2月17日 火曜日    天気は晴れ 

 このところ、商売繁盛と言うか、大変忙しい。極端な薄利なので、採算が合っているのかどうか疑問が残るが、しかし、多くのお客さまに来ていただけていることは嬉しい事である。
 朝9時過ぎに昨晩ラオス旅行の相談を承ったイスラエル人カップルが来店され、ビザの手続きを行い、K.K.トラベルのスタッフにラオス航空の予約をとるよう指示したが、あいにく希望の便は満席でキャンセル待ちも入らないと言う。しかし、ここですんなりと諦めてしまっては、他社との差別化にならない。ちょうど、私が住んでいるナコンピンコンドの1階にラオス航空のオフィスがあり、そこの所長さんも同じアパートに住んでいるので、顔見知りである。ラオス航空のスタッフに事情を話して、キャンセル待ちに入れてもらう。そして、1時間後には予約OKの連絡を受ける。
 国営ラジオの番組もそうだが、国立ワタノータイパヤップの講師の職に在るというのは、色々な面でK.K.トラベルの業務に有利に働いているのかもしれない。番組を通じて「タロー」と言う名前のいい加減なタイ語と下手クソな英語をはなす日本人として地元のタイの人たちにも多少名前が知られてきたし、また、どこかでタイの人と話をしても、ワタノーで教えていると言うだけで、大きな信頼をしてもらえる。中には、自分もワタノー出身だとか、娘がワタノーに通っているなんて人も多いし、何か勘違いされていると思うのだが、子供をワタノーに入学させたいのだが、、なんて言われることがある。また、これ以外にも、タイに来てK.K.トラベルに入り浸るようになるまでの2年半ブラブラ、ダラダラしてきたが、その間、アパート周辺の人たちとも顔見知りになったし、みんな気安く「タロー、タロー」と声をかけてくれる。少なくともある程度の好感も持ってもらえているらしい。そんな訳で、ラオス航空にしても、ルアンプラバンへのボートにしても、日帰りの観光ツアーも、色々と無理な注文にも応えてもらえている。

 午後からはワタノー学校での授業。今学期に入ってからテストを実施してこなかったために生徒たちの緊張感が無くなりつつある。また、生徒間のレベルも大きく開いてきてしまった。まもなく、教えはじめて1年になろうとしているが、一体どれだけのことを教えられたのだろうか?週に1回の授業では心もとない限りである。再来週から学期末テストが始まり生徒たちも他の授業の試験対策で、日本語どころでは無くなってしまうのではないだろうか、、。このところ、K.K.トラベルの仕事で忙しくて、時間の都合が付き難くなっているが、来月の試験明けから始まる夏休み期間中の補講を希望者に対して実施したいので、授業期間の延長を学校側に申し出る。他の授業の多くも補講が組まれており、多くの生徒が夏休み中でも通常どおり登校してきている。なお、タイの夏休みは3月の上旬から、5月の中旬までと長い。

 旅行の仕事の話ばかりで恐縮だが、ここチェンマイでも、旅行代理店というのは、なかなか外国人旅行者に信用をされていないのだなぁと実感することがしばしばある。チェンマイからはプーケットへ飛行機で飛ばれようとするお客さまが多い。たいていは航空運賃を聞いて「なぜそんなに高いんだ」と愕然とされる。チェンマイからプーケットまでは、東京から沖縄くらいの距離もあるし、日本円にして15000円程度の航空運賃である。これを高いと感じてもらうか、安いと感じてもらうかは人それぞれの貨幣価値観がちがうので、なんとも言えないが、今日の夕方お見えになられたお客さまは、この金額を聞いて怒り出された。「どうして、おまえたちは二重価格なんだ」と言われる。タイでも外国人料金と言うものは確かにある。しかし、航空運賃に関しては、取りたてて外国人料金などはない。一部にタイ人向けに多少の割引精度はあるが、私は毛頭「二重価格」などで答えているつもりは無い。「おまえたちは一体いくら給料もらっているんだよ」と質問されたので、「スタッフは月に3000〜4000バーツ(約1万円)です」とお答えした。「それ見ろ、月給がそれっぽっちなのに、片道の飛行機代がそんなに高いはずないじゃないか、、、」と言われる。欧米の豊かな庶民と、タイの労働者を比較されても困るのだが、タイの庶民にとってはまだまだ飛行機は「高嶺の花」なのである。「信じらんない国だよ」と捨て台詞をはいて出て行かれた。
 でも、一部の富裕層と、富裕国からきた旅行者を乗せて飛んでいる航空会社だって、決してバカ高い運賃を設定しているとは思えない。最近チェンマイとバンコクの間などには、格安の航空会社も参入してきているが、航空機の運行経費から考えると、採算をドガエシしているのではないかとも見える。まぁ、そのあたりタクシン首相が株主のエアエイシアは何でも間でも安売りではなく、インターネットを活用して、早く買えば安く、間際なら高くと言うのを徹底してバランスを取っている。それに、飛行機のほとんどがアメリカ製なのだが、アメリカがタイのために特別に安く航空機を売っているとも聞いたことが無いし、産油国がタイのために特別安く航空機燃料を卸しているとも聞いたことは無い。安いのは一部の人件費くらいである。

 夜9時に業務が終わって、小屋がけ食堂のおばさんに娘さんの就職先に関して相談を受ける。たとえば日本語ができれば、多少なりとも日系の企業やホテルなどを紹介できそうなのだが、英語だけだと付加価値はそれほど高くない。が、おばさんがそれを承知で私に就職先を頼んでくると言うのは、K.K.トラベルでの就職を視野に入れているものと思われる。大学出たての未経験者であるし、有能無能を問わなければ、K.K.トラベルは人口密度がかなり高い。よほど有能でなければこれ以上の従業員を置くゆとりは無い。が、おばさんの立場もわかるので、私の仕事をサポートすると言うことで、私の売り上げた収益の一部で彼女の給料を出すような形で、経営者と交渉するしかないだろう。これならば、K.K.トラベルに人件費としての負担も無いはずである。もっとも、日本人の比率が5割を超える私の仕事で、彼女にどんなサポートをさせたら良いかは、私が考えなくてはならないし、業務教育もしなくてはならない。なんだかますます忙しくなってしまいそうである。

朝食

ご飯と白菜の味噌汁。

昼食

野菜炒めのせライス。

夕食

マーボー豆腐、ほうれん草とベーコンの炒め物。

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