このところ、優泰のことでギクシャクしている。一時期優泰の生活態度に改善が見られたのだが、最近になってまた悪化し始めている。さらに私が注意しても返事も返してこないと言う状況になってきた。学校の宿題にしても、ダラダラとやって、書いている文字にも誠意がない。このような状況になると、優泰との関係だけでなく、家族全体での関係もうまく行かなくなる。優泰の態度を見ていると「やりたくないことはやらない」と言うのが、「やらなくてはいけないことはやる」を上回っている。学校の先生からも「憂慮すべきで、改善させるように」との手紙までもらってしまった。
私も小学生の頃の通信簿に書かれていたことは「落ち着きがない」だったので、これは遺伝ではないかと思われる。忘れ物の多いことも「私が子供の頃だってしょっちゅう忘れ物をしてたんだから」と言うお母さんからの遺伝とも思える。もっとも、お母さんの場合は、子供の頃に限られないようなのだが、、。遺伝だからと言って、「なら仕方がない」とあきらめてしまうわけにも行かない。こまめに注意をし、必要に応じて叱っているのだが、あまりにも注意をされ叱られ過ぎているので、生返事だけして言われる事を聞き流す習慣がついてしまったようだ。お母さんは「家庭教師の先生と優泰が馴れ合いになっているから、先生を変えようか」と言うが、私は賛成しかねる。今の優泰のような状態では、たいていの先生から断られてしまうだろう。私がK.K.トラベルに入り浸って、最近家庭を顧みなくなったことが最大の問題なのかもしれない。
朝一番に金曜朝市へ行く。前回買った山岳民のお米が美味しかったので、追加で5キロ仕入れることにする。それと、私は市場の中で売られているもののを見ていたら、中国四川省のメーカーが作った「麻婆豆腐」の元を見つけた。日本で売られているようなレトルト物ではなく、合成調味料のみが袋詰になった簡単なものである。ひと袋20バーツであったので試しに2袋買ってみる。パッケージの裏に漢字で調理法が書かれている。中国製だから漢字で書かれていて当然だが、やはり漢字は理解しやすい。そして、気がついたこと、本場四川省では豚挽き肉ではなく、牛挽き肉を使うらしい。用意すべきところに「牛肉粉」とあった。はじめは牛肉粉がなんだか良くわからなかった。そんな粉末でも中国では売られているのだろうかとも思ったが、調理法を読んでいたら、どうやら牛挽肉のことらしいと判明した。
昼にある長期滞在中(と言っても2ヶ月程度)の日本女性と空港内の入国管理事務所に行く。先日、私のいるK.K.トラベルへ遊びに見えて、雑談をしていたところ、たまたま入国スタンプの話になり、ビザを取ってタイへ入国しても、係官がビザを見落としてノービザ用のスタンプを押していしまうケースが多いから、パスポートの入国スタンプはよくよく確認しないとと言ったことを話したのである。そしたら、この方の場合もまるっきり同じケースで、ビザのチェックは忘れられて30日滞在のスタンプが押されている。そこで慌てて入国をしたチェンマイ空港の入国管理事務所に出向いたのである。しかし、係官は昼食中だったらしく、ベンチに1時間ほど待たされる羽目になってしまった。
国際線側到着ロビーで待っていると、ラオスからの飛行機が到着した。降り立ってくる乗客は大半がリュックサック姿の西洋人旅行者であった。また、作業着風ユニフォームを着た日本人も降り立ってきた。そろそろ待ちくたびれてきたので、もう一度「そろそろお願いできないか」と頭を下げに行くと、「おぉ、そうだった」と完全に忘れられていたらしい。パスポートを提示して事情を説明、係官はパスポートを手に、再び「少し待つように」と言って奥へ入っていった。更に待つこと15分ほどで、入国スタンプの日付は書きかえられて帰ってきた。これでOK。係官には「食後のコーヒーでも」と若干を握らせた。ここに長期滞在する私たちとしては入管の係官からの覚えを良くしておくことに越したことがないので、この程度の茶菓子代は当然と思っているし、相手から催促される前に渡しておくことが、印象を良くする秘訣と心得ている。が、もともとは入管側のスタンプの押し間違えから始まったことで、立場が違う気もするが、まさかこれに味をしめて今後意図的に押し間違えが頻発されることなどは不要な心配だろう。
本日も夕方近くになって、K.K.トラベルの経営者の親戚筋から「来月東京で開催される見本市を見に行くので、ビッグサイト近くの安くて良いホテルを紹介してほしい」と電話が入った。安くて良いところと言われても、なかなか見つかるものではない。それに2月は受験シーズンで、都内の安いホテルなどは満室になっているケースも多い。それから、日本語のわからないタイ人がビッグサイトに行くのだから、なるべく電車の乗換えとか無しで行けるようなホテルを探さなくては、、。
タイでもそうだが、日本でもホテル探しはやはり旅行会社のキャンペーン商品から探すのが一番のようだ。古巣のKツーリストのホームページにアクセスして探したら、お台場のグランド・パシフィック・メリディアンがなんとダブルの部屋で13000円で見つかった。シングルなら芝公園の東京グランドホテルが9000円である。私の知らないうちに東京のホテルは大分安くなったのだろうか?
むかし、十数年ほど前、会社帰りに先輩社員たちと飲みに行って、飲みすぎて終電がなくなり、何度か都内のホテルに泊まったことがある。勤務先が虎ノ門にあったので、日比谷のTホテルなどに午前2時頃ドヤドヤとチェックインして、8時頃にはチェックアウトして何気ない顔して仕事に向かったものだが、たった数時間の仮眠でも、一泊料金で3万円近く取られた気がする。私などはまだまだ駆け出しの下っ端だったので、先輩社員の寝ているベッドの下で、カーペットにバスタオルを敷いて横になっていた。それでも、3人で部屋代を割り勘にすれば、タクシー代よりも安かったし、当時新橋や銀座周辺ではタクシーに乗るにもタクシー乗り場で1時間以上も待つなどといった今からは考えられない状態だった。
結局、日本のKツーリストのホームページは日本語なので、これを英語に訳して、ホテルの説明をするのに時間がかかり、帰宅したのは、夜9時となった。実は今日は私の40才の誕生日であったが、お母さんも優泰も、完全に気が付いていなかった。そのことを覚えていてくれたのは、東京にいるオフクロ様とK.K.トラベルのスタッフたちだけであった。まぁ、名実ともに完全な中年の仲間入りしたわけで、ちっとも嬉しくないし、別に祝っていただきたくないのだが、、、。こんな生活をしながら40才になってしまってイイのだろうか?