大きさの饅頭が6個入って65元。
値段の安さも人気の一つなんだろう。
食べたいけれど、いま食べてしまったら、この先にまた旨そうなものがあっても食べられなくなってしまいそうなので、そのまま先へ進む。

行列のできる屋台
[手作業で饅頭を包み、蒸籠で蒸しあげている]

次に気になったのは「奶奶的熊」という紅茶スタンド。
台湾の紅茶は一時日本でもブームになったタピオカ・ドリンクで、タイでも台湾のタピオカドリンクは人気が高い。
しかし、その本場にあって、この紅茶スタンド「泰式奶茶」と書かれている。
つまりタイ風のミルクティーのこと。
台湾ではタイ式のミルクティーがはやり始めているのだろうか。

タイ式紅茶
[タイの紅茶も台湾で人気があるのだろうか]

夜市の一番奥にあったのが「三媽臭臭鍋」の店。
三媽臭臭鍋は台湾全土にチェーン展開している一人鍋専門店で、本店は員林県らしい。
低価格を売り物にして、それでいて飲み物なども付いてくるので、コスパがいいので私はとても気に入っている。
味もいいと思っている。
海鮮150元、ご飯と飲み物のほかにカレーも付いてくるようなのが気に入った。

鍋のメニュー
[この値段、コスパが良い]

このあたりのバリエーションは各店舗ごとに異なっているようだけれど、台湾のカレーを食べたくなったので、この店に入る。
海鮮鍋を注文する際に、鍋に入れるセットの中から「血のゼリー」を除いてもらうことをお願いした。
タイでも血のゼリーはよくいろいろな食べ物に入っていて一般的だけど、私は苦手。
台湾ではコンビニのおでんにも入れたりしている。

台湾の鍋
[海鮮豆腐鍋]

鍋は一人サイズのアルミ製。
ガスや固形燃料ではなく、アルコールのようなものを使って鍋を温める。
もっとも、テーブルに運ばれてくる以前に、店の前の厨房でガスを使って加熱されてきているので、最初からグラグラと煮えたぎっていて、すぐに食べられる。
海鮮とは言うものの、魚介類はエビとイカ、あとは練り物くらい。
豚肉のスライスが何切れも入っているのは、血のゼリーの代わりとしてサービスで入れてくれたものだろう。
野菜も玉子も入っていて、バランスが良い。
タレは各自が好き勝手に調合できるようになっている。
台湾の人には「沙茶」と呼ばれるタレが人気のようで、スーパーなどでも瓶入りで売られている。
英語表記でバーベキュー・ソースなどともラベルに書かれているが、魚から作ってあるらしい。
私が調合したタレは黒酢をたっぷり入れたものとした。

タレ
[各自好みのタレを自分で調合]

ご飯は大きな炊飯器から各自勝手によそってくることになっているが、茶碗は紙製。
そして、サイズも小さい。
この折り紙のような茶碗にご飯を盛り、カレーをかけるのだから、ちょっと大変。
カレーはやたらと黄色い。
小麦粉がたっぷり入っているのか、どろりとしている。
なんとなく昭和初期の日本のカレーライスと言った感じ。
味の方は、なかなかスパイシーであったが、最近の日本のカレーとは使っているスパイスがの種類が違うのか、一味違っていた。
これはこれで美味しく、お代わりしたかったけれど、そうするととてもあとで小籠包が食べられなくなりそうなので自重する。

カレー
[このカレー、意外とおいしい]

鍋を食べた後のデザートもこの店は用意してあり、アイスクリームも勝手にスコップですくってコーンに盛り付けできる。
他のお客さんたちでアイスを食べている人はいなかったけれど、私はしっかり2スコップのアイスをいただいた。
タロイモ(むらさき芋かも)とミント。

アイスクリーム
[アイスを食べられて満足]

臭臭鍋の店を出た段階でもうこれ以上何かを食べようという気持ちはなくなっていた。
食べてみたいものはある。
さっきの小籠包だって食べてみたいけど、もう胃袋が限界を超えている。
台湾にも普通に入国できることがわかったし、また次の機会もあるだろう。
夜市を眺めるだけでも面白い。

三媽臭臭鍋
[三媽臭臭鍋]

永和豆漿がある。
永和豆漿は台湾のどの街にもあるようだけど、別にチェーン店のような感じではないようだ。
永和と言うのはたぶん台北近くの街の名前で、きっとそこは豆乳や中華スナックの美味しい店があって、みんなそれに倣って永和の屋号を出しているだけに過ぎないのではないかと推測している。
日本で言えば札幌ラーメンみたいなものかと思う。
ここは豆乳以外に饅頭や餃子などが食べられるので、私の好みの店ではあるけど、眺めるだけでパス。

永和豆漿
[永和豆漿]

法國麵包の屋台もある。
法國麵包とはフランスパンのことなのだろうけど、ただのバゲットを売るパン屋ではなく、ベトナム風のサンドウィッチ、バインミーを売る屋台のようである。
これも胃袋が許せば食べたいところ。
中壢のある桃園市は東南アジアからの出稼ぎ労働者の多い土地で、ベトナムやインドネシア、フィリピンにタイといった国々の人をよく見かける。
そうした人たち相手の屋台でもあるし、そうした人たちが持ち込んだ料理が、この土地に定着したのだともいえそうだ。

フランスパン
[バインミー]

各大夜市最好吃的美食と随分と自信たっぷりなコピーを付けた屋台がある。
「起司馬鈴薯」を食べさせる屋台で、日本語に訳せばチーズ・ポテト。
特大のコロッケのような揚げ物にチーズをたっぷりとかけたもので、この夜市の中だけでも他にも同じような店があった。
いままで食べたことがなく、きっと最近考案されたものなのだろうけど、もともとコロッケは好きなので、これもいつかは食べてみたいと思う。

チーズポテト
[コロッケは美味しそうだったけど、チーズはマヨネーズに似ていた]

屋台ではなく、ちゃんとした店構えの食堂だけれどオムライスの専門店があった。
凍みてくるよう日本の洋食屋の定番メニューであるオムライスも、台湾では蛋包飯と言って昔からよく見かけた。
韓国でも軽洋食の店で出されていて、きっと戦前の日本が置いていった洋食メニューの一つなんだろう。
臭臭鍋の店のカレーも日本の昔のカレーにそっくりだった。

オムライス
[小エビ入りのオムライス]

<hr>

12月21日 水曜日
部屋の窓から外を見るとどんよりと曇っていて、今にも雨が降りだしてきそう。
気温はそれほど低くないけれど、湿度が高いからなのか、浸みてくるような寒さを感じる。
台湾の冬らしいちょっと陰鬱な天気。

台湾の冬
[台湾らしい眺めだと思う]

バンコクへの飛行機は昼過ぎの出発なので、朝の街歩きをし、宿から少し行ったところに大きなハイパーマートがあるのを発見。
あとでもう一度立ち寄って、冷凍の餃子を仕入れていくことにする。

このDukeホテル、宿泊料には朝食も含まれている。
昨晩食べ過ぎたので朝になってもあんまり空腹を覚えないが、無料で食べさせてもらえるならやっぱり食べておきたい。
別棟の朝食会場には何組もの先客がいて、ちょっと労働者風の人が多く、身なりが良いとは言えない。
食べられるものは,おかゆとそのおかず類、トーストと言ったところ。
なにも豪華なものや珍しいものもないけれど美味しくいただく。
トースト用にはマーガリンとピーナッツバターが用意されている。
マーガリンは砂糖でも入れてあるのか少し甘く、またジャリジャリとした舌触りがする。
ピーナッツバターは好物なのだけど、こっちも少し甘い。
ピーナッツバターと言うより子供のころ食べたピーナッククリームのような食感であった。

朝がゆ
[美味しい]

朝食後、さっそくハイパーマートへ向かう。
巨大な売り場には、家電製品から食料品まで揃っている。
お目当ての冷凍餃子は、鍋貼という焼き餃子と水餃子のパックをそれぞれ一番安いものを探し出す。
どうせなら、ちょっと高くても美味しいものをと言った発想は私にはない。
少しでも安く、少しでもボリュームがあることが最優先事項。

店内はクリスマスよりも先、新年向けの装飾品を売るコーナーが目立っていた。
台湾の新年だから、旧暦の正月のことということになるので、随分と気の早いことだと思えてくる。
赤い色のオンパレードで、キンキンキラキラももある。
来年の干支であるウサギのデザインも多いけれど、私が気になったのはお札。
日本の千円札や韓国のウォン、アメリカドルのお札が印刷されて売られている。
紙銭として燃やし、冥土へ付け届けにするのかもしれないけれど、全くのコピーなので偽札ということにもなるだろう。
当然台湾のお札なんかも並んでいるけれど、台湾のお札にはサンプルと赤く刷り込まれていた。

正月飾り
[赤い色は縁起がいいのだろう]

ハイパーマートの駐車場わきで、なかなか可愛らしい壁に描かれた絵があった。
黒猫がスクーターのかごに乗っていたりする絵で、メルヘンチックでもある。

黒猫スクーター
[黒猫と言うだけで心惹かれる]

この絵が描かれている壁の建物の表に回り込んだところ、電動バイク用のバッテリースタンドであった。
バイク王国台湾では、バイクの電動化も進みだしているようでフードデリバリーのライダーたちがやって来てはバッテリーの交換をしていた。
車にしてもバイクにしても、バッテリーの充電には時間かかかる。
一回の充電で走行距離を伸ばそうとすれば、バッテリーの容量を増やさなくてはならないし、そうすれば重量もかさんでしまう。
効率を考えたら、このような交換スタンドを設置して、手軽に短時間でバッテリーの交換ができるのが良いはず。
いろいろとまだインフラの問題とかもあるだろうけど、とにかく始めなければ、時代に取り残されるだけ。
タイでの普及がどうなるかは別問題として、日本でも早くこのようなシステムを導入していくべきだと思う。

バッテリー交換スタンド
[無人のスタンドで、バッテリーはカセットになっている]

宿からバス乗り場へ向かって歩く途中で小雨になった。
傘をさすほどではないけれど、霧雨のような雨で、少しずつ濡れてくる。
来るときと逆のルートで空港へ向かう。
ごく短時間の台湾での滞在だったけれど、やっぱり台湾は面白い。

機+酒
[「機+酒」とは何だと思ったら、機は航空券、酒はホテルのことらしい]

台湾のテレビのニュースで、台湾の人たちの一人当たりのGDPは、日本人のそれを超えたそうだ。
台湾の人たちが、それだけ豊かになってきたのはうれしい反面、日本の停滞には情けない思いがする。

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