1月26日 月曜日    天気は晴れ

 昨晩は遅くまでかかって先々週に依頼された原稿を書く。3千字ほどで「チェンマイのロングステイ最新事情」をと言う依頼であった。私の書くものであるから、文章は滅茶苦茶で、この公開日記と大して差がないレベルである。一応原稿の形態を取ったので、読み直しもしているが、若干アルコールも入っているのであやふやである。依頼主は海外ロングステイをサポートするクラブらしいのだが、ある人を通じての会報への原稿依頼であった。サポートするクラブと言うからには、「海外ロングステイの魅力溢れる毎日」のような内容を書くべきであっただろう。しかし、もともと辛口で辛らつな書き方しかしない私だから、原稿の方も決して「夢の膨らむチェンマイ・ライフ」ではなく、チェンマイではこんな問題、あんなトラブル、そんな不都合だってあるみたいなことを書き、それを回避するためには、どんなことをすれば良いだろうかと言った提案が中心である。
 私の感じるところ、日本で報道されているロングステイ先としてのチェンマイは過剰に演出され過ぎている気がする。住んでいる私でさえ、住みやすいと太鼓判を押せる土地柄ではあるが、しかし、外国であることに変わりはなく、外国に住むが上で避けられない不便や習慣の違いなど、住む人間側で解決しなくてはならない問題が沢山あるのである。私の結論としては、「チェンマイが日本人の生活の場として、ふさわしくなるように期待するよりも、住もうとする日本人側がよりチェンマイの町に溶け込めるように努力すべきではないか」と言った、「だからそれでどうなんだ」とクレームが殺到しそうな締めくくりとした。結局、読みなおしをして、ちょっとお説教臭く感じる部分が多かったので、多少タッチを変えた書き方で、同じテーマをもうひとつ原稿にまとめた。都合6千字ほどの原稿を書いてしまったことになる。
 なお、この会報への寄稿も「原稿料はないからね」と先に依頼主から言い渡されている。まぁ、万が一私が書いたものを読んで、それでもチェンマイが良さそうだと思ってくださる方がいらっしゃるとしたら、私としては嬉しいところだ。

 本日は、昨日手配したトレッキングに行かれるお客様を朝8時にホテルへお伺いしてお見送りする仕事から始まった。お客様は毎週2便飛来してくる韓国からのチャーター便の客室乗務員である。昨日未明にチェンマイ入りし、明日の晩のフライトまで時間があるので、チェンマイでのフリータイムにK.K.トラベルをご用命いただいたわけである。幸いにも、もう長いこと使っておらず錆付いているとは言え、私はかろうじて韓国語がわかる。チェンマイ市内でフリーのお客様を相手にした旅行会社で韓国語の分かるスタッフのいるところなど聞いたことがない。韓国人相手のツアー会社は沢山あるが、みんなこのチャーター便で来る団体のお客様専門で、これは日本人相手でも同じだが、フリー客相手の料金より数段高い。K.K.トラベルの生き残りの道は、このあたりにもあるのかもしれない。
 7時過ぎにはトレッキング・ツアーを催行するツアー会社と今日のツアーやお客様の性質について詳細な打ち合わせをしてから臨んでいるので、たぶんトレッキング・ガイドさんもシッカリやってくれるだろう。トレッキング・ガイドについては、昨日の予約時に、英語の上手な女性ガイドをつけるように指定をしておいた。なぜ女性かと言うと、お客様が韓国系航空会社の客室乗務員で、ほとんどが美人の若い女性である。失礼な話しながら、こうした美人ぞろいのグループに男性ガイドなど付けたりしたら、ロクな結果にならないことは、日頃の一般的タイ人男性を見ているので、火を見るより明らかだ。これまた幸い、アレンジされた女性ガイドはトレッキング・ガイドにありがちな野暮ったさもなく、なかなかセンスの良い美人であった。山まで運転をしていくドライバーなど、もうウキウキで気が上ずっているのが見て取れる。

 無事に一行を送り出し、K.K.トラベルに入って、雑事をこなす。飛行機の予約やメールの返事、来店される西洋人旅行者への案内など、机の上など整理しても整理しても、次々に依頼される手配や問い合わせでメモや書類で埋め尽くされてしまう。
 昨晩いただいたメールの中で、この春任期を終えて日本へ帰国される方からのものがあった。日本から派遣されて、当地の高等教育期間で日本語を教えられている方なのだが、文面にこの数年間の苦労は「どうして・・・」と言ったような内容が沢山書かれてあった。その一つ一つが、私も読んでいて「そう、そう」と頷いてしまうような内容ばかりである。この土地で、しかもタイの人たちの中で働くということは、日本人にとって相当にストレスのたまることなのである。日系企業などでならまだそれは軽減されるだろうが、自分(たち)以外が皆タイ人だと、ストレスを理解してくれる人もいない。しかし、これもこの人と同じで、だからタイやタイ人が嫌なのかと言うと、決してそんなことはないので、タイの人たちを「愛するべき存在」と感じているのである。数日中には、この人へも返信メールを出そうと考えているが、とても長い長文のメールをいただいてしまったので、心して臨まなくては、、。私の場合は長いとダラダラの長さになって空回り的で無意味なスパムメールになってしまいかねない。

 夜には、郊外にあるクム・カントークへ今朝のトレッキングのお客様をご案内する。これはガイドがついていないし、私はもともとこの手の施設でのサービスをあまり信用していないので、クム・カントークまで同行し、ディナーショーの間中立ちあわさせていただく。案の定、団体観光客でごった返す会場で、席への案内役が極端に不足している。スタッフは沢山いるのだが、ただ突っ立ているようなスタッフばかりで、まともに立ち働いているものがほとんどいない。やっぱり、付いて来て良かった。もし来なかったら、お客様たちも右往左往するところであった。席に着いてもらっても、まだ安心できない。ウエイターたちが団体観光客へ料理を運んだり、記念撮影のサービスが回ったりと、落ち着かず、飲み物の注文を取りに来ない。私が代わりに注文を取り、カウンターへ指示する。ビールはすべて小ビンで、シンハ、チャーン、ハイネケン、カールスバーグがあるそうだがいずれも150バーツだそうだ。
 9時にカントーク・ディナーショーは終わった。クム・カントークは設備が新しく、豪華な演出がされているが、料理は他のカントークと大差がない。そしてショーの方は、踊りと踊りとの間が長すぎたりするため、ちょっと退屈してしまう。9時半にホテルへ送り届けて、業務終了。本日は添乗員になったような気がした。


朝食

雑穀ご飯と暖めなおした春巻き。

昼食

五目野菜炒め。

夕食

小屋がけ食堂の五目野菜炒め、豆腐と野菜の炒め物、挽肉のバジル炒め。

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