今朝も朝一番に、ロータス・ホテルへ出かけて、チェンライへ向かわれるお客様をお見送りする。お客様の利用されるワゴン車は、昨日と同じキットの運転する車である。昨晩は夜遅くまで働いてもらい、今日も長距離のチェンライ往復とはちょっと酷な気もするが、彼は近く新しいワゴン車を買う予定で、そのため少しでも現金収入が欲しいので、無理な仕事も引き受けてくれる。もっとも、「車を新しくしたら、日当を値上げしてくれよな」とも言っていた。
本来は、このお客様よりも早い時間に、同じくロータス・ホテルにご宿泊のお客様で、ゴールデントライアングルへのツアーのお客様もいらしたのだが、こちらのお見送りは、朝起ききれずにガイド任せにしてしまった。
明後日にはプーケットに入らなくてはならないし、今週は今日と明日の実質2日間しかない。もう、滅茶苦茶忙しくなるだろうと覚悟をしていたが、むしろ先週までと比べると、仕事に余裕がある。やるべき仕事は山のようにあるけれども、今どうしてもやっておかなくては、人様に迷惑のかかるような仕事とそうでもない仕事と区別してしまったら、この2日間でやるべきことが半分くらいに減ってしまった。もちろん、身体を休められるほどのゆとりなどはない。
寝巻きのようなガウンを着た女性経営者が「タロー、社内全体会議をしなくちゃ」と朝からしきりに言う。何の為の会議かと言うと、社内で発生するトラブルを防止するためにどうしたら良いかを話し合うための会議である。これは私が先月提唱して、一度実施されたことがある。その際取り決められたことは、手配や予約は最低3回は確認する。社内ではきちんとした服装をする。パソコンで遊ばない。と言うことなどであった。最低3回の確認がどれだけ徹底されているかは不明だが、社員の身だしなみは良くなり、裸足でTシャツ姿を見かけることも減った。ギフトさんのネットを使ったチャットもほとんど見られなくなった。しかし、ちっとも改善されていないのが一人いる。それが女性経営者である。この店が入っている建物の上が本人の住居であるということからか、店舗内を自宅と心得ているのか、ほとんど午前中は寝巻きのようなガウンでウロウロしたり、肘掛付きのイスで居眠りをしている。夜、遊びに出かけるときはビジッと化粧をしているのに、午前中はまるでお化けである。
どうも、「自分のことはさておき」と言うのがポリシーのようで、以前、「朝こそきちんとした恰好で出てきて欲しい」と意見したことがあったが、「2時まで友達と会っていたんだから、まだ寝たりないのよ」と反論されてしまった。ならば、店舗に降りてこないで自室で寝ていてくれれば良いのだが、、。「私が目を光らせていないと、、」と、一応は社内が気になるらしい。もっとも、溶けてなくなりそうな目で、とても光など宿りそうもない目なのであるが、、。その経営者が「会議でモラルアップ」を主張するのは、一昨日の件で、社内に損失が発生したからであろう。会社のモットーは「利益は会社経営者のもの、損失は社員が埋めるもの」と明文化されていない押しつけ了解事項がある。しかし、安月給で働いている社員にとって、赤字の穴埋めは不可能である。結局は、ミスをなくすことが、会社にとって最善策であることにようやく気が付いたらしい。
今日の午後、バンコク経由でプーケットに向かうお母さんたちが乗る予定の飛行機が欠航することが判明した。代替便を用意されたが、プーケット到着が1時間ほど遅れる。義姉たちとほぼ同じ時刻にプーケットに到着させ、合流させるつもりだったが、姉たちを空港で待たせることになりそうだ。義姉たちに空港でお母さんの到着を待つように伝えたいが、連絡手段がない。まぁ、今晩どこのホテルに泊まるかも知らないはずだから、何も伝えなくても空港で待っているはずだろうか、、、。
このプーケット行きに明後日から私が合流することで、ちょっと困ったこともある。小鳥のピョンのことである。私としては、ピョンも連れて明後日から合流したいと思っていたのだが。「お父さんダメよ、お姉さんたち生き物が大嫌いなんだから」とお母さんから即座に禁止されてしまった。あぁ、そうだった、プーケットに行くとあの押しの強い義姉たちがいるのである。悪い人ではないが、押しが強く、マイペースで、すべてを仕切ってしまう。もちろん、仕切られることで、バタバタと手配をしたり、段取りをつけたりと働かされるのは私である。本当は、お母さんや優泰を義姉たちに預け、私はピョンと一緒にリゾートホテルのプールサイドで、癒しの時間でも持ちたいと考えていたのだが、まったくのかなわぬ夢に終わってしまう。
そのピョンの処遇をどうするか。このピョンの問題点は、自分でまだ餌を食べられないことにある。人間がクチバシの奥に生肉などを入れてあげないと、食べないし、水も飲めない。つまり、赤ん坊のように、ほとんど絶えず人が世話をしてやらなくてはならないと言う状況である。そんな鳥を誰に誰に預かってもらえば良いだろうか?小屋がけ食堂のおばさんは動物好きだが、小鳥の世話を任せて安心な環境にあるわけではない。獣医さんのところに相談に行ってみたが、チェンマイでもペットを預かってくれるような施設やサービスはあるらしいのだか、それらは犬猫に限られたもので、小鳥の雛を預かってくれるところは、獣医さんにも良くわからないらしい。あちこちへ電話で確認してくれて、さらに動物園にまで電話をしてくれたが、見つからなかった。そして、最終的には、この獣医さんのところで「じゃあ、預かってみましょう」と言ってくれた。