就職活動を始めたと言っても、まだ履歴書も用意していない。先週の金曜日も会社説明会が終わった後に、「応募される方は履歴書と職務経歴書を置いて行ってください」と言われて慌ててしまった。就職先を探している者が履歴書1つ持たずに会社説明会に出かけていくなんて、なんて間が抜けているのだろう。多少反省して、朝から履歴書を作り始める。しかし、履歴書を書きながら、履歴書なんてモノは大して価値がないのではないだろうかと思えて来てしまう。昔、大学4年の時、その後就職して、永らく働かせてもらうことになった会社の採用試験を受ける際、第二次会社説明会と言うことで、説明会を聞きに行ったら、何の説明もなしにいきなりペーパーテストを受けさせられた。履歴書を求められるわけでもなく、大学名を書かされる事もなく、突然のテストであった。しかし、私はこのやり方にいたく感動した。出身大学でフルイにかけるのではなく、学生の本分であるところの学力(と言っても英語と一般常識)の測定で始めてもらえると言うのは、平等であり、無名大学でもチャンスがあり、良いことだと思った。その後、面接時に履歴書の提出を求められたが、それは形式的なものだったような気がする。 その後、ベンチャーへ転職するときも、採用が決定した時に「一応履歴書くらい出しといて」と言われたくらいである。
その履歴書も、午前中いっぱいかかったが書き終えられなかった。午後からはKツーリスト時代の支店長と新宿でお会いする。新宿支店でロングステイ関係の情報交換をし、その後駅ビル内のスターバックスに移って、最近のKツーリストの話題を伺う。つい10何年か前まであれほど元気で威勢の良かった会社が、話しを伺う限りでは、まったく萎んでしまったように感じられる。働くものの環境としても、以前とはまったく様変わりしてしまっている。
4時頃には帰宅したら、お母さんが「チェンマイから電話があって、ピョン子を見かけたんだって」と言ってきた。話を聞いてみると、K.K.トラベルの後任者であるジョン君が、今朝K.K.トラベルの裏にある空き地で、スズメたちと一緒にいるピョン子を見かけたのだと言う。しかし、近づいたところスズメたちが飛び立つのにつられて、ピョン子まで飛んで行ってしまったそうだ。しかし、バタバタと下手な飛び方をする姿はピョン子に間違いがなかったそうだ。
もし本当にピョン子だとすれば、外へ飛び出してから今日で5日目になるわけで、なんとか食べものを見つけるすべを覚えてくれたのかもしれない。それとも、あれだけ皮下脂肪を蓄えたデブ鳥だったので、5日間くらい食べなくても平気なのだろうか?いずれにしても、ピョン子だとすれば、生きていてくれただけでも、ものすごく嬉しい。
夜、外へ出たら、月が出ていた。満月ではないが、明るくキレイな月であった。私は月に向かって手を合わせ、ジョン君が見かけた鳥がピョン子であって、元気にしているようにと祈った。