5月6日 日曜日
明け方前、外からカエルの大合唱が聞こえてきた。虫の声も聞こえてくるようだが、何か秋の虫の声らしい。
今朝は一人で運動である。お母さんと優泰は身体の調子がすぐれないなどと言っている。まぁいいさ、一人なのでいつもよりもハードな運動が出来る。ジュギングコースはいつもと同じでも、ランニング並のスピードで走り、日本から持参した縄跳びを600回ほど跳び、スクワットを50回おこなった。ものすごい汗が出る。家に戻って水でシャワーを浴びてもまだ汗が出る。
朝食は残り物のかき集め。お母さんは昨日の残りの白粥。優泰はコーンフレーク。私は昨日炊いたご飯の残りで焼きおにぎりを作って食べる。果物にはマンゴーとパパイヤ。
朝食後、優泰はテレビの漫画を10時頃まで何本も何本も見つづける。日曜日朝のタイのテレビは漫画のオンパレードだ。
タイ語のポケモンが終わったところで優泰と外へ出かける。お母さんも洗濯屋まで同道する。洗濯屋に溜まった衣類を預け、値段を確認すると、下着1枚は1バーツ、Tシャツ程度なら2バーツとのこと。月極めで280バーツは80枚までで、アイロンがけまでしてくれるそうだ。
優泰と2人炎天下を歩く。地図を見ると堀割の南西角に公園があることになっている。そこへ行こうと思う。堀割沿いの火焔樹が緑色の水に映り、とても美しい。お皿から庭の置物まで幅広い品揃えの陶器の店があり、特に動物などを模ったミニチュアの陶器に目を奪われる。タイの人はミニチュアなど趣味的なものが好きな人たちのようだ。
堀割は一辺が2キロだから、アパートからだと2.5キロくらいにはなるだろうか、南西角近くで金魚などの愛玩動物を売る店が集まっている一角があった。中心は金魚などの魚類だが、小鳥やニワトリ、子犬、うさぎなどもいた。
公園は、大きなひょうたん型の池を良く手入れの行き届いた芝生が取り巻き、とてもきれいなところであった。ライオンズクラブ寄贈の立て札のある児童遊具もあったが、こちらは手入れがされていないのか、壊れたままのものも目についた。
公園の売店でひと瓶5バーツで水を買い、家族連れが池の魚にパンを投げているのを眺めていたら、この家族連れの連れていたワン公が犬掻きで池に飛び込み池に投げられたパンを食べ始めるではないか、もう、そうなると買主である家族連れは大喜びで、魚にではなく池の犬に向かってパンを投げ始めた。
池に沿って半周すると、大きなあずま屋風が池の上に張り出していた。ここは風が涼しそうなので、早速いってみると、入り口で魚の餌売りの少年が眠り込んでいた。池には鯉を中心にとぐろを巻くように魚たちが泳いでいた。小さな女の子が餌を投げ与えると魚たちが争って食べ、緑色にトロンとしていた水面が急に騒がしくなる。良く見ると鯉以外にナマズも何種類かいるようだ。魚たちの行状を眺めていたら、女の子の父親らしき人物が魚の餌をひと袋優泰に分けてくれた。タイのひとはこの程度のものには本当に気前が良い。
公園からの帰り道は、掘りの内側の住宅街を歩いた。小さな小道が迷路のように続き、横道にそれると金色のお寺があったり、小屋がけ食堂であったりと楽しい。しかし、優泰は少しバテ気味のようで、結局私が肩車をして家まで連れ帰ることとなった。
家に帰ると、お母さんはもう昼ご飯を済ませた後だと言う。昨日買ったもち米をココナツミルクで炊き込んだおやつと、ドライフルーツケーキを食べたという。優泰は優泰でオムライスが食べたいなどと言う。オムライスなら通りの台湾食堂でそれほど高くなく食べられるが、私は小屋がけ食堂へ行き、鶏肉入りチャーハンと野菜炒めを注文。家に戻って、卵を焼き、中にチャーハンを1/4ほど入れて、ケチャップをかけ、オムライスを作った。なんとか食べてくれたが、卵の味は日本とタイと同じだが、中のご飯の味が違うなどと言い出す始末。
食事をし、シャーワーをさせて昼寝をさせる。
そして私も1時間ほど昼寝をする。夕方4時過ぎに優泰は起きだし、ちょっと雨が降ってきそうだが、プールへ行く。
プールの水はぬるく、しかし、午前中に清掃をしてくれていたおかげで、ゴミなどの浮遊物も無く、快適に泳げる。優泰はプールの縁にしがみつき水と戯れているので、私一人プールをクロールや平泳ぎで何度も往復する。そのうちお母さんも降りてきて一緒に泳ぐ。男の子がひとりプールに来て潜水を繰り返していたが、名前をヒデ君と言い、お父さんが日本人だそうだ。5時過ぎにプールから上がり、洗濯物を取りに行く。38バーツ。洗濯物を抱えて家に戻り再び夕食の惣菜を買いに出る。小屋がけ食堂で注文したメニューは野菜のオイスターソース炒め、ブタのスベアリブ大蒜炒め、タイ風オムレツ、春雨サラダ、そしてライス。〆て65バーツ。なんと安くバラエティーも豊かな事か、日本のタイ料理屋ならば5000円はくだらないところだ。家に戻る途中、以前から気になっていたバーに立ち寄る。大きな木下に、小学校の机のようなカウンターを置き、そこに何種類かの地酒を並べたオープンエアのバー。酒は中国の酒やらメコンウイスキーやらが6本ほど並べられている。その中から、米の酒(ラオ・カウ)と言う無職透明で、ビール瓶に入った酒を所望する。香り味ともに台湾の料理酒である米酒(米で作った焼酎)に良く似ていて、ちょっと癖があるが、通好みの酒であった。一杯たったの8バーツ。多分ここはチェンマイで最も安いバーだろう。
今日はNHKの大河ドラマ北条時宗を見たかったが、バーで油を売ったりしたため、見逃してしまった。それでも家族3人で美味しく夕食を囲む事が出来た。優泰にはタイ風オムレツが好評であり、お母さんには跳びきり辛くてすっぱい春雨サラダ(ヤムウンセン)が好評であった。夕食後、マレー風のクレープを買いに出て、優泰は夜8時半前にはベッドに入った。