11月9日 火曜日 晴れ

 どうもパソコンの調子が悪い。変な音を立てるし、エラーも多い。ディスクのスキャンをかけると何時間かかっても終わらない。本当は「身一つで」と言われている今日の面接だが、履歴書と職歴書を持参しておくのが無難かとも思えた。それなのにパソコンの調子が悪くて困ってしまう。

 困ってしまうのは、他にもいくつもあった。チェンマイから引越し荷物と一緒に送ったはずの私のノートやメモ類が見つからないのである。他人には価値のないものだが、私にとっては、今後の展開で大きな意義のある資料であるから、何としても見つけ出したいのだが、数少ない私の引越し荷物の中に入っていなかった。これを探すのに午前中いっぱい時間がかかってしまった。それでも見つからなかったのは、荷造りする時にダンボールに詰めなかったからかもしれない。大きな損失である。

 午後から霞ヶ関にある面接先の会社へ伺う。担当してくださったのは社内で部長と呼ばれる男性で、ガラス張りの個室に収まっていられた。ところが、その方の前に座らさせてもらって、大変なことに気が付いた。この男性、香港の人であり、「日本語はまだ判らないので、英語でイイですね」と言われた。これは大きなフェイントである。が、ここでウロタエては、せっかく都心まできた甲斐がないので、「もちろんです。英語は上手ではないですが、英語で表現できないところは、中国語でさせていただきます」と点稼ぎをしようとした。が、よく考えてみたら、これは失敗だったかもしれない。「中国語ってどこの中国語」と聞かれたからである。そう、香港系の人でも、外国生活の長い人は、北京語をあまり話されない。以前勤務していたベンチャーにいた香港出身者も、生まれは香港だがイギリスで教育を受けたため、英語と広東語しか話せなかった。これは点稼ぎのつもりがマイナスポイントとなってしまったかもしれない、、。と、ちょっと悲観したが、この方は私の下手クソな英語をフンフンと聞いてくださり、私には実に簡単な英語で質問を繰り返してくれた。中国語に関してはどうでも良かったらしく、その代わり韓国語に関しては「それがあなたのアドバンテージね」と言われた。最後にやはり年齢のことを言われた。年齢がオーバーしていると、ここまでの話は大変打ち解けて話せてきたので、私もラフに考え、「身体は40ですが、精神は18なので、アベレージは29です」と冗談を言ってしまった。冗談はそのまま受け流されて「あなたは国際金融の未経験者だから、もし働くとしたら人の2倍の努力が必要ですよ」と言われた。
 もし採用なら来週の水曜日に電話をくださるそうで、不採用ならメールで連絡が来るそうだ。既に50人もの人が応募しているとのことで、相当の難関らしい。

 5時には帰宅して、パソコンの修理を始める。キーボードもバカになってきている。左側のCtrlキーとAltキーが作動しなくなっている。過去にもキーボードの不具合は経験しており、キーボードを外して、きれいに掃除をしたらば治っていた。今回も同じかと思って、キーボードを取り外してみた。そして愕然とした。キーボードを外すとパソコンの内臓部分が丸見えで、チップの貼り付いている基盤が剥き出しになる。そして何とその基板上に小さなネジが転がっているではないか。良く確認してみると、パソコンの外部、内部ともに、いくつものネジが外れている。こんなものが基板上を転がっていたらショートの原因になるし、壊れて当然である。ネジがはまっているところも緩んでいる。外れてそのまま無くなってしまっている個所もある。前回パソコンの修理をチェンマイでさせたのが最後だから、きっとその時の技術者がネジを締め忘れたのだろう。まったくいい加減な事をやっているものだ、、。

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