1月7日 水曜日 天気は晴れ
ワタノー学校の文化祭である。ワタノー学校はまもなく創立100周年を迎える歴史ある学校である。100年前と言うのは、チェンマイの地位関係もタイの属国的であり、イギリスやフランスからの植民地的野望の対象ともなっていた時代であり。ランナー王朝が存在していた時代である。バンコクとの間に鉄道もなく、道もない当時に、シャム国王ラーマ5世と関係の深い助成によって創設された学校だそうで、近年まで女子校としてチェンマイの女子中等教育に大きな役割を果たしてきた。現在は共学校となっている。
7時半にはワタノー学校に入り、文化祭の準備に取りかかる。日本コーナーに割り当てられた教室は113号教室で、普段授業をやっている教室の隣である。そして、中国コーナーと共同である。隣の教室はフランス、さらにその隣はドイツで、それぞれ独立した教室が割り当てられている。まぁ、授業のコマ数がフランス語、ドイツ語と比べて日本語が絶対的に少ないので、この待遇の違いは我慢しなくてはならないだろう。が、中国とはコマ数では対等である。中国語の担当講師は、文化祭に来れないようで、生徒たちが交代でコーナーを担当しているようである。この点で、我が日本コーナーは優位に立っている。そして、さらに、英仏列強に追いつき、追い越すために、私には秘策があった。
フランス、ドイツはパネル展示が中心である。それに対して、日本コーナーは見学者の参加型とした。手助けをしてくれる日本語の授業を受けている生徒たちにチェンマイ大学日本語課から借りた浴衣を着せて、折り紙の折り方を見学者に実践指導する。日本の伝統遊具を並べて遊んでもらい、ケンダマの遊び方を案内する。領事館から借りた観光ポスターをパネルにして壁一面に配置。さらに私が教材用に確保していた日本の伝統行事写真パネルを展示する。特に浴衣は大好評であった。これは見学者に好評と言うより、手伝いをしてくれる女生徒に大好評で、4着用意したのだが、皆がとても着たがった。浴衣であり着物ではないのだが、それでも生徒たちは大喜びである。応援に来てくれたチェンマイ大学の日本語学科の女子大生に帯の結び方を教えてもらい、生徒自ら協力し合って浴衣の帯を締める。女生徒のなかなか浴衣姿の似合う生徒がいてハッとしてしまう。
折り紙もなかなか好評であった。ただし私を含めて予算もなく、折り紙に使う色紙は、広告チラシを裁断機で正方形にカットしたものである。また、ひらがなの五十音表を張り出し、水書道セットを用意して、見学にきた生徒たちに自由に書道(?)を楽しんでもらった。水書道セットは以前に国際交流基金から寄贈されたもので、ワタノーでの授業では使用する機会がなかったのであるが、この文化祭でようやく日の目を見た。水書道とは、墨の代わりに水を使って書くのだが、特殊な厚紙に書くと、水で塗れた部分がまるで墨で書いたように黒くなるのである。乾くとまた白くなってしまうので、現在のように乾季で空気が乾いていると、5分くらいでまた元に戻るので、次々にいろんな生徒に書道体験させることができた。
4時過ぎには文化祭も終わった。私はほとんど日本コーナーにいたので校内でどのようなイベントがあったのか、ほとんど見る機会がなかったが、ちょっと校内を歩いてみた限りでは、日本とほぼ同様で、飲食の屋台を出して呼び寄せをしたり、講堂では生徒たちのロック・バンドが騒いでいた。
夜、昨日チェンマイ入りされたご家族とコカでタイスキ鍋を囲む。ご主人は会議のメンバーによるパーティーに参加されると言うことで、ご一緒されなかったが、二人のお嬢さんはコカのタイスキ鍋に満足されたようだし、またコカにある児童遊具も楽しいようで、食事の前と後とで遊具で遊んでいた。同世代の優泰だが、意外とハニカミヤなのか、相手が女の子だからか、同じ場所で遊んでいながら、ちょっとぎこちなく感じられた。
朝食
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パンとポークシチュー。
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昼食
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タイの塩辛入りもち米と豚肉の串焼き。
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夕食
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コカにてタイスキ。
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