小屋がけ食堂の娘さんを連れてチェンマイK.K.トラベルに行く。とりあえず私の秘書と言う仕事をしてもらうつもりでいるが、今日のところは見学をしてもらうつもりで、仕事は来週からとしてある。さて、チェンマイ大学出の実力はいかなるものだろうか?
本来なら、社会経験も無い娘さんなので、1から教えて行かなくてはならないのだろうが、私も出社早々から来客があって忙しい。何か指示を与えてやらせておきたいのだが、「何ならできるのか」が判らない。売れ筋の日帰り観光ツアーのパンフレットを渡して、内容を暗記するように指示するのが関の山であった。が、ちゃんと暗記してくれたかどうかは確認していないが、ものの3分ほどで、別のヨーロッパツアーの案内書を手にとって読み始めている。明らかに「あぁ退屈でつまんない」といった表情である。やはり社会経験が無いと言うことは、自分が何をしたら良いのか、指示されなければ気がつかないということなのだろう。ボーっとしていることが多いので、店の前に外国人客が立っていたら、すぐに店内へ誘導するように支持したが、カウンター席に就いたまま「ほら、お客さんが入ろうかどうか、店の前で思案してるよ」と声をかけないと、自分からはなかなか立ちあがらない。
結局、午後になって、「今日はもう帰ってもイイか」と聞いて来たので、帰宅させることにした。「月曜日からは、稼ぎ出す仕事をしてもらうからね」と念を押して帰宅させたが、さて、月曜日にちゃんと出社してくるだろうか。何とか社会人として育ててあげたい気持ちもあるが、今の仕事の上に教育係などもするとなると、負担が大きいなぁ。
午後からは本来の仕事に取り掛かれる。と言ってもなぜか知らないが、本日はタイ航空国内線のプロモーション航空券がヤタラと売れる。チェンマイ-バンコクが1504バーツと言う値段もあるし、日本から格安航空券などを利用される予定で、タイ国内の国内線航空券をお探しになられている日本在住の方からもメールで注文が入る。航空券関連の業務をしていたら、エジプト航空からのメッセージを発見した。それによると3月いっぱいでエジプト航空のバンコク-マニラ-東京線は運休するらしい。それほど好きな航空便ではなかったが、とても思いでの多い航空便であった。20年前にはじめてタイに来たときに乗ったのもエジプト航空であった。当時はまだ格安航空券など一般的ではなく、格安航空券情報など夕刊紙の隅に小さく聞いたことも無いような旅行社の広告に出ているだけであった。その中でバンコク行きはエジプト航空が特に安くて68000円、次にパキスタン航空が72000円、インド航空85000円だったと記憶している。日本航空やタイ航空など、今ならビジネスクラスに乗ってもお釣りが来るくらいの金額であった。当時の物価から見たら高かったのかもしれないが、他の国際線航空券があまりに高かったので、当時の私にはずいぶんと安い金額だなぁと感じたものである。
エジプト航空の撤退と反対に、中国東方航空が日本向けの格安航空券を発表していた。上海空港をハブとして、福島、岡山、鹿児島、長崎などの地方空港までカバーしている。料金も12500バーツと格安である。タイ航空や日系の航空会社は日本までダイレクトに飛ぶが、地方空港へのアクセスは悪いし、タイで買える日本の国内線の航空運賃は結構高い。今まではソウルをハブにした航空券が良く知られていたが、今後は上海をハブにした日本と東南アジアを結ぶ航空券が主流になるのではないかと予感させられる。取りあえずは至急にK.K.トラベルの日本語ホームページに情報をアップする。
夜、U先生のところへ中国行きの航空券をお届けする。8時過ぎにお伺いしたのだが、四方山話をしているうちに時刻は9時半を過ぎてしまった。U先生は山岳民の自立を助けるという目的を持って滞在されておられるので、最近増えているロングステイの人たちとは年齢こそ共通しているが、生活面では大きく異なる。そのU先生も最近のロングステイを取り巻き、暗躍する人たちや怪情報には、心を痛められていらした。諸問題の元凶には日本のマスコミ・メディアも大きく影響していると思われると言うことで意見の一致を見たが、もうチェンマイには一部の良心や、親切心とお節介だけでは、どうにもならないところまでロングステイ日本人を取り巻く環境は複雑化してしまっているように感じられる。最終的には、それぞれの人たちが、自立心と青年のような開拓精神を持っていただかないと、解決されないのではないだろうか?老後を過ごす先ではなく、これから人生を自分で切り開くのだと言う決意無しには、チェンマイ以外でもどこでも、外国で暮らすというの生やさしいものではないと感じている。