ずるずると7月も終わりに近づいてしまった。このままではマズイのは承知しているし、もう潮時も過ぎている。家族会議は開催しないまま、私が最終結論を出すことにした。結論は最初から決まっていて、「帰国」して堅気の生活に戻ることである。正直なところ、チェンマイにはまだまだ未練もあるが、未練と現実を天秤にかければ、一目瞭然で現実を選択しなくてはならないことは明らかである。
ここまでになったK.K.トラベルも、このままの私の状態では、新規のお客様からの申し込みを受けていくわけに行かない。私以外に日本語を理解しないスタッフに仕事を任せるわけには行かないし、だからと言って私が処理していたら、私はいつまでたっても現実を直視できない。いっそのこと来月からの新規の申し込みを受け付けないことにしてしまおう。まだまだ10月以降の予約申し込みは数が少ないし、8月を乗りきれば、9月分などは今から予約をしっかりしておけば、私がどこに居ようが、なんとでも対応できるだろう。そして10月以降に関しては、まだ見積り依頼だけで、実際に正式な受注を受けていないので、手配依頼を辞退させていただこう。
そこで、K.K.トラベルのホームページ上に独断で、8月からの新規の申し込みは受け付けられない旨の案内文を掲示する。そんなことなどせずにホームページを引っ込めてしまおうかとも思ったが、突然にホームページを閉鎖しては、既にお申し込みをいただき、お代金をお支払いいただいているお客様に不安を与えるであろうから、当面はホームページは継続させていただくことにする。
最後の問題は、K.K.の経営者に私の立場と進退を説明することだが、実際のところ、今日はその機を逃してしまった。何と言っても今晩はラジオ番組の日でもある。私とペアを組んでいるK.K.の経営者は、もうどのCDを使おうかと、朝から大張り切りである。それに水を差したりしたら、まとまる話もまとまらなくなるだろう。この話し、明日に延期しよう。
しかし、本当に自分の立場と言うものが、他人にはちっとも理解されていないのだなぁとつくづくと感じる。タイ人スタッフたちが理解できずに、「タローは日本人だからお金いっぱい持っているでしょ」と良く言うが、彼らと対して変わらない給料で、しかも出費だけはその何十倍もある我が家で、お金で苦労していることなど、理解ができないらしい。まぁ、先入観として、日本人は金持ちと言うのが染み込んでいるのだろう。
が、ここに住まれたり、長期滞在をされている日本人からもほとんど理解をされていないように感じる。旅行代理店での勤務をする以前から、在住者からの依頼事項や相談は沢山あった。まぁ、多少でも人助けになるのならと思って、対応してきたが、それが裏目に出てしまってきているようである。依頼事項は増えるし、より手間のかかる頼まれ事が多くなってきた。そして、それに対して、こちらから、「感謝の気持ちくらい持って欲しい」と思うのは僭越かもしれないが、「お金などいりません」と私が言うと「あぁ、そうタダでイイのぉ、悪いねェ、じゃまたよろしくね」と言い返されると、私は「まるで理解いただけていない」と感じる。私はタダでやってさし上げているつもりはない。もちろん、お金を期待もしていない。私が期待しているのは、「私の好意を理解していただき、その私の行為を喜んでもらえる」と言うことに過ぎない。それは、決して「タダ」でやってもらえたから喜んでもらえると言うこととは違うのである。
もちろん、すべての行為がタダでない。K.K.トラベルへいらして、業務として依頼をいただいたものに対しては、こちらもビジネスとしてキッチリ行うし、感謝の気持ちなども期待しない。仕事なのである。私もそのあたりは使い分けるようにしている。
そして、最も悲しいのは、誤解をされていることである。確かに私はK.K.トラベルでも、かなり忙しくしているし、個人的なたのまれ事も多い。それでガッポリ儲けていると噂をされることである。以前からチェンマイの日本人社会は勝手な噂が蔓延するところではあったし、私もなるべく日本人社会と距離を置いた生活を生活をしてきたつもりだが、最近は接点が多くなりすぎていたようだ。従来も距離を置いて居たとは言え、「来る者は拒まず」しかし、「こちらから尻尾を振って仲間入りはしない」と言うことをポリシーにしてきただけである。まぁ、あと何ヶ月チェンマイに滞在するかは判らないが、もう個人的な頼まれ事もお断りすることにしよう。
「アンタに帰られちゃうと、困る人がイッパイいるんじゃないのぉ」と良く言われるが、もう今後は気にしないことにしよう。少なくとも、その困っている人よりも、私の立場の方がずっと差し迫った危機に直面しているのである。決して私に依頼をしてきた人が、「ボッタクっている」などと噂を流しているとは思われない。しかし、この公開日記にしても、何にしても憶測による噂のもとはいくらでもある。噂で中傷され続けるまでして、チェンマイに居つづける必要はないと思う。
つまり、家族会議は実施なかったが、帰国の方針は決定したわけである。あと気がかりなのは小鳥のピョンの事である。鳥インフルエンザなどもあり、ピョンを連れて帰国できるのだろうか?
夜、ラジオが終了してから、帰宅し、ナーン県で買った壷入りの酒を飲む。前回Oさんとほぼ飲み干して、壷に水を継ぎ足しておいたのだが、思ったとおり壷の中の籾がまた醗酵して酒になっている。しかも、今度は2日間置いておいたこともあり、味がぐっと良くなっている。一体何回くらいこうして飲み続けられるのだろうか、、。楽しみである。
朝食 |
トックと呼ばれる韓国風の雑煮。 |
昼食 |
チャーハン。 |
夕食 |
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