目が覚めたときには、すっきり全快であってほしいと念じていたが、祈りは通じなかった。普段の無理が、こうして体調を崩したときに猛反撃に出てくるのか、精神力ではカバーできないレベルにまで達している。でも、補講は欠かすわけに行かない。ミニバイクにまたがり、アパートを出発、少しエンジン音がおかしいことに気がついた。スパークプラグでも外れかかっているのだろうか、、アパートから大通りに出てすぐの定食屋九十番を過ぎたあたりで、一旦停止して、エンジンを確認。スパークプラグにも緩みは無いし、別段問題はなさそうに見えた。しかし、再度始動しようとしたが、こんどはエンジンそのものがかからない。何度もレバーをキックしたがダメである。汗は噴出してくるし、眩暈がしてきた。諦めてアパートに引き返し、ビートルで行こうとした。ところが、ビートルもしばらく走らせておらず、バッテリーが完全に上がりきっていて、スターターを回してもプチっと言う電磁スイッチの音すらしない状態であった。しかたなく、充電器を取り出してバッテリーにしばし充電をおこなう。あたり目に祟り目とはこのことである。日頃の思いあがり報いであろうか、、。
補講には30分近く遅刻をしてしまったし、補講中も、授業に力が入りきらず、無言の時間ができてしまう。結局、今日は通常通りに進めるのは無理と判断して、1時間早めに授業を打ちきった。遅刻はするし、授業に身は入っていないし、早退までして、まったく最低であると、自己嫌悪になる。
午後からは、空港へ出迎えに出る。大手旅行会社各社の幹部OBがタイ政府観光庁とタイ航空の招きでチェンマイへメロングステイ関係の下見にいらっしゃる。私が以前在職した会社からも、元副社長と元海外部長がいらっしゃり、空港へお出迎えをする。午後からも体調は思わしくないが、緊張感と言うのは、精神的に張り詰めるだけあって、体調の悪さをカバーしてくれるところがある。
夜、帰宅したのは9時半過ぎであった。私は家族から、「お客さんの前ではニコニコしているくせに、家に帰ってくると、すごく不機嫌そうな顔になる」と毎度クレームがついている。今晩も、家の扉を開けた途端、きっとひどい顔をしていたことであろう。