7月19日 金曜日 天気は曇り
今朝の運動も快調であった。昨夜ちょっと飲みすぎた感じは残っていたのだが、タニン市場まで走って往復し、汗びっしょりになってシャワーを浴びたらば、残留アルコールは全て燃焼しきってしまったようだ。
メールを開くと、チェンダーオのTさんから、「ドブロクの出来がイイから飲みに来ないか」とお誘いのメールが入っている。お母さんもいないし、こりゃ泊りがけで飲みに行くしかない。早速Tさんに電話を入れて午後から伺いたい旨を伝える。バスに乗ってチェンダオに着いたらば、また電話して欲しいと言う。Tさんの息子さんH君は優泰と同じ日本人補習校の1年生で、明日は補習校の夏季補講があってH君を補習校まで送るついでに、私をチェンマイまで送ってくれるとも言ってくれた。今晩は久々に美味しいお酒が飲めそうだ。
さて、お母さんの具合だが、韓国の病院で診察してもらったが、こちらでおこなった手術には特に問題はないとの結論であった。ただし、傷口がまだ腫れており、治りにくくなっていると言う。やはり、手術の問題ではなくお母さんの体質の問題であったようだ。それでも、お母さんは今日もまた別の病院へ行って診察してもらうそうだ、、。なんとなく同じ結果がでそうな気もするが、本人が納得するまでやらせておかないと、後で私のせいにされかねない。
午後1時発のバスに乗り込んだ。運良くエアコン付きのバスである。普通車に比べて運賃は2割ほど高いが、それでもたったの35バーツである。チェンダオまで70キロもあってこの値段だから、まったくタイのローカルバスの運賃は安いものだ。ビートルで行ったらガソリン代だけで100バーツくらいかかる。
バスの乗客たちが喋っている言葉はタイ語ではなかった。なんとなく中国の方言のようにも聞こえるが、どうやら少数民族の人たちと乗り合わせたらしい。彼らは民俗衣装を着ていれば、「あぁ少数民俗の人だなぁ」とすぐわかるのだが、車内の彼らの出で立ちはジャージ姿である。タイの田舎の人たちと同じ格好をしているから、聞きなれない言葉をしゃべられると違和感がある。それにしても、ジャージと言うのは、中学校のグランドで着ているのを見かけるのと、こうして町で見かけるのとでは、印象がかなり違う。日本でもそうだが、こうしてジャージ姿で外出している人は、やたらと農家のおじさん、おばさん臭く見える。
チェンマイ郊外をバスは北上していくが、エアコンが適度に効くし、適度な揺れもあるしで、ついウトウトと居眠りをしてしまった。気が付くとメーテンに差し掛かっていた。このあたりは水田が広がり、あちこちで田植えをしている姿を見かける。トラクターはタイの農村にもかなり普及しているはずだが、自動田植え機はまだそれほど普及していないのか、ひとつの田んぼに7、8人が腰を曲げて田植えをしていた。日本ではなかなか見られない光景だから、この季節に「田植え見学ツアー」なんか組んでも面白いかもしれない。
Tさんの家は大きな二階家であった。傾斜地に建てられているので、正面玄関は2階にあった。各部屋も大きいし、天井も高い。そのまま温泉旅館に使えそうな感じである。聞けば大きな浴槽も作ったのだそうだが、うまくお湯を暖められず、今のところまでお風呂には入れていないそうだ。200坪はありそうな庭には、日本から連れてきたと言う老犬と10羽以上の鶏が遊んでいた。花壇は現在未だ整備中との事であったが、果物の木は沢山あり、まるで果樹園である。バナナ、竜眼、パパイヤなど、特に竜眼は最盛期との事で、枝には竜眼のピンポン球のような実が鈴なりになっていた。さらに、傾斜地なので、視界をさえぎるものがなく、2階のテラスのロッキングチェアに腰掛けると、真正面にドイ・チェンダーオ山の雲をいただいた勇姿がそびえ、この山麓に向かって広々とした田んぼが広がっていると言う絶景である。Tさん曰く、「ここで夕日を眺めながら晩酌したら、ツマミなんて入らないよ」との事であった。
Tさんはアウトドアライフが趣味だそうで、今晩は2階のテラスでバーベキューをしてくれるという。バーベキューも本格的である。まず、鶏肉は庭で調達。庭を駆け回っている鶏で逃げ遅れた1羽が絞められた。丁寧に毛抜きをして、さばいてくれた。本来手伝うべきところ、私には手におえず、食卓でビールを飲まさせてもらった。さすがに豚は自家調達とはいかず、買ってくるのだが、ロースとか三枚肉とかではない。豚の舌である。人の手のひらほどの豚の舌。天然もののナマズも加わる。タイでも天然もののナマズは少なくなっているそうだ。焼くのは当然炭火である。
いやはやさすがアウトドア仕込みのTさんはやることが違う。
さて、ドブロクであるが、なるほどイイ出来である。シャンパンのように発泡しているものもあれば、既に発酵が完了し、上澄みは清酒のように透明になっているものもある。いずれも適度な酸味もあり美味しい。発泡しているものは、舌先に微かな刺激がある。透明なものは韓国は慶州名物の法酒に似た味で、コクがある。
バーベキューの方だが、鶏肉はやはり庭を駆け回っていただけあり、肉付はそれほどでもないが、良くしまっており、鶏肉とは思えないほどの硬さと弾力があった。豚の舌は牛タンとはといかないが、それでもサクサクとした歯ざわりがあった。これもやはりレモンを絞って、塩で食べたら絶品だったかもしれない。野菜ではタマネギおが美味しかった。焼け具合が良かったのか、甘味があって美味しかった。
チェンダオはしばしば停電が起こるそうで、今晩も2度ほど停電してしまった。ロウソクを点けてビールの飲みなおしをした。まったく、Tさんにはご馳走になりっぱなしになってしまった。Tさんの息子のH君は優泰も遊びに来るかと思って楽しみにしてくれていたようだが、来たのが酔っ払いの私一人でガッカリさせてしまった。
朝食
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パートンコーと豆乳。 |
昼食
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小屋がけ食堂でパッタイ(タイ式やきそば)を食べる。 |
夕食
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チェンダオのTさん宅でバーベキューをご馳走になる。 |
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