7月4日 金曜日 天気は晴れ
午前中に壁紙屋へ行ってサンプルを眺める。どうにも「これだ」と思えるものが無い。しかし、意外と壁紙などは貼ってしまえば部屋にフィットして、馴染むものなのかもしれない。それだから、なるべく地味で、しかしあまり印象の暗くないものを選ぶことにする。何冊もあるサンプル集を蚊に食われながら眺めて、ようやくこの柄ならイイかもしれないと言う候補を絞り込む。そして、最終的には、三種類の壁紙を張り分けて使おうと構想する。柄は小さな木の葉をデザインした模様が、レリーフ風にアレンジされている薄い空色のものと、同じく薄い黄色いもの。さらに草花をアレンジした細い帯状の壁紙である。この帯状の壁紙を丁度床から高さ70センチほどのサイドボードや流し台などと同じ高さのところで部屋を1周するように巻く。そして、この帯の上側が薄い空色の壁紙、下側が薄い黄色い壁紙と張り分ける。このなアイデアである。
自慢にもならないが、小学校の頃、図工は好きであった。しかし、工作は得意であったが、絵画のほうは上手ではなかった。だから、私のセンスで勝手に壁紙のデザインなどを決めてしまうと、後になってお母さんからクレームが付きそうな気もする。そこで、この壁紙をスキャナで読み取り、お母さん宛に送って、承諾を取っておくことに越したことはなさそうだ。壁紙屋から巨大なサンプルの冊子を預かり、ネット屋に持ち込んでスキャンを取ってもらうことにした。アパートの近所のネット屋のお兄さんにお願いすると「OK」と軽く受け付けてくれたのだが、実際にはスキャナーを使わずデジタルカメラで撮影し、それをJPEG化してフロッピーに落とし込んでくれた。A2ほどの大きさで分厚く重たいサンプル集だったので、スキャナーではなくデジカメを使ったのだろうか、デジカメのために、紙の表面の明るさが明るいところと暗いところができてしまったり、帯状のものなど、帯に遠近感までがついてしまった。アパートにもどって、修正をかけたが限界があった。それと、実際の色と比べるとだいぶ薄暗い色になっていることが気になる。
午後からは、エアコンの清掃と修理をしてもらう。これは専門の業者に来てもらっての作業だが、室外機、室内機ともに手入れをしてもらった。室外機が動かなかったのは、配線上のトラブルではなく、室内機にあるサーモスタットのトラブルであった。冷媒となるエアコンガスも充填してもらい、代金は500バーツであった。日本だったら出張サービス料にも満たないところだろう。代金の内訳、ガス充填が200バーツで、修理と清掃の手間賃が300バーツとのことであった。
次に、室内の電気配線や電灯類についてチェックをする。タイの建物の特徴として、電線が壁の中に埋め込まれていない。すべて壁を這っているのである。建築当初に配線したものはそれでもまだ配線部を木製のパネルで綺麗に覆って見えなくしているが、その後の追加工事をしたものは全部壁に電線が見えていて、美観を損なう。今回のリフォームついでに、これらの剥き出し配線もすべてパネルの中に取り込んでしまおうと思う。
ペンキに関しては小屋がけ食堂のおばさんの旦那さんが「オレがするよ」と引き受けてくれたので任せることにした。この旦那さんの名前はピアクで、私はピーピアクと読んでいる。本業はミュージシャンだそうで、クラブやレストランなどで演奏をするのだそうだ。昼間はだいたいいつも家の中で寝ているか、シンセサイザーを弾いている。それが、アルバイトとして「各種修理いたします」と看板を出して、便利屋的なことをはじめた。それで今回のリフォームも私一人では手に余るので応援を要請した次第である。
ピーピアクは本職のペンキ屋ではないから、ペンキや刷毛などを持っていない。すべて買い揃えなくてはならず、近所の内装材料を売っている倉庫のような店に買いに行く。塗る場所は風呂場の一部とベランダだけなのだが、ピーピアクは「これこれ、これくらいは必要だな」と言って、18リットル入りの巨大なペンキ缶を注文。ほかに刷毛やローラー、シンナー、紙やすりなども買い込む。バイクに2人乗りして買い出しに行ったのだが、さすがに18リットルのペンキはバイクでは運べず、私があとでビートルに乗って引き取りに行くことになった。
夕方に、優泰とムアンマイ市場へ野菜の買い出しに行く。夕方のためか、野菜はあまり種類が無かった。長ネギでもあればすき焼きでも作ろうかと思っていたのだが、長ネギが見当たらない。前回あまり好評ではなかったカレーライスの復活戦をしようと思ったのに、良いニンジンが見当たらない。良いものもあるにはあるが、一袋十キロ単位の販売で手が出ない。結局、キロ30バーツと値上がりしているタマネギや枝豆、キュウリとキャベツなどを買っただけである。なお、以前ならば買い物に出かけて何か持たせると「重い」と言って愚図っていた優泰だが、今日は積極的に買った野菜類を持ってくれて助かった。少しは心がけを改めたようである。感心なので、ブルーベリー味のファンタを買い与える。
夕食の準備をする前にシャワーを浴びていたら同じ階に住むIsさんが尋ねてきた。私は裸のまま応対し長々と話し込んだために、夕食を作る時間を逸してしまい、コカで夕食を取ることにした。コカへ行くと、見覚えのある家族が食事をしている。確か今年の1月にペナンのタイ領事館で会った家族である。お嬢さんが優泰と同じインターナショナルスクールに通っておられたので印象が残っていた。この家族は香港人でキリスト教のミッションとしてチェンマイに滞在しているのだそうだ。お嬢さんは今度グレード7を終了したところで、チェンマイの学校から、ペナンにあるダラトと言うミッション系のインターナショナルスクールに転向するのだそうだ。両親はタイに残られ、寄宿舎生活をするのだそうだが、聞けばドミトリーの印象とは程遠いドミトリーパレスなのだそうだ。つまりそれだけ贅沢な施設なのだろう。私のペナンのタイ領事館への道すがら、ペナンにはいくつもの非常に設備と環境の良いインタースクールを見かけたが、きっとその中の1つなのだろう。
朝食
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ご飯に炒り玉子、豆腐とツミレの澄まし汁。 |
昼食
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ジャガイモとツナのドリア風。
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夕食
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コカにてタイスキ。 |
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