社内のパソコン環境、あちらが立てば、こちらが立たずの状態で、なかなかビシッと決まらない。OSをXPからMeへ落としたことで社内パソコンの動きはだいぶ改善された。私のパソコンとのファイル共有やネットワークプリンターも今朝から使えるようになった。ここまでは歓迎すべき事柄なのだが、いままで使えていたインターネット接続の共有が使えなくなっている。どうやらホスト側の設定に不具合があるようで、設定上はネットの共有になっているのに、ちっともつながらない。よくよく調べてみると、ネット接続をるためのプログラムファイルが空になっている。OSの基本機能が抜け落ちていることが、タイで出まわっている海賊版OSではしばしば発生する。しばしば発生するのだから、エンジニアもそこら辺に気をつけて作業に当たって欲しいのだが、パソコンが動いただけで「完成」を宣言して帰ってしまうのには、つくづく困ってしまう。ギフトさんに「これじゃまだ使い物にならないじゃないか」と指摘したのだが、「彼もうランパーンに帰っちゃったから来れないよ」と言うことだった。どうやら彼女の友達をエンジニアと言うことでアルバイトをさせていただけだったようだ。
今日はK.K.トラベルの経営者の誕生日だそうだ。スタッフ一同から花束を贈る。私はお金を出していないし、他のスタッフもお金を徴収されている様子がないところを見ると社内経費で処理されているのかもしれない。つまり、別にスタッフが贈ったと言うより、会社から贈ったと言うほうが正しいかもしれない。スタッフは添え書きにサインを入れただけである。それでも、経営者は喜んでいる。
このタイでの誕生日の祝い方が、日本とはだいぶ違うことが、時間経つうちに判明してきた。昼食の際に「今日は私の誕生日だからレモンツリーからご馳走を取り寄せよう」と経営者が言う。まぁ、これも会社持ちだろうから「じゃ、イカの挽肉詰カレーソース煮を注文しといてよ」と私は勝手なことを言ったが、「OK、タローはチューチープラームッヤッサイね」とまるで注文聞きのように受けてくれる。他のスタッフも何品か好みの料理を言い合っているようだ。
そして、昼を少し廻った頃、大きな淡水魚の姿揚げなどを含めて幾品もの料理が運ばれてきた。これで誕生パーティーでもするのだろうと想像していたらまったく外れてしまった。スタッフたちは勝手に料理を自分の皿に盛って食べ始めるのである。まったくいつもの昼食風景と変わらない。違うのはいつもより料理が良いと言うことである。
次に、夕方近くになって、経営者はスタッフに封筒を配り出した。「これは私からのプレゼント、、お金ですよ」と言う。ほぅ、タイでは自分の誕生日にお金を配る習慣があるのか、、、実に良い習慣である。いままで、タイ人の誕生日パーティーに参加したらどれほどたかられるだろうかと心配して近寄らなかったが、なんとお金がもらえていたとは、、、。今まで行かないでいて失敗したなぁ、、、。が、ひょっとして、この封筒、ちょっと厚みがある。これは誕生日のお祝い返しなんかではなくて、ボーナスではないのだろうか?この厚みなら、1万バーツくらいになるだろうか、、。うーん、経営者もなかなか判って来たじゃないか。まぁ、他のスタッフたちも薄っぺらな封筒をもらっている。私ばかりタンマリもらっているのを見られるとヤバイので、すぐに引き出しにしまって、スタッフたちが帰った後のお楽しみとする。
経営者はさすがであった。封筒の中身はすべて20バーツ札で10枚。合計200バーツであった。やはり、これは夢にまで見たボーナスなどではなく、誕生日のご祝儀返しと解釈して、後に期待をつなぐことにする。
夜、大阪のOさんとちょっと話をするために近所のタイ式クラブ、テイクオフへ入った。しばらくウイスキーのソーダ割を飲んでいたら、レモンツリーで修行中のタク君が入ってきた。そして、昨日メーサイへ行って、滞在許可の更新をしてきたそうである。そして、その際ミャンマー側の国境市場で、海賊版ビデオCDを買い込んできたそうである。その時は安い安いと喜んでいたらしいのだが、チェンマイへ帰る時になって、検問で引っかかったらしい。彼は以前タオ島へドライブするときもスピード違反で捕まった事があるし、どうも警察との相性が良過ぎるらしい。そして、海賊版のビデオCDを持っていることが発覚。取調室まで連行されたそうである。罰金数万バーツか、懲役1年だぞと脅かされたそうで、、。同乗していたタイ人の友人はもう観念して、「罰金払えないから刑務所行くよ」と言い出してしまったそうである。しかし、まぁ、タイの事情のわからない日本人のことであり、警察官も人の子、地獄の沙汰も○次第と言うことで、結局4000バーツの目こぼし料で、開放されたそうである。持っていたビデオCDの半分を警察官は「記念に」と押収したそうである。
そのタク君、チェンマイに戻りつき、ずいぶんと高くついたビデオを見ようと、CDをセットして見始めたところ、ジャケットの艶かしい写真とはまるで縁も所縁もない脳天気なタイ・ポップスのライブビデオであったそうだ。まぁ、教訓として海賊版には手を出さないことと、スケベ心を持たないことと言うことであった。