チェンライ2泊3日ツアーに添乗する。と言っても添乗員として同行するのは今日と明日の2日間だけで、明日の夕方にはお客さまを残して一人チェンマイへ戻ることになっている。
朝一番にお客さまをホテルへお迎えして、あちこちを見学しながらチェンライへ入る予定であったのだが、予定が変わって、チェンマイを出発するのが午後からになってしまった。その間にドイステープやウィアンクンカム遺跡などをご案内する。通常はウィアンクンカム遺跡をサムローと言う輪タクで回るのだが、今回は花馬車で回ることとなった。田園地帯をのんびりと花馬車に揺られると言うのも悪くないが、観光コースは人力の輪タクよりも短いのか、遺跡などを4箇所ほど回っただけであった。それと御者も若く、遺跡の説明などは得意ではないようで、やはりサムローがここの遺跡見物には最適だったかもしれない。
昼食に、ピン川沿いのソバ屋に寄る。最近は毎日K.K.トラベルで昼食を食べてしまっているために、このソバ屋に入ったのはものすごく久しぶりな気がする。K.K.トラベルに入り浸って失ったものは自由な時間の他に、このワンタンメンを挙げることができるだろう。ひさびさのワンタンメンはとても美味しかった。また、かにチャーハンも絶品であった。いい気になってちょっと食べ過ぎ、満腹になると眠くなってしまうので注意をしていたのだが、ちょっと遅かったようだ。
午後2時半になってようやくチェンマイを出発してチェンライに向かい始めた。今回の旅行の目的は観光もあるが、メーサイから一旦出国して、タイのビザ(観光60日)をクリアすることも目的のひとつであった。そのため、ハイウェイに乗ってしばらくしてからお客さまのパスポートの確認を始めた。そうしたら、お1人のパスポートに問題が見つかった。トリプルの観光ビザを取得されていらしていながら、入国時の滞在期限に30日分のスタンプを押されていたのである。パスポート上ではオーバーステイが2週間以上になっていて、このままメーサイから出国しようとしたら問題になることは明らかである。今年になってこのトラブルに遭遇したのが3回目である。しかも昨晩NHKの海外安全情報で「タイでは入国スタンプの押し間違えが頻発しており、知らずに出国しようとして多額の罰金を納めることになった」事例の報道があった矢先である。すでに、なんどもこの手の経験をしているので、事前にイネグレーションへ出頭して事情説明をしておけば問題無いのだが、今回はメーサイでの出国である。イミグレーションの管轄も違うだろうし、罰金くらい取られてしまうかもしれない。そこで、急いでチェンマイへ引き返し、空港のイミグレーションへ出頭、事情説明をして、滞在期限の修正をしてもらう。
チェンライへの街道筋、メーカチャンの村手前にある温泉の湧く休憩所で一休みする。お客さまが缶ビールを買われようとしていたのだが、店の女主人が言う金額が「1缶50バーツ」だと言う。市価よりも5割くらい高い。観光客相手の商売と言えども、ちょっと度が超えている。「高すぎるよそれは」と抗議すると「値上がりしたんだよ、でも5缶なら240バーツでイイよ」などと言う物だから、お客さまを促がして、別の店に入ることにした。そちらはテーブルについて座って飲めるような施設になっている。缶ビールも35バーツと良心的。しかも温泉卵を食べるために皿まで借りられたし、小さなバナナまでサービスしてくれた。そして何も買わない私にまでアイスティーを振舞ってくれた。
チェンライの町についたのは6時になっていた。宿泊いただくリムコック・リゾートはやたらと広い敷地に、行く棟もの宿泊棟が連なった構造で、私のお客さまたちの部屋は敷地の一番外れに近いところで、フロントからだいぶ歩かなくてはならなかった。立地はチェンライ市内とメーコック川を挟んで数キロと離れているが、市内にある中級ホテルよりもムードもリゾート感覚で結構である。ヨーロッパからの団体観光客が沢山宿泊していた。
夜遅く、チェンライ市内でPさんに会う。本来明日チェンマイへ来られて夕食でもと言う事になっていたのだが、Pさんはバンコクからチェンライへついて直ぐに体調を崩されてしまったそうで、チェンマイへは立ち寄らずまっすぐバンコクへ帰られることにされたそうである。
お客さまの泊まりはリゾートだが、私は市内の韓国旅館。しかも、個室は満室と言うことで、ドミトリーと呼ばれる大部屋である。1泊が50バーツだから、横になれるだけでその価値は十分あり、外から鳴り響いてくる韓国カラオケくらいは諦めなくてはならないだろう。