結局、冷蔵庫を見に行くことになった。午前中のうちに郊外の巨大スーパー・カーフーへ行ってみる。お母さんは以前から「冷凍室が独立していないダメなの」と主張していた。そこで、2ドアタイプで一番小型で値段の安いものを以前から私は目をつけており、そちらへお母さんを誘導しようとした。しかし、お母さんはその手前にあった大型3ドアの前に立ち止まって「そうよ、野菜室も独立してなくちゃ」なんてことを言う。タイではまだ野菜室の独立した冷蔵庫などあまり無い。このモデルも日本仕様に手を加えものなのか、あちこちの表示は日本語のままである。タイでの冷蔵庫の活躍場所はキッチンよりもリビングのようで、一般の家庭では冷蔵庫内に入っているものは、冷たい飲み物と氷程度であるらしい。そのため、冷蔵庫の主流は中型のシングル・ドアのものである。そこへ持ってきて、3ドアというのだから、値段も一桁違う。この巨大なカーフーでも3ドアは東芝製とサンヨー製の二種類しかない。これ以上の大型冷蔵庫は業務用だ。お母さんは「これなの」と言い出したら、まず私の意見の全面否定から始まるので、正面からの抵抗は意味をなさない。作戦として、「ここには二種類しかないから、他の店も見てみよう」とお母さんの決意が固まる前に3ドア冷蔵庫から引き離す。
午前中は、この一件だけで、私は郵便局へ義姉から送られてきた小包を受け取りに行く。しばしば義姉は優泰へのプレゼントと称してお菓子類を詰めた小包を送ってくる。お菓子といっても、スナック菓子やキャラクター菓子で、決して上品なものではなく、タイの駄菓子屋でもありそうなものばかりである。こんなものを日本で買って高い送料まで払って送るのはやめてほしいと何度も辞退しているのだが、私の言うことなど義姉は一度も聞いてくれたことが無い。しかし、今後は絶対に止めてもらわなくてはならない事態に陥ることになった。まず、私が郵便局までわざわざ小包を取りに行ったのは、不在通知があったからではなく、税金を払えと言うのである。手元に届いた納税通知には、輸入税として330バーツ、付加価値税101バーツ、手数料20バーツの計451バーツと記されていた。まったく、こんな駄菓子のためになぜ私が税金を納めなくてはならないのかと憤慨しながら郵便局へ納税に伺う(以下の文面は某方面からのご指示により削除させていただきます。もし必要な方にはメールで個人的にお知らせします。)
気分がとてつもなく悪いので、床屋に行って散髪をしてもらう。アパートから少し歩いたところにあるタイ人夫婦がやっている小さな床屋で、ここはご主人のほうが格段に腕がよく丁寧である。そして、今回はご主人に刈ってもらうことができた。一般的にチェンマイの町の床屋はすべて電動バリカンと櫛で散髪してしまうのだが、この主人は剃刀とハサミでやってくれる。散髪料金は大人40バーツであるが、私は60バーツを支払った。髪を切って多少は、先ほどの嫌な気分も収まったが、午後もまた冷蔵庫を巡る攻防で、ひと悶着ありそうだ。
冷蔵庫見て回るために市内にあるサイアムテレビ、空港近くのニヨムパニット、ロビンソンデパートと回る。他の店へ行ってみようといったのは、単なる時間稼ぎにしかなっておらず、カーフーで見たタイプより安い3ドア冷蔵庫などどこにもなかった。まるで闇カルテルでもあるかのように、どれも16,500バーツとなっている。安くなんないのぉと言えば、「特別価格です」と言い返される。通常価格はいくらかと聞けば17,000バーツだそうで、たったの500バーツしか安くなっていない。そろそろ、私もあきらめの境地になってきた。
エアポートプラザのクーポン食堂で30バーツのトンカツ定食を食べながら、やっぱり30バーツの定食じゃ、ウスターソースや中濃ソースなんてかけてくれるわけないよなぁと、唐辛子入りのお酢ベースのタレに薄っぺらなトンカツを浸しながら食べる。そういえば、昔よくソウルの喫茶店でこんな薄いトンカツを食べたもんだったなぁと思い出した。ほとんどコロモの味しかしないトンカツを食べながらしみじみしてしまう。
冷蔵庫はアパート近くのショッピングセンターに入っているセントラルデパートで買うことになった。結局、どこへ行っても値段は一緒であり、しからば近い方が良いし、セントラルデパートではアフターサービス期間が5年間だと言う。カーフーは2年保証で、5年延長には追加千バーツと言われていたから、実質的にセントラルがお徳であった。さらに、現金購入を条件に、お昼寝掛け布団と、小型扇風機、簡易湯沸しポットをサービスにつけてくれると言う。家電製品を買うのは量販スーパーよりもデパートの方がチェンマイでは妥当なようだ。
朝食
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ご飯と焼き鮭のかけら。 |
昼食
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エアポートプラザのクーポン食堂にてトンカツ定食。 |
夕食
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夕べのカレーライス |