今朝もギフトさんは出社して来ない。どうしたのかなぁ、まったく、、、。と少しイライラし始めた頃になって電話が入る「お腹を壊したから休みたい」と言う。まぁ、具合が悪いなら仕方がないが、それにしても戦力にならない。ホテルの手配やら飛行機の再確認の電話など下手なタイ語で冷や汗を垂らしながら悪戦苦闘する。
この忙しい最中にあって、経営者からは色々な案件が持ちこまれる。仕事に関することならば、まだイイとして、中には中国語の歌謡曲CDの歌詞カードに書かれている中国語の意味を尋ねて来たりする。「忙しいから、あとにしてよ」と言うと、「タローは冷たいねぇ」と返してくる。冷たかろうが、温かろうが、「私はあなたの会社をまっとうな旅行会社にするために努力してるんだよ」とつい口元まで出かかったが、言うのを止めた。どうせ仕事よりも遊びが優先の社会で、働きアリが何を言っても、キリギリスには判ってもらえないだろう。
K.K.トラベルヘ来てくださるお客さまの比率は日本人が増えてきたとは言え、まだまだ西洋人旅行者が大半を占める。過去にも何度か書いていると思うが、この西洋人旅行者には要注意である。今日も困りものの西洋人旅行者が2人やってきた。どちらも女性である。一人目は、トレッキングに行きたいのだという。「自分はヘビに興味があり、ヘビの写真を撮りにインタノン山に入りたいからガイドを手配してほしい」という。これはなかなか難しい注文である。タイでもヘビは好かれていない。しかもトレッキング・ガイドなら毒ヘビの怖さを知っているので、なおさらそのなツアーに出たくない。それを敢えて、ヘビ捜しというのだから、どこを当たっても断られてしまう。「30分ほど少し時間がほしい」とお願いして、電話を掛け捲る。彼女は、この時間にトイレに立ち、そしてすぐ、「じゃ明日行きたいから、探しといてね、ちょっとお金おろして来るから」と店を出られた。ようやく彼女の言い値でも引きうけてくれるガイドが見つかったのだが、2度と彼女は店に戻ってこなかった。もちろん、「行くの止めたわ」との電話も無かった。
二人目は、「ミャンマーまで飛行機代はいくら」と聞いて来た。「ヤンゴンとマンダレーに便が飛んでいますが、目的地はどちらですか」と聞くと、「じゃどっちも、とにかく安い切符、ところでトイレどこ」と言う。私は色々なタリフをひっくり返したりして料金を調べ上げ、彼女が出てくるのを待った。すっきりした顔になった彼女に、「マンダレー航空ならお安いですよ」と説明を始めようとしたら、「ちょっと両替してくるから」と店から出て、そのまま戻ってこなかった。
たぶん、2人とも女性だったし、このあたりではK.K.トラベルが一番きれいで、外国人旅行者でも入りやすい雰囲気なのだろうから、トイレが近くなったときに飛びこんで、取りあえずお客さまの振りをしてトイレを使っただけなのだろう。しかし、こちらは忙しい時間をさいて調べたり、ガイドさんを確保したり、あちこちに電話をしたりで、労力と費用がかかっている。トイレを使いたいなら「トイレを貸してほしい」と一言断ってくれれば、こっちも無駄が無いのに、、。それが言い出しにくいのだろうか、、、。今度から店の前に「きれいで、清潔なトイレ、1回10バーツ」とでも張り紙をしておけば、この手のことは少なくなるのだろうか。