6月10日 火曜日 天気は曇り 午後ににわか雨
午前4時半には大音響のカラオケビデオが流れ始め、乗客は起こされる。チェンマイ到着ギリギリまで寝かせてもらいたい気もしたが、まぁ良いだろう。優泰はこの大音量をもものともせず眠りこけている。チェンマイに着いてもまだ寝ぼけたままだ。そのままビートルを止めておいた駐車場へ向かい、急いでアパートへ連れ帰る。
午前中にワタノー学校の授業資料を作成する。前回指摘されたことだが、頻繁にテストを実施すべきだと言うので、簡単なテストを準備する。単語と簡単な訳文で構成し、配点は1問に5点から10点としする。「せんせいの なまえは たろうです」と言った文をタイ語に訳してもらうようなものが中心である。ところが、印刷をしようとするとパソコンの調子が良くない。プリントを命令すると「リソース不足」と表示されてしまう。メモリーもハードディスクにもまだ十分に容量があるのだが、たぶんポンコツ・パソコンの状態が不安定なのだろう。このポンコツ・パソコンはかなり旧式のB5ラップトップで、液晶画面は壊れて、別付けのモニターとキーボードで操作をすると言う苦肉策をとっている。もともとかなり旧式なのでスペック的にもかなり低いのだが、タイ語のキーボードを取り付けているのでタイ文字を入れた文書の作成には便利なのである。が、印刷できないので、印刷の作業は私のA4パソコンで行う。
11時過ぎに学校に入り、語学職員室で生徒たちのデータ整理をしていると、先生たちが一緒に食事をしようという。職員室隅の机に、北タイ風のオカズが数品とモチ米が置かれている。はてさて、この場合、勝手にパクパクと食べても良いものだろうか、どのくらいの量までなら食べても良いのか想像がつかない。この職員室に出入りする先生たちは10人以上いるし、机の上の料理やモチ米は全員分ではなさそうだ。こうした場合、お付き合い程度にとどめて、ほんの少しだけ味見をさせてもらい「アァ美味しいですねぇ」とでも言うのがマナーのような気もするので、ほんの一口二口を口に含ませてもらった。ゲーンハンレーという北タイ風の豚肉のシチューは確かに美味しかった。先生は「これ、お肉が入ってないじゃない」なんて言っていたけど、じっくりと煮込んで、肉が繊維状となって溶け出しているものと私は察した。先生たちは「なんでもっと食べないのか」と声をかけてくれたが、まぁ遠慮しておくに限る。席に戻って再びデータの整理をしていると、今度はグリーンティーだと言うって、毒々しいくらいに緑色をした飲み物を持ってきてくれた。「日本人はグリーンティーが好きだよね」と言われたが、見た目はどうにもお茶に見えない。雰囲気としては緑色の牛乳である。味はたっぷりと甘く、微かにだが葉緑素のような風味を感じる。
午後からの授業は比較的順調であった。テストはどうも緊張感が足りないのか、隣の生徒と相談したりしながら書き込んでいる生徒が多い。まぁ狭い教室にぎっしりと詰め込まれて、3人ひと組で席についているのだから、カンニングをする気がなくても、隣の生徒の記入内容は丸見えだろう。初めてだし、むしろ全員に高得点を取ってもらって、日本語に対する抵抗感を払拭してもらうのが得策のような気がしたので、大目に見ることにした。それと、生徒の集まり方にもバラツキがあり、全員がそろったのは授業開始後20分を過ぎてからである。
本日の授業は挨拶を中心にしたもので、朝、昼、晩の挨拶と、「さようなら」を教える。タイ語では、これらはすべてサワディーの一言で用が足りてしまうから、生徒たちには混同しやすいようだ。ロールプレーなどを交えながら、教えていくが、私が担当する2クラスのうち、後のクラスの方が、学年が高いこともあり、飲み込みが早い。ロールプレーをさせてもほとんど澱むことなくスムースにやってのける。今日は授業の後半にひらがなを教えるつもりであったが、時間不足で教えられなかった。60分の持ち時間だが、実際に使える時間は40分前後しかない。
授業終了後に、テストの採点を行う。予想通り高得点の続出である。しかし、生徒たちがどこを間違えているのか、だいたい共通しているので、次回復習させなくてはならない個所が良くわかる。一番多い間違えは、「これ」と「かれ」の間違えである。発音が似ているから勘違いしやすいのだろう。また、「わたし」と言う語の意味を書かせると「名前(チュー)」と書いてくる生徒も多い。「わたしの なまえは ○○です」と言った構文を何度もやったため、「わたし」と「なまえ」を混同してしまったのではないだろうか?
朝食
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更科そば。 |
昼食
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学校の職員室にてゲンハンレーというシチューとモチ米を少々。
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夕食
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コカにてタイスキ。 |
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