5月31日 金曜日 天気は晴れ
優泰はアイススケートに行く事になっているので、そのための服装を用意するのにてんてこ舞いをする。この南国のタイでも屋内スケートリンクがあるらしい。それも「灯台下暗し」私たちのアパートのすぐ近くのショッピングセンターの中に入っているそうだ。クラスの仲間たちはもう何度かスケートを体験しているらしい。日本出身の優泰は、タイでスケートデビューする事となった。なんか逆さまのような気もするが、、。バンコクでは雪遊びができる施設もあるらしい。タイらしいと言えばこれ以上タイらしい施設は無いかもしれない。タイ人の雪に対する思い入れはタダモノではないのだから。
優泰を送り出した後、チェンマイ大学院に進学されたP氏がバイクの調子が悪いと持ちこんでくる。ニュートラルでアイドリングしているとエンジン回転数がかなり高くなってしまうそうだ。そのせいで昨日は発進時に転倒してしまったそうだ。早速セルモーターでエンジンを始動してみる。あっという間に6000回転位まで上がってしまう。ローに入れてブレーキをかけていればエンジン回転数は低いままだとP氏が言う。当然だ、遠心クラッチのモーターバイクだから、車輪を固定していれば、エンジンはクラッチの摩擦で回転数が押さえられるのだが、そんな事をしていたら早晩クラッチがイカレてしまう。私はスロットルの戻りが不十分ではないかと考えたのだが、どうやらそうでもない。念のためにスロー調整ネジを調べてみると、ネジがバカになっている。ネジ山が磨耗していて、エンジンの振動で位置がズレテしまうようだ。単純にはネジの交換だろうが、キャブ側の山が磨耗している可能性もある。応急処置として調整ネジのバネの圧力を上げて、固定する力をつけてやる。
10時過ぎに病院へお母さんの様子を見に行く。今朝は便が出たそうだが、そのためとても痛いのだという。朝ご飯も食べられずにテーブルへ置きっぱなしになっている。食べないと体力も快復しないし、朝食の取った出前のクラプサンドウィッチを一口ずつ食べさせる。今日もトウモロコシが食べたいという。再び自転車に乗ってトウモロコシを買いに行く。他にメロンなども買う。イミグレーションへも回って優泰のパスポートをもらってこようとしたが、まだ滞在延長許可の手続きが完了していないという。机の上には優泰のパスポートが置かれたままになっていた。ページをめくって見てみると、滞在延長許可は、最終のタイ入国日から1年間となるらしく、期限は来年の3月までとなっていた。そして、来週の火曜日にもう一度来るように言われる。
午後もお母さんに付き添う。昼食には新たに買ってきたトウモロコシとクロワッサンを食べてもらう。同室のタイ女性は胆石の摘出手術だったそうだ。そして、今日退院していった。この方は日本語が上手なのだが、お母さんが聞いたところでは、日本の長野県在住だそうだ。長野でタイ料理レストランとバーを経営していて、手術を受けるためにチェンマイへ帰ってきていたそうだ。
3時にはいったんアパートへ戻る。そろそろ優泰が帰ってくる時間だ。
優泰はアイススケートがとても楽しかったと言う。そして「今日は宿題がなかったよ」と言う。今日の言い方には後ろめたそうな感じが無いから嘘ではないのだろう。まぁ久しぶりに良い天気だし、優泰をプールに行かせる。
優泰がプールで泳いでいる間に、夕食の仕度をする。お母さんはしっかりした食事を取りたいと言っていたので、市場へ言って鶏肉などを買いに行く。市場でうろうろしていたら、どこかで聞き覚えのある厳かなメロディーが響き渡る。国家斉唱だ。私は反射的に直立不動になる。しかし、まわりの人たちは、直立不動になっていない。普段通りの買物を続けている。国歌不敬罪じゃないのか、、。と、思ったが、良く聞くと、タイの国歌ではない。韓国の「愛国歌」ではないか、、。韓国でも国歌が流れたら直立不動にならなければならないから、韓国暮らしのある私は直立不動になったわけだ。しかし、良く音源を調べてば、あちこちのあるテレビがワールドカップの開会式を映しているに過ぎなかった。そして、続いて演奏された「君が代」では、私の身体は何の条件反射もなかった。自国の国歌に対して、これではいけないのではないだろうか、、。日教組管理下の教育を受けてきた身には、自国の国歌も国旗も遠いものだ。軍歌「麦と兵隊(徐州、徐州と人馬は進む・・)」にある一節で「・・離れて知った祖国愛、友よ来てみろ、、」と言ったのがあるが、まったくその通りだと思う。
今晩作って持っていくものは、鶏肉とタマネギの玉子とじ、キャベツときのこのスープ、キュウリのサラダとする。スープにはキャベツときのこのほかに蒲鉾もどきや、竹輪も入れる。スープは固形のシイタケ味のスープ。なんとなくおでん風の味となった。6時過ぎにはお母さんへの夕食を作り上げ、届けに行く。優泰の食事はお母さんへ届けてからだし、お腹も空くだろうと、オニギリを一つ作って食べさせてから自転車で病院へ向かう。折角お母さんに作った夕食だが、今晩もお母さんより優泰のほうが食欲旺盛で、お母さんの夕食をパクつく。
優泰はアパートに戻った後も、昨夜の残りの鶏肉のトマトソース煮こみを食べ、さらに即席麺まで平らげた。優泰は食べない時はほとんど食べないが、食べたいものはシャックリをしながらも食べつづける。優泰を寝かせたあとに、お母さんのところへ食器を下げに行く。
朝食
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そばを茹でて、カニカマ天ぷらを入れた天ぷらそばを食べる。 |
昼食
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今日もお母さんが食べ残したトウモロコシが冷蔵庫に溜まっているのでそれを食べる。 |
夕食
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鶏肉とタマネギの玉子とじ、キャベツときのこのスープ、キュウリのサラダをお母さんに作っていって食べさせる。優泰には鶏肉のトマトソース煮、即席麺。私はニラ饅頭。 |