今朝は、5時くらいからお母さんと話し合いをする。今後の事に関して、お母さんも私も、希望としては同じラインにたっている。「できればチェンマイに残って、優泰をもう少しインターで学ばせてやりたい」と、、。しかし、その希望を実現できるかどうかの認識では大きく食い違っている。
優泰はこのところインターでの成績が向上し始めてきた。先生からの評価も良くなってきており、ようやく芽が出て来たかなぁと言った感じで、もう少しこのまま伸ばしてやりたいのは、私もお母さんも親心として当然感じるところである。芽が出て、まだ根も伸びないうちに移し変えるのじゃ可哀想である。もう少し、伸ばしてやりたいのだが、そんな希望が共通していても、財政逼迫、経済危機状態にある我が家では、現実問題として、もう貯金が底をつきはじめている。この財政管理は一手に私が担っており、毎月収入が無くても、生活費として一定額をお母さんに手渡し、家賃と光熱費を払い、授業料を納め、日本の銀行口座からは自動引き落としで、年金、固定資産税、住宅ローン、電気・ガス・水道・電話の基本料金が消えていく。支出は、収入の十倍である。これを建て直すには、早期の転地療養が必要なのだが、それが経済的・経営的観念のないお母さんにはわかっていない。「だったら、お父さんが一人で帰って、仕送りしてよ」とのご提案。このまだまだ日本経済が振るわないときに、四十面さげて就職活動をして、妻子を外国暮らしさせられるだけの収入がどうして得られようか、、。
「月に一万バーツでもイイから、お母さんもちょっと働きに出てくれないかなぁ、、韓国系の企業とかで、日本語の通訳がいなくて困っているって言うし、、」と私から逆提案したけれど、「私だって、もう少しここで英語とか勉強したいことがあるんだから、、それに、働きに出たら優泰の面倒が見れないじゃないの、、。」とあっけなく議題から引き降ろされてしまった。家族会議までに、事前工作をしておこうと思うが、なかなかうまく行かない。
うまく行かないのはK.K.トラベルも同じで、どうしてこうもここにいると私の負担が大きくなってしまうのだろうかとウンザリしてくる。分刻みのような忙しさの中で、スタッフたちはまったく別次元に遊んでいる。特にギフトさんのパソコンを使ったチャットでの弊害が大きい。K.K.はサーバーもルーターも持たずに、パソコンの接続はネット共有で処理しているのだが、親に当たる社内パソコンでチャットをしたり、ネットサーフィンを四六時中やっているので、パソコンがしばしばフリーズする。そしてギフトさんは、プチッと電源を切って強制終了させてしまう。私はネットが切れてしまうし、作業中の社内パソコンにあるデータファイルが読み取れずエラーを止まらない。フリーズさせ強制終了させた張本人は、立ち上がり、スキャンディスクがかかっている数分間、今度は友達と電話でおしゃべりである。カウンター前でお待ちになっているお客様には日程表も渡せないし、ファイルも作りなおしである。
そして、ウンザリするのは、私や経営者と一緒にラジオ番組を担当している韓国人のGである。K.K.を利用して航空券を買ってくれるのはイイが、勝手に経営者に相談して、航空運賃を値切ってしまう。経営者はイイ顔がしたいばっかりに、採算のことなど考えていない。当然赤字である。その赤字をどうしてこうなるのか理解に苦しむが、赤字の負担は営業担当の私の責任である。勝手に値引きして、赤字がでたらタローが負担じゃ、そりゃ経営者としては、イイ顔できて、自腹は痛まないのだから、結構なことだろう。そのGが、お客を紹介すると言って、やって来た。しかも、K.K.トラベルの近所にある年中無休のドリアン屋台でか買ったと思われるドリアンをしゃぶりながらやって来た。エアコンの効いたきれいな店内に臭いの凄いドリアンを持ちこむ神経に理解ができないが、「きょうは、お客を紹介すんだからね」と横柄である。私はワタノーでの授業時間も迫っており、さっさと処理してしまいたかったが、また料金のことでグツグツ言う。「他の旅行会社をキャンセルして、友達を連れてきたんだから、もっと安くしてよ」と言う。こちらも知り合いに「イイ顔」したいがためらしい。そして、どうも経営者が出てくるのを待っている気配がある。
「それなら、どうぞ他の旅行会社でお求めください。空席の確認はできていますから」と私は堪忍袋の緒を切らせて韓国語で答えた。この私の大変さをちっとも理解できないスタッフたちがジャレあって遊んでいるのも気に食わない。「それじゃ私の面子が立たないじゃない!」とGは言ったが、もう私はワタノーの授業時間になっているので、「それでは今経営者を呼びますので、彼女とお話ください」と言って、私はワタノーへ向った。K.K.が高いわけではない。完全な赤字料金で出しているのだ。チェンマイ発のソウル往復で、飛行機乗り換え時のホテルまでサービスで付けて12000バーツなど、どうして「高い」と言われるのか、、。こっちが、韓国語が少しわかるものだから、言いたい放題である。ワタノーには遅刻をした。
ワタノーでの午後の授業だが、私の教えるクラスはもう定員いっぱいである。それでも、生徒たちから聴講だけでもしたいと言う希望が多い。が、ルールとして聴講というものが認められていない。生徒たちだって、この時間他の授業が組まれているはずだから当然であろう。が、その生徒たちは実力行使に出て、なんと廊下に集まって、ドア越しに私の授業を聞いてくれている。私のような資格も無く、先生としての資質も備わっていない者の授業をこんなにしてまで受けたがっている生徒がいることに胸が痛くなった。