0月6日 水曜日    天気は晴れ 

 本日はお母さんの誕生日。そして私は荷造りに追われる。ひと箱に30キロくらいを目安にダンボール箱に詰めているが、9割以上がお母さんと優泰のものである。私のものなど衣類ですらほとんどない。そのわずかな私の所有物も「そんなの持って行くのぉ」と決別を迫られる。

 午前中、来客があったが、引越しの荷造りで室内がとんでもないことになっているため、部屋に上がってもらわず、アパート1階の簡易喫茶店でお会いする。お母さんは、同じアパート内の韓国人の部屋へ行ってしまっおり、私は優泰に留守番をしているように言付けて30分ほど部屋を留守にした。そして、部屋に戻ってみると、部屋の鍵がかかってしまっていて扉が開かない。ノックをしても反応が無い。どうしたことだろう。優泰はトイレにでも入って力んでいるのだろうか、、。そのうち、お母さんも帰ってきて「なんだぁ、お父さんもカギが無いのぉ」と言う。どうやら、優泰が留守番をせずに外出してしまったらしい。そして、生憎、私もお母さんもカギを持ち合わせていなかった。この忙しい時に、ロクなことをしてくれない。さらに、お母さんが言うのには、優泰はカギをお母さんのところへ届に来たらしいのだが、それは部屋のカギではなかったのだそうだ。
 結局、私はビートルに積んである工具を持ってきて、ドア・ノブごと壊して扉を開けることにした。もちろん、ドアノブはもう二度と使い物にならなくなり、新しくノブを買ってきて交換しなくてはならなくなってしまった。この交換作業のために、また時間がかかってしまった。

 本当は、お母さんの誕生日をチェンマイ近郊にあるスアンブアリゾートにでも泊りがけで行って祝ってあげたいところなのだが、朝からのバタバタでとても時間を裂けそうに無い。荷物の集荷は明後日の午後3時の予定である。タイを去る前にちょっと気の利いたリゾートへでも行きたいと思っていたのに、、。日本に帰ったら、質素な温泉旅館に家族3人で一泊旅行に出かけたりすれば、最低でも5万円は覚悟しなくてはならないだろう。いや、近所のファミリーレストランで夕食を3人で食べるよりも、チェンマイのリゾートに一泊するほうが安いのだから、この最後の特典を活かしたかった。

 さて、そろそろ小鳥のピョンの検疫手続き書類もできあがっている頃だろうと、動物検疫事務所へ行ってみた。担当の係官が、書類を調べてくれると、検疫に合格したと言う連絡がファックスで届いていた。これで検疫済み証明と動物携帯出国許可証を発行できると言う。しかし、今日は所長がいないので、サインがもらえない。明日の朝もう一度出直してくるようにと言われる。が、これでどうにか間に合いそうである。

 お母さんの誕生日はささやかにレモンツリーで夕食を食べることとなった。しかも、これと言った特別メニューを注文することなく、いつものメニューでバースデーケーキも無しである。ところで、お母さんはいったい何歳になったのだろうか?

 我が家とは直接関係の無いことながら、私と同じフロアーである西洋人男性の住む部屋に今朝から沢山の警察官が立ち入っていた。そして、部屋の中のものをことごとく押収していった。この男性は、以前から女性を部屋に連れ込んでは、いかがわしい行為をしていたことで評判だったのだが、アパートの警備員の話によると、ある少女を連れ込んだ後、トラブルが発生したようで、少女の親から警察へ訴えられての騒ぎだったそうだ。それにしても、どうしてこうも物々しく警察官が来て、物品の押収までしていくのだろうか?変質的趣味だったのだろうか?

 

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