10月31日 水曜日
先日の学校で担任の先生に申し入れた通り、今日から1週間お母さんが授業に同席させてもらう事になった。出かける支度のためお母さんはいつもより1時間早く起きて、髪を洗ったり、バタバタと動き回っている。優泰の素行を改めさせるためにお母さんが学校へ行くのだが、優泰本人はお母さんが学校に来てくれると喜びはしゃいでいる。私としては授業中の優泰がお母さんを気にして授業がそぞろになるのではとちょっと心配もしている。
学校にお母さんと優泰を送り届けて、朝食の皿を洗っていると東京から電話が入り、長々と仕事上の相談や確認事項の依頼を受ける。会社から離れたはずなのに、我ながら金も貰わずよくまぁやるよと感じながら、日本へ何度か電話を入れる。といっても、一般の国際電話代はべらぼうに高く、私には手に負えないので、PCを使ったインターネット電話のNet2Phoneを利用する。これなら電話代もたいした事はないのだが、音質はとても悪く、ちょっと込み入った話をするとストレスを感じる。会社の電話サービスが停止しなければ、電話なんかで気を使わなくても言いのだが、、。しかし、会社のサービスが停止している事で、やはり関係各方面へ支障が出ているようで、相談事の内容も深刻な事ばかりだ。すごく疲れた。
旅行会社から電話が入り、来月の東京行きの切符だが、キャセイ航空の運賃が値上げになるそうだ。しかし、「今日中に発券すれば現行運賃で済むが、どうするか」と言う。もちろん、来月東京へは行かなくてはならないし、値上げされては困るので、今日中に切符を取りに行くと約束する。
昼にはスパゲティを茹で日本で買った粉末のバジリコミックスを和えて食べる。日本でなら粉チーズとタバスコをたっぷり振りかけて食べるところだが、持ち合わせていない。チェンマイでもスーパーで売っているのだが、いずれも輸入品であり、値段そのものは日本と大差ない。しかし、タイの物価から見るとやたらと高く思えるので、毎度「欲しいな」と思っても、「でも高いや」と躊躇してしまっている。
午後、優泰とお母さんを学校へ迎えに行き、アパートに戻ったところで、私は自転車に乗り換えて旅行会社へ行く。キャセイ航空は値上げされるが、ノースウエスト航空は大幅に値下げになって10,700バーツだから、ノースウエストにしないか?と言われる。確かに安いが、今回はタイへ戻る際に東京のオフクロ様を連れてくる事になっており、その切符代は既に払込済みである。せっかくの提案だが見送らせてもらう。また、お母さんが12月に姪の結婚式があるので、そのための韓国までの航空券も予約する。金額は17,000バーツ近くと、ずいぶんな金額だが、し方あるまい。旅行会社の担当にタイ国内の航空運賃を半額くらいになるよう交渉して欲しいと依頼した。ここの旅行会社は結構タイ航空に強いので、何とかしてくれるかもしれない。
アパートへ戻ると、お母さんが買い物に行かなくてはならないという。買うものは玉子だという。ならばタニン市場へ行って晩の惣菜も併せて買ってくることとする。ビートルに3人で乗りこんで向かったが、お母さんは市場の匂いに弱いので市場の外で優泰と待つ事となり、私がひとりで市場内の総菜屋を巡ってグリーンカレー、野菜のかき揚風、白菜とひき肉のスープ、空芯菜の炒め物などを買ってくる。
夕食時に優泰分としてよそったスープや炒め物を優泰はなかなか食べようとせず、ご飯にフリカケをかけて食べている。私が「ご飯と一緒におかずもちゃんと食べるように」と注意をしても返事だけは「はい」と答えるが、答えたそばならフリカケご飯を食べつづけている。どうも最近優泰は反抗期らしく、私と約束した事や言い付けをことごとく無視する。そして、そのことを注意すると「でもぉ」とか「だってぇ」とか言って、黙り込み、お母さんの方をチョロチョロ横目で見て、時間が過ぎるのを待っているようだ。最近言いつけて無視されたこととは「おもちゃの入ったお菓子を買わない」「ちゃんとうがいをする」「チョコレート味のコーフレークばかり食べない」「お話している人の目を見る」などで、まぁ大した事ではないのだが、それでも毎度となると少々ウンザリする。
今晩も空には熱気球のカトンが沢山浮かんでいる。私はベランダをローソクでライティングして部屋の中でロイカトンを楽しむ。そしてついでにタイ製の清酒「忍」も楽しむ。
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