6月29日 日曜日 天気は曇り ときどき雨
例のトラブルを担当してもらっている弁護士さんから、チェンマイでコンドミニアム・ビジネスを一緒にやらないかと誘われる。まぁ、現在のコンドミニアムの活況から見て、コンドミニアムは値上がりの可能性が高いが、しかし、我が家からドイステープ側を見回すとコンドミニアムやアパートなどの建築ラッシュである。この段階から資金調達して、建設をはじめても時すでに遅く、近い将来過剰供給になりそうな雰囲気である。しかも、公共交通機関の未発達なチェンマイにおいては、郊外の物件などは、資産としての価値も低くなってしまう。投資対象として優位性が保てるのは市内中心部に近い物件だけだと思う。弁護士さんが持ちかけたビジネスとは、これから新規にコンドミニアムを建設し、分譲とリースをしようというものであった。あんまり乗り気にはなれないが、弁護士さんがあまりに熱心なのでフムフムとあまり反論せずに話を伺う。が、彼は時々、コンドミニアムの話から突然郊外のグリーンバレーゴルフ場の分譲別荘地の話に飛躍してしまう。聞いているだけでも頭がこんがらがってきてしまう。
午前中に、優泰に国語のドリルをやらせる。補習校の成績表に先生が書かれていたコメントに「できることでも、初めから『やりたくない』と投げてしまう」とあった。この性格も休み中に治さなくてはならない。優泰の教育方針として時々お母さんと対立するのだが、お母さんはよく「やりたくないことを、無理にさせなくても良いじゃないか。嫌なら嫌とはっきり言えないようだと良くない」と言い、私は「子供のうちは好きだ嫌いだではなく、言われたことをやることが必要だ」と主張する。たぶん、この辺の指導方針の不一致から、優泰は「やりたくないことは、とぼけてやらずに済ませてしまう」用になったのではないかと思う。「嫌だ」と言えば私に怒鳴られるし、怒鳴った私にお母さんが噛み付いてくる。でも、やっぱり自分はやりたくないから、知らん振りしてやらないでいるのが習慣化してしまったと思われる。ちょうど、お母さんもいないので、この機会に、強権発動して、スパルタ式に厳しく性格の歪みを正してやろうと思う。しかし、国語ドリルに関しては、一年生用とはいえ、日本語の単語力が弱い優泰には「チンプンカンプン」なところが多いらしく、5分おきくらいに「これ、どう意味なのかわかんないんだけど」と聞いてくる。そのたびに説明をするのだが、その説明が良くないのか、説明もよく判らなくなってしまうことがしばしばで、「なんでこんなこともわかんないんだ」と怒鳴りたい気分を堪えなくてはならないので、こちらも忍耐力を求められる。
昼にスパゲティーを茹でる。ところが、優泰が国語ドリルでできなかったところを指導するのに熱が入りすぎ、本来8分間茹でれば良い物を、時間の経つのも忘れて15分以上も茹でてしまったようだ。茹で汁の表面にはデンプン質まで溶け出してしまったためか、糊状になっているし、スパゲティーもパスタというより「山田うどん」である。黄色味がなくなり、白くなってブヨブヨである。昨夜の残りのカレーソースをかけて食べるが、ほとんどカレーうどん状態であった。
午後からは郊外のサイクリングコースに出て優泰の自転車指導の2回目を実施する。昨日、子供用自転車の補助車輪を購入しておいた。これを貸し出し用の子供用自転車に取り付けて優泰に乗らせてみる。が、問題は補助車輪だけの問題ではなかったようで、優泰はペダルさえまともにこげない。ちっとも前へ進めないのである。後ろを押してやってようやく前へ進むが10メートルとこいでいられず、すぐ足を地面につけてしまう。体力がないのと、ペダルをこいで回すと言うことも多少の運動神経を必要とするらしく、私に似て運動音痴の優泰には、ペダルのこぎ方からの指導が必要なようだ。
先にも書いたが、スパルタ方式しかないと確信している私は、補助車輪をつけた幼児車をサイクリングコースに持ち込み、優泰に「さぁ走れ!」と叱咤する。ペダルのこぎ始めは斜め前方45度くらいから足に力を入れて踏み込み、惰性がつけて、反対の足を踏み込むのだと教える。すぐに足を地面に着けようとするのでそのたびに「足を下ろすな」と怒鳴る。平坦なところでならようやく20メートルくらいはゆっくりと走れるようになったが、ほんの少し緩やかな上りになると、もう全然ダメである。前に漕ぎ出すことすらできない。
怒鳴りつかれた頃になると、優泰はべそをかき始め「もう自転車に乗りたくない」と言い出した。しかし、そんなことは聞く耳を持たない私は、痛む喉に鞭打ってさらに叱咤し、優泰にペダルをこがさせる。下り坂になると、ほとんどこがなくても前へ自転車が進む。しかし、怖がりの優泰はもう、ビビってしまって、ハンドルはクラクラ、足はペダルから離れ、でも走る自転車から地面に足を着ける勇気がないのか、自転車だけはズルズル、ユラユラとなだらかな進んでいったが、50メートルも言ったところにある緩やかなカーブを曲がらすに、草地へ突っ込み転倒した。そして、少し擦り剥いたのか、肘のあたりにほんのわずかに血がにじんでいる。「血が出た」と言ってまた泣こうとするので、機先を制して「そんなの血が出たうちに入らないぞ」と怒鳴っておく。これに多少は観念したのか、ようやく本人も奮起し始め、ブツブツ言わずにペダルを踏み始めた。そして、それからは上達が早かった。自転車に乗る姿勢も、背中の歪みがなくなり、多少はバランスが取れてきた。下り坂では、補助車輪を地に接地させる事なく、前後の車輪だけで走っている。まだ、ハンドル操作ができないようなので、広い駐車場へ連れて行き、そこで周囲に突っ込む懸念なくペダルを踏ませる。少し雨がパラついてきたが、ひるむことなく練習を続けさせ、2時間後には補助車輪をはずしても何とか前へ進めるようになった。これには本人も嬉しかったらしいし、私もとても嬉しい。「これでもう新しい自転車を買ってくれるか」と言うが、これにはまだちょっと早い。まだカーブも曲がれないし、今乗っているのは幼稚園児用のサイズである。体格だけは小学校4年生並みの優泰が、こんな自転車に乗って、町を走ったら笑われて恥ずかしいだろうと思う。だから、次回あたりは小学生用の自転車でも借りてそれに乗れるようになったら新しい自転車を買ってやろうと思う。
朝食
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昨夜の残りのカレーライス。 |
昼食
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昨夜の残りのカレーソースを使ったスパゲティー。 |
夕食
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鶏肉とキャベツの味噌炒め、スパゲティーサラダ。 |
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