9月11日 火曜日
バタバタの1日が始まってしまった。
5時過ぎにはお母さんが起きだし、朝ご飯と優泰の弁当の用意をする。今日から通うインターナショナルスクールは学食があり、小学生でも好きなものを買い食いできるようになっているが、ひとりで買い物をした事も、そもそもお金と言うものがどんなものかも良く分かっていない優泰に、買い食いさせるのは不安なので、弁当を持たせることにしたのだが、、。
7時20分には家族3人でビートルに乗りこみ、いざ学校へ。この時間は通学ラッシュに当たっており、道は中学生くらいから専門学校生くらいまでの学生達が乗ったモーターバイクで埋まっている。ピックアップトラックの荷台にも小学生達を満載している。そして、メーピン川にかかるラーマ四世橋を渡るあたりから、子供達の送迎渋滞にぶつかってしまった。インターナショナルスクールの隣には、プリンスロイヤル学校と言う私立学校があり、生徒数が6千人もいるという。インターナショナルスクールもそうだが、ほとんどの子供達が、車で送ってもらうため、その車はおびただしい数になる。そして学校の入り口につながる道はその辺の住宅街にあるのと同じ、幅4メートルほどの狭い道である。チェンマイのような古い街に交通渋滞は本当に似つかわしくないが、このビートルも道を埋めている一台であるのも事実となってしまった。
時刻ぎりぎりに校門をくぐり、ミセスレイク先生に会い、今日はミセススパンポーンさんが案内してくれるという。スパンポーンさんよりいくつかの注意事項について話を聴き、送り迎えの際の集合場所や、明後日は汽車に乗って遠足に行く事になっているなどの話を伺う。優泰のクラスの担任はミスメラニー先生で、算数や理科などは隣のクラスと合同でおこなうので、ミスミシェル先生がおこなってくれると言う。授業開始時間も近づき、優泰はスパンポーンさんに手を引かれて、教室のほうへ歩いていった。
私達は昨日払いきれなかった学費の一部を納入し、さらに補習のための追加学費の請求書をもらい、アパートへ戻る。帰りはラッシュも過ぎていて、アパートまでたったの10分たらずで到着できた。
10時からはYMCAでの英語レッスンがあるのでお母さんと出かける。ちょっと出がけにもたつき、5分ほど遅刻をしてしまった。今日の授業も和やかな雰囲気で進んだが、今日は予習をしておいた14課だけではなく、15課まで進むと言うスピードであった。そして気づいた事だが、このテキストはイギリス英語とアメリカ英語が混在している。特にhave動詞の使い方が、課によって異なっている。どうも、このテキストはシンガポールで編集されたものを、タイで再編集しているようだ。登場人物達の名前は、ピーターやスーザンなのだが、顔かたちはアジア人の顔をしている。まぁ、たいした問題でもないし、かまわないのだが、次のレッスンから2回にわたってテストがあるそうだ。残念な事に、私はその2回ともを東京出張のため受験できない。お母さんひとりに受けてもらう事になりそうだ。いったいテストとはどんな事をするのだろうか、問題用紙の設問がタイ語で書かれているとか、英文をタイ語訳するようにといった設問だったら、まったくお手上げだ。お母さんからテスト内容を聞くのが楽しみになった。
レッスンの後、YMCAの中にある食堂で昼食をとる。YMCAは宿泊施設も持っており、食堂も大きなものがあった。きちんと制服を着たウエイターもいるし、テーブルには柄物ではあるがクロスがかかっている。席につけば何も言わずともメニューと氷の浮かんだ水を持ってきてくれる。つまりホテルのレストランと同じなわけだ。注文した料理は、お母さんは鶏肉入りあんかけご飯。私は韓国式豚肉載せライス。英文のメニューにはお母さんが注文した鶏肉入りあんかけご飯は、鶏肉とマッシュルームのグレイビーソース炒め、ライス添えとなっていたが、マッシュルームの代わりにタケノコが入っていた。やはりタイの料理は英文メニューで注文すると誤解を招きやすくなる。タイ語のメニューにはマッシュルームとかタケノコとかの記載はなく「鶏肉入りあんかけ(ラーナーナガイ)」としか書かれていないのだから。そして私の韓国式豚肉だが、お母さんに言わせると「いったいどこが韓国なの!」と言う事になるのだが、私には韓国的雰囲気も漂わせる一品に感じられた。豚肉を唐辛子味噌(コチュジャンもどき)で炒めた物が、たっぷりと盛ってある。いずれも単価は30バーツであり、値段だけ見れば、ホテルのレストランというより、やはり街の食堂である。
午後は2時半に優泰を学校へ迎えに行かなくてはならない。ビートルで迎えに行くが、低学年で下校時刻が早いためか朝のような渋滞には巻き込まれずにすんだ。しかし、誤解をしていたようで、2時半に担任から保護者に対して連絡事項の発表があったようで、2時半まで授業をしていて、出てくるのはそれからだろうと考えていた私達は、2時半を少し回ってから校門をくぐったため、先生からの注意事項をしっかり聞き漏らしてしまったようだ。これは困った事になったと思ったが、優泰のカバンをひらくと先生からのメッセージがちゃんとしたためられていた。たぶん初日からちゃんと迎えにこない我々のために書きとめてくれたのだろう。
優泰は初日は楽しく過ごしたようだ。タイの幼稚園でもそうだったが、はじめはチヤホヤされるので、本人も気分がうわっついていられるのだろうが、1週間くらい過ぎで、クラスからの注目度が下がったあたりが一番危ない。まぁ2度目だから、タイの幼稚園の際の免疫ができていると良いのだが、、。
東京へ出張している間に、先日フェンダーを擦ってしまったビートルを修理に出すことにした。アパートを出ようとしたところで夕立に合い、修理に出す前に、タニン市場で今晩の惣菜を仕入れることにした。雨脚はとても強く、駐車場から市場までの十数メートルでも、シャツを十分にぬらしてくれた。学校からのメッセージで「明日算数の授業で使うので何か好きな果物をひとつ持ってくるように」とあったので、惣菜以外にマンゴーを1キロほど買う。普段は市場で買うマンゴーは1キロ2、30バーツ程度のものを買っているが、今日は奮発して70バーツもするマンゴーを購入。表面には普段見なれた黒い斑点など一切なく、レモン色のすべすべである。やはり高級品は違うなぁと感心し、それでもやはり高すぎると重い、店のおばさんに「ちょっと高すぎない?」と言うと、安いものとは品種が違って、すごく甘いと言う。
ビートルを買った中古車屋に修理に出しておいてもらうように依頼して車を預ける。アパートへ戻ろうとピックアップトラックを拾おうとしたが、方向が合わないのかなかなか通常料金(10バーツ)で言ってくれる車がつかまらない。それと5時を少し回った学校や会社からの帰宅ラッシュにぶつかったのか、「迎車」なのかピックアップが何台か素通りした。
アパートに戻り食事をして、7時過ぎにバスターミナルへ向かう。
今日のバスの乗車率は70%ほどで、そのうちの8割が若い女性であった。男性も若干いたが、彼らは女性達の旦那か恋人であり、チョンガーの男は私一人だったようだ。そのためか私の隣の席は空席であったので、私は二席分を占有する事ができた。
前日へ 翌日へ
|