11月27 火曜日

夜中は冷房を止めているらしく、また窓から夜風が吹き込んでくる事もなく、寒さに凍える事はなかったが、それでも夜中に何度も目が覚めた。ピサヌローク、ナコンサワンそして駅ではなくても保線工事をしている個所でも停車するたびに目を覚ました。

5時に約20分ほど送れてドンムアン駅に到着した。まだオフクロさんを乗せる飛行機までは3時間以上ある。ひとまず空港ターミナルに入り、キャセイ航空のカウンターがオープンするのを待つ。

搭乗手続きを終えて、オフクロさんに何度も香港での乗り換えについて説明をしたが、乗り換えも心配だが、パスポートや航空券をどこかでなくしたりしないかと言った事がもっと心配だ。「大丈夫、大丈夫」なんて言っているが、航空券や搭乗券をカバンに仕舞っているそばから、どこに何を入れたかわからなくなっている。まぁ、心配しても仕方ないが、別に命までとられるわけでなし、7時には出国審査場へ送り出す。

次ぎに私は韓国大使館へ行って、お母さんの新しいパスポートを受領してこなくてはならない。韓国大使館はラチャダピセーク通りから奥に入ったところにあり、地図で確認した限りでは空港から直接行けるバス便は無いようだ。ひとまず29番バスでチャトゥチャク公園へ向かう。渋滞する道を満員バスに揺られること30分。チャトゥチャク公園外れで降りて、ラチャダビ゜セークを走ると思われるバスを探すが、なかなか見つからない。エーイ面倒だ。ラチャダピセーク通りまで歩いちまえ!と歩き出すが、セントラルプラザホテル前のロータリーを越えるのに一苦労する。横断歩道も歩道橋もなく、ましてや歩行者用の信号もないので、走ってくる車を避けながらロータリーを突っ切る。そして、歩く、歩く。排気ガスはチェンマイの比ではない。目が霞むほど歩き、たぶん2キロくらい歩いたか、ようやくラチャダピセク通りにたどりつく。冷房バスに乗ってジャスコ前で下車する。ここからもまた歩く。韓国大使館までは500メートルほど奥に入ることになる。このあたりはまだ空き地も目立つ。畑があるわけではなく、ただの荒地が広がっている。ラチャダピセク通りは近代的なビルが立ち並んでいるが、数年前までは韓国大使館前の通りと同じように、空き地の目立つ土地だった。大使館に到着するとすでに時刻は9時を回っていた。ずいぶんと歩いたものだ。両足にはマメができてしまって痛い。

今度こそは無事にパスポートを受領することができた。さぁ、急いでチェンマイへ帰ろう。再び荒地の続く道を歩いてラチャダピセーク通りに出る。エアコンバスで北部バスターミナルへ着くと時刻は10時を過ぎていた。チェンマイ行きのバスの切符売り場を探し、10時20分になっているのに10時発の切符を売っている窓口があった。どうやら満席になるのを待って出発するらしい。その窓口で切符を買うと、どうやらそれが最後の一席だったらしく、10時発は完売となり次ぎは1時の便となった。チェンマイまで403バーツと格安であった。これほど安いとオンボロだろうと覚悟していたが、車体は古かったが30人乗りの大型バスで座席間隔はゆったりしていた。ただ、トイレのすぐ前の席だったのでトイレの匂いが少し気なった。

バスは10時半に出発し、間もなく菓子パンの入った小箱と清涼飲料が配られた。今朝から何も食べていなかったので、この菓子パンはありがたかった。小箱の中には小さな菓子パンが3っつ入っていた。多少は腹の足しになったようで、食べ終わると眠くなり、うつらうつらしながらバスに揺られた。チェンマイまで直行ではなくハイウェイ沿いのバスターミナルにいくつか停車しながら北上し、新しく乗りこんでくる人はほとんどなかったが、途中で降りていく人は結構いた。ナコンサワンをすぎてカンペンペットへ向かう途中で食事休憩があり、私はグリーンカレーかけゴハンを食べた。これもバス賃に含まれているのだから激安バスだ。

チェンマイに到着したのは夜8時であった。ここまで乗り通した乗客は半分ほどで、チェンマイのバスターミナルはこれからバンコクへ向かう夜行バスの乗ろうとする人たちで溢れていた。乗合ピックアップトラックでビートルを止めておいた鉄道駅に向かう。鉄道駅も最終のバンコク行きの汽車に乗ろうとする人たちで切符売り場は混雑していた。ビートルは駐車場で盗難に遭う事も無くちゃんと待っていた。しかし、駐車場を出る際にトラブルが発生。なんと駐車料が80バーツだと言うのだ。「何かの間違えだろう、昨日の夕方からだぜ、、。」と言ったが、「1日40バーツで2日分だ」と言う。なんと破廉恥な金額だ。バンコクからのバス賃の5分の1に相当するじゃないか、、。もう、これからは有料駐車場なんか利用するのを止めよう。

アパートに戻り、腹が減ったのでアパート前の露店でタイ式のラーメンをすする。ここのそばは20バーツとちと高いが、澄んだスープはちょっと甘く、とても美味しかった。

 

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