7月12日 土曜日    天気は曇り 4時前に大雨

 午前中の補習校で、久々に「修繕係り」としての役割が回ってきた。職員室の引き戸にカギをつけるという作業である。補習校は週に一度、土曜日にしか開校しない。それ以外の曜日は無人となってしまうのだが、それでもビルの管理会社から掃除が入る。従来はさて問題視もしてこなかったが、この清掃作業後に、ドアなどの施錠をしっかりしないで清掃係りが帰ってしまうと言うことがしばしば発生している。最近は職員室にもパソコンセットがあったりして、盗難の心配も出てきたので、この際職員室には授業日以外は施錠をして、人が中に入れないようにし、職員室の清掃は自分たちで行うと言うことになったそうだ。
 職員室の引き戸はガラスサッシになっており、内側からはロックできても、外からカギをかけるということができない。そこで、引き手の部分をカギつきの部品に交換してしまおうと考えた。たぶん建具屋かかぎ屋さんを探せば見つかるであろう。補習校を出て、歩きながらサンパコイ通りの道具屋街へ向かう。サンパコイまでは住宅地の中の道を行くのだが、まだまだ緑も多く残っていて良い環境の場所である。途中にイスラム教の学校とイスラム寺院があり、その関係でか、頭にベールを被った女性が多い。店で商売をしている女性も、バイクに乗っている女性も、立ち話をしている女性もみんな髪を隠している。チェンマイでもちょっと異質な空間のように感じる。しかし、男性はイスラム帽を被っている人の姿をあまり見かけない。なお、タイにもイスラム教徒は多くて、特に南部タイへ行くと、イスラム教徒が多数を占めて、イスラム圏のようになり、タイにあって完全に異次元空間なのだが、ここのイスラムコミュニティーは南部タイの様にマレー系の人が多いわけではなく、見た目は一般の中国系タイ人が圧倒的に多数を占めているようだ。

 カギつきの引き手は簡単に見つかった。代金は150バーツ。そのくらいするものなのだろうか、、安直なものだが、使用には耐えられそうだ。それに、カギばかり丈夫なものを取り付けても、もともとガラスなので、泥棒目的で侵入して来た場合には、カギの有無など何の防衛にもならないであろう。むしろ、このカギは「出来心」を惹起させないためのものとしての意味がある。取り付けも簡単でドライバーで2本のネジをはずして、引き手を交換するだけである。

 午後から、一緒にラジオ番組を担当しているジュンさんの店へ行く。先日旅行会社を立ち上げたばかりで、ウェブページが欲しいから手伝って欲しいとの依頼であった。お金を払うからという申し出ではなかったが、まぁラジオ番組での仲間だし、この辺で恩を売っておく(そんな感覚がタイで通用するか疑問だが)と言うのも悪くなさそうなので引き受ける。が、ジュンさんは旅行会社も素人ならば、ウェブに関しても完全に素人である。まず、ページを作るための素材が何も用意されていない。デジタルデータ化されたものなど何もなく、会社のロゴなども名刺に刷り込んだものしかないと言う。それにスキャナーもないのである。資料となるデータ類も他社からの借用データの紙コピーである。完全に頭を抱えてしまい、こりゃ大仕事だと思った。まずはロゴからでもテジタルデータ化しようと、ペイントでロゴの作成に取り掛かる。タイ語のOSのために実に使いづらい。が、そんなことはジュンさんお構いなし出ある。どうやら、ウェブページなど、コンピューターが作るのだから、あっという間に出来上がると勘違いしているようだ。あとどのくらいで仕上がるかと言う質問を私はロゴの作成のことかと思って、「あと1時間位かな」と答えたら、「じゃ、今晩には私のホームページをオープンできる」と喜んでいる。それは誤解で、できるのはロゴだけで、ページなどに取り掛かれるのは資料がぜんぶそろと喜んでいる。それは誤解で、できるのはロゴだけで、ページなどに取り掛かれるのは資料がぜんぶそろってからだから、「あと、最低でも40時間の作業が必要」と説明。が、これについても、私は旅行会社として最低のコンテンツで作成した場合のことを仮定しただけなのに、ご本人は北タイ中の旅行情報を満載したいと意気込んでいる。おめでたいと言うか、そんなことをしたら、毎日のようにコンテンツ情報のアップデートをしなくてはならなくなるだろう。まぁ、その辺の誤解はそのうちに解けていくことだろう。

 夕方の飛行機にて八王子の多摩クラシックモーターサイクルクラブ会長のアチャオ氏が奥さんと一緒に来チェンされる。宿泊先のホテルへ回って、夫妻が到着するのを待ち、夕食を郊外にある巨大スーパー裏にあるスクーターハウスというタイ式居酒屋へ食べに行く。この居酒屋は名前のとおり古いスクーターをオブジェとして多数店内に飾ってある。保存状態は必ずしも良好とはいえないが、珍しいものもある。スクーターだけではなく、オートバイも展示されているし、店の外には古い四輪車も展示されていて、それらは売り物でもあるらしく、雰囲気としては中古車屋を居酒屋にしたような店であった。
 タイの居酒屋に共通するのだが、生バンドが入って大音量で演奏している。アチャオ氏は騒がしい環境があまり好きではなく、バンドやスピーカーから一番遠い2階の奥の席に陣取った。料理をかなりの数注文し、ビールも空き瓶を何本も並べて飲み食いした。奥さんはタイ料理の辛さに途中からもがき始めたようで、なるべく辛くない料理を注文して食べてもらったが、タイ料理の辛味は酸味とあいまって、舌に残る粘着性の強い辛さである。口の中を中和しようと辛くない料理やビールを飲んでも、舌の表面がすでに唐辛子エキスでコーティングされいるから、辛さは消えないのである。解決策は、毎食辛いものを食べて、辛さに慣れるしかない。
 この居酒屋はチェンマイ・ビジネスパークという、たぶん企業団地でも誘致しようとして失敗したような造成地にある。周りは荒地ばかりだが、湿地も残り、湿地を見ると一匹だけホテルが飛んでいた。しかし、こんな土地にあって、吹きさらしの店内の照明に虫が集まってこないところを見ると、相当に防虫剤を撒いているのだろう。10時半にお開きとして、市内へ引き上げようとしたが、乗合のピックアップトラックや三輪タクシーがまるで走っておらず、帰り着くのにかなり苦労をした。挙句の果ては巨大スーパーから出てきた車をヒッハイクして大きな交差点まで送ってもらってなんとか帰りつけたのである。

朝食
ご飯と炒り玉子、味噌汁。
昼食
昨夜のカレーライス。
夕食
スクーターハウスにて、海産物のヤム、トムヤムクン、空芯菜フライのヤム、サヨテ青菜の炒めもの、空心菜炒め、豚挽き肉餡かけのクオッティオうどん、タイ式卵焼き、海老コロッケ風トートマンクン。

 

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