１１月１２日　火曜日 　　　天気は快晴れ

　朝一番に、パソコンの修理をできるところまでやったと言うことを、持ち主のところへ報告に行く。液晶についてはあきらめて、新たにモニターを取り付けるべきだと言う私の提案で納得してくれて、明日にでも私が中古のモニターを買って来て取り付けることとなさった。こうして話しているうちに、この部屋の斜め向かいに済む７０才前後と思われる日本人が訪ねてきて、自分もパソコンを持っているから、設定してほしいという。これも明日の午後に時間を見て伺うことにする。すべてボランティアと言うか無償奉仕であるが、ずいぶんと忙しくなってきた。寝不足でとても眠い。

　 Ｈ氏がドイステープ寺院へ参拝したいと言うので、午前中にドイステープへ登ってみる。前回のＣＭ撮影に際して撮影初日に雨にたたられ、「明日は雨が降らないように」と願をかけに行って、お坊さんに願掛けの糸(サーイシン)を結んでもらったのが、これがやたらと御利益があって、雨季の待った只中にもかかわらず、翌日はからりと晴れ上がり、無事に撮影が完了したのである。そこで、今後もＣＭの発注が受けられるようにと願をかけにドイステープへ行きたいと言うのである。

　長い登山道を登り、ドイステープに到着。早速サーイシンを結んでくれるお坊さんを探したが見当たらない。では、先にお花を添えて蝋燭を灯そうと言うことにして、お坊さんが戻ってくるのを待つ。前回もやったことなのだが、ドイステープの境内には１２支をあしらったレリーフがあり、そこへ善男善女が自分の干支のところに金箔を貼って願をかけると言った習慣がある。が、タイの場合は１２支以外に「ゾウ」も加わっており、レリーフには、子、牛、寅、卯、龍、巳、午、羊、申、酉、戌、ゾウ、亥となっている。つまり１３支で、我々はゾウに願をかけた。しかし、遊び心が旺盛なＨ氏は金箔を貼るなどと言う事では満足できず、１バーツコインを蝋燭のロウを溶かしてゾウに貼りつけると言うことで願をかけた。

　蝋燭遊びに飽きた頃にお坊さんは戻ってきて、我々の頭上に聖水を振り掛けて願をかけてくれて、サーイシンを結んでくれた。しかし、このお坊さんは、糸を二本束ねて手首に片結びで結んでくれた。しかし、結び目の整形をしてくれず、結び目があまり綺麗ではない。ひょっとして、ここのお坊さんは、それぞれノルマがあって、サーイシンの糸を何本結んでやらなくてはならないと言ったものがあって、それで二本も束ねて結んだのではないかと信心深くない私は疑ってしまった。まぁ、そのな街頭の広告ティシュ配りじゃないだろうから、そんな理由で二本結びをしてくれたわけではないだろうが、、。
　この神聖なドイステープに、昨晩の海鮮料理屋で見かけた「弁当持ち」日本人観光客が集団で来ていた。まったく、場所柄もわきまえずに、女性を集団で朝から連れまわしているなど、まったく罰当たりな連中だとＨ氏とまたささやき合う。

　空港前の管制官食堂で昼食をともにした後、Ｈ氏は２時過ぎの飛行機でバンコクへ向かった。これから東北タイのスリンへゾウ祭りを見学に行くのだそうだ。今回もＨ氏には色々とご馳走になってしまった。まったく、話は面白いし愉快な人であった。

　夜、８時にＩさんがオーキッドホテルに到着。Ｉさんと言うのは９月末に日本からの団体旅行でチェンマイの生活を下見に来て、私が案内の手伝いをしたものである。その時の依頼でナコンピンコンドで賃貸物件を紹介し、１５日から入居することになっている。私の方でも、今日の午後に入居予定の部屋の内装工事が完了しているかを確認したり、カギを預かったりしておいた。オーキッドホテルへＩさんを迎え、そのままナコンピンコンドーの部屋へ案内する。内装だけではなく、家具類まですべて新しいものが入っており、Ｉさんも満足げである。
　夕食をまだ食べていないので、付き合ってほしいという。私はすでに夕食を済ませた後で、とても食べられないがビールだけでもと言う誘いに乗って食事に出ることにした。「近くで、なんか中華みたいのが食べたいなぁ」と言うので、「餃子なら美味いところがありますよ」と言ったが、「餃子じゃなくて、もうちょっとまともな中華がイイよ」と言うので、オーキッドホテルの中華に入ることにした。ここはちょっと高いけど、日本の皇室を始め世界のＶＩＰが利用するレストランだから「まともな中華」が食べられる。が、Ｉさんが食べたいのはチャーハンだそうで、Ｉさんは酒も飲まない。高級レストランでチャーハンだけと言うのでは、ちょっと恥ずかしいので、コーンスープと野菜炒めも注文してもらい、食事を食べてもらいながら、今後の生活とその準備に関してレクチャーを行う。これも私の無償奉仕であるが、今後、私に頼み事をする時には、ビール持参で用事を言いつけることと言うことで合意する。今晩も早速ビールをご馳走になる。また、手土産に「銘菓ひよこサブレ」をいただく。

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