午前中にお母さんと100円ショップへ行く。売っているものがバラエティーに富んでいるので、お母さんとしては楽しいらしい。私などは○○を安く買うために100円ショップへ行くのに、お母さんの場合は、100円ショップで何か良さそうなものを探すことが目的なので、いったん入ってしまうと、やたらと時間がかかってしまう。それに、何を買うと言う対象がハッキリしていないから、すぐに「おとうさん、ねぇ、これ買ったほうがイイかなぁ」と聞いてくる。こちらは、そんなものあってもなくてもどうでも良いと思っているから、「えぇ、そんなのアンタが判断して、必要なら買えばイイだけじゃないよ」と答えると、その答えに対して、お母さんは不満なようで「絶対に必要と言うわけじゃないから聞いているんでしょ、ねぇ、買ったほうがイイかなぁ」と言われてしまう。そんな犬も食わないようなことを繰り返しながら、100円ショップには2時間も居坐ってしまった。御代は1890円也。
午後からは優泰の小学校で先生との保護者面談である。チェンマイにいるときは、毎度この面談が憂鬱であった。それは面談と言うより、問題があって親が呼び出されるような状況に近く、クラスないで優泰によって引き起こされたトラブルについて報告を受けて、こちらはひたすら頭を下げっぱなしと言う状態だったので、毎度悔し涙を隠しながらの面談であった。もちろん、非は優泰にあるようなことも多いが、中には教室で先生がちょっと注意してくれれば済むのではないかと言うことまで、英語で捲くし立てられていた。
そこへ行くと、日本の小学校の先生と言うのは、なんて優しいのであろうか。こちらが「優泰の事で、余計な手間をおかけしていると思います」と始めに詫びを言ったところ、「いいえ、そんなことありませんよ、優泰君もガンバッてやってますから」と先生が言ってくださる。性悪説の世界から性善説の世界へ180度回転した状況に、こちらとしては少し戸惑う。
まったく関係ないことではあるが、優泰の担任の先生と私は、実家がすぐ近くで、なんと同じ小学校に通った同窓生同士であった。まぁ、歳は私の方が大分上だろうから、学校で重なる時間があったかどうか判らないが、とても親近感を覚える。
夕方から川越へラビット・スクーターで出かける。川越へ出かける目的は、人から紹介を受けて、チェンマイで暮らしてみたいと言う人の相談にのって差し上げるためである。夕方の川越街道は渋滞して、1時間近くかかってしまった。川越の町と言うのも、駅前は区画整理が行き届きショッピング・センターなど大型の建物が林立しているのに、少し外れると、古い民家があったりして、如何にも地方都市と言った雰囲気がある。そんな川越の駅ビル内にある食堂でコーヒーを飲みながら、相手の方が抱いているチェンマイでの夢を伺った。すでにチェンマイへ行った事もあるそうで、むいろいろと良く調べられていた。なんでも、家庭菜園的な事をしたいそうなのだが、以前チェンマイへ行った時に、現地の日本人から3000坪の山林を格安の金額で賃貸してもらえると言う話があったとおっしゃられた。金額は本当にお話にならないくらいの金額で、私も耳を疑ったが、条件を伺うと、3000坪の山林を整地して、耕作することのだそうだ。それほどの広さへ重機を入れて、さらにトラクターなどで耕作するなど、家庭菜園の範囲を越えている。なんとなく、借主が整地し、耕作可能にしたところで、契約を破棄して、貸主が土地を取り戻すようなサギ的な行為にはまってしまうような予感もする。真実は判らないが、チェンマイのことだから用心するに越したことはない。
他にも、危険人物と相談すべき人物が入れ違っていたりして、やはりこの手の情報と言うのは、現地に身を置いてみないと判らないものなのだろうなぁと言うのが実感である。この方も、「良い話ばっかりしか聞こえて来ないものだから、、」とおっしゃられていたが、そんなことは無い事が少し理解いただけたようである。
帰宅は8時半となった。日のあるうちは暖かかったが、夜道をスーツ1つでスクーターで帰ってくるのは寒かった。就職して、給料が貰えるようになったら、コートをまず買いたいものだ。