ソンクランの水掛祭りが終わった。タイ正月の行事であるが、イメージとしては夏祭りである。しかし、日本の夏祭りならば、その祭りが終わると急に秋になってしまうような一抹の寂しさがあるものなのだろうが、チェンマイはまだまだ夏本番、だいたい秋なんてモノは何年待ったらやって来るのか知れない。
今年の水掛祭りはフライング気味で、開催日の数日前から始まっていた。そこで、昨日で祭りが終わったとは言え、今週いっぱいは興奮の冷めやらない人たちが水掛を続けるのではないかと危惧していたのだが、杞憂であったようで、今朝はもう堀沿いに水鉄砲や飲み物を売る店はきれいに消え去っていたし、日が高くなっても水掛の嬌声は聞こえてこなかった。唯一、暑さに耐え兼ねて堀に飛びこんでいる若者を数人見かけただけである。
ソンクランが終わってもK.K.トラベルへの来店客数はそれほど多くなっていない。チラホラ程度。そんな中でチェンマイ在住者ではなく、日本の若者の来店が相対的に高くなっている。彼らはバックパッカーと呼ばれる類の旅行形態をとられていて、原則として極力出費を押さえての滞在を志向されている。K.K.トラベルは旅行代理店なので、ツアーや切符類を売って何がしかの利益をあげている。この手の超節約型のお客様は、一般的に如何に安く1日を過ごすかが重要なので、日帰りトレッキングとか観光ツアーとは余り縁がないようである。では、何を目的にK.K.トラベルのカウンターを尋ねてくるかというと、やはり現地情報を求めてである。基本的には、こうしたお客様に対しても、なるべく良質な情報を提供していくように心がけている。一部の西洋人のバックパッカーのように手間のかかる調べ事を依頼している間にトイレを利用して、用事が済んだら「またね」と出ていってしまうタイプよりもずっと良い。しかも、日本の若い人はだいたい数日するとまた来店されてバンコク行きのツアーバスなどの切符を買ってくださったりする。
そんななかでも、今日はちょっとやりすぎてしまったかもしれない。先日サイモン・キャバレー・ショーの割引入場券を買ってくださった日本人旅行者の方が、チェンマイが気に入ったから、今日の午後のバンコク行きの飛行機の切符を変更したいと言ってこられた。飛行機の切符そのものはK.K.トラベルで購入されたものではなく、バンコクで買って来られたものである。しかし、切符の表書きを見ると「出発前3時間以内の予約変更は500バーツのペナルティー」と書きこまれている。現在の時刻を見るとその3時間を切っている。500バーツと言えば結構な大金である。急いでビートルに乗ってもらいタイ航空の支店へお連れして予約の変更をおこなった。その後も乗りかかった船で、結局2時間ほどかけていくつかの相談に乗らせていただいた。「チェンマイが好きになったから、もっと滞在したくなった」と言われたら、チェンマイを愛するものとして、放ってはおけないのである。
午後、K.K.トラベル裏のSKハウスと言うゲストハウスを見学する。K.K.トラベルとこの周辺のゲストハウスとの関係は必ずしも協力関係が成り立っているわけではない。各ゲストハウスとも旅行カウンターを持って、宿泊客を相手に商売をしている。そうした宿泊客をさらっていく旅行代理店などは、好ましい存在ではないだろう。しかも、旅行代理店の中には、宿泊客を斡旋するから、斡旋料を請求するところもあるようだ。
昨日も書いたが、周辺のゲストハウスの宿泊客の利用を増やすには、ゲストハウス側と良好な関係を保っておくことが必要だろう。そこで、SKゲストハウスを訪問し、ゲストハウスの内容を確認した上で、相互補完的な協力関係を模索した。はじめは、「また、斡旋料をせびりに来たか」みたいな目で見られてそっけない対応をされたが、趣旨を説明すると、理解を示してくれて、建物内を案内してくれた。中庭に小さいながらプールもあり、なかなか洒落たゲストハウスで、部屋の内容を別にすれば、ちょっとしたプチホテルのようであった。料金は200バーツから千バーツ近くまでと幅広かったが、住み心地は悪くなさそうであった。
ビートルを修理させるために修理工場へ持ちこんだ。壊れた部品は私がビートル・ショップであらかじめ購入しておいたものなので、なんと「工賃なんか要らないよ」と太っ腹なことを言ってくれる。実際には車体下の配線などビートルをジャッキアップして作業員2人がかりの作業であったのに。まったくありがたい話である。なお、ジャッキ・アップして車体下を確認すると後輪とギアボックスのジョイント部分を覆っているゴムが劣化している。ほとんど毎年のようにこのゴムを交換しているから、この部品の寿命は1年ほどなのかもしれない。まぁ、この1年間にずいぶんとビートルを酷使もしたのだが、、。