この手のホテルに泊まっての楽しみのひとつにバイキング式の朝食がある。高級リゾートなら、素材も料理数も感動的だが、まぁこのレベルのホテルだと、「お客様の空腹感を満たす」ことに重点を置いているのか、炭水化物を豊富に含んだご飯モノや麺類などがバラエティー豊かに並んでいる。それでも、チャーハンやお粥、パンなどをちょっとずつツマミながら、食べるのは楽しい。果物はありきたりのパイナップルとスイカであったが、シーズンだからかミカンも用意されていた。
午前中にメーサイへ向い、お母さんをミャンマー側へ出国させる。私はその間に伸びていた髪を切ってもらう事にする。散髪屋を探して国境の町をうろつくが、なかなか散髪屋か見つからない。女性用の美容院は何軒か見つかったのだが、散髪屋は現れない。住宅地のようなところをしばらく歩いて、道端で立ち話をしている人に声をかけて、このあたりに散髪屋はないかと聞くと、通りの少し先を指差して、「ほら、そこに座っている男、あいつが散髪屋だよ」と教えてくれた。しかし、その男が座っている場所はどう見ても散髪屋ではない。が、教えてもらったので、その男に声をかけてみる。彼は私を路地裏に案内して、1軒の民家の前に置かれた古イスに座らせた。
設備は古イスと鏡、バリカンと櫛程度、水周りの設備はなく、コップに汲んだ一杯の水でシェービングまで行う。当然洗髪もなかった。お代は30バーツ也。こんな店じゃ、どんなに探したってわかるわけがない。
午後からはゴールデントライアングルでメコン川のボート遊びをした。乾季もそろそろ終わりに近づき、水量はかなり少なくなっている。普段ならミャンマー側のカジノホテルの正面まで船を回してくれるのだが、水深が浅過ぎて近づけないのだと言う。ゴールデントライアングルを見学するなら、やはり水量の多い雨季の終わり頃が良さそうである。
夕方にはメーファールアン花園へ行く。ここは入場料が80バーツと、タイの物価からするとちょっと高いのだが、なんと子供料金もないのだという。身長が120cm以下ならば、無料だと言うが、優泰はすでに120cmをオーバーしている。3人分で240バーツとちょっと痛い出費だが、まぁせっかく来たのだし、覚悟を決めなくては、、。入ってしまえば、料金のことを忘れてしまうくらい、見事な庭園でもある。
日没後もまだチェンライにいた。これもせっかくだからと、温泉に入浴してからチェンマイに戻ることにする。チェンライ市内から程近いところにある温泉にゆったりと浸かって、汗を流す。やはり、温泉は良いなぁ、、、。受付の係員が、「毎日温泉に来る日本人がいるよ」と教えてくれた。チェンライあたりなら温泉も近いし、毎晩温泉に浸かりに来るのも容易だろう。私はチェンライなんかチェンマイに比べたらぜんぜん快適だとは思っていないが、温泉だけは羨ましい。
夜の山道をチェンマイに向って走っていたら、突然色つき蛍光灯が目に飛び込み、さらに大音響が響いてきた。簡易観覧車も回っている。お寺の境内を利用したお祭りらしい。夕食時間も過ぎ、空腹でもあったので、祭り見物でもしながら、屋台でも冷やかそうかとおもっだ、食べ物屋台はスルメ屋くらいしかなかった。大音響は仮設ステージのディスコ会場からで、黒山の人だかりである。そしてそれを見ていて面白かったのは、ディスコではあるが、ダンスホールのようなシステムで、専属の踊り子がいて、ミニスカートに厚底靴をはいている。入場料を払って、ステージに登って踊る。ダンサーと踊ることも可能なようだ。何曲か踊った後、ステージは静かになり、客はステージから降ろされる。そして、また入場料を払ってステージに立つと言うシステムらしい。いかにも娯楽の少ない田舎の若者のハートをくすぐるようなディスコであった。
チェンマイに帰りついたのは12時近くであった。